遠藤利夫(えんどう・としお)さん(76)
日本人ムスリムが中心となって1952年に設立された日本ムスリム協会で、11代目の会長を務める。日本でイスラム教の理解に貢献したとして今年4月、協会が「アラブのノーベル賞」と呼ばれるサウジアラビアのキング・ファイサル国際賞「イスラム奉仕部門」に選ばれた。
同部門で日本の個人や団体が受賞するのは初めて。「和の精神を大切に、イスラム教が追求する平和を伝えてきた。受賞は先人たちの苦労と努力のたまもの」と喜ぶ。
北海道出身。拓殖大でアラビア語を専攻した。日本で暮らすトルコ人らからイスラム教について学ぶ中で改宗。70年から3年間、サウジのメディナで留学生活を送った。語学力と経験を買われて建設機械メーカー「コマツ」に就職し、現地でインフラ整備に長く携わった。