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大阪府園芸植物病害虫図鑑

ひとでわかるはな野菜やさい病害虫びょうがいちゅう

大阪おおさか園芸えんげい植物しょくぶつ病害虫びょうがいちゅう図鑑ずかん

大阪おおさか植物しょくぶつ防疫ぼうえき協会きょうかい

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表紙画像
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れん からま さき
◆◆ 大阪おおさか植物しょくぶつ防疫ぼうえき協会きょうかい ◆◆
〒583-0862 羽曳野はびきの尺度しゃくど442 大阪おおさか府立ふりつ環境かんきょう農林のうりん水産すいさん総合そうごう研究所けんきゅうじょない
大阪おおさか植物しょくぶつ防疫ぼうえき協会きょうかい    草刈くさかり眞一しんいち(クサカリ シンイチ)
TEL:072-958-6551  FAX:072-956-9691  E-Mail: kusakari@mbox.kannousuiken-osaka.or.jp
はな アイリスるい 
しろきぬびょう・アブラムシるい
▲白絹病
しろきぬびょう

▲チューリップヒゲナガアブラムシ
▲チューリップヒゲナガアブラムシ

▲ムギワラギクオマルアブラムシ
▲ムギワラギクオマルアブラムシ

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しろきぬびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ぎわさやいろあせ、しだいにあわ褐色かっしょくから褐色かっしょく変色へんしょくし、内部ないぶ腐敗ふはいすすむ。地上ちじょうはしだいにへんし、やがてかぶはしおれてれる。
ぎわには白色はくしょく綿毛わたげじょう菌糸きんし蔓延まんえんし、あわ褐色かっしょく粟粒あわつぶじょうきんかく多数たすう形成けいせいされる。
病原菌びょうげんきん高温こうおん多湿たしつ条件下じょうけんか繁殖はんしょくりょく旺盛おうせいで、盛夏せいか発生はっせいおおい。きんかく土壌どじょうちゅうのこり、翌年よくねん発生はっせいげんとなる。
<防除ぼうじょ>
こううね栽培さいばいをし、みずはけをよくする。
被害ひがいかぶ除去じょきょし、かぶまわりのきんかくはていねいにのぞく。ほじょうたたえみずすると発生はっせい減少げんしょうする。

アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
かぶもとながさ1~2ミリのうすい緑色みどりいろむし群生ぐんせいして吸汁する。
すうじゅうひきすうひゃくひき集団しゅうだんをつくるため、かぶはしだいに衰弱すいじゃくしてちいさくなる。
軒下のきした、ベランダのようなあめ直接ちょくせつあたらないところ発生はっせいしやすい。
チューリップヒゲナガアブラムシの発生はっせいおお
やや小形こがたのムギワラギクオマルアブラムシが発生はっせいすることもある。

▲立枯病
立枯たちがれびょう

▲青枯病
あお枯病

▲斑点病
斑点はんてんびょう

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立枯たちがれびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ぎわくき褐色かっしょく黒褐色こっかっしょく変色へんしょくし、腐敗ふはいする。被害ひがいかぶは、あまどころちょうし枯死こしする。
花壇かだんなどでは被害ひがい円形えんけいひろがり、つぼじょう被害ひがい発生はっせいする。発病はつびょうは5がつごろ気温きおん上昇じょうしょうする時期じきからおおみとめられる。
<防除ぼうじょ>
かぶ繁茂はんもすると、株間かぶま高温こうおん多湿たしつとなり発生はっせい増加ぞうかする。くき間引まびいて通風つうふうくする。
罹病りびょうかぶはやめに除去じょきょする。

あお枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
にちちゅうかぶきゅうあまどころちょうするようになり、やがてあお枯状になって枯死こしする。
盛夏せいか中心ちゅうしん高温こうおん多湿たしつ条件下じょうけんか多発たはつし、急速きゅうそく伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
病原菌びょうげんきん土壌どじょう伝染でんせんせい細菌さいきんで、土壌どじょうちゅう生息せいそくして伝染でんせんかえす。
発病はつびょう圃場ほじょうでは、かえ被害ひがい発生はっせいすることがある。
移植いしょくいためると発生はっせいしやすい。

斑点はんてんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
灰白色かいはくしょく白色はくしょく周辺しゅうへんあか紫色むらさきいろ褐色かっしょく円形えんけいびょうむらしょうじる。
やまいまだら多数たすうできるとして落葉らくようする。
多湿たしつ条件下じょうけんかではやまいまだらじょう灰色はいいろのビロードじょうのかびがしょうじる。
<防除ぼうじょ>
肥料ひりょうれの圃場ほじょう被害ひがいおおくなる。生育せいいくには肥料ひりょうれしないように管理かんりする。
斑点はんてんのたくさんできた被害ひがいかぶ除去じょきょする。

▲チャノホコリダニによる葉の奇形
▲チャノホコリダニによる奇形きけい

▲チャノホコリダニによる葉の奇形と芯止まり
▲チャノホコリダニによる奇形きけいしんまり

▲セスジスズメの幼虫
▲セスジスズメの幼虫ようちゅう

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ホコリダニるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
はじめはしんがねじれてちいさくなる。被害ひがいすすむとしん展開てんかいまり、いわゆるしんまりになる。
しんまりになるとはなつきも急激きゅうげきわるくなり、はなすくなくなる。
ダニは新芽しんめ先端せんたん寄生きせいしているが、非常ひじょうちいさくて肉眼にくがんではつけることはできない。
ベランダ、軒下のきしたなどあめ直接ちょくせつあたらないところ栽培さいばいすると発生はっせいおおくなる。
<防除ぼうじょ>
しんまりの発見はっけんはやければ、被害ひがいくきり、あめのあたるところ移動いどうすると発生はっせいおさえられる。

ベニスズメ・セスジスズメ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
黒褐色こっかっしょくおおきなむしはげしく食害しょくがいして丸坊主まるぼうずにするため、ふとくきのみになる。また、かぶもとにはおおきなくろむしくそ散乱さんらんする。
りょうたねともからだ表面ひょうめん黒褐色こっかっしょくでビロードのようなかんじで、尾端びたんかくのような突起とっきがある。この突起とっきはスズメガるい特徴とくちょうである。
セスジスズメはからだうえに7つい明瞭めいりょう黄色おうしょくじょうもん(目玉めだま模様もよう)があるのにたいし、ベニスズメは2ついもんのみである。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいおおきくても幼虫ようちゅうかずすくないので、幼虫ようちゅうつけてころせする。

▲斑点病
斑点はんてんびょう

▲さび病
▲さびびょう

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斑点はんてんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くき、つぼみのがくに発生はっせいする。はじめ下位かいあぶらひたじょうしょうまだらができ、やがてあわ黄色きいろまたはあわ褐色かっしょく円形えんけい楕円だえんがた斑点はんてんができる。
やまいまだらおおきくなると、くきはねじれ、やがて枯死こしする。
くきでは分岐ぶんきした発生はっせいしやすく、おかされた変色へんしょくして枯死こしする。
やまいまだらじょうにはくろこなじょうのカビがしょうじる。多発たはつするとしもからがり、商品しょうひん価値かち低下ていかする。
露地ろじ栽培さいばいでは9~10がつ発生はっせいおおい。
被害ひがいくきなか病原菌びょうげんきん越冬えっとうする。
風雨ふううにより病原菌びょうげんきん飛散ひさんし、伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
やまいまだらのできたくきり、処分しょぶんする。
ハウスないでは換気かんき湿度しつどげる。

さびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くき褐色かっしょくしょう斑点はんてんができ、やがて褐色かっしょくたてながおおきな斑点はんてんとなる。
病気びょうきすすむと、やまいまだらやぶれて、褐色かっしょくこなじょうやまいまだらとなる。
被害ひがいじょう越年えつねんし、翌年よくねん伝染でんせんげんとなる。
ナデシコるい、セキチクにも発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
やまいまだらのできたはやめにり、処分しょぶんする。

▲立枯病によるしおれ症状
立枯たちがれびょうによるしおれ症状しょうじょう

▲萎ちょう細菌病による葉枯れ症状
あまどころちょう細菌さいきんびょうによる症状しょうじょう

▲萎ちょう病による葉の黄化としおれ症状
あまどころちょうびょうによるとしおれ症状しょうじょう

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立枯たちがれびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ぎわくき地上ちじょう分岐ぶんきしたくきにオレンジ~ピンク色ぴんくいろこなじょうのカビができる。やがて、その部分ぶぶん腐敗ふはいし、おかされたくきはしおれる。
土壌どじょうちゅう病原菌びょうげんきんのこり、伝染でんせんする。

あまどころちょう細菌さいきんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
生気せいきうしない、葉色はいろうすくなり枯死こしする。
くきがとけるように腐敗ふはいし、くき表皮ひょうひをはぐと、しろ粘液ねんえきじょう細菌さいきんかたまりられる。
土壌どじょう刃物はものによる接触せっしょくにより伝染でんせんする。高温こうおん発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょうみとめたら、かぶごと除去じょきょする。

あまどころちょうびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くきがしおれ、やがて枯死こしする。くき片側かたがわだけのがしおれることがおおい。
被害ひがいかぶくきってみると、くきなか輪状りんじょうに褐変している。高温こうおん発生はっせいしやすい。
土壌どじょうちゅう病原菌びょうげんきんのこり、伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
立枯たちがれびょう防除ぼうじょおこなうと発生はっせいすくない。
抵抗ていこうせい品種ひんしゅ利用りよう効果こうかてきである。

▲ハダニ類による葉の被害
▲ハダニるいによる被害ひがい

▲アザミウマ類による花の被害
▲アザミウマるいによるはな被害ひがい

▲シロイチモジヨトウの幼虫と葉の被害
▲シロイチモジヨトウの幼虫ようちゅう被害ひがい

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ハダニるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うら体長たいちょう0.5ミリのちいさなあかいダニがたくさん寄生きせいし、吸汁するのでしろくなる。
多発たはつするとくきやつぼみの先端せんたんむらがらがり、クモのようにいとをはいておおうこともある。
なつ発生はっせいおおいが、ハウスないでは一年中いちねんじゅう発生はっせいする。

アザミウマるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
開花かいか直前ちょくぜんのつぼみが先端せんたんからしろくなる。開花かいかしても白斑はくはんはなびらにのこる。
つぼみのなかはなびらのあいだながさ1ミリのほそ黄色おうしょくむしがいる。
多発たはつするとはな奇形きけいになったり、開花かいかしないまま腐敗ふはいする。

シロイチモジヨトウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
あながあく。
ぎわあわ緑色みどりいろのイモムシがおり、成長せいちょうすると体長たいちょうは3センチにたっする。
<防除ぼうじょ>
つけしだい幼虫ようちゅうころせする。

▲ハンエンカタカイガラムシ
▲ハンエンカタカイガラムシ

▲アオキシロカイガラムシ
▲アオキシロカイガラムシ

▲ナガオコナカイガラムシ
▲ナガオコナカイガラムシ

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ハンエンカタカイガラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
アジアンタムなどのシダ植物しょくぶつうらながさ2~3ミリ、黄色おうしょく褐色かっしょくのドームじょうむしすうじゅうすうひゃくひき群生ぐんせいして吸汁する。
からだ表面ひょうめんかたくなっているのが成虫せいちゅうで、幼虫ようちゅうはやや偏平へんぺいやわらかい。
冬期とうき以外いがいつね大小だいしょういろいろな生育せいいく段階だんかいむしられる。

アオキシロカイガラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
ヤシるいやゴクラクチョウの直径ちょっけい1~2ミリ、白色はくしょく偏平へんぺいむし点々てんてん付着ふちゃくする。
むし固着こちゃくしたままで養分ようぶんうため、むし寄生きせいした部分ぶぶんする。

ナガオコナカイガラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
ドラセナ、クロトンなどおおくの観葉かんよう植物しょくぶつ新芽しんめうらながさ3~4ミリ、白色はくしょく、ワラジじょうむし群生ぐんせいして吸汁する。
排泄はいせつぶつにすすびょう発生はっせいし、むし周囲しゅういはいつもくろけがれる。
一般いっぱんにカイガラムシるい移動いどうすることはないが、コナカイガラムシるいにはあしがあり、自由じゆうあるきまわることができる。
<防除ぼうじょ>
からだうえにいつもから背負せおっているので防除ぼうじょむずかしいむしである。
発生はっせいづいたらピンセットやブラシでむしをこすりとすのがもっと効果こうかたかい。
むし植物しょくぶつ付着ふちゃくして移動いどうするので、観葉かんよう植物しょくぶつうときにはよく調しらべて、むし付着ふちゃくしていないものをえらぶ。

▲黒斑病による被害
くろむらびょうによる被害ひがい

▲黒斑病(拡大)
くろむらびょう(拡大かくだい)

▲褐斑病
▲褐斑びょう

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くろむらびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
露地ろじ栽培さいばいのキクでもっと発生はっせいおお病害びょうがいである。なつギクで被害ひがいすくなく、あきギク、かんギクでは被害ひがいおおい。
くら褐色かっしょく黒褐色こっかっしょくしょう斑点はんてんができ、しだいに拡大かくだいして直径ちょっけい3~15ミリの円形えんけいちょう円形えんけいまたは整形せいけい褐色かっしょく褐色かっしょくやまいまだらとなる。健全けんぜん部分ぶぶんとのさかい明瞭めいりょうである。
やまいまだら多数たすうできると落葉らくようする。多発たはつするとしもからがり、かぶ上部じょうぶのこすのみとなる。
やまいまだらじょうには黒点こくてん(から)がられる。
病原菌びょうげんきん生育せいいく適温てきおんは24~28℃ぐらい。病原菌びょうげんきんから越冬えっとうし、風雨ふううにより土壌どじょうから胞子ほうしがはねげられ感染かんせんする。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょうくき除去じょきょする。
しも風通かぜとおしをよくする

褐斑びょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
発生はっせい時期じきやまいしるしともくろむらびょう類似るいじしている。
くろむらびょう比較ひかくびょうむら境界きょうかいがやや不鮮明ふせんめいである。くろむらびょう同時どうじ発生はっせいすることもあり両者りょうしゃ区別くべつむずかしい。病原菌びょうげんきんくろむらびょう同属どうぞくきん顕微鏡けんびきょう観察かんさつしないと区別くべつできない。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょう除去じょきょする。
しも風通かぜとおしをよくする

▲白さび病(葉表)
しろさびびょう(ひょう)

▲白さび病(葉裏のイボ症病斑)
しろさびびょう(うらのイボしょうびょうむら)

▲黒さび病(葉裏)
くろさびびょう(うら)

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しろさびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
施設しせつ栽培さいばい発生はっせいおおい。施設しせつでは盛夏せいかにやや発生はっせい減少げんしょうするが、一年中いちねんじゅう発生はっせいする傾向けいこうがある。露地ろじ栽培さいばいでは初夏しょか秋期しゅうきおおい。
表面ひょうめん緑色みどりいろあわ黄色きいろやまいまだらができ、裏面りめん白色はくしょく隆起りゅうきしたイボじょうやまいまだら(ふゆ胞子ほうしそう)になる。やがて、やまいまだら肌色はだいろあわ褐色かっしょくになる。
やまいまだら多数たすうできるとがり、奇形きけいとなり、れることがある。
発病はつびょう適温てきおんは17℃前後ぜんこうで、湿しめ条件下じょうけんか多発たはつする。
<防除ぼうじょ>
親株おやかぶ防除ぼうじょ徹底てっていし、健全けんぜんかぶそだてる。
ハウスでは湿しめにならないようにする。
発病はつびょうはやめにのぞき、処分しょぶんする。

くろさびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
露地ろじ栽培さいばい発生はっせいおおい。5~6がつごろおよび気温きおん低下ていかする秋期しゅうき発生はっせいする。
緑色みどりいろあわ褐色かっしょくしょう斑点はんてんができ、やまいむら裏側うらがわがったちいさな褐色かっしょく黒褐色こっかっしょく斑点はんてんができる。裏側うらがわやまいまだら表皮ひょうひやぶ茶褐色ちゃかっしょくくら褐色かっしょくこなじょう胞子ほうしができる。多発たはつするとがねじれたり、奇形きけいになってがる。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいのぞき、湿しめにしない。

▲菌核病による茎枯れ
きんかくびょうによるくき

▲根頭がんしゅ病による根のコブ
あたまがんしゅびょうによるのコブ

▲えそ病(葉の病微)
▲えそびょう(やまいほろ)

▲えそ病(茎のえそ)
▲えそびょう(くきのえそ)

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きんかくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ぎわくきおかされ、しもからしてしおれ、かぶ枯死こしする。
れたくきるとしろいかびがみとめられ、所々ところどころにネズミのくそのようなきんかくられる。
病原菌びょうげんきんきんかく土壌どじょうちゅう越冬えっとうし、伝染でんせんげんとなる。発病はつびょうは20℃前後ぜんこう多湿たしつ条件じょうけんおおくなる。
<防除ぼうじょ>
被害ひがい茎葉けいよう除去じょきょする。
ハウス栽培さいばいでは換気かんきして、湿度しつどげる。

あたまがんしゅびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
なつギクで発生はっせいおおく、ぎわくきにコブがしょうじ、多発たはつするとかぶ生育せいいく不良ふりょうとなる。
病原菌びょうげんきん土壌どじょう伝染でんせんする細菌さいきんで、バラにも感染かんせんこんあたまがんしゅびょう発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
罹病りびょうかぶからの繁殖はんしょくける。

えそびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
し、もんじょうのえそ(褐色かっしょくになる)がしょうじる。えそはつぼみくきにもられる。
病原びょうげんたいはウイルスで、アザミウマるい伝染でんせんし、おも生育せいいく後期こうきからつぼみ発生はっせいする。
キク作物さくもつほか、ナス、トマトなどにも感染かんせんする。
<防除ぼうじょ>
罹病りびょうかぶからの繁殖はんしょくける。
アザミウマるい防除ぼうじょする。

▲キクヒメヒゲナガアブラムシ
▲キクヒメヒゲナガアブラムシ

▲ワタアプラムシ
▲ワタアプラムシ

▲葉裏のナミハダニ
うらのナミハダニ

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アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
くき先端せんたんちいさなむし密集みっしゅうしている。
吸汁のため生育せいいくおとろえ、くきびがわるくなる。また排泄はいせつぶつむしがら付着ふちゃくするのでけがれる。
赤褐色せきかっしょくのキクヒメヒゲナガアブラムシや黄色おうしょくまたは緑色みどりいろ黒色こくしょくのワタアブラムシなどが寄生きせいする。
ワタアブラムシははななかもぐって吸汁するため、はなびらのびやはなもちがわるくなる。

ハダニるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しろくなる。うらには体長たいちょう0.5ミリのちいさなしろっぽいダニがいる。
多発たはつするとクモのようにいといて、はなおおうこともある。
ハウスのなかなどあめのかからない高温こうおん乾燥かんそうになりやすい場所ばしょ発生はっせいおおい。ベランダや軒下のきしたはち栽培さいばいでしばしば多発たはつする。

▲キクモンサビダニによるモザイク症状
▲キクモンサビダニによるモザイク症状しょうじょう

▲ハガレセンチュウによる葉の黄化
▲ハガレセンチュウによる

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キクモンサビダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
いろもんじょううすけるので、一見いっけんモザイク病もざいくびょう肥料ひりょう養分ようぶん欠乏けつぼうのようにえる。
肉眼にくがんではえない非常ひじょうちいさなダニがなかしん寄生きせいして吸汁する。
被害ひがいけた部分ぶぶん成長せいちょうにともなってしだいにおおきくなり、モザイク症状しょうじょうとなる。
<防除ぼうじょ>
なえによるみに注意ちゅういし、さし健全けんぜんかぶからる。

ハガレセンチュウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
一部いちぶが褐変し、しだいにひろがっていくが、その周囲しゅういふと葉脈ようみゃく明確めいかく仕切しきられているのが特徴とくちょうである。
被害ひがいはじからはじまり、上位じょういへとすすみ、多発たはつするとかぶ全体ぜんたい枯死こしする。
体長たいちょう1ミリの細長ほそながいセンチュウが内部ないぶ寄生きせいする。
枯葉かれはない越冬えっとうし、はるになるとあたらしい寄生きせいする。
<防除ぼうじょ>
なえによる持込もちこみに注意ちゅういし、さし健全けんぜんかぶからる。

▲キクスイカミキリによる茎折れ
▲キクスイカミキリによるくき

▲キクスイカミキリの成虫
▲キクスイカミキリの成虫せいちゅう

▲ミナミキイロアザミウマによる葉の被害
▲ミナミキイロアザミウマによる被害ひがい

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キクスイカミキリ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
5月、新芽しんめ先端せんたんがしおれて枯死こしする。このくきるとくき途中とちゅうから簡単かんたんれる。
カミキリムシの成虫せいちゅう産卵さんらんくききずつけることによって被害ひがいしょうじる。
成虫せいちゅう体長たいちょう1センチ、黒色こくしょく細長ほそながく、背中せなかあか斑点はんてんがある。
幼虫ようちゅうくき内部ないぶ食害しょくがいしながらかぶもとまでき、かぶもとくきなか越冬えっとうする。
野生やせいのヨメナやノギクにも寄生きせいするため、やまちかいほじょう発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
じょう周辺しゅうへん雑草ざっそう除去じょきょする。
かぶもとくきない越冬えっとうするため、古株ふるかぶ処分しょぶんする。

ミナミキイロアザミウマ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しろいひきつれたようなきずられる。
黄色きいろながさ1ミリのちいさなむし新芽しんめ寄生きせいし、その食害しょくがいこん生長せいちょうにつれておおきくなってきずになる。
土中どちゅうさなぎになる。
<防除ぼうじょ>
じょう周辺しゅうへん雑草ざっそう除去じょきょする。
ビニールなどで土壌どじょう表面ひょうめんおおい、土中どちゅうさなぎになるのをふせぐ。

▲オオタバコガ
▲オオタバコガ

▲シロイチモジヨトウ
▲シロイチモジヨトウ

▲ミカンキイロアザミウマによる被害
▲ミカンキイロアザミウマによる被害ひがい

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オオタバコガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう新芽しんめらし、はなつぼみはな食入くいいする。
幼虫ようちゅう緑色みどりいろまたは褐色かっしょくで、成長せいちょうすると体長たいちょうは4センチになる。
<防除ぼうじょ>
はなつぼみ発生はっせいしている幼虫ようちゅう見回みまわってころせする。
防虫ぼうちゅうネットにより成虫せいちゅう飛来ひらいふせぐ。

シロイチモジヨトウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう新芽しんめらす。
たまごは100くらいのかたまりみつけられるので、たまごからかえった幼虫ようちゅう集団しゅうだんべる。
幼虫ようちゅう緑色みどりいろで、成長せいちょうすると体長たいちょうやく4センチになる。
<防除ぼうじょ>
幼虫ようちゅう集団しゅうだん発生はっせいしているりとって処分しょぶんする。
防虫ぼうちゅうネットにより成虫せいちゅう飛来ひらいふせぐ。

ミカンキイロアザミウマ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
では吸汁された部分ぶぶんが褐変する。
はなでは花弁はなびらいろが褐変したり、脱色だっしょくしたりする。
体長たいちょうは1~2ミリで細長ほそながく、からだしょく成虫せいちゅうでは褐色かっしょく幼虫ようちゅうでは黄白こうはくしょくである。
<防除ぼうじょ>
圃場ほじょうない周辺しゅうへん除草じょそうおこなう。
うねめんをマルチして土中どちゅうでのさなぎふせぐ。

▲ホコリダニ類による花の変色
▲ホコリダニるいによるはな変色へんしょく

▲ホコリダニ類による葉の被害
▲ホコリダニるいによる被害ひがい

▲シロオビノメイガによる葉の食害<BR />(<ruby><rb>左下</rb><rt>ひだりした</rt></ruby>:シロオビノメイガの<ruby><rb>幼虫</rb><rt>ようちゅう</rt></ruby>)
▲シロオビノメイガによる食害しょくがい
(左下ひだりした:シロオビノメイガの幼虫ようちゅう)

22
ホコリダニるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
黄色おうしょくになるべきはな褐色かっしょくのさえないはなになる。これは、ダニがはなびらのあいだにいるためである。公園こうえんみちばたの花壇かだんはなでも多発たはつすることがある。
赤色あかいろはなでも発生はっせいし、いろづきはじめたはな褐色かっしょくになり、被害ひがいはげしいときには十分じゅうぶん開花かいかせずに枯死こしする。
新芽しんめ寄生きせいすると、しんちぢれてほそになる。
ダニはながさ0.2ミリで、顕微鏡けんびきょう使つかわないとえない。被害ひがいはなくきでは、その先端せんたんすうじゅうひきのダニが寄生きせいしている。
<防除ぼうじょ>
軒下のきしたなどあめのかかりにくい場所ばしょ栽培さいばいすると発生はっせいおおくなるので、あめたるところうつす。

シロオビノメイガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
裏側うらがわながさ1~2センチのアオムシが寄生きせいして裏側うらがわのみをあさ食害しょくがいする。そのため、うえからると一部いちぶまどのようにけてえる。
多発たはつすると食害しょくがいけた部分ぶぶんちて、あながあく。
成虫せいちゅうは1えん硬貨こうかぐらいのおおきさの茶色ちゃいろで、翅にしろおびがあり、うごかすとす。
<防除ぼうじょ>
被害ひがい注意ちゅういし、うら幼虫ようちゅうころせする。

▲うどんこ病
▲うどんこびょう

▲ユキヤナギアブラムシ
▲ユキヤナギアブラムシ

▲カンザワハダニ
▲カンザワハダニ

▲カンザワハダニによる<BR /> <ruby><rb>葉</rb><rt>は</rt></ruby>の<ruby><rb>変色</rb><rt>へんしょく</rt></ruby>
▲カンザワハダニによる
 変色へんしょく

23
うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くき小麦粉こむぎこりかけたようにしろくなる。
多発たはつするとよご鑑賞かんしょう価値かち低下ていかするとともに、しもからし、やがてれる。
高温こうおん乾燥かんそう条件じょうけん発生はっせいおおくなる。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいかぶ除去じょきょするとともに、肥料ひりょうれに注意ちゅういする。

ユキヤナギアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
くき先端せんたん新芽しんめ部分ぶぶん体長たいちょう1ミリの緑色みどりいろむしすうじゅうすうひゃくひき集団しゅうだんをつくる。
むし寄生きせいした新芽しんめあかくなるとともに、団子だんごじょうになってねじれる。

カンザワハダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
ながさ0.5ミリのちいさな赤色あかいろのダニが寄生きせいして吸汁するため、しだいにいろけてしろくなる。
しもでの発生はっせいおおく、吸汁されたは褐変してれる。このため、した半分はんぶんれてうえほうだけ緑色みどりいろのこっているかぶがよくられる。

▲ワタアブラムシ
▲ワタアブラムシ

▲カンザワハダニによる<BR /> <ruby><rb>葉</rb><rt>は</rt></ruby>の<ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>
▲カンザワハダニによる
 被害ひがい

▲ホコリダニ類による<BR /> <ruby><rb>花</rb><rt>はな</rt></ruby>びらの<ruby><rb>変色</rb><rt>へんしょく</rt></ruby>
▲ホコリダニるいによる
 はなびらの変色へんしょく

24
ワタアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
はなびら、がく(はなびらのようにえる)、花穂かすい体長たいちょう1ミリのちいさなむし集団しゅうだんつくって寄生きせいし、吸汁する。
はなむし排泄はいせつぶつむしがらによってけがれる。

カンザワハダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
一部いちぶてんじょうあるいはカスリじょうしろいろけ、裏側うらがわ赤色あかいろの0.5ミリのちいさなダニが寄生きせいする。

ホコリダニるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
初期しょき被害ひがいはがくのいろがカスリじょうしろける。被害ひがいすすむとがくの肥大ひだいまり、はなびらの突出とっしゅつもなくなり、最後さいごには花穂かすいもねじれて、びがまる。
むし名前なまえのとおりホコリのようなちいさなダニで、肉眼にくがんではつけることはできない。
軒下のきした、ベランダのようなあめ直接ちょくせつあたらないところ栽培さいばいすると多発たはつしやすい。
<防除ぼうじょ>
はちあめのあたるところうつす。

▲炭そ病(右上:炭そ病の典型的な症斑)
たんびょう(みぎじょう:たんびょう典型てんけいてきしょうむら)

▲灰色かび病
灰色はいいろかびびょう

25
たんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
褐色かっしょく円形えんけいびょうむらができ、おおきくなると直径ちょっけいやく5ミリのもんのあるやまいまだらとなる。くきには周辺しゅうへんむらさき褐色かっしょくのややくぼんだやまいまだらができる。
塊茎かいけい表面ひょうめんにもくら褐色かっしょく円形えんけい楕円だえんがたやまいまだらができ、塊茎かいけいやわらかくなって腐敗ふはいする。
多発たはつするとかぶ生育せいいくわるくなり、をゆがめたり、枯死こしすることもある。
はるふゆ湿度しつどたか時期じき発生はっせいしやすい。
<防除ぼうじょ>
室内しつない風通かぜとおしをよくし、湿度しつどげる。

灰色はいいろかびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
はなびらではあわ褐色かっしょくしょう斑点はんてんができ、やがて全体ぜんたいみずひたじょうになって腐敗ふはいする。多湿たしつ条件下じょうけんかでは腐敗ふはいしたはな灰色はいいろのカビがしょうじる。
はながら葉柄ようへいでは暗紫色あんししょくみずひたじょうやまいまだらができ、やまいむら部分ぶぶんはくびれたり、腐敗ふはいしてくぼむ。してがりはながらたおれる。
多発たはつすると葉柄ようへいはゆがみ、ひどい場合ばあいかぶもとおかされ、かぶ全体ぜんたい枯死こしする。
20℃前後ぜんこう多湿たしつ条件じょうけん発生はっせいしやすい。
<防除ぼうじょ>
しも除去じょきょし、風通かぜとおしをくする。
ハウスでは換気かんきおこな湿度しつどげる。

▲ラージパッチ
▲ラージパッチ

▲葉枯病
枯病

▲ダラースポット
▲ダラースポット

26
ラージパッチ(くさやまい)
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
日本にっぽんしばに4がつ中旬ちゅうじゅん~5がつ初旬しょじゅんにかけて発生はっせいする。なつ発生はっせいがほとんどおさまり、あきになるとふたた増加ぞうかする。
褐色かっしょく斑点はんてんしば所々ところどころにでき、おおきくなると直径ちょっけい4~5メートルだいにもなる。
病気びょうきしばむことによって発生はっせいすることがおおい。芝刈しばかり、サッチによってもひろがっていく。

枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
4がつ中旬ちゅうじゅんごろから発生はっせいし、6~7がつ下旬げじゅん多発たはつする。しばあわ褐色かっしょくから褐色かっしょく定形ていけい被害ひがいあらわれる。健全けんぜんとのさかいがはっきりしない。

ダラースポット
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ようしば(ベントグラス)に直径ちょっけい5センチだい円形えんけいの褐変した被害ひがいができる。
4がつ下旬げじゅんごろから発生はっせいし、盛夏せいかはややすくなくなるが、9がつ以降いこう多発たはつする。

▲スジキリヨトウによる被害
▲スジキリヨトウによる被害ひがい

▲スジキリヨトウの幼虫
▲スジキリヨトウの幼虫ようちゅう

▲スジキリヨトウの成虫
▲スジキリヨトウの成虫せいちゅう

▲シバツトガの成虫
▲シバツトガの成虫せいちゅう

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スジキリヨトウ(シバヨトウ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
草丈くさたけながところ樹木じゅもく根元ねもと付近ふきん発生はっせいおおい。
しば一部いちぶがスポットじょう褐色かっしょくになってれる。病気びょうきとまぎらわしいが、よくるとあらされているので区別くべつできる。
幼虫ようちゅうとし3かい発生はっせいし、7~8がつ発生はっせいおおい。しばくさ付近ふきんにおり、地上ちじょうにはてこない。
<防除ぼうじょ>
しばつくときには幼虫ようちゅう寄生きせいしていないしばえらび、むしみに注意ちゅういする。
6~9がつ幼虫ようちゅう密度みつどげるためにしばむ。

シバツトガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうしば新芽しんめやわらかい部分ぶぶんぎわ茎葉けいようべるので、しばれる。
幼虫ようちゅうとし3~4かい発生はっせいし、8~9がつ発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
しばつくときには幼虫ようちゅう寄生きせいしていないしばえらび、むしみに注意ちゅういする。

▲シバオサゾウムシの成虫
▲シバオサゾウムシの成虫せいちゅう

▲マメコガネの成虫
▲マメコガネの成虫せいちゅう

▲ドウガネブイブイの成虫
▲ドウガネブイブイの成虫せいちゅう

▲コガネムシ類の幼虫
▲コガネムシるい幼虫ようちゅう

28
シバオサゾウムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
シバが褐変してれ、ると簡単かんたんける。にかじられたあとがあり、みじかく、すくなくなっている。
周辺しゅうへんかえすと幼虫ようちゅうつかる。体長たいちょう1センチ、からだしろく、あたまあかい。あしはなく、からだはくのがたにややがっている。
成虫せいちゅう体長たいちょう8ミリ、からだかたく、黒褐色こっかっしょくまたは灰色はいいろである。あたまがちょうどぞうはなのようにながびているのでゾウムシというがついている。

コガネムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
シバが褐変してれ、あらされる。8~9がつ被害ひがいおおきい。
かえすと幼虫ようちゅうつかる。体長たいちょう1~4センチ、からだしろく、あたま黄色きいろで、からだはUがたがる。シバオサゾウムシにるが、あしが3たいあるので見分みわけることができる。
成虫せいちゅうはブイブイともばれ、カブトムシの仲間なかまである。
シバを加害かがいするコガネムシるいは10種類しゅるい以上いじょうられており、マメコガネ、ヒメコガネ、ドウガネブイブイの被害ひがいおおきい。

▲茎腐病
くきくさやまい

▲ヨトウムシ(ヨトウガ)の幼虫
▲ヨトウムシ(ヨトウガ)の幼虫ようちゅう

29
くきくさやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
気温きおんたかくなる7がつごろから発生はっせいられる。
はじめくきぎわ褐色かっしょくすいひたじょうになり、そこからくびれて腰折こしお状態じょうたいとなる。
発病はつびょう部分ぶぶんはやがて褐色かっしょくから黒褐色こっかっしょくになり、軟腐状態じょうたいとなってかぶ全体ぜんたいがしおれて枯死こしする。
かぶによってはおかされて褐変し、ほそすくなくなる。
<防除ぼうじょ>
病原菌びょうげんきん発病はつびょうしたかぶないたまご胞子ほうし形成けいせいして土壌どじょう伝染でんせんする。栽培さいばいにはあたらしいもちいる。
みずのやりすぎなど湿しめ状態じょうたいにすると発生はっせいしやすいので、みずはけのよいもちいる。

ヨトウムシ(ヨトウガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
5~6がつ大小だいしょうあながあき、ときにはがまったくくなるほど食害しょくがいされることがある。
食害しょくがいされた裏側うらがわるとながさ1~4センチの緑色みどりいろまたは褐色かっしょく黒色こくしょく幼虫ようちゅうつかる。通常つうじょう昼間ひるまうらでじっとしており、夜間やかん活動かつどうしてらす。
被害ひがいおおきいにもかかわらずむしつからないことがあるが、これはむしがすでにおおきくなり、昼間ひるまなかひそんでいるためである。
<防除ぼうじょ>
食害しょくがいづいたら、被害ひがいとその周囲しゅうい調しらべてむしころせする。
むしつからないときは、よる8ごろ見回みまわり、うえむしころせする。

▲疫病
疫病えきびょう

▲コナカイガラムシ類
▲コナカイガラムシるい

▲シクラメンホコリダニによる芯止まり
▲シクラメンホコリダニによるしんまり

30
疫病えきびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くきぎわ葉柄ようへい基部きぶえんみずひたじょうとなり、くら緑色みどりいろ褐色かっしょくとなって腐敗ふはいする。
かぶもとおかされた場合ばあいには急速きゅうそくにしおれ、やがて枯死こしする。
<防除ぼうじょ>
鉢植はちうえではみずはけのよいもちいる。

コナカイガラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
葉柄ようへいしろ綿めんじょうちいさなむし付着ふちゃくする。
風通かぜとおしや日当ひあたりのわるところ発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
ピンセットやブラシなどでむしをこすりとす。

シクラメンホコリダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しんおおきくならず、にくあつ奇形きけいになる。そのため、かぶ中央ちゅうおう団子だんごじょうかたまる。
ダニが寄生きせいするため被害ひがいがでるが、このダニは0.3ミリと非常ひじょうちいさいので肉眼にくがんではえない。
8~9がつ高温こうおん発生はっせいおおい。ハウスないでは一年中いちねんじゅう発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいかぶとその周囲しゅういかぶ除去じょきょし、ダニがかぶ移動いどうするのをふせぐ。

▲モザイク病による花の斑入り
モザイク病もざいくびょうによるはな斑入ふい

▲チューリップヒゲナガアブラムシ
▲チューリップヒゲナガアブラムシ

▲チューリップサビダニによる花の被害
▲チューリップサビダニによるはな被害ひがい

31
モザイク病もざいくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
はなびらに白色はくしょく黄色おうしょくなどはな本来ほんらいいろことなったいろじりみ、いろがうすくなった部分ぶぶんしょうじ、いわゆる「斑入ふいり」になる。
花茎かけいでもあわ緑色みどりいろじった斑入ふい症状しょうじょうとなる。
<防除ぼうじょ>
ウイルスはアブラムシるい媒介ばいかいするため、アブラムシるい防除ぼうじょする。
家庭かてい花壇かだんでは被害ひがいかぶ発見はっけんしだいる。

チューリップヒゲナガアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うらまたははなびらにながさ1~2ミリ、あわ緑色みどりいろむし集団しゅうだん寄生きせいして吸汁する。
多発たはつするとがりがはやくなる。

チューリップサビダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
開花かいかになってもはなびらに緑色みどりいろ部分ぶぶんのこり、はなびらが奇形きけいになる。
むしはなびらじょうにいるが、非常ひじょうちいさいので顕微鏡けんびきょう使つかわなければえない。
施設しせつ栽培さいばい発生はっせいすることがおおい。

▲萎ちょう病
あまどころちょうびょう

▲白星病
白星しろぼしびょう

▲さび病
▲さびびょう

32
あまどころちょうびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
維管たばおかされかぶ全体ぜんたいしおれ、しもからがる。
罹病りびょうかぶくきると、維管たばが褐変している。
<防除ぼうじょ>
連作れんさくける。
病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅう長期間ちょうきかん生存せいぞんするので、太陽熱たいようねつ利用りようにより土壌どじょう消毒しょうどくする。
抵抗ていこうせい品種ひんしゅ利用りよう効果こうかてきである。

白星しろぼしびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
おも発生はっせい中央ちゅうおう灰白色かいはくしょく周縁しゅうえん褐色かっしょく濃紫こむらさきしょくるい円形えんけい斑点はんてんあらわれる。
発生はっせいいちじるしくなると、はよじれる。
やまいむらじょうから伝染でんせんげんとなり、雨滴うてきなどにより胞子ほうし飛沫しぶきして蔓延まんえんする。
<防除ぼうじょ>
罹病りびょうり、頭上ずじょうから潅水かんすいける。

さびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
おも発生はっせいし、くきにもみとめられている。
はじめあわ褐色かっしょくしょう斑点はんてんしょうじ、やがてちょう楕円だえんがたでややがり、表皮ひょうひやぶ褐色かっしょくこなじょう胞子ほうしかたまりなつ胞子ほうし)があらわれる。あき以降いこうには褐色かっしょく胞子ほうしかたまり(ふゆ胞子ほうし)となる。
罹病りびょう植物しょくぶつざん渣上で胞子ほうし生存せいぞん伝染でんせんげんとなり胞子ほうし水滴すいてき風雨ふうう飛沫しぶきして蔓延まんえんする。
カーネーション、セキチク、ヒゲナデシコとうにも発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょう丁寧ていねいのぞき、発病はつびょう初期しょき防除ぼうじょつとめる。
たいびょうせい品種ひんしゅ導入どうにゅうはかる。

▲立枯病
立枯たちがれびょう

▲根腐病
くさやまい

▲斑点病
斑点はんてんびょう

33
立枯たちがれびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
かぶしもし、かぶ全体ぜんたい元気げんきなくしおれたようになる。このようなかぶくと、容易よういけ、飴色あめいろ変色へんしょくしている。
病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅう生息せいそくしている糸状いとじょうきんで、15~28℃の多湿たしつ条件下じょうけんか多発たはつする。
潅水かんすい過多かた底面ていめん給水きゅうすいなえいたみ、こえあたりから発生はっせいすることがおおい。
<防除ぼうじょ>
播種はしゅゆか育苗いくびょう用土ようどにはあたらしい使つかう。
てき湿しめとならないよう適度てきどみずはけのあるもちいる

くさやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
地上ちじょう生育せいいくわるくなり、しもからする。発病はつびょうかぶくと、くろへんしている。
病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅうあつまく胞子ほうし形成けいせいして土壌どじょう伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
播種はしゅゆか育苗いくびょう用土ようどにはあたらしい使つかう。
過度かど潅水かんすいをさける

斑点はんてんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
あお白色はくしょく周辺しゅうへん紫色むらさきいろの、明瞭めいりょう円形えんけいびょうむら多数たすうできる。
多発たはつするとする。
やまいまだらじょうには、くろしょうてん(から)ができ、胞子ほうし形成けいせいされ、雨風あめかぜ潅水かんすいひろがる。
<防除ぼうじょ>
やまいまだらのできたのぞく。また、花壇かだん移植いしょくするさいには発病はつびょうかぶのぞく。
密植みっしょくしない。

▲灰色かび病
灰色はいいろかびびょう

▲ツマグロヒョウモンの幼虫
▲ツマグロヒョウモンの幼虫ようちゅう

34
灰色はいいろかびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
えんあわ褐色かっしょく斑点はんてんができ、しだいにひろがり大型おおがたびょうむらとなる。湿度しつどたかいとやめむら部分ぶぶんには灰色はいいろのカビが密生みっせいする。
はなでもおなじような斑点はんてんができ、しだいにひろがって枯死こしする。
20℃前後ぜんこう湿度しつどたかいところで発生はっせいしやすく、ビニールハウスや室内しつないでの発生はっせいおおい。
灰色はいいろかびびょうおおくのはな野菜やさい発生はっせいし、やまいまだらじょう胞子ほうし形成けいせいして伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
室内しつない換気かんきおこない、湿度しつどげる。
発病はつびょうおわったはなびらはのぞく。

ツマグロヒョウモン
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
にレンガしょく毛虫けむし寄生きせいして丸坊主まるぼうずにする。
はるからあきまでむしられる。
成虫せいちゅう黄色おうしょくのやや大型おおがたちょうで、スミレの周囲しゅういをよくまわっている。
<防除ぼうじょ>
非常ひじょうおそろしい毛虫けむしえるが、人畜じんちくには無害むがいである。幼虫ようちゅうころせする。

▲モモアカアプラムシ
▲モモアカアプラムシ

▲ヨトウムシによる花びらの被害
▲ヨトウムシによるはなびらの被害ひがい

▲ヨトウムシによる葉の被害<BR /> (<ruby><rb>右</rb><rt>みぎ</rt></ruby><ruby><rb>下</rb><rt>か</rt></ruby>:ヨトウムシ)
▲ヨトウムシによる被害ひがい
 (みぎ:ヨトウムシ)

35
アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うら新芽しんめはな緑色みどりいろ緑色みどりいろちいさなむしむらがって吸汁する。
多発たはつするとはげしい吸汁のためがしおれ、かぶ全体ぜんたいがしだいに衰弱すいじゃくする。
ベランダや室内しつないなどあめのかからないところ発生はっせいおおい。

ヨトウムシ(ヨトウガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
えんおおきく食害しょくがいされるばかりでなく、ときにははなびらも食害しょくがいされる。
黒色こくしょくおおきなくそうえにするため、このくそ有無うむむしがいるかいないかがわかる。
幼虫ようちゅうからだしょく緑色みどりいろ褐色かっしょく黒色こくしょくで、成長せいちょうにつれてくろくなり、おおきくなると体長たいちょうは4センチにもたっする。
幼虫ようちゅう昼間ひるまかぶもとうらかくれており、もっぱら夜間やかん活動かつどうするため、夜盗虫よとうむし(ヨトウムシ)とばれる。
幼虫ようちゅうれるとからだまるめる習性しゅうせいがある。
5~6がつと10~11がつの2かい発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
夜間やかん見回みまわり、幼虫ようちゅうころせする。

▲斑点病
斑点はんてんびょう

▲オオタバコガ
▲オオタバコガ

▲ハスモンヨトウ
▲ハスモンヨトウ

36
斑点はんてんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
発生はっせいし、はじめ褐色かっしょくしょう斑点はんてんしょうじ、やがて整形せいけい周縁しゅうえん不鮮明ふせんめい褐色かっしょくびょうむらとなる。
やまいまだらうらにはオリおりブ色ぶいろのカビ(胞子ほうしかたまり)がしょうじる。
<防除ぼうじょ>
罹病りびょう胞子ほうしあめ潅水かんすい飛沫しぶきして伝染でんせんするので、発病はつびょうした早期そうき丁寧ていねいのぞく。

オオタバコガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう新芽しんめらし、はなつぼみはな食入くいいする。
幼虫ようちゅう緑色みどりいろまたは褐色かっしょくで、成長せいちょうすると体長たいちょうは4センチになる。
<防除ぼうじょ>
はなつぼみ発生はっせいしている幼虫ようちゅうころせする。
防虫ぼうちゅうネットにより成虫せいちゅう飛来ひらいふせぐ。

ハスモンヨトウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう新芽しんめらす。
たまごは100くらいのかたまりみつけられるので、たまごからかえった幼虫ようちゅう集団しゅうだんべる。
幼虫ようちゅう緑色みどりいろ灰色はいいろ黒褐色こっかっしょくなどさまざまで、体長たいちょうは1~4センチである。
あたまうしろに一対いっついちいさなくろ斑紋はんもんがあるので、のヨトウムシるい区別くべつできる。
<防除ぼうじょ>
幼虫ようちゅう集団しゅうだん発生はっせいしているりとって処分しょぶんする。
防虫ぼうちゅうネットにより成虫せいちゅう飛来ひらいふせぐ。

▲うどんこ病
▲うどんこびょう

▲ワタアブラムシ
▲ワタアブラムシ

▲ウリキンウワ<br/>バの<ruby><rb>幼虫</rb><rt>ようちゅう</rt></ruby>
▲ウリキンウワ
バの幼虫ようちゅう

▲ウリキンウワバの食害痕
▲ウリキンウワバの食害しょくがいこん

37
うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
直径ちょっけい1センチ程度ていど輪郭りんかくのぼやけた緑色みどりいろやまいまだらあらわれ、白色はくしょくのカビがられる。
やがて全体ぜんたい小麦粉こむぎこをかけたようにしろになる。
病気びょうきすすむと黄色おうしょくあわ褐色かっしょくになり、やがてかわいたようになりれる。
<防除ぼうじょ>
高温こうおん乾燥かんそう条件じょうけん発生はっせいしやすい。れに注意ちゅういする。

ワタアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うらながさ1ミリの黄色きいろまたは黒色こくしょくむし集団しゅうだん寄生きせいして吸汁する。
すうじゅうひきすうひゃくひき集団しゅうだんつくり、むし排泄はいせつぶつがら付着ふちゃくしてけがれる。

ウリキンウワバ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
の1まい突然とつぜんしおれてがる。
うらあわ緑色みどりいろのシャクトリムシが寄生きせいし、裏側うらがわあさ食害しょくがいする。
果実かじつ表面ひょうめんあさ食害しょくがいされるため、収穫しゅうかくには褐色かっしょくきずとなってのこる。
<防除ぼうじょ>
幼虫ようちゅうつけしだいころせする。

▲ワタアブラムシ
▲ワタアブラムシ

▲カンザワハダニによる被害
▲カンザワハダニによる被害ひがい

▲チャコウラナメクジ
▲チャコウラナメクジ

38
ワタアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
はなびらにながさ1ミリのちいさなむし集団しゅうだん寄生きせいしてしるう。からだいろ一定いっていしていないが、灰色はいいろまたは黄色おうしょくのものがおおい。
多発たはつするとはなびらにむしがら付着ふちゃくするのではなきたなくなる。

カンザワハダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うらに0.5ミリのちいさな赤色あかいろのダニがついて吸汁するため、いろがカスリじょうける。多発たはつしたときには褐変してれる。
ベランダ、軒下のきしたのようなあめのあたらないところ栽培さいばいすると発生はっせいおおくなる。
<防除ぼうじょ>
はちあめのあたるところうつす。

チャコウラナメクジ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
夜間やかんかぶうえあらわれてはなびらを食害しょくがいする。ちいさななえでは致命ちめいてき被害ひがいとなる。
開花かいかちゅうはなでは、はなびらに粘液ねんえき付着ふちゃくしてけがれる。
<防除ぼうじょ>
よる見回みまわってころせする。

▲葉枯病
枯病

▲ワタアブラムシ
▲ワタアブラムシ

▲ワタアブラムシ
▲ワタアブラムシ

39
枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
赤褐色せきかっしょく円形えんけい楕円だえんがたのくぼんだやまいまだらができる。やまいまだら融合ゆうごう大型おおがた整形せいけいびょうむらになり、やがてれてしおれる。
花茎かけい、つぼみ、はなびらにも発生はっせいし、赤褐色せきかっしょく楕円だえんがたびょうむらができ、開花かいかせずにはなぐされやくきぐされをおこすこともある。
灰色はいいろかび病菌びょうきんによって発生はっせいし、湿度しつどたかときには被害ひがい部分ぶぶん灰色はいいろのカビがられる。
<防除ぼうじょ>
施設しせつ栽培さいばい発生はっせいおおい。ハウス栽培さいばいでは湿しめにならないよう、じきわらなどでマルチをする。

ワタアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
新芽しんめ先端せんたん、つぼみ、うらなどにながさ1ミリ、黄色おうしょくまたは黒色こくしょくちいさなむし群生ぐんせいして吸汁する。
多発たはつするとびがわるくなり、ときにはれることもある。
にたまった排泄はいせつぶつむしがら付着ふちゃくし、すすびょう誘発ゆうはつするので美観びかんそこなう。

▲フリージアモザイク病
▲フリージアモザイク病もざいくびょう

▲フリージア首腐病
▲フリージアくびくさやまい

▲グラジオラス首腐病
▲グラジオラスくびくさやまい

40
フリージアモザイク病もざいくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
黄色おうしょくから白色はくしょくのかすりじょう斑点はんてんしょうじ、モザイク症状しょうじょうていする。
ときには、斑紋はんもん、すじじょうのえそをしょうじる。
病原びょうげんたいはウイルスで、アブラムシによって伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょうした植物しょくぶつ球根きゅうこん利用りようしない。
アブラムシるい防除ぼうじょおこなう。

フリージアくびくさやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
かぶぎわ赤褐色せきかっしょくになり、拡大かくだいして黒褐色こっかっしょくのしみじょうやまいまだらとなる。かぶはやがてあまどころちょうして腐敗ふはいする。
病原菌びょうげんきんは、土壌どじょう生息せいそくする細菌さいきんで、アイリスやグラジオラスにも感染かんせんする。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょう圃場ほじょうでの球根きゅうこん採取さいしゅしない。

グラジオラスくびくさやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ぎわ赤褐色せきかっしょく黒褐色こっかっしょく斑点はんてんしょうじ、やまいまだら球根きゅうこん部分ぶぶんたっし、やがてさや全体ぜんたい褐色かっしょくになって腐敗ふはいし、かぶ枯死こしする。
病原菌びょうげんきん細菌さいきんで、はるあきにかけての高温こうおん多湿たしつ条件下じょうけんか発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょう圃場ほじょうでの球根きゅうこん採取さいしゅしない。

▲褐色腐敗病
褐色かっしょく腐敗ふはいびょう

▲葉枯病
枯病

▲炭そ病
たんびょう

41
褐色かっしょく腐敗ふはいびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
さきえんみずひたじょうになり褐色かっしょくになって腐敗ふはいする。発病はつびょうはげしい場合ばあい全体ぜんたいおかされ、バルブも腐敗ふはいする。はち用土ようどなどから伝染でんせんし、潅水かんすいによって胞子ほうし飛散ひさんして被害ひがいがひろがる。
<防除ぼうじょ>
えかえにはあたらしい植込うえこ材料ざいりょう使つかう。
底面ていめん給水きゅうすいにする。

枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
にくぼんだ黒褐色こっかっしょくやまいまだらしょうじ、しだいにくら褐色かっしょくあわ褐色かっしょくになる。やまいむら部分ぶぶんには黒色こくしょく小粒こつぶてん多数たすうできる。
発病はつびょうはげしいとやめむら融合ゆうごうし、整形せいけい大型おおがたびょうむらとなり、全体ぜんたいがる。
<防除ぼうじょ>
やまいむら部分ぶぶんにできた胞子ほうし飛散ひさんして伝染でんせんする。日焼ひやけや高温こうおん障害しょうがいさむさが原因げんいん発生はっせいするので、管理かんり注意ちゅういする。

たんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
先端せんたん褐色かっしょくしょう斑点はんてんができ、拡大かくだいして円形えんけいやまいまだらとなる。やがて、融合ゆうごうして大型おおがたびょうむらとなりさきかられる。やまいまだらじょうにはしょう黒点こくてんができ、多湿たしつ条件じょうけんではさけ肉色にくいろ胞子ほうしかたまりができる。
<防除ぼうじょ>
日焼ひやけや寒害かんがいなどで衰弱すいじゃくしたかぶ発生はっせいするので管理かんり注意ちゅういする。被害ひがい除去じょきょし、湿しめ注意ちゅういする。

▲ナガクロホシカイガラムシ
▲ナガクロホシカイガラムシ

▲タブカキカイガラムシ
▲タブカキカイガラムシ

▲チューリップヒゲナガアブラムシ
▲チューリップヒゲナガアブラムシ

42
ナガクロホシカイガラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
全面ぜんめんながさ1.5ミリ、あわ褐色かっしょく楕円だえんがた偏平へんぺいむし葉脈ようみゃくにそって付着ふちゃくし、吸汁する。
観葉かんよう植物しょくぶつなど温室おんしつ栽培さいばいされるおおくの植物しょくぶつ寄生きせいする。

タブカキカイガラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
ながさ3~4ミリ、褐色かっしょく楕円だえんがた偏平へんぺいむし寄生きせいして吸汁する。多発たはつすると1まいすうじゅうすうひゃくひきむし寄生きせいする。
ながさ1ミリ、白色はくしょく、ロウしつ細長ほそながむし群生ぐんせいしているのがしばしばられるが、これはゆうおわりよわい幼虫ようちゅうである。
<防除ぼうじょ>
植物しょくぶつについて移動いどうするので、むしまないようにする。
多発たはつしたって処分しょぶんする。
発生はっせいすくないときブラシ、へら、ピンセットなどでこすりとす。

アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
つぼみ、開花かいかちゅうはなびらにながさ1~2ミリのちいさなむし群生ぐんせいして吸汁する。
むしがら排泄はいせつぶつによるよごれとすすびょう問題もんだいになる。には寄生きせいしない。
ワタアブラムシ(灰色はいいろまたは黄色おうしょく)、チューリップヒゲナガアブラムシ(あわ緑色みどりいろ)、モモアカアブラムシ(緑色みどりいろ)などが寄生きせいする。

▲ウイルス病
▲ウイルスびょう

▲炭そ病
たんびょう

▲ランシロカイガラムシ
▲ランシロカイガラムシ

43
ウイルスびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
にリングじょう斑紋はんもんしょうじ、斑紋はんもん中心ちゅうしんがる。
はなびらでははげしい斑入ふいりとなることがある。
株分かぶわけや発病はつびょう植物しょくぶつれたハサミやはちながみずなどから伝染でんせんする。アブラムシるいによる伝染でんせんはしない。

たんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
発生はっせいする。あわ黄色きいろやまいまだらができ、しだいに拡大かくだいしてくら褐色かっしょくはい褐色かっしょくやまいむらになる。
やまいまだら融合ゆうごうして大型おおがた整形せいけいびょうむらとなることがある。
<防除ぼうじょ>
冬季とうきさむさや夏期かき高温こうおん障害しょうがい日焼ひやけ、肥料ひりょうれが原因げんいん発生はっせいするので、栽培さいばい管理かんり注意ちゅういする。

ランシロカイガラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
カトレア、デンドロビウムるいのバルブ、とくがバルブにせっしている部分ぶぶんのすきまに直径ちょっけい2ミリ、白色はくしょく円盤えんばんじょうむしすうじゅうひき寄生きせいして、吸汁する。
排泄はいせつぶつにすすびょう発生はっせいするため、やバルブはくろよごれて、美観びかんそこなう。
<防除ぼうじょ>
植物しょくぶつについて移動いどうするので、むしまないようにする。
多発たはつしたって処分しょぶんする。
発生はっせいすくないときブラシ、へら、ピンセットなどでこすりとす。

▲軟腐病
▲軟腐びょう

▲チャコウラナメクジ
▲チャコウラナメクジ

44
軟腐びょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くき、バルブに発生はっせいする。はじめしんがしおれ、やがてかぶ全体ぜんたい急激きゅうげきにしおれ、数日すうじつのうちにバルブ内部ないぶ腐敗ふはいする。
腐敗ふはいしたバルブは特有とくゆうにおいがある。腐敗ふはいしたバルブは内部ないぶかわだけとなり、ミイラする。
ファレノプシス、シプリペディウムなどで発生はっせいおおい。また、夏期かき高温こうおん発生はっせいおおくなる。
<防除ぼうじょ>
被害ひがい部分ぶぶんって処分しょぶんする。
などをきずつける害虫がいちゅう防除ぼうじょ十分じゅうぶんおこなう。
直接ちょくせつみずをかけないようにする。

チャコウラナメクジ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
新芽しんめやつぼみがえぐりられたように食害しょくがいされる。また、開花かいかちゅうはなはなびらがあらされてボロボロになる。
食害しょくがい部分ぶぶんにナメクジ特有とくゆう粘液ねんえきぶつのこすため、ヨトウムシるい被害ひがい区別くべつできる。

▲炭そ病
たんびょう

▲うどんこ病
▲うどんこびょう

▲アオバハゴロモの幼虫
▲アオバハゴロモの幼虫ようちゅう

46
たんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
はな多数たすう直径ちょっけい1~2ミリの円形えんけい周辺しゅうへん紫色むらさきいろ褐色かっしょく中央ちゅうおうはい褐色かっしょく灰白色かいはくしょくやまいまだらができる。病原菌びょうげんきんあめしぶきで伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいえだごとり、処分しょぶんする。

うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
表面ひょうめん白色はくしょくこなじょうやまいまだらができ、しだいに拡大かくだいして全体ぜんたいおおう。
発生はっせい梅雨つゆからあきまでつづくが、盛夏せいかには停止ていしする。秋期しゅうきやめむら黒色こくしょくちいさなつぶ(嚢殻)が形成けいせいされる。
<防除ぼうじょ>
あき落葉らくようあつめて処分しょぶんする。

アオバハゴロモ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しんこずえうらあつまって吸汁する。幼虫ようちゅうしろ分泌ぶんぴつぶつが、ちゅうがいなくなってもえだのこって、美観びかんそこなう。
成虫せいちゅう体長たいちょう1センチのうすい緑色みどりいろで、よこからみると烏帽子えぼしかたちをしている。
幼虫ようちゅうは5~7がつ成虫せいちゅうは7~9がつおおられる。
風通かぜとおしや日当ひあたりのわるところ多発たはつする。
<防除ぼうじょ>
剪定せんていして風通かぜとおしや日当ひあたりをよくする。

▲さび病
▲さびびょう

▲イブキチビキバガの<BR /> <ruby><rb>葉</rb><rt>は</rt></ruby>の<ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>と<ruby><rb>葉</rb><rt>は</rt></ruby>の<ruby><rb>穴</rb><rt>あな</rt></ruby>
▲イブキチビキバガの
 被害ひがいあな

▲ビャクシンハダニの寄生で変色した葉
▲ビャクシンハダニの寄生きせい変色へんしょくした

47
さびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
4~5がつあいだしたじょう円錐えんすいじょう、またはかくじょうちいさい褐色かっしょくきんかたまりができる。
このかたまりは、あめるとみず吸収きゅうしゅうし、いちじるしくふくらんで寒天かんてんじょうになる。乾燥かんそうするとまたもとおおきさになる。
多発たはつするときんかたまり目立めだつようになり、美観びかんそこなう。
<防除ぼうじょ>
病原菌びょうげんきんはナシ、ボケ、カリンなどの植物しょくぶつがないと生活せいかつできないので、これらの植物しょくぶつちかくにえないようにする。
病原菌びょうげんきんはナシなどバラ樹木じゅもく寄生きせいして赤星あかほしびょう発生はっせいさせるので、果樹かじゅえん付近ふきんでは注意ちゅうい必要ひつようである。

イブキチビキバガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
先端せんたんきゅうに褐変してれてくる。
れたにはちいさいあながあり、このなか体長たいちょう5ミリのうすみどりしょくむし内部ないぶ食害しょくがいしている。
とし3かい発生はっせいし、7~8がつ食害しょくがいはげしく、褐変した被害ひがいはやがてポロポロと落下らっかする。

ビャクシンハダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう0.5ミリのちいさな赤褐色せきかっしょくのダニがを吸汁するので、いろがあせてしろっぽくなる。
あめすくなく、乾燥かんそうすると多発たはつする。

▲うどんこ病
▲うどんこびょう

▲うどんこ病による新梢の奇形
▲うどんこびょうによるしんこずえ奇形きけい

▲首だれ細菌病の典型的な症状
くびだれ細菌さいきんびょう典型てんけいてき症状しょうじょう

48
うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
展開てんかいしてまもないわか茎葉けいよう発生はっせいする。はじめ白色はくしょくこなじょうのカビがしょうじ、やがて全体ぜんたい白色はくしょくになり、あたらしいえだ全体ぜんたい小麦粉こむぎこじょうのカビでおおわれる。はねじれたり奇形きけいになり、やがてえだ枯死こしする。
成熟せいじゅくしたでは白色はくしょくやまいまだらができる。また、被害ひがい落葉らくようおそく、じょうおそくまでのこる。秋期しゅうきになるとやまいまだらじょう多数たすうくろちいさいつぶができる。
落葉らくようした被害ひがい翌年よくねん発生はっせいげんになる。
風通かぜとおしや日当ひあたりがわるいと発生はっせいしやすい。
<防除ぼうじょ>
落葉らくようあつめて処分しょぶんする。
剪定せんていして、風通かぜとおしや日当ひあたりをよくする。

くびだれ細菌さいきんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
トウカエデのしんひらいた4がつ中旬ちゅうじゅん~5がつにかけて、しんこずえ発生はっせいする。
基部きぶから葉脈ようみゃく沿って黒褐色こっかっしょく黒色こくしょくみずひたじょうやまいまだらあらわれ、葉柄ようへい基部きぶからようくきえだはいびょうむらえだをひとまきすると、その上部じょうぶはしおれる。はげしい場合ばあいは、しんをつけたえだがすべてしおれて褐変し、れたようになる。
5~6がつ低温ていおんとしには発生はっせい期間きかんながびき、冷夏れいかとしにはなつにも再発さいはつすることがあるが、通常つうじょう8がつにはみどり回復かいふくする。
<防除ぼうじょ>
樹木じゅもくではかずすくない細菌さいきんびょう発生はっせい生態せいたい不明ふめいてんおおい。病害びょうがい同様どうよう発病はつびょうしたえだ除去じょきょ有効ゆうこうおもわれる。

▲モミジニタイケアブラムシ
▲モミジニタイケアブラムシ

▲アブラムシ類の排泄物
▲アブラムシるい排泄はいせつぶつ

▲モミジワタカイガラムシ
▲モミジワタカイガラムシ

49
モミジニタイケアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
4~5がつしんしんこずえはなながさ2~3ミリ、赤褐色せきかっしょくまたは黒褐色こっかっしょくむし群生ぐんせいして吸汁する。
発生はっせいおおいと被害ひがいちいさくなり、へんする。また、むし排泄はいせつぶつうえにすすびょう発生はっせいするため、えだくろよごれて美観びかんそこねる。
6がつ以降いこうはいなくなったようにえるが、むし姿すがたえていちねん中葉ちゅうよう裏側うらがわにいる。なつあきむしうす黄色おうしょく偏平へんぺいで、かずすくないのでがつかない。

カイガラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
モミジワタカイガラムシ:ながさ8~10ミリ、円形えんけい楕円だえんがた偏平へんぺいむしで、灰色はいいろくろ模様もよう、または褐色かっしょく灰色はいいろ模様もようがある。
とし1かい発生はっせいし、5月にめす成虫せいちゅう綿めんじょうしろたまごふくろつ。幼虫ようちゅうは5~6がつあらわれる。
チャクロホシカイガラムシ:体長たいちょう1~2ミリ、楕円だえんがた偏平へんぺいむしで、からだしょく褐色かっしょくまたははい褐色かっしょくである。めすからだはばひろく、ゆうせまい。
幼虫ようちゅうとし2かい発生はっせいし、5月と9~10がつあらわれる。
<防除ぼうじょ>
むしをブラシなどでこすりる。

▲アラカシのうどんこ病
▲アラカシのうどんこびょう

▲シラカシの紫かび病(葉表)
▲シラカシのむらさきかびびょう(ひょう)

▲シラカシの紫かび病(葉裏)
▲シラカシのむらさきかびびょう(うら)

50
うどんこびょう(ひょううどんこびょううらうどんこびょう)
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
カシるいには8種類しゅるいのうどんこびょうられている。ひょううどんこびょうは、新芽しんめわかしんこずえ白色はくしょくまたは灰色はいいろのカビじょうやまいまだらができる。
多発たはつすると、えだ全体ぜんたいしろくなり、ときにはえだ奇形きけいになる。
病原菌びょうげんきんふうによってはこばれ、伝染でんせんする。
くきって風通かぜとおしや日当ひあたりがわるいところで発生はっせいおおい。
うらうどんこびょう病原菌びょうげんきん種類しゅるいことなり、うら白色はくしょくのカビがえる。多発たはつすると、うら全体ぜんたい白色はくしょくになり、ひょうはやや緑色みどりいろとなる。
<防除ぼうじょ>
この病気びょうきれることはないが、樹勢じゅせいわるくなる。日当ひあたりと風通かぜとおしをよくし、病葉わくらばはやめにのぞいて処分しょぶんする。

むらさきかびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
わか裏面りめんはじ白色はくしょくのカビがえる。
このカビは褐色かっしょくから濃紫こむらさき褐色かっしょくになり、最後さいごには黒褐色こっかっしょくとなる。
表面ひょうめんには、りんかくが不鮮明ふせんめいあわ黄色きいろやまいまだらができる。
この病気びょうきはうどんこ病菌びょうきん一種いっしゅ感染かんせんして発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
この病気びょうきれることはないが、樹勢じゅせいわるくなる。日当ひあたりと風通かぜとおしをよくし、病葉わくらばはやめにのぞいて処分しょぶんする。

▲マイマイガの幼虫
▲マイマイガの幼虫ようちゅう

▲オオトビモンシャチホコによる食害
▲オオトビモンシャチホコによる食害しょくがい

▲オオトビモンシャチホコの幼虫
▲オオトビモンシャチホコの幼虫ようちゅう

51
マイマイガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう褐色かっしょく黒褐色こっかっしょく毛虫けむしで、黄色おうしょく青色あおいろあか橙色だいだいいろしょう斑点はんてんがある。
成長せいちょうすると体長たいちょう6センチになり、よく目立めだつ。
たまごからふした直後ちょくご群生ぐんせいするが、その単独たんどく行動こうどうをとる。
しばしばだい発生はっせいし、はげしく食害しょくがいして丸坊主まるぼうずにする。
<防除ぼうじょ>
毛虫けむしつけしだいころせする。
みきえだけられた褐色かっしょくたまごかたまり越冬えっとうするので、つけしだい処分しょぶんする。

オオトビモンシャチホコ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
あかくろしま模様もようをもつ幼虫ようちゅう集団しゅうだん食害しょくがいする。
おおきな幼虫ようちゅうながさ5センチになり、だい発生はっせいしていつくし、丸坊主まるぼうずになることがある。
外敵がいてきたいしてからだらし、くさえき習性しゅうせいがある。
<防除ぼうじょ>
集団しゅうだん加害かがいするので、幼虫ようちゅう集団しゅうだんえだごとって処分しょぶんする。

▲オビカレハの幼虫
▲オビカレハの幼虫ようちゅう

▲チャハマキにより綴り合わされた葉
▲チャハマキによりつづわされた

▲チャハマキの幼虫<BR />(<ruby><rb>左下</rb><rt>ひだりした</rt></ruby>:チャハマキの<ruby><rb>成虫</rb><rt>せいちゅう</rt></ruby>)
▲チャハマキの幼虫ようちゅう
(左下ひだりした:チャハマキの成虫せいちゅう)

52
オビカレハ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
青色あおいろがかった毛虫けむしで、背中せなかだいだい黄色おうしょくほそせんが2ほんある。
幼虫ようちゅうえだ分岐ぶんき灰白色かいはくしょくで、テントのようなつくってむらがる。
幼虫ようちゅう成長せいちょうするとはなれ、ふとみきかげに50~200ひきあつまる習性しゅうせいがある。おおきくなると体長たいちょう6センチになる。
しばしばだい発生はっせいして集団しゅうだん加害かがいするため、おおきな被害ひがいす。
<防除ぼうじょ>
テントじょうえだごと処分しょぶんする。
しょうえだ帯状おびじょうみつけられた灰白色かいはくしょく楕円だえんがたたまご冬期とうきあつめて処分しょぶんする。

チャハマキ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
を2~3まいつづりあわせたなかに、ながさ1~2センチ、あわ緑色みどりいろむしがいる。さわると後方こうほうげ、いとして落下らっかする。
幼虫ようちゅうない裏側うらがわ食害しょくがいし、被害ひがいは褐変する。
雑食ざっしょくせいのため、広葉樹こうようじゅばかりでなく針葉樹しんようじゅ加害かがいする。
<防除ぼうじょ>
つづられた被害ひがいひらいて幼虫ようちゅうころせする。
ふゆでも気温きおんたかとき食害しょくがいつづけるので注意ちゅうい必要ひつようである。

▲オオミノガのミノ
▲オオミノガのミノ

▲オオミノガの雄成虫
▲オオミノガの成虫せいちゅう

▲ミノガ類による被害
▲ミノガるいによる被害ひがい

▲クリオオアブラムシ
▲クリオオアブラムシ

53
ミノガるい(ミノムシ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
えだいとつづわせてミノをつくってひそみ、からだ前半ぜんはんぶんして食害しょくがいする。
めす成虫せいちゅうになっても翅やあしがなく、一生いっしょうミノのなかごしがいることはない。ゆう成虫せいちゅうになると黒褐色こっかっしょくとなり、めすもとめてびまわる。
オオミノガはミノのながさ3.5~5センチ、紡錘形ぼうすいけいで、おも利用りようし、えだはあまり使つかわない。とし1かい発生はっせいし、7~10がつはげしく食害しょくがいする。
チャミノガはミノのながさ2.5~4センチ、円筒えんとうがたで、しょうえだたてにびっしりけている。4~5がつさかんに食害しょくがいする。なつたまごからふした幼虫ようちゅうは9~10がつべるが、べるりょうすくない。
<防除ぼうじょ>
ミノをつけしだいあつめて処分しょぶんする。とく冬期とうきつけやすい。

クリオオアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しんこずえしょうえだに4ミリの黒色こくしょくのアブラムシがすうじゅうひきむらがり、樹液じゅえきう。
多発たはつするとしんこずえびがわるく、えだれをこし、樹勢じゅせいわるくなる。
ひとちかづくと尾端びたん左右さゆうはげしくうごかす習性しゅうせいがある。
<防除ぼうじょ>
みきみつけた黒色こくしょくたまごかたまり冬期とうきづちはたきつぶすか、ブラシでこすりる。

▲カナメモチのごま色斑点病
▲カナメモチのごましょく斑点はんてんびょう

▲シャリンバイのごま色斑点病
▲シャリンバイのごましょく斑点はんてんびょう

▲シャリンバイさび病
▲シャリンバイさびびょう

54
ごましょく斑点はんてんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
表面ひょうめん紅色こうしょくしょう斑点はんてん多数たすうでき、やがて紫紅しこうしょくむらさき黒色こくしょくふちどられたはい褐色かっしょくの3~5ミリの円形えんけい斑点はんてんになる。融合ゆうごうして大型おおがたびょうむらになることもある。やまいまだら中央ちゅうおうには黒色こくしょく光沢こうたくのあるカサブタじょうのものができ、これからしろかたまり(胞子ほうし)がてくる。
やまいむら裏面りめん周辺しゅうへん不明瞭ふめいりょう紫色むらさきいろむらさき紅色こうしょく整形せいけいやまいむらになる。
しん次々つぎつぎ発病はつびょうし、やがてあかへんして落葉らくようする。このため、かずすくなくなり、樹勢じゅせいもしだいにおとろえ、れることもある。
被害ひがい伝染でんせんげんとなり、しん展開てんかい以降いこう雨滴うてきによってひろがる。
<防除ぼうじょ>
あまよけ栽培さいばいにし、マルチをすると発生はっせい減少げんしょうする。庭木にわきでは被害ひがいったり、落葉らくようあつめて処分しょぶんする。

さびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
えだ発生はっせいする。はじちいさな退色たいしょくまだらがしだいにだいだい黄色おうしょくえんじょうむらになり、ややふくらんでだいだい黄色おうしょく突起とっき多数たすうつくる。最後さいごにこれがやぶれて多量たりょう黄色おうしょくこな(胞子ほうし)がる。
えだはねじれるなど奇形きけいになるが、胞子ほうし飛散ひさん黒色こくしょく変色へんしょくしてれる。はる被害ひがいおおきい。
<防除ぼうじょ>
病気びょうきえだ剪定せんていして処分しょぶんする。

▲ヘリグロテントウノミハムシの成虫
▲ヘリグロテントウノミハムシの成虫せいちゅう

▲へリグロテントウノミハムシの食害痕
▲へリグロテントウノミハムシの食害しょくがいこん

▲マエアカスカシノメイガの被害葉<BR />(<ruby><rb>右</rb><rt>みぎ</rt></ruby><ruby><rb>下</rb><rt>か</rt></ruby>:マエアカスカシノメイガの<ruby><rb>幼虫</rb><rt>ようちゅう</rt></ruby>)
▲マエアカスカシノメイガの被害ひがい
(みぎ:マエアカスカシノメイガの幼虫ようちゅう)

55
ヘリグロテントウノミハムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
なり幼虫ようちゅうとも食害しょくがいする。幼虫ようちゅうなかもぐって内部ないぶ食害しょくがいするので、その部分ぶぶん火傷かしょうったように褐色かっしょくわる。
成虫せいちゅう体長たいちょう3~4ミリ、からだ黒色こくしょくで2あか斑紋はんもん背中せなかにあり、テントウムシによくている。こうあしふとくなっており、ピョンとねる習性しゅうせいがある。
幼虫ようちゅう黄白こうはくしょく偏平へんぺいむしで、おおきくなると体長たいちょう5ミリになり、なかさなぎになる。
<防除ぼうじょ>
成虫せいちゅうころせする。
褐変した被害ひがいって処分しょぶんする。

マエアカスカシノメイガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうわかいとつづわせてつくって食害しょくがいする。表皮ひょうひのこして食害しょくがいするため、その部分ぶぶんが褐変してれる。
成虫せいちゅう体長たいちょう3センチので、翅はぎん白色はくしょくである。幼虫ようちゅう体長たいちょう2センチで、うすい緑色みどりいろである。
キンモクセイでは4~5がつしん展開てんかい発生はっせいする。6がつ以降いこう展開てんかいいとつづわされることがあるが、これはチャハマキというべつむしである。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいている枝葉えだはごとって処分しょぶんする。または、被害ひがいひらいてむしころせする。

▲モクセイハダニの被害葉
▲モクセイハダニの被害ひがい

▲ヒイラギハマキワタムシ
▲ヒイラギハマキワタムシ

56
モクセイハダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しるわれ、その部分ぶぶんいろてんじょうしろける。多発たはつすると肥料ひりょうれのようなかんじでしろっぽくなり、美観びかんそこなう。
全体ぜんたいしろくなるほど多発たはつしても、普通ふつうれることはない。
成虫せいちゅうおおきさは0.5ミリで非常ひじょうちいさく、からだしょく赤色あかいろである。5~7がつ高温こうおん乾燥かんそう多発たはつする。
建物たてものかげなど比較的ひかくてきあめがかかりにくいところで、しばしば多発たはつする。

ヒイラギハマキワタムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
4~7がつないえだ白色はくしょく綿めんじょうおおきなかたまりならぶ。
綿めんのぞくと、おおきさ3ミリ、からだ表面ひょうめん白色はくしょく綿めんじょうのロウ物質ぶっしつおおわれたむしつかる。
えだった場所ばしょ風通かぜとおしのわる場所ばしょ発生はっせいおおい。
多発たはつするとえだ付着ふちゃくした排泄はいせつぶつにすすびょう発生はっせいするのでえだみきくろけがれる。

▲てんぐ巣病
▲てんぐびょう

▲ササキコブアブラムシによる葉のコブと中のアブラムシ
▲ササキコブアブラムシによるのコブとなかのアブラムシ

▲ヤマトコブアブラムシによる巻葉
▲ヤマトコブアブラムシによるまきよう

57
てんぐ(天狗てんぐ)びょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
えだ一部いちぶふくらみ、そこから多数たすうえだがホウキじょうて、あたかも「天狗てんぐ」のようになることから、この名前なまえがある。
ホウキじょうになったえだちぢれ、裏面りめん病原菌びょうげんきん胞子ほうしができて伝染でんせんする。
ソメイヨシノで被害ひがいいちじるしい。
<防除ぼうじょ>
ふゆからはるにホウキじょうになったえだやコブをり、処分しょぶんする。

アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
ササキコブアブラムシ:4~5がつ葉脈ようみゃく沿ってながさ2~3センチ、黄色おうしょくまたは赤色あかいろふくろじょうのコブができる。そのなかには黄色きいろちいさなむし多数たすう寄生きせいし、吸汁する。
ヤマトコブアブラムシ:5~8がつえん裏側うらがわたてむ。そのつつなかにはくろちいさなむし多数たすう寄生きせいし、吸汁する。この被害ひがいけたはしだいに褐変し、落葉らくようする。
<防除ぼうじょ>
ササキコブアブラムシではむしコブをつけ次第しだい程度ていどでよい。

▲アメリカシロヒトリの幼虫とテント状の巣
▲アメリカシロヒトリの幼虫ようちゅうとテントじょう

▲オビカレハの幼虫
▲オビカレハの幼虫ようちゅう

▲モンクロシャチホコの幼虫
▲モンクロシャチホコの幼虫ようちゅう

58
アメリカシロヒトリ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
6、8、9月の3かいえださきんでしろいテントじょうができ、なかしろっぽい毛虫けむし多数たすういる。
毛虫けむしおおきくなるとテントからそとひろがり、まわりのべる。多発たはつすると、全体ぜんたい丸坊主まるぼうずになる。
<防除ぼうじょ>
幼虫ようちゅう集団しゅうだんでいるえだごと処分しょぶんする。

オビカレハ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
3~4がつに、えだまたのところにテントじょうができ、なかあお毛虫けむし多数たすういる。
毛虫けむしおおきくなるとテントからそとひろがり、まわりのべる。
<防除ぼうじょ>
えだにリングじょうけられたたまごかたまり冬期とうき除去じょきょする。
テントじょう幼虫ようちゅうごとる。

モンクロシャチホコ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
8~9がつ赤褐色せきかっしょく毛虫けむしうら群生ぐんせいし、食害しょくがいする。多発たはつすると全体ぜんたい丸坊主まるぼうずになる。
<防除ぼうじょ>
群生ぐんせいしている幼虫ようちゅうえだごと処分しょぶんする。

▲うどんこ病
▲うどんこびょう

▲サルスベリヒゲマダラアブラムシ
▲サルスベリヒゲマダラアブラムシ

▲サルスベリフクロカイガラムシ
▲サルスベリフクロカイガラムシ

59
うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
しんこずえ多発たはつする。白色はくしょくしょう斑点はんてんができ、のち全体ぜんたいしろこなおおわれる。つぼみもしろこなおおわれる。
風通かぜとおしや日当ひあたりがわるいと発生はっせいしやすい。
<防除ぼうじょ>
日照ひでり不足ふそくにならないように剪定せんていする。
発病はつびょうあつめて処分しょぶんする。

サルスベリヒゲマダラアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
おもうら寄生きせいして吸汁する。多発たはつするとひょうしんこずえはなにも寄生きせいし、排泄はいせつぶつにすすびょう発生はっせいするため、えだみきくろよごれて美観びかんわるくなる。
体長たいちょう1.5ミリ、あわ黄色きいろで、成虫せいちゅうの翅にはくろ模様もようがある。
えだじょうたまご越冬えっとうし、1ねんすうかい発生はっせいかえす。

サルスベリフクロカイガラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
えだみき集団しゅうだん寄生きせいして吸汁する。すすびょう発生はっせいするので美観びかんわるくなる。
とし2~3かい発生はっせいする。成虫せいちゅう体長たいちょう3ミリ、楕円だえんがたで、あか紫色むらさきいろむしであるが、いつも白色はくしょく分泌ぶんぴつぶつおおわれている。
<防除ぼうじょ>
むしをブラシでこすりとす。
多発たはつした被害ひがいえだって処分しょぶんする。

▲サンゴジュハムシの幼虫<BR />(<ruby><rb>左下</rb><rt>ひだりした</rt></ruby>:サンコジュハムシの<ruby><rb>成虫</rb><rt>せいちゅう</rt></ruby>)
▲サンゴジュハムシの幼虫ようちゅう
(左下ひだりした:サンコジュハムシの成虫せいちゅう)

▲ハゼアブラムシ
▲ハゼアブラムシ

▲サンコジュニセスガによる新芽の被害
▲サンコジュニセスガによる新芽しんめ被害ひがい

60
サンゴジュハムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
4~5がつ体長たいちょう1センチのウジムシじょう幼虫ようちゅううらから食害しょくがいし、直径ちょっけい5ミリの褐色かっしょく傷痕きずあとができる。
多発たはつすると丸坊主まるぼうずになることがある。
6がつ褐色かっしょく成虫せいちゅうあらわれ、幼虫ようちゅうおなじように食害しょくがいする。

アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
5~6がつ新芽しんめしん体長たいちょう1ミリのちいさなむし群生ぐんせいする。
多発たはつするとむしからの排泄はいせつぶつ付着ふちゃくし、すすびょう発生はっせいするためえだくろけがれる。
くら褐色かっしょくのハゼアブラムシと緑色みどりいろのユキヤナギアブラムシが発生はっせいする。

サンゴジュニセスガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
4がつ新芽しんめがしおれてれる。多発たはつすると大半たいはんがる。
しおれた基部きぶにはちいさなあながあり、なか褐色かっしょくむしがいる。
6がつ幼虫ようちゅうはないとつづって食害しょくがいする。
<防除ぼうじょ>
しおれた新芽しんめって処分しょぶんする。

▲白絹病による株のしおれ
しろきぬびょうによるかぶのしおれ

▲黒点病
黒点こくてんびょう

61
しろきぬびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
初夏しょかあきにかけてかぶ全体ぜんたい生気せいきうしない、しんこずえがしおれ、落葉らくようする。やがてかぶ全体ぜんたいがしおれてれる。
被害ひがいかぶぎわみき白色はくしょくいとからまり、かぶもと付近ふきんあわ褐色かっしょく褐色かっしょく粟粒あわつぶだいかたまり(きんかく)が多数たすうできる。
病原菌びょうげんきんきんかく越冬えっとうえつなつし、菌糸きんしばして感染かんせんする。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいかぶはていねいにり、処分しょぶんする。
未熟みじゅく有機物ゆうきぶつ多用たようしない。

黒点こくてんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
葉柄ようへいわかえだ発生はっせいする。春先はるさきしんこずえびる時期じきからあきまで発生はっせいする。
葉柄ようへいわかえだに1~3ミリの黒点こくてん多数たすうできる。1ようすうひゃく斑点はんてんができ、黒点こくてん中央ちゅうおう白色はくしょく胞子ほうしかたまりつくられる。
被害ひがい早期そうき落葉らくようし、はげしいときは展開てんかいおかされ、しんこずえいただきのこして落葉らくようする。しんこずえはねじれてがり、しばしばかぶれることもある。多発たはつすると被害ひがいかぶ次々つぎつぎおおきな被害ひがいになることがある。
一度いちど発病はつびょうすると、毎年まいとし発生はっせいかえす。
発病はつびょうかぶ翌年よくねんだいいち伝染でんせんげんとなり、生育せいいくちゅう被害ひがいなどが伝染でんせんげんとなる。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょうすると防除ぼうじょむずかしい。
被害ひがいかぶただちにるとともに、落葉らくようあつめて処分しょぶんする。

▲ツゲノメイガの被害<BR />(<ruby><rb>右</rb><rt>みぎ</rt></ruby><ruby><rb>下</rb><rt>か</rt></ruby>:ツゲノメイガの<ruby><rb>幼虫</rb><rt>ようちゅう</rt></ruby>)
▲ツゲノメイガの被害ひがい
(みぎ:ツゲノメイガの幼虫ようちゅう)

▲クロネハイイロハマキの被害
▲クロネハイイロハマキの被害ひがい

▲チビコブハダニと被害葉
▲チビコブハダニと被害ひがい

62
ツゲノメイガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうしんこずえいとり、しんこずえ食害しょくがいする。毎年まいとしおな場所ばしょ発生はっせいする傾向けいこうがあり、多発たはつするとをを丸坊主まるぼうずにし、ときにはらすことがある。
とし3かい発生はっせいする。幼虫ようちゅう体長たいちょう3.5センチ、頭部とうぶ黒色こくしょくどう緑色みどりいろで、くろ斑紋はんもんがある。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいえだり、処分しょぶんする。

クロネハイイロハマキ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうがイヌツゲのえださきいとつづってつくり、しんしんこずえ食害しょくがいする。多発たはつすると生長せいちょうまる。
ひょうのこして食害しょくがいするので被害ひがいしろっぽくえるが、のちに褐変して、美観びかんそこなう。
としすうかい発生はっせいする。幼虫ようちゅう体長たいちょう1センチ、褐色かっしょくである。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいえだり、処分しょぶんする。

チビコブハダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
被害ひがいてんじょういろけてしろっぽくなる。多発たはつすると葉色はいろわるくなり、美観びかんそこなう。
体長たいちょう0.5ミリの赤褐色せきかっしょくのダニで、8~9がつ発生はっせいする。
建物たてものかげなどあめのかかりにくい場所ばしょ多発たはつする傾向けいこうがある。

▲褐色円斑病
褐色かっしょくえんむらびょう

▲トビイロトラガの幼虫
▲トビイロトラガの幼虫ようちゅう

63
褐色かっしょくえんむらびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
がきかべにはわせたツタに普通ふつうられる病害びょうがいで、多発たはつすると美観びかんそこねる。
5がつ中旬ちゅうじゅんからちいさな褐色かっしょく斑点はんてんができ、しだいにおおきくなって直径ちょっけい5ミリのやまいまだらとなる。
やまいまだら周辺しゅうへん茶褐色ちゃかっしょくで、その内部ないぶはい褐色かっしょくになり、6がつ下旬げじゅん以降いこうには、やまいまだらじょうにかなりちいさな黒色こくしょくつぶができる。やまいまだらふるくなるとあながあく。
発病はつびょうしても早期そうき落葉らくようすることはなく、なつ以降いこう斑点はんてんのあるのこる。
病原菌びょうげんきん発病はつびょう越冬えっとうし、翌年よくねんふたた胞子ほうし飛散ひさんして感染かんせん発病はつびょうかえす。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょうしたあつめて処分しょぶんする。放置ほうちすると毎年まいとし発病はつびょうする。

トビイロトラガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
8~9がつすくなくなり、やがてまったくなって葉柄ようへいのみになる。
食害しょくがい注意ちゅういしてると、ながさ2~3センチ、あたまがオレンジしょくで、からだ全体ぜんたい黒色こくしょく白色はくしょくしま模様もようのあるむしつかる。
<防除ぼうじょ>
食害しょくがいづいたら、被害ひがいとその周囲しゅうい調しらべてむしつけしだいころせする。
むしおおきくなると1ひきたりの食害しょくがいりょうおおくなるので早期そうき発見はっけんがポイントである。

▲もち病
▲もちびょう

▲褐斑病
▲褐斑びょう

64
もちびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
はなえだ発病はつびょうする。ではモチのようにふくらんで光沢こうたくのあるあわ緑色みどりいろあわ桃色ももいろになり、のちしろこな表面ひょうめんおおう。ふるくなると、くろかたくなってミイラする。
かぶれることはないが、放置ほうちしておくと毎年まいとし発生はっせいし、はなつきがわるくなる。
日当ひあたりがわる場所ばしょ降雨こううおおとし発生はっせいしやすい。
<防除ぼうじょ>
病気びょうきにかかったはなつけしだいり、処分しょぶんする。

褐斑びょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
葉脈ようみゃく区切くぎられかくばったおおきさ5ミリ前後ぜんこう褐色かっしょくびょうむらができる。多数たすう斑点はんてんができ、融合ゆうごうしておおきな整形せいけいやまいむらになる。
被害ひがいふゆやめむら周囲しゅういから黄色きいろくなり、はるにはやまいまだら褐色かっしょくのこ全体ぜんたいする。
被害ひがい成熟せいじゅく胞子ほうしをもったままはるまでのこり、ふたたしん展開てんかいから伝染でんせんする。
風通かぜとおしがわるかったり、あきふゆあめおおいと発病はつびょうしやすい。
<防除ぼうじょ>
ふゆ落葉らくようやまいまだらのあるあつめて処分しょぶんする。

▲ツツジグンバイの被害▲ツツジグンバイの成虫
▲ツツジグンバイの被害ひがい▲ツツジグンバイの成虫せいちゅう

▲ベニモンアオリンガの被害▲ベニモンアオリンガの幼虫
▲ベニモンアオリンガの被害ひがい▲ベニモンアオリンガの幼虫ようちゅう

65
ツツジグンバイ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
なり幼虫ようちゅうともうら寄生きせいして吸汁するので、ひょうしろいカスリじょうになる。また、うらにはくろいタールじょう斑点はんてん(くそ)がられる。
発生はっせいおお場合ばあいへんして落葉らくようし、えだびやはなつきがわるくなる。
1ねんすうかい発生はっせいする。成虫せいちゅう灰色はいいろで「軍配ぐんばい」のかたちをした体長たいちょう3ミリのむしで、翅には網目あみめじょうもんがある。
幼虫ようちゅう黒色こくしょくで、成長せいちょうすると2~3ミリになり、トゲをつ。
高温こうおん乾燥かんそう発生はっせいおおい。

ベニモンアオリンガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう新芽しんめやつぼみにって、内部ないぶらし、新芽しんめらす。
4~10がつあいだに2~3かい発生はっせいし、なつ被害ひがい非常ひじょう目立めだつ。
幼虫ようちゅう褐色かっしょくしろ斑紋はんもんがあり、成長せいちょうすると体長たいちょう1センチになる。
むし新芽しんめんでいるが、ふつうはその周辺しゅうへんさがしてもつからないことがおおい。1ひきむしがいくつもの新芽しんめ次々つぎつぎにかじるので被害ひがいわりにはむしすくない。
<防除ぼうじょ>
翌年よくねんのつぼみができる7~8がつ発生はっせい注意ちゅういし、被害ひがいって処分しょぶんする。

▲ルリチュウレンジの幼虫
▲ルリチュウレンジの幼虫ようちゅう

▲ルリチュウレンジの成虫
▲ルリチュウレンジの成虫せいちゅう

▲ツツジコナジラミの成虫
▲ツツジコナジラミの成虫せいちゅう

66
ルリチュウレンジ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう集団しゅうだん食害しょくがいするため短期間たんきかん一部いちぶ丸坊主まるぼうずになる。つぼみも同様どうようわれてしまう。
とし3かい発生はっせいする。幼虫ようちゅう体長たいちょう2.5センチ、あたま黒色こくしょくからだはうすい緑色みどりいろで、多数たすう黒点こくてんがある。
成虫せいちゅうはアシナガバチの半分はんぶんおおきさのあおはちで、ツツジのじょうによくまっているのがられる。
<防除ぼうじょ>
発生はっせい初期しょき幼虫ようちゅう集団しゅうだんでいるときにえだごとって処分しょぶんする。

ツツジコナジラミ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
ひとれたり、ふういてつようごくとながさ1ミリ、ハエのような白色はくしょくむしがひらひらとしてくる。
みのヒラドツツジなど、った状態じょうたいになったところ多発たはつしやすい。
直接ちょくせつの吸汁被害ひがいより排泄はいせつぶつうえ発生はっせいするすすびょう被害ひがいによるよごれがにつく。
幼虫ようちゅうながさ1~2ミリ、偏平へんぺい楕円だえんがたうす黄色きいろである。裏側うらがわ群生ぐんせいしているが、いろうすいのでつけにくい。
<防除ぼうじょ>
えだ剪定せんていし、風通かぜとおしをよくする。

▲サザンカのもち病
▲サザンカのもちびょう

▲ツバキの輪紋葉枯病
▲ツバキのもん枯病

67
もちびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
春先はるさきしん展開てんかいするころ若葉わかばみどり白色はくしょくになり、しだいに分厚ぶあつくなる。あつくなった表面ひょうめん白色はくしょくこなおおわれる。ふるくなるとくさったり、くろかたくなってミイラする。
ツバキでは花芽かがおかされ、子房しぼうしべ、はなびらの肥大ひだいられる。
日当ひあたりがわるく、多湿たしつところ発生はっせいしやすい。
ツバキでは分厚ぶあつくならずに、円形えんけい黄色おうしょくまだらができ、裏面りめんしろこなをふく「こなもちびょう」も発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
表面ひょうめんしろこながふくまえ被害ひがい部分ぶぶんり、処分しょぶんする。

もん枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ツバキ、サザンカなどの常緑じょうりょく広葉樹こうようじゅ発生はっせいする。褐色かっしょくちいさな斑点はんてんができ、急速きゅうそく拡大かくだいして直径ちょっけい1~2センチだい円形えんけいびょうむらとなる。
やまいむら部分ぶぶんには直径ちょっけい0.4~0.5ミリ、たかさ0.2ミリで灰白色かいはくしょく微小びしょうきんたい多数たすうできる。
やまいまだら赤褐色せきかっしょくで、しばしばもんとなり、ツバキでは1ようたり1~2やまいまだらができる。
サザンカではじつにもやめまだらができ、未熟みじゅくなうちに落下らっかする。
病葉わくらば早期そうき落葉らくようする。激発げきはつすると樹勢じゅせいおとろえ、れることがある。
<防除ぼうじょ>
早期そうき発病はつびょうり、落葉らくようしたあつめて処分しょぶんする。

▲チャドクガの被害
▲チャドクガの被害ひがい

▲チャドクガの幼虫
▲チャドクガの幼虫ようちゅう

▲ルビーロウムシ
▲ルビーロウムシ

▲ツノロウムシと葉のすす病
▲ツノロウムシとのすすびょう

68
チャドクガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう集団しゅうだん生活せいかつし、はじめ表皮ひょうひのこして食害しょくがいするので、しろける。成長せいちょうすると全体ぜんたいべ、多発たはつすると丸坊主まるぼうずにしてしまう。
幼虫ようちゅう体長たいちょう2.5センチ、からだ褐色かっしょくで2れつ黒褐色こっかっしょくのコブがあり、白色はくしょくながえている。
幼虫ようちゅうのほか、たまごかたまり、まゆ、成虫せいちゅう死骸しがいがられてもかぶれる。
<防除ぼうじょ>
幼虫ようちゅう集団しゅうだんつけしだい、その周辺しゅうへんり、処分しょぶんする。

ロウムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
みきにロウのかたまりのようなむし寄生きせいしてしるい、多発たはつするとえだれる場合ばあいもある。また、すすびょう発生はっせいして美観びかんそこなう。
幼虫ようちゅう移動いどうするが、成虫せいちゅうになるとあし退化たいかして移動いどうできなくなる。
ルビーロウムシは直径ちょっけい4ミリで赤褐色せきかっしょく、ツノロウムシは直径ちょっけい8ミリで白色はくしょく、どちらも半球はんきゅうがたで、幼虫ようちゅうとし1かい発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
発生はっせいすくないときはブラシでこすりったり、被害ひがいえだ程度ていどでよい。

▲うどんこ病
▲うどんこびょう

▲黒星病
黒星くろぼしびょう

69
うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
しんしんこずえ、つぼみに白色はくしょく小麦粉こむぎこをつけたようなやまいまだらができ、しだいにひろがり全体ぜんたいおおうようになる。やまいまだら時間じかんがたつと灰色はいいろになる。
発病はつびょうしたはねじれたり、なみうったようになり、いちじるしい場合ばあい早期そうき落葉らくようする。
ハウス栽培さいばいでは一年中いちねんじゅう発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいけたえだ翌年よくねん発生はっせいげんとなるのではやめに処分しょぶんする。

黒星くろぼしびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
葉柄ようへい発生はっせいし、しんこずえやつぼみにも発生はっせいする。
でははじめむらさき褐色かっしょくちいさな斑点はんてんができ、そのおおきくなってむらさきくろ黒褐色こっかっしょく円形えんけいから整形せいけいやまいまだらとなり、その周囲しゅうい黄色おうしょくになる。
やまいまだらじょうにはちいさい黒点こくてんられ、やまいまだらのできた落葉らくようしやすくなる。
葉柄ようへいえだでは暗黒あんこくしょくやまいまだらとなり、多発たはつすると落葉らくようしてえだれる。
春先はるさきから発生はっせいし、降雨こううおおいときに発生はっせいおおい。なつから発生はっせいするとおそくまで発生はっせいつづく。
<防除ぼうじょ>
やまいまだらじょう胞子ほうし形成けいせいして伝染でんせんする。発病はつびょうしたえだはやめにのぞ処分しょぶんする。

▲灰色かび病(右下:つぼみの灰色かび病)
灰色はいいろかびびょう(みぎ:つぼみの灰色はいいろかびびょう)

▲根頭がんしゅ病による<BR /><ruby><rb>地</rb><rt>ち</rt></ruby><ruby><rb>際</rb><rt>ぎわ</rt></ruby><ruby><rb>部</rb><rt>ぶ</rt></ruby>のコブ
あたまがんしゅびょうによる
ぎわのコブ

▲根頭がんしゅ病による<BR /><ruby><rb>根</rb><rt>ね</rt></ruby>のコブ
あたまがんしゅびょうによる
のコブ

70
灰色はいいろかびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
おもはな発生はっせいし、つぼみ、えだにも発生はっせいする。
はなではあわ褐色かっしょくしょう斑点はんてんができ、全体ぜんたいひろがって腐敗ふはいし、ネズミしょくのカビでおおわれる。つぼみに発生はっせいすると開花かいかしない。
おかされると変色へんしょくし、ちいさくなりネズミしょくのカビがえる。えだでは切口きりくち発生はっせいして、ゆでたように変色へんしょくえだ全体ぜんたいひろがり、かぶれることがある。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょうしたはななどははやめにのぞ処分しょぶんする。

あたまがんしゅびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ぎわくき部分ぶぶん白色はくしょく大小だいしょうさまざまなコブができる。コブの表面ひょうめんなめらかで、のちに、褐色かっしょく黒褐色こっかっしょくわりかたくなる。コブをけずってもふたたあたらしいものができる。
かぶ枯死こしすることはないが、しだいに樹勢じゅせいよわくなる。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょうかぶはやめにとともにげる。
病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅう生息せいそくこん傷口きずぐちなどから侵入しんにゅうする。病原菌びょうげんきん付着ふちゃくした刃物はものるとくちから感染かんせんする。

▲アカスジチュウレンジの幼虫
▲アカスジチュウレンジの幼虫ようちゅう

▲クロケシツブチョッキリによるつぼみの被害
▲クロケシツブチョッキリによるつぼみの被害ひがい

▲クロケシツブチョッキリの成虫
▲クロケシツブチョッキリの成虫せいちゅう

71
アカスジチュウレンジ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうはうすい緑色みどりいろで、くろいゴマのような斑点はんてんがたくさんあり、からだをくのげる習性しゅうせいがある。
成長せいちょうすると体長たいちょう3センチになり、群生ぐんせいして食害しょくがいするため、しばしば全体ぜんたい丸坊主まるぼうずになる。
よくむしにチュウレンジハバチがいる。このむしあたまくろく、どう緑色みどりいろ斑紋はんもんがないことで区別くべつできる。りょうたね同時どうじ発生はっせいしていることもある。
<防除ぼうじょ>
うらむらがっている幼虫ようちゅうころせする。

クロケシツブチョッキリ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
新芽しんめしんこずえちいさなつぼみなどが突然とつぜんしおれ、最後さいごに褐変してれる。
被害ひがいにはながさ3ミリでくろく、あたま先端せんたんぞうはなのようにているむしがいる。
あたまをドリルのようにうごかし、しんこずえあなをあけて食害しょくがいするので、その部分ぶぶんからうえがしおれてれる。
つぼみのできるしんこずえ次々つぎつぎ食害しょくがいけてれるため、被害ひがいおおきい。
<防除ぼうじょ>
わずかな振動しんどうでもあしちぢめて地上ちじょう落下らっかする習性しゅうせいがあるので、した捕虫網ほちゅうあみいてきゅうにゆすり、落下らっかしたむしころせする。

▲アブラムシの排泄物で汚れた葉
▲アブラムシの排泄はいせつぶつよごれた

▲イバラヒゲナガアブラムシ
▲イバラヒゲナガアブラムシ

▲ナミハダニによる被害葉
▲ナミハダニによる被害ひがい

72
イバラヒゲナガアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
つぼみ、うら緑色みどりいろのアブラムシがむらがり吸汁する。とくはる新芽しんめびる時期じき発生はっせいおおい。
多発たはつすると生育せいいくわるくなり、排泄はいせつぶつによってよごれ、そのうえにすすびょう発生はっせいするので美観びかんわるくなる。
しんこずえびるころ急激きゅうげきえるので、発生はっせい注意ちゅういする。

ナミハダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うらおおきさ0.5ミリのダニがむらがって吸汁するため、こまかいカスリじょうしろちいさなてんられる。
生気せいきうしない、しだいに全体ぜんたいしろっぽくなってつやがなくなり、はや落葉らくようする。
高温こうおんにはごく短期間たんきかんえておおきな被害ひがいあたえる。
ガラスしつやベランダなどあめたらないところ多発たはつしやすい。

▲ウメエダシャクの幼虫
▲ウメエダシャクの幼虫ようちゅう

▲プラタナスグンバイによる被害
▲プラタナスグンバイによる被害ひがい

▲プラタナスグンバイの成虫
▲プラタナスグンバイの成虫せいちゅう

73
ウメエダシャク
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう全体ぜんたい黒色こくしょくで、オレンジしょくこまかい斑点はんてんをもつシャクトリムシである。
えんからかじる。多発たはつすると丸坊主まるぼうずになる。
幼虫ようちゅうは4~6がつとし1かい発生はっせいする。
ウメやピラカンサなどのバラ、ニシキギなどおおくの植木うえき害虫がいちゅうである。
成虫せいちゅうくろっぽい翅にしろもん目立めだおおきなで、昼間ひるま、ヒラヒラとゆっくりとぶ。
<防除ぼうじょ>
幼虫ようちゅう発見はっけんしだい、ころせする。

プラタナスグンバイ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
成虫せいちゅう幼虫ようちゅううらからしるうため、いろ脱色だっしょくされる。多発たはつすると全体ぜんたいしろ黄白こうはくしょくする。
成虫せいちゅう体長たいちょうは3.5ミリ前後ぜんこうちいさく、乳白色にゅうはくしょくで翅の中央ちゅうおうくろもん目立めだつ。幼虫ようちゅう褐色かっしょくとげをもつ。
とし3かいほど発生はっせいする。成虫せいちゅう樹皮じゅひ越冬えっとうする。
<防除ぼうじょ>
冬期とうき粗皮あらかわけずりをおこなう。

▲チャノキイロアザミウマによる新葉の被害
▲チャノキイロアザミウマによるしん被害ひがい

▲チャノキイロアザミウマによる葉の褐変と奇形
▲チャノキイロアザミウマによるの褐変と奇形きけい

▲マキシンハアブラムシ
▲マキシンハアブラムシ

74
チャノキイロアザミウマ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
なり幼虫ようちゅうとも展開てんかいちゅうしん寄生きせいして吸汁する。被害ひがい展開てんかいするとねじれて奇形きけいになったり、褐色かっしょくのケロイドじょうきずのこったりする。
体長たいちょう1ミリのちいさなむしで、からだしょく黄色きいろである。むしが吸汁しているとき被害ひがい時期じきがかなりずれるため、被害ひがい発生はっせいにはむしつからない。
マキでは常時じょうじ発生はっせいするむしではなく、としによる発生はっせい変動へんどうおおきい。
ちかくにこのむしきなサンゴジュやブドウがあると発生はっせいおおくなる。
越冬えっとう樹皮じゅひ落葉らくようなどでおこなう。
<防除ぼうじょ>
剪定せんていして、風通かぜとおしやたりをよくする。

マキシンハアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
春先はるさき新芽しんめしん青色あおいろしろこなこうむったながさ1ミリのちいさなむし群生ぐんせいして吸汁する。
むし糖分とうぶんふくんだ排泄はいせつぶつすため、むししたにあるえだよごれ、そのうえにすすびょう発生はっせいするのでくろくなる。
多発たはつすると新芽しんめびがまり、しんみじかくなってする。
<防除ぼうじょ>
しょう発生はっせいとき軍手ぐんてでこすりとす。

▲うどんこ病
▲うどんこびょう

▲ユウマダラエダシャクの幼虫
▲ユウマダラエダシャクの幼虫ようちゅう

▲ユウマダラエダシャクの成虫
▲ユウマダラエダシャクの成虫せいちゅう

75
うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
春先はるさきしん展開てんかいから伸長しんちょうにかけて、表面ひょうめん直径ちょっけい1センチで、円形えんけいまたは楕円だえんがた白色はくしょくこなじょうやまいまだらができる。やまいまだらはしだいにひろがって、しんこずえ全体ぜんたいしろこなおおわれたようにしろくなる。
病原菌びょうげんきんふうによってはこばれる。
風通かぜとおしや日当ひあたりのわるいところ、えだしげってったところで発生はっせいしやすい。
<防除ぼうじょ>
風通かぜとおしや日当ひあたりがよくなるように剪定せんていする。

ユウマダラエダシャク
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
ながさ2~3センチ、黒地くろじ黄色おうしょく斑点はんてんのあるシャクトリムシが食害しょくがいする。
食害しょくがいはげしいため、多発たはつするとえだだけのこして丸坊主まるぼうずになることがある。
発生はっせいしている根元ねもとにはくろくそ散乱さんらんしている。
<防除ぼうじょ>
むし刺激しげきがあると落下らっかする習性しゅうせいがあるので、ホウキで表面ひょうめんくようにこすり、落下らっかしたむしころす。

▲カメノコロウムシ
▲カメノコロウムシ

▲マサキナガカイガラムシ
▲マサキナガカイガラムシ

76
カメノコロウムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
えだが3~4ミリの半円はんえん球状きゅうじょうしろいロウじょう物質ぶっしつおおわれ、このなか赤褐色せきかっしょくむしがいて樹液じゅえきう。成虫せいちゅう幼虫ようちゅうおなじようなかたちをしている。
多発たはつするとえだれがおきる。また、すすびょう発生はっせいしてえだくろけがれる。
としに1かい発生はっせいえだうえ越冬えっとうする。カンキツ類かんきつるいやヒマラヤスギにも寄生きせいする.
<防除ぼうじょ>
むし軍手ぐんてやブラシでこすりったり、えだごとって処分しょぶんする。

マサキナガカイガラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
えだくら褐色かっしょくながさ2ミリ、偏平へんぺいちょう楕円だえんがたむし寄生きせいして樹液じゅえきう。
では、むし寄生きせいしている部分ぶぶん黄色きいろくなる。
多発たはつすると被害ひがい次々つぎつぎ落葉らくようし、えだれもおきて、樹勢じゅせい衰弱すいじゃくする。
<防除ぼうじょ>
みをして風通かぜとおしをよくする。ブラシでむしをこすりとす。むし寄生きせいしているえだって処分しょぶんする。

▲葉ふるい病
ふるいやまい

▲マツカレハの幼虫
▲マツカレハの幼虫ようちゅう

▲マツカレハの卵塊
▲マツカレハのたまごかたまり

77
ふるいやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
11月ごろ褐色かっしょくちいさな斑点はんてんができ、よくはるはい褐色かっしょく灰白色かいはくしょくわり、5~6がつ落葉らくようする。発病はつびょうはげしい場合ばあいふるがすべて落下らっかする。
落下らっかするには6がつ中旬ちゅうじゅんごろに0.5ミリだいくろ楕円だえんがたきんたい(のうばん)がつくられ、7~9がつにかけて胞子ほうし空中くうちゅう飛散ひさんして伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
樹勢じゅせいおとろえたり、窒素肥料ちっそひりょう多用たようした発生はっせいしやすい。かぶもとまわりをたがやせやしたりしていきおいをたもつようにする。落葉らくようあつめて処分しょぶんしたり、かぶもと広葉樹こうようじゅえて地上ちじょうから胞子ほうしるのをふせぐ。

マツカレハ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
樹皮じゅひ落葉らくようした越冬えっとうした幼虫ようちゅうが4~6がつさかんに食害しょくがいし、多発たはつすると丸坊主まるぼうずにする。
幼虫ようちゅう体長たいちょう7センチ、褐色かっしょく大型おおがた毛虫けむしで、からだ全体ぜんたいくろながえている。
<防除ぼうじょ>
あきにコモをみきくと幼虫ようちゅう越冬えっとうのためにそのなかはいるので、ふゆにコモを処分しょぶんする。

▲マツ枯れ
▲マツ

▲マツノマダラカミキ<br/>リの<ruby><rb>成虫</rb><rt>せいちゅう</rt></ruby>
▲マツノマダラカミキ
リの成虫せいちゅう

▲マツノマダラカミキ<br/>リの<ruby><rb>幼虫</rb><rt>ようちゅう</rt></ruby>
▲マツノマダラカミキ
リの幼虫ようちゅう

▲マツノコマダラノメイガの虫糞
▲マツノコマダラノメイガのむしくそ

78
マツノマダラカミキリ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
マツれの直接ちょくせつ犯人はんにんであるマツノザイセンチュウをはこぶカミキリムシである。
とし1かい6~7がつ成虫せいちゅう発生はっせいする。成虫せいちゅう体長たいちょう2~3センチ、触角しょっかくからだなが以上いじょうもあるくら褐色かっしょくむしで、しろてん背中せなかいちめんにある。
幼虫ようちゅうはテッポウムシとばれる黄白こうはくしょくつつじょうむしで、みきなからす。
マツノザイセンチュウが寄生きせいすると、なつわりころからあきにかけて急激きゅうげきに褐変し、全体ぜんたいれてしまう。
<防除ぼうじょ>
マツノザイセンチュウの被害ひがいれはじめたマツは治療ちりょうできない。
れたマツは成虫せいちゅうす5がつまでに処分しょぶんし、なか幼虫ようちゅうころす。

マツノゴマダラノメイガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
ゴヨウマツるいいとわせて、そのなか食害しょくがいする。被害ひがいにはくそわせた球形きゅうけい褐色かっしょくられる。ふつう、ひとつのなかすうひきむしがいる。
とし2かい発生はっせいする。幼虫ようちゅう体長たいちょう2センチで、頭部とうぶ黒褐色こっかっしょくどうくら赤色あかいろで、褐色かっしょくのゴマツブじょう斑点はんてんがある。
<防除ぼうじょ>
球形きゅうけいあつめて処分しょぶんする。

▲ハダニ類による葉の黄化
▲ハダニるいによる

▲カサアブラムシ類
▲カサアブラムシるい

▲マツオオアブラムシ
▲マツオオアブラムシ

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ハダニるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
7~8がついろっぽくなって樹勢じゅせいおとろえる。多発たはつすると、先端せんたんのこして落葉らくようする。
被害ひがい初期しょきはマツノザイセンチュウの被害ひがいているが、いろけるだけで、れたりすることはない。
5~10がつあいだに5~6かい発生はっせいし、高温こうおん乾燥かんそうこのむため、梅雨つゆ急激きゅうげき増加ぞうかする。
いろわるくなったでは、うえあかっぽい0.5ミリのちいさなダニがたくさんあるきまわっている。

カサアブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
ゴヨウマツのしんこずええだみき白色はくしょく綿めんじょう物質ぶっしつ付着ふちゃくし、そのなかには赤褐色せきかっしょくむしひそみ、樹液じゅえきう。多発たはつするとえだれ、ときには全体ぜんたいれる。
クロマツでもしんこずえ白色はくしょく綿めんじょう物質ぶっしつき、ときにはえだれをこすが、被害ひがいかるい。

マツオオアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しんこずえ体長たいちょう3ミリ、黒褐色こっかっしょくむし群生ぐんせいして樹液じゅえきう。多発たはつするとえだれをこすこともある。すすびょう発生はっせいするので美観びかんそこない問題もんだいとなる。
むしはるあき発生はっせいする。

▲茎枯病による被害
くき枯病による被害ひがい

▲茎枯病の病徴
くき枯病のやまいちょう


▲ネギアザミウマの茎と葉の被害
▲ネギアザミウマのくき被害ひがい

82
くき枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くき発生はっせいおおく、はじめむらさき褐色かっしょく紡錘形ぼうすいけいやまいまだらあらわれる。
やがてたて方向ほうこうやめまだら拡大かくだい褐色かっしょくわるとともに中央ちゅうおう灰白色かいはくしょく小黒おぐろつぶてんから)をしょうじる。
代表だいひょうてき病気びょうきであるが収穫しゅうかくぶつ新芽しんめへの被害ひがいはない。
梅雨つゆおよび秋雨あきさめなどあめおお時期じきに、からから胞子ほうし飛沫しぶきして蔓延まんえんする。
<防除ぼうじょ>
から伝染でんせんげんとなるので、秋末あきすえ罹病りびょうした茎葉けいよう処分しょぶんする。
雨除あまよけにすると、発病はつびょう軽減けいげんできる。

ネギアザミウマ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう0.5~1ミリで黄色おうしょく褐色かっしょく細長ほそながむししるうため、くきいろしろっぽくなる。
ちいさく黄色きいろむし幼虫ようちゅう、ややおおきくて褐色かっしょくむし成虫せいちゅうである。ルーペでると成虫せいちゅう背中せなかには細長ほそながい翅がえているのがよくわかる。
<防除ぼうじょ>
タマネギが収穫しゅうかくされると寄生きせいしていたから成虫せいちゅうして、さまざまな作物さくもつ飛来ひらいする。この時期じき防除ぼうじょ徹底てっていする。

▲根こぶ病
こぶびょう

▲白さび病(葉表)
しろさびびょう(ひょう)

▲白さび病(葉裏)
しろさびびょう(うら)

83
こぶびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
大小だいしょう様々さまざまなコブができ、地上ちじょう生育せいいくわるくなる。コブが多数たすうできると中葉ちゅうようがしおれるようになり、生育せいいくわるくなる。やがてコブは腐敗ふはいする。
コブの部分ぶぶんには病原菌びょうげんきん休眠きゅうみん胞子ほうし多数たすうふくまれており、土壌どじょうちゅうのこって伝染でんせんげんになる。
土壌どじょう水分すいぶんおおいと多発たはつし、3~9がつ播種はしゅさくがた発生はっせいしやすい。病原菌びょうげんきんはアブラナ植物しょくぶつのみに寄生きせいし、これらの作物さくもつつづけて栽培さいばいすると被害ひがいおおきくなる。
<防除ぼうじょ>
多発たはつじょうではアブラナ作物さくもつ栽培さいばいける。

しろさびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
おも葉柄ようへいはながら発生はっせいする。
はじめ表面ひょうめんにぼやけたあわ緑色みどりいろ円形えんけいびょうむらができる。やまいまだら裏面りめんがり、表皮ひょうひやぶ白色はくしょくこなじょう胞子ほうしができ、飛散ひさんして伝染でんせんかえす。
発芽はつが適温てきおんは10℃といわれている。発生はっせい時期じき春期しゅんき秋期しゅうきの2かいられ、湿度しつどたか条件下じょうけんかでの発生はっせいおおく、施設しせつ栽培さいばい連作れんさくすると被害ひがいおおきい。
<防除ぼうじょ>
じょう周辺しゅうへん被害ひがいかぶ放置ほうちしない。
しゅうねん栽培さいばいでは連続れんぞくして発生はっせいすることがおおい。作付さくづけ体系たいけいをかえるなどの対策たいさく必要ひつようである。

▲アオムシ
▲アオムシ

▲コナガによる被害
▲コナガによる被害ひがい

▲ヨトウムシ
▲ヨトウムシ

84
アオムシ(モンシロチョウ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
緑色みどりいろ体長たいちょう3~4センチのむしで、うごきは緩慢かんまんである。
ひょうにいてあらし、ふと葉脈ようみゃくだけをちょうどカサのほねのようにのこす。
<防除ぼうじょ>
寒冷紗かんれいしゃ不織布ふしょくふをかけて栽培さいばいする。

コナガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うす緑色みどりいろ体長たいちょう0.5~1センチのむしで、さわると敏捷びんしょうあとずさりする。
うらにいて薄皮うすかわだけのこしてう。われた部分ぶぶんははじめしろえるが、のちにはやぶれてあなだらけになる。
新芽しんめ部分ぶぶんにしばしばもぐみ、発生はっせいおおいとしんまりになる。
<防除ぼうじょ>
寒冷紗かんれいしゃ不織布ふしょくふをかけて栽培さいばいする。

ヨトウムシ(ヨトウガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
むしちいさいうちは集団しゅうだん生活せいかつをする。このため、はたけなか一部いちぶかぶで2~3まい集中しゅうちゅうしてわれ、しろっぽくなる。
むしおおきくなってからは昼間ひるまかぶもとなかひそみ、夜間やかんてきてあらす。
<防除ぼうじょ>
集団しゅうだんらしているときって処分しょぶんする。

▲ナガメの成虫
▲ナガメの成虫せいちゅう

▲キスジノミハムシによる被害<BR /> (<ruby><rb>左下</rb><rt>ひだりした</rt></ruby>:キスジノミハムシの<ruby><rb>成虫</rb><rt>せいちゅう</rt></ruby>)
▲キスジノミハムシによる被害ひがい
 (左下ひだりした:キスジノミハムシの成虫せいちゅう)

▲カブラハバチの幼虫
▲カブラハバチの幼虫ようちゅう

85
ナガメ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しるわれていろけ、ハンコをしたようなしろまるあとがたくさんのこる。
体長たいちょうは5~10ミリで、赤地あかじくろまだらじったいろあざやかなむしである。
ちかづくとよくぶが、かたはあまりはやくない。
<防除ぼうじょ>
寒冷紗かんれいしゃ不織布ふしょくふをかけて栽培さいばいする。

キスジノミハムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
われ、1ミリくらいの楕円だえんがたあながたくさんあく。
幼虫ようちゅう地中ちちゅう生活せいかつし、土中どちゅうより成虫せいちゅう発生はっせいするので、アブラナ野菜やさい連作れんさくしている場合ばあいは、寒冷紗かんれいしゃ不織布ふしょくふをかけて栽培さいばいしても被害ひがい防止ぼうしできない。
成虫せいちゅう体長たいちょうは2ミリで、黒色こくしょくにオレンジしょくせんが2ほんはしる。
敏捷びんしょうで、ひとちかづくとよくねる。
<防除ぼうじょ>
アブラナ野菜やさい連作れんさくすると発生はっせいおおいので、連作れんさくける。

カブラハバチ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
えんからわれてボロボロになる。
体長たいちょうは1~2センチであお紫色むらさきいろである。
<防除ぼうじょ>
寒冷紗かんれいしゃ不織布ふしょくふをかけて栽培さいばいする。

▲白斑病
白斑はくはんびょう

▲ナモグリバエによる被害
▲ナモグリバエによる被害ひがい

▲アブラムシ類
▲アブラムシるい

86
白斑はくはんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
はじめあわ黄色きいろ円形えんけいしょう斑点はんてんしょうじ、のちに1センチ前後ぜんこう灰白色かいはくしょくびょうむらとなり、融合ゆうごうして全体ぜんたいおおうとであぶったようにがる。
もん黄色おうしょく縁取へりとりをともなわないのでくろむらびょう区別くべつできる。
<防除ぼうじょ>
罹病りびょう放置ほうちした圃場ほじょう多発たはつしやすく、はやまきや秋期しゅうき多雨たう場合ばあい発生はっせいおおくなる。
肥料ひりょうれすると被害ひがいおおきくなるので、適切てきせつ肥培ひばい管理かんりをする。
連作れんさくけ、罹病りびょうざん渣を発酵はっこうさせるか土中どちゅうすき処分しょぶんする。

ナモグリバエ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~3ミリの白色はくしょくのハエの幼虫ようちゅう内部ないぶすすむので、しろすじができる。このため、エカキムシともばれる。
なか褐色かっしょく黒色こくしょくさなぎになる。
エンドウではる増殖ぞうしょくし、そこから脱出だっしゅつした成虫せいちゅう飛来ひらいするため、4~5がつ多発たはつする。
<防除ぼうじょ>
1ミリあいのネットでべたがけまたはトンネルがけ栽培さいばいする。

アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう0.5~1.5ミリのちいさなむし集団しゅうだんつくってしるい、むしがら粘液ねんえきじょう排泄はいせつぶつやそのうえ発生はっせいするくろいカビ(すすびょうともいう)によりけがれる。
ようなえ多発たはつすると、生育せいいくいちじるしくおくれる。
緑色みどりいろまたは赤褐色せきかっしょくのモモアカアブラムシ、くすんだ緑色みどりいろのニセダイコンアブラムシ、白色はくしょくのダイコンアブラムシがいる。
<防除ぼうじょ>
1ミリあいのネットでべたがけまたはトンネルがけ栽培さいばいする。

▲炭そ病による株枯れ
たんびょうによるかぶ

▲うどんこ病
▲うどんこびょう

87
たんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
にはうすいすみじょう斑点はんてん、ランナーや葉柄ようへいには黒褐色こっかっしょくのくぼんだやまいまだらができ、かぶがしおれて枯死こしすることもある。
れたかぶのクラウンをると、たく部分ぶぶんから内部ないぶかって腐敗ふはいし、褐色かっしょくくら褐色かっしょく変色へんしょくしている。
育苗いくびょうじょう多発たはつすると多数たすうなえ枯死こしする。
品種ひんしゅあいだ発病はつびょうがあり、おんなほう、さちのか、あきらひめ、とちおとめ、とよのかに発生はっせいおおい。
時期じきてきには5がつ下旬げじゅんから発生はっせいし、梅雨つゆ被害ひがい拡大かくだいし9がつ下旬げじゅんまでつづく。しおれ症状しょうじょうふゆゆたかにも発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょうかぶからのなえ採取さいしゅけ、育苗いくびょうあまよけや寒冷紗かんれいしゃ被覆ひふくをすると被害ひがいすくない。

うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
葉柄ようへい果実かじつ発生はっせいする。
では、はじめにうすい赤褐色せきかっしょく斑点はんてんあらわれ、やがてめん白色はくしょくこなじょうのカビでおおわれる。つぼみのはなびらはピンク色ぴんくいろになる。
気温きおんが20℃前後ぜんこうとなる春秋しゅんじゅう発生はっせいし、品種ひんしゅによっては多発たはつする。
品種ひんしゅあいだ発病はつびょうがあり、おんなほう、とよのかはかかりやすい。
<防除ぼうじょ>
育苗いくびょうからの防除ぼうじょ重要じゅうようで、ほんぽで多発たはつすると効果こうかすくない。

▲灰色かび病
灰色はいいろかびびょう

▲灰色かび病
灰色はいいろかびびょう

▲萎黄病による葉の奇形と黄化
あまどころびょうによる奇形きけい

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灰色はいいろかびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
おも果実かじつ発生はっせいするが、葉柄ようへいはなびらにも発生はっせいすることがある。
果実かじつでは収穫しゅうかくちかくのものが発病はつびょうしやすい。あわ褐色かっしょく斑点はんてんしょうじ、これが拡大かくだいして果実かじつ腐敗ふはいし、表面ひょうめん灰色はいいろのカビがえる。
施設しせつ露地ろじ栽培さいばいとも発生はっせいられる。やや低温ていおん多湿たしつ環境かんきょう条件下じょうけんか発生はっせいし、施設しせつ栽培さいばい被害ひがいおおい。
<防除ぼうじょ>
密植みっしょく栽培さいばいける。したかきを十分じゅうぶんおこない、マルチ栽培さいばいとする。じゅく果実かじつ放置ほうちしない。

あまどころびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
しんの3しょうのうち1~2ようちいさな船型せんけいとなりする。かぶ光沢こうたく生気せいきうしない、しおれる。育苗いくびょうほで発生はっせいすると、なえ次々つぎつぎれていく。
クラウン部分ぶぶん切断せつだんすると、維管たば部分ぶぶんが褐変している。
病原菌びょうげんきん土壌どじょうのこりイチゴの連作れんさくにより多発たはつする。ふうなどではこばれても伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
なえによって病気びょうきまれ、おおきな被害ひがいとなることがおおい。無病むびょう親株おやかぶからなえなえするなど無病むびょうなえ確保かくほ重要じゅうようである。発病はつびょうじょうでは土壌どじょう消毒しょうどくおこなう。

▲ウイルスによる野生種の症状
▲ウイルスによる野生やせいしゅ症状しょうじょう

▲ウイルスによる野生種の症状
▲ウイルスによる野生やせいしゅ症状しょうじょう

▲輪斑病
むらびょう

89
ウイルスびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
1種類しゅるいのウイルス感染かんせんではくさぜい低下ていかすくないが、2種類しゅるい以上いじょうのウイルス感染かんせんがあるとくさぜい低下ていかはげしく、ちいさくなりしょうかぶになる。また、クズはて増加ぞうか減収げんしゅうになる。
ウイルスびょう感染かんせん親株おやかぶからのなえることによってひろがる。また、アブラムシるいによって伝染でんせん年々ねんねん感染かんせんかぶ増加ぞうかする。
<防除ぼうじょ>
アブラムシるい防除ぼうじょ徹底てっていする。
無病むびょうかぶもちいる。アブラムシるい飛来ひらい防止ぼうししたあみしつないで、ウイルスフリーかぶ親株おやかぶとして生産せいさんようかぶなえ栽培さいばいする。

むらびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
葉柄ようへい、ランナーに発生はっせいする。はじめむらさき褐色かっしょくしょう斑点はんてんができ、ひろがると整形せいけいやまいまだらとなる。病気びょうきすすむと周辺しゅうへんむらさき褐色かっしょく内部ないぶはい褐色かっしょく明瞭めいりょうもんじょうとなり、えんたっするクサビがたやまいまだらとなる。
葉柄ようへいやランナーでは赤褐色せきかっしょくのややくぼんだやまいまだらができ、周辺しゅうへんあかくなる。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいやランナーから伝染でんせんする。なえ発病はつびょうしていない親株おやかぶからるようにする。また、ほじょう周辺しゅうへん発病はつびょうなどを放置ほうちしない。

▲ワタアブラムシ
▲ワタアブラムシ

▲ナミハダニによる株の被害
▲ナミハダニによるかぶ被害ひがい

▲チャノキイロアザミウマによる葉脈の褐変
▲チャノキイロアザミウマによる葉脈ようみゃくの褐変

90
アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~2ミリのちいさなむしうら新芽しんめむらがってしるうため、かぶ生育せいいくおくれる。
むしいろ緑色みどりいろ黄色おうしょく黒色こくしょくなど変化へんかむ。
むし排泄はいせつするネバネバしたえきや、そのうえ発生はっせいするくろいすすびょうによって果実かじつけがれる。

ハダニるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう0.5~1ミリの非常ひじょうちいさなむしうらにたくさん寄生きせいしてしるうため、いろがカスリじょうしろける。
あかいカンザワハダニとあわ緑色みどりいろのナミハダニの2種類しゅるいがある。
多発たはつするとかぶ生長せいちょうまり、ひどい場合ばあい枯死こしする。

チャノキイロアザミウマ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
葉脈ようみゃく沿った部分ぶぶん黒褐色こっかっしょくになる。
果実かじつ褐色かっしょくになり、ミイラのようにからびる。
むし体長たいちょう1ミリの細長ほそながむしで、新芽しんめだけにいてかずすくないため、つけにくい。

▲ミカンキイロアザミウマによる葉の被害
▲ミカンキイロアザミウマによる被害ひがい

▲ミカンキイロアザミウマ<BR /> による<ruby><rb>未熟</rb><rt>みじゅく</rt></ruby><ruby><rb>果</rb><rt>はて</rt></ruby>の<ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>
▲ミカンキイロアザミウマ
 による未熟みじゅくはて被害ひがい

▲ミカンキイロアザミウマ<BR /> による<ruby><rb>成熟</rb><rt>せいじゅく</rt></ruby><ruby><rb>果</rb><rt>はて</rt></ruby>の<ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>
▲ミカンキイロアザミウマ
 による成熟せいじゅくはて被害ひがい

▲ハスモンヨトウによる葉の食害
▲ハスモンヨトウによる食害しょくがい

91
ミカンキイロアザミウマ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
果実かじつ種子しゅし周囲しゅういまたは褐変し、はげしいと果実かじつが褐変し、光沢こうたくのない果実かじつになる。
では葉脈ようみゃくあいだが吸汁され、白色はくしょく斑紋はんもんになる。
体長たいちょうなり幼虫ようちゅうとも0.5~2ミリでちいさい。成虫せいちゅうからだしょく褐色かっしょく幼虫ようちゅうあわ黄色きいろである。
さむさにつよく、露地ろじ作物さくもつや、雑草ざっそう越冬えっとうし、5~7がつもっと発生はっせいおおくなる。
ナス、キュウリ、トマト、ピーマン、キク、バラ、トルコギキョウ、ミカンなどおおくの作物さくもつ雑草ざっそう発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
寒冷紗かんれいしゃとう成虫せいちゅう飛来ひらいふせぐ。
ビニールマルチし、土中どちゅうでのさなぎふせぐ。
はたけなか周辺しゅうへん除草じょそうおこなう。

ハスモンヨトウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
8がつ以降いこうむし集団しゅうだん食害しょくがいし、あなをあける。むしおおきくなると分散ぶんさんし、やつぼみを食害しょくがいする。
体長たいちょうは1~4センチ、からだしょく緑色みどりいろ灰色はいいろ黒褐色こっかっしょくなどさまざまである。
あたまのすぐうしろに1ついちいさなくろ斑紋はんもんがあり、ヨトウムシと区別くべつできる。
<防除ぼうじょ>
寒冷紗かんれいしゃとう成虫せいちゅう飛来ひらいふせぐ。
たまごからかえったばかりの幼虫ようちゅう集団しゅうだんらすため、その被害ひがいつけて処分しょぶんする。

▲コガネムシ類の幼虫
▲コガネムシるい幼虫ようちゅう

▲チャコウラナメクジによる果実の被害
▲チャコウラナメクジによる果実かじつ被害ひがい

▲ヨトウムシ
▲ヨトウムシ

92
コガネムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうべるため、なえ生長せいちょうがひどくおくれ、ひどい場合ばあいはしおれてれる。
幼虫ようちゅうはカブトムシの幼虫ようちゅうとそっくりで、あたま褐色かっしょくで、胴体どうたい黄白こうはくしょくである。
<防除ぼうじょ>
成虫せいちゅうくさったワラや堆肥たいひせられる習性しゅうせいがあるので、有機ゆうきしつ資材しざいおおほどこさないようにする。

チャコウラナメクジ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
ナメクジが果実かじつべてあなをあける。
ネバネバしたひかあと果実かじつられる。
<防除ぼうじょ>
はたけなか周囲しゅういのゴミ・雑草ざっそうのぞき、ナメクジの発生はっせいげんつ。
1週間しゅうかんほど毎日まいにちよる徹底的てっていてきにナメクジをつかまえる。

ヨトウムシ(ヨトウガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
むしははじめ集団しゅうだん生活せいかつし、2~3まい薄皮うすかわのこしてわれ、しろくなる。
そのおおきくなったむしらばり、まわりのあなだらけになる。
<防除ぼうじょ>
若齢じゃくれい幼虫ようちゅう集団しゅうだん食害しょくがいしたしろっぽいむしごと処分しょぶんする。

▲べと病
▲べとやまい

▲黒根腐病による根の被害
黒根くろねくさやまいによる被害ひがい

▲紫斑病による子葉の病斑
紫斑しはんびょうによる子葉しようやまいまだら

▲紫斑病に汚染された種子
紫斑しはんびょう汚染おせんされた種子しゅし

93
べとやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
表面ひょうめん不規則ふきそくかたち黄白こうはくしょくやまいまだらができ、うら灰色はいいろ綿めんじょうのカビがられる。やまいまだらはやがて褐色かっしょくになり、周縁しゅうえん褐色かっしょくになる。
6~7がつと9がつ収穫しゅうかくあめおおいと発生はっせいしやすい。また、茎葉けいよう繁茂はんもしたり、風通かぜとおしがわるいと発病はつびょうしやすくなる。
<防除ぼうじょ>
連作れんさく密植みっしょくける。抵抗ていこうせい品種ひんしゅもちいる。

黒根くろねくさやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
7がつごろからしもへんし、ぎわくき褐色かっしょく赤褐色せきかっしょくになり、しろいカビがしょうじる。被害ひがいすすむとくら褐色かっしょく腐敗ふはいして、オレンジしょく小粒こつぶてんをつくる。連作れんさくすると発生はっせいおおく、エンドウやインゲンにも感染かんせんする。
<防除ぼうじょ>
連作れんさくけ、抵抗ていこうせい品種ひんしゅもちいる。

紫斑しはんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くき、サヤ、種子しゅし発生はっせいする。種子しゅしでは「へそ」を中心ちゅうしんむらさき斑紋はんもんができる。
びょう種子しゅしくと、子葉しよう赤褐色せきかっしょくくももんじょうびょうまだらのあるなえができる。
<防除ぼうじょ>
種子しゅし伝染でんせんするので健全けんぜん種子しゅしもちいる。

▲シロイチモジマダラメイガによるサヤの被害
▲シロイチモジマダラメイガによるサヤの被害ひがい

▲シロイチモジマダラメイガの幼虫
▲シロイチモジマダラメイガの幼虫ようちゅう

▲ホソヘリカメムシの成虫
▲ホソヘリカメムシの成虫せいちゅう

▲イチモンジカメムシの成虫
▲イチモンジカメムシの成虫せいちゅう

94
シロイチモジマダラメイガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
サヤにちいさなあなをあけ、その周囲しゅういむしくそ付着ふちゃくする。
サヤをってると内部ないぶまめ食害しょくがいされ、体長たいちょう1~2センチの緑色みどりいろまたは紫色むらさきいろむしつかる。
収穫しゅうかくおそいものほど被害ひがいおおい。

カメムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
カメムシるいやサヤのしるう。
しるわれたサヤは生長せいちょうまって落下らっかするため、養分ようぶんがだぶつき、収穫しゅうかく時期じきになってもだけがよくしげる。
サヤはいたが、まめ肥大ひだいわるかったり、サヤたりのまめつぶすうすくないときも、カメムシるい被害ひがいかんがえられる。
1ひきむし次々つぎつぎしるってまわるので、被害ひがいてもむしつかりにくい。
褐色かっしょくあしながいホソヘリカメムシがもっとおおく、いでうすい緑色みどりいろ長方形ちょうほうけいのイチモンジカメムシ、緑色みどりいろ正方形せいほうけいのアオクサカメムシがおおい。

▲ジャガイモヒゲナガ<BR /> アブラムシの<ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>
▲ジャガイモヒゲナガ
 アブラムシの被害ひがい

▲ジャガイモヒゲナガ<BR /> アブラムシ
▲ジャガイモヒゲナガ
 アブラムシ

▲マルカメムシ
▲マルカメムシ

▲ハスモンヨトウ
▲ハスモンヨトウ

95
アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しん体長たいちょう1~2ミリのちいさなむし群生ぐんせいし、吸汁する。
多発たはつするとむしがベトベトした排泄はいせつえきし、そこにすすびょう発生はっせいしてけがれる。
<防除ぼうじょ>
通常つうじょう発生はっせいではとく防除ぼうじょ必要ひつようとしない。

マルカメムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
くきやサヤに体長たいちょう5ミリのむしむらがって、ストローのようなくちで吸汁する。
くちみじかくてまめにまでとどかないため、まめへの被害ひがいはほとんどない。
多発たはつするとかぶ生育せいいく抑制よくせいされる。
雑草ざっそうのクズで繁殖はんしょくし、多発たはつする。
<防除ぼうじょ>
通常つうじょう防除ぼうじょ不要ふようである。

ハスモンヨトウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう2~4センチのむし集団しゅうだんをかじってあなをあける。多発たはつするとはたけ全面ぜんめんがボロボロになる。
からだいろ緑色みどりいろから黒色こくしょくまでさまざまで、あたまのすぐうしろに1ついくろ斑紋はんもんがあるのが特徴とくちょうである。

▲褐紋病
▲褐紋びょう

▲うどんこ病
▲うどんこびょう

96
褐紋びょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くき、サヤ、まめ発生はっせいする。では黒褐色こっかっしょくちいさい斑点はんてんができ、やがて直径ちょっけい3~5ミリの中央ちゅうおう黒褐色こっかっしょく周辺しゅうへんあわ褐色かっしょくやまいまだらができる。
くきではぎわ黒褐色こっかっしょく紡錘形ぼうすいけいやまいまだらができる。サヤでは褐色かっしょくちいさなやまいまだら多数たすうでき、かさぶたじょうとなる。
<防除ぼうじょ>
連作れんさくすると発病はつびょうはげしくなる。多発たはつじょうでは連作れんさくける。また、発病はつびょうした茎葉けいよう土壌どじょうちゅうにすきまない。
種子しゅし伝染でんせんするので、斑紋はんもんのあるような種子しゅし使つかわない。

うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
しろこなじょうやまいまだらしょうじ、うえへとひろがり、全面ぜんめん小麦粉こむぎこりかけたようになる。
日当ひあたりのわる場所ばしょ密植みっしょく発生はっせいする。
うらくきにも発生はっせいし、くさぜいおとろえとともにし、やまいまだらじょうちいさな黒点こくてんしょうじる。
ハウスでは軟弱なんじゃく徒長とちょうしたかぶこえ繁茂はんも場合ばあい発生はっせいおおく、かぶ老化ろうか原因げんいんとなる。
<防除ぼうじょ>
日当ひなたたり、風通かぜとおしをよくする。

▲エンドウヒゲナガアブラムシ
▲エンドウヒゲナガアブラムシ

▲モザイク病
モザイク病もざいくびょう

▲ナモグリバエ
▲ナモグリバエ

97
アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
新芽しんめしん、サヤに体長たいちょう1~3ミリのむし群生ぐんせいしてしるう。多発たはつするとかぶ生育せいいくおさえられるほか、排泄はいせつぶつがらによってかぶ全体ぜんたいきたなくなる。
緑色みどりいろむしはエンドウヒゲナガアブラムシ、黒色こくしょくむしはマメアブラムシで、りょうたねともマメるいにのみ寄生きせいし、モザイク病もざいくびょう媒介ばいかいする。

モザイク病もざいくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
いろのうすい部分ぶぶん部分ぶぶんがモザイクじょうりまじり、ちぢれたり、サヤが変形へんけいしたりする。また、かぶちいさいころモザイク病もざいくびょうにかかるとかぶ全体ぜんたい枯死こしすることもある。
<防除ぼうじょ>
病原びょうげんのウイルスを媒介ばいかいするアブラムシるい防除ぼうじょする。

ナモグリバエ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
がりくねったしろすじられる。多発たはつするととなすじたがいにくっつき、全体ぜんたいしろくなる。
しろすじはハエの幼虫ようちゅう内部ないぶにトンネルをって食害しょくがいしたためである。かすと白色はくしょく幼虫ようちゅう褐色かっしょくさなぎえる。

▲ワタアブラムシ
▲ワタアブラムシ

▲フタトガリコヤガの幼虫
▲フタトガリコヤガの幼虫ようちゅう

▲ワタノメイガによる巻葉<br /> (<ruby><rb>右</rb><rt>みぎ</rt></ruby><ruby><rb>下</rb><rt>か</rt></ruby>:ワタノメイガの<ruby><rb>幼虫</rb><rt>ようちゅう</rt></ruby>)
▲ワタノメイガによるまきよう
 (みぎ:ワタノメイガの幼虫ようちゅう)

98
ワタアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うら体長たいちょう1~2ミリのちいさなむし群生ぐんせいする。むしいろくろみどり黄色おうしょくなど変化へんかむ。
むししるい、展開てんかいちゅう多発たはつするとちぢれる。

フタトガリコヤガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょうは3~4センチで、緑色みどりいろ黄色おうしょくしまくろ斑紋はんもんのあるいろあざやかなむしである。
食害しょくがいし、多発たはつするとかぶ全体ぜんたい丸坊主まるぼうずになる。
<防除ぼうじょ>
株数かぶすうすくない場合ばあいむしつかまえてころすと時間じかんがかからず、防除ぼうじょ効果こうかたかい。

ワタノメイガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
胴体どうたいうす緑色みどりいろあたま黒色こくしょくで、斑紋はんもんはない。体長たいちょうは1~2センチである。
むしつつじょうき、その内側うちがわひそんでべる。
<防除ぼうじょ>
株数かぶすうすくない場合ばあいむしつかまえてころすと時間じかんがかからず、防除ぼうじょ効果こうかたかい。

▲うどんこ病
▲うどんこびょう

▲ウリハムシの被害と成虫
▲ウリハムシの被害ひがい成虫せいちゅう

▲ワタアブラムシ
▲ワタアブラムシ

99
うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ふる表面ひょうめん白粉おしろいをふりかけたような斑点はんてんができ、次第しだいあたらしいにもひろがる。全面ぜんめんしろおおわれたはやがてれる。
しげってかげになったり風通かぜとおしがわるいところで発生はっせいしやすい。
<防除ぼうじょ>
風通かぜとおしをよくするため、つるの配置はいちたな仕立したてなどの工夫くふうをする。
窒素肥料ちっそひりょうおおすぎると繁茂はんもしすぎて発病はつびょうしやすくなる。
発病はつびょうしたはできるだける。
品種ひんしゅにより発病はつびょうしやすさにがある。

ウリハムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
黄色おうしょく体長たいちょう1センチのよくまわむしをかじり、直径ちょっけい1センチくらいの円形えんけいしょくこんができる。これはのちやぶれてまるいあなになる。
果実かじつべることもあり、おなじように直径ちょっけい1センチくらいの円形えんけいしょくこんとなる。
幼虫ようちゅう白色はくしょく体長たいちょう0.5~1センチで、べる。ようなえ多発たはつするとかぶ枯死こしすることがある。

ワタアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう0.5~1センチの黄色おうしょく濃緑こみどりしょくむし集団しゅうだんしるう。ウイルスびょう伝搬でんぱんする。
うらおおく、多発たはつするとうら生長せいちょうまってひょうだけに生長せいちょうするため、えんうらのほうにいて団子だんごじょうになる。ようなえ多発たはつするとかぶ枯死こしすることがある。
<防除ぼうじょ>
ウリハムシの防除ぼうじょをかねてようなえは1ミリあいのネットをかぶせる。

▲べと病(葉表)
▲べとやめ(ひょう)

▲べと病(葉裏)
▲べとやめ(うら)

▲黒腐病
くろくさやまい

100
べとやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
しもから発生はっせいし、輪郭りんかく不鮮明ふせんめいあわ褐色かっしょくやまいまだらができる。やまいまだらおおきさは変化へんか葉脈ようみゃく区切くぎられた角形かくがたていするがハクサイのように明瞭めいりょうでない。
やまいむらうらにはよごれたような白色はくしょくしもじょうのカビがられる。
病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅうのこ次期じきさく伝染でんせんげんとなる。発病はつびょう形成けいせいされた胞子ほうし飛散ひさんすることによって伝染でんせんする。やや低温ていおん多湿たしつになると多発たはつする。
<防除ぼうじょ>
こううねにするなど、ほじょう排水はいすいをよくする。

くろくさやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
生育せいいく期間きかん全体ぜんたい発病はつびょうする。結球けっきゅうにはしもから発病はつびょうし、えんがV字形じけいへんする。やまいむらふるくなると乾燥かんそうし、やぶれやすくなる。はげしい場合ばあいにはくきおかされ、内部ないぶの維管たばくろへんする。
病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅうのこり、降雨こううなどの水滴すいてきによりがり感染かんせんする。汚染おせん種子しゅしでも伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
アブラナ野菜やさい連作れんさくける。

▲根こぶ病によるしおれ症状と生育不良
こぶびょうによるしおれ症状しょうじょう生育せいいく不良ふりょう

▲根こぶ病による根のコブ
こぶびょうによるのコブ

▲萎黄病による葉の黄化
あまどころびょうによる

101
こぶびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
定植ていしょく1かげつごろから晴天せいてんにちちゅうがしおれるようになり、やがて、葉色はいろ生育せいいくわるくなり、はげしい場合ばあいには枯死こしする。
発病はつびょうかぶると、大小だいしょうさまざまなコブができている。
コブは土壌どじょうちゅう腐敗ふはいし、内部ないぶ病原菌びょうげんきん土中どちゅうながのこって発病はつびょうかえす。土壌どじょう水分すいぶんたかく、酸性さんせい土壌どじょう発生はっせいしやすい。
<防除ぼうじょ>
一度いちど発病はつびょうすると防除ぼうじょ困難こんなんとなる。
育苗いくびょう時期じきから発生はっせいすると被害ひがいおおきくなるので、育苗いくびょうには無病むびょうもちいる。
定植ていしょくまえ消石灰しょうせっかいで、土壌どじょう酸度さんど矯正きょうせいする。
圃場ほじょうからして処分しょぶんする。
抵抗ていこうせい品種ひんしゅにすると被害ひがい回避かいひできる。
ふゆキャベッでは9がつ下旬げじゅん以降いこう定植ていしょくすると被害ひがいすくない。

あまどころびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
はじめかぶ片側かたがわしも発生はっせいする。主脈しゅみゃく片側かたがわし、部分ぶぶんへややがる。
発病はつびょうすすむとかぶ全体ぜんたい落葉らくようして、しんだけとなり枯死こしする。
かぶ根元ねもと切断せつだんすると維管たば部分ぶぶんが褐変している。
<防除ぼうじょ>
多発たはつじょうではキャベツ、カリフラワー、カブなどの連作れんさくける。
抵抗ていこうせい品種ひんしゅ(YR系統けいとう品種ひんしゅ)をもちいる。
はたけ放置ほうちしない。

▲菌核病
きんかくびょう

▲ダイコンアブラムシ
▲ダイコンアブラムシ

▲モモアカアブラムシ
▲モモアカアブラムシ

102
きんかくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
結球けっきゅう以降いこう発生はっせいする。はじめそとへんしてしおれ、やがてたま全体ぜんたいよごれたような灰色はいいろになって腐敗ふはいする。
被害ひがいすすむとたま部分ぶぶんにもひろがり、白色はくしょく綿めんじょう菌糸きんし蔓延まんえんし、やがてたま全体ぜんたい菌糸きんしおおわれるようになる。
被害ひがい表面ひょうめんにはくろいネズミのくそのようなきんかくがつくられる。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいかぶつけしだいいて処分しょぶんする。
アブラナ野菜やさいのちにキャベツを栽培さいばいすることはける。

アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うら体長たいちょう1~2ミリのちいさなむし群生ぐんせいしてしるう。
なえちいさいとき多発たはつすると、展開てんかいわるくなり、生育せいいくおおきくおくれる。
結球けっきゅう多発たはつすると、たま表面ひょうめんむし排泄はいせつぶつがら付着ふちゃくによってよごれ、商品しょうひん価値かち低下ていかする。

▲アオムシ
▲アオムシ

▲コナガの幼虫
▲コナガの幼虫ようちゅう

▲ヨトウムシによる被害 (右下:ヨトウムシ)
▲ヨトウムシによる被害ひがい (みぎ:ヨトウムシ)

103
アオムシ(モンシロチョウ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう0.5~1センチの緑色みどりいろむしべ、あなをあけたり、葉脈ようみゃくだけをカサのほねのようにのこす。

コナガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう0.5~1センチ、緑色みどりいろむしうらうす食害しょくがいし、ひょう薄皮うすかわのこす。とくにしん部分ぶぶん集中しゅうちゅうして食害しょくがいするため、かぶ生長せいちょうおさえられる。

ヨトウムシ(ヨトウガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~2センチのアオムシに緑色みどりいろむしうらに50ひき以上いじょうあつまってあらす。
成長せいちょうしたむし単独たんどく生活せいかつをする。体長たいちょう3~4センチで、いろ緑色みどりいろ褐色かっしょくなどさまざまである。ひるかぶもとなかひそみ、よるてきてあらすので夜盗虫よとうむし(ヨトウムシ)というがついた。
<防除ぼうじょ>
わか幼虫ようちゅう集団しゅうだん寄生きせいしているりとって処分しょぶんする。また、よるはたけ見回みまわり、成長せいちょうした幼虫ようちゅうつかまえてころす。

▲ハイマダラノメイガ
▲ハイマダラノメイガ

▲ハスモンヨトウ
▲ハスモンヨトウ

▲ウワバ類
▲ウワバるい

104
ハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
定植ていしょくしたなえ成虫せいちゅう飛来ひらいして産卵さんらんし、体長たいちょう0.5~2センチの褐色かっしょく幼虫ようちゅうしんべるため、かぶしんまりになる。やや生長せいちょうしたかぶでは葉脈ようみゃくもぐむこともある。
育苗いくびょうちゅうなえではしんもぐむほか、をつづりわせて内側うちがわ食害しょくがいすることもある。
<防除ぼうじょ>
1ミリあいのネットをかぶせる。この方法ほうほうは、ハスモンヨトウやウワバるいたいする効果こうかたかい。

ハスモンヨトウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~4センチのイモムシが暴食ぼうしょくする。からだしょく緑色みどりいろ褐色かっしょく黒色こくしょくなどさまざまで、あたま後方こうほう一対いっついくろ斑紋はんもん特徴とくちょうである。
たまごすうひゃくかためてまれるため、若齢じゃくれい幼虫ようちゅう集団しゅうだんうら食害しょくがいし、そのときしろっぽくえる。
<防除ぼうじょ>
若齢じゃくれい幼虫ようちゅう集団しゅうだんつけてごと処分しょぶんする。

ウワバるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
緑色みどりいろ体長たいちょう1~3センチのシャクトリムシがべる。
はるはタマナギンウワバ、あきはイラクサギンウワバがおおく、イラクサギンウワバがしばしば多発たはつする。

▲炭そ病
たんびょう

▲褐斑病
▲褐斑びょう

105
たんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くき果実かじつ発生はっせいする。には円形えんけい褐色かっしょくやまいまだらしょうじ、ふるくなるとれる。くき果実かじつでは楕円だえんがた褐色かっしょくのくぼんだやまいまだらしょうじ、多湿たしつにはやまいまだらじょう紅色こうしょく粘液ねんえきがでる。
病原菌びょうげんきん被害ひがい植物しょくぶつ付着ふちゃくして越年えつねんする。
降雨こううおお多湿たしつ条件下じょうけんか発生はっせいしやすい。
露地ろじ栽培さいばいおおく、施設しせつ栽培さいばいすくない。
<防除ぼうじょ>
排水はいすい不良ふりょう窒素肥料ちっそひりょうのやりすぎをける。
うねめんをビニールなどで被覆ひふくがりをふせぐ。

褐斑びょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
円形えんけい褐色かっしょく小型こがたびょうまだらしょうじ、その拡大かくだいしてはい褐色かっしょくの5~10ミリ程度ていど不規則ふきそくやまいまだらとなる。多湿たしつ条件じょうけんではやまいまだらじょう黒褐色こっかっしょくのカビがえる。
高温こうおん多湿たしつ条件下じょうけんか多発たはつしやすく、施設しせつ栽培さいばい発生はっせいすると被害ひがいおおきい。
病原菌びょうげんきん病葉わくらば農業のうぎょう資材しざい付着ふちゃくしてのこり、翌年よくねん伝染でんせんげんとなるほか、種子しゅし伝染でんせんすることもられている。
ブルームレス台木だいぎ発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
高温こうおん多湿たしつとなりやすい施設しせつ栽培さいばいでは換気かんき十分じゅうぶんおこなう。窒素ちっそ過多かた発病はつびょう助長じょちょうするのでける。
施設しせつでは、フィルムめんからの結露けつろすいのボタちをける。

▲うどんこ病
▲うどんこびょう

▲べと病
▲べとやまい

106
うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
はじめかぶ下位かい小麦粉こむぎこをかけたようなやまいまだらができる。しだいにうえひろがり、めん全体ぜんたい白色はくしょくこなりかけたようになる。
発病はつびょうかぶから胞子ほうし飛散ひさんし、被害ひがい拡大かくだいする。
日照ひでり不足ふそく高温こうおん乾燥かんそうした条件下じょうけんか多発たはつする。
ブルームレス台木だいぎ発生はっせいおおくなる。
<防除ぼうじょ>
窒素肥料ちっそひりょうおおいとかぶ繁茂はんもし、多発たはつする。
ケイ酸けいさんほどこせよう発病はつびょう軽減けいげんできる。

べとやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
下位かい葉脈ようみゃくかこまれた黄色おうしょくかくがたやまいまだらができ、上位じょういへと拡大かくだいする。湿度しつどたか場合ばあいにはうら灰色はいいろのカビがしょうじる。
多発たはつするとえんからがる。
やまいまだらじょう胞子ほうし飛散ひさんしてひろがり、やや低温ていおん湿度しつどたかとき多発たはつする。
肥料ひりょうれや生育せいいくおとろえたとき発生はっせいしやすい。
<防除ぼうじょ>
多湿たしつ条件じょうけん多発たはつするので施設しせつ栽培さいばいでは換気かんき十分じゅうぶんおこない、湿度しつど管理かんり注意ちゅういする。
ハウス栽培さいばいでは茎葉けいよう繁茂はんもする時期じきに、株間かぶま湿度しつどたかくなり発病はつびょうしやすい。
急速きゅうそく病気びょうきひろがるので初期しょき防除ぼうじょ大切たいせつである。

▲疫病による地際部のくびれ
疫病えきびょうによるぎわのくびれ

▲斑点細菌病
斑点はんてん細菌さいきんびょう

107
疫病えきびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
なえぎわくきみずひたじょうおかされ、ほそくくびれて倒伏とうふくする。生育せいいくかぶではぐされをこし、かぶ全体ぜんたい急速きゅうそくにしおれてがる。
果実かじつにも発生はっせいし、では大型おおがたみずれたような濃緑こみどりしょくやまいまだらができる。果実かじつではへこんだみずひたじょうやまいまだらができる。
病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅうのこ翌年よくねん伝染でんせんげんとなる。
<防除ぼうじょ>
感染かんせんしたかぶはやめに処分しょぶんする。
排水はいすいわるいほじょう多発たはつしやすいのでこううねにし、うねめんにマルチをする。
カボチャに接木つぎきすると被害ひがい軽減けいげんできる。

斑点はんてん細菌さいきんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
にはみずれたような褐色かっしょくしょう斑点はんてんしょうじ、拡大かくだいして葉脈ようみゃく区切くぎられた褐色かっしょく周辺しゅうへんにカサのある3ミリ程度ていどかくむらになる。やまいまだらはしだいにしろくなりあながあく。
多湿たしつ条件下じょうけんか多発たはつする。
発病はつびょうすると病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅうのこ伝染でんせんげんとなる。また、種子しゅしでも伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
病原菌びょうげんきんからのかえりを防止ぼうしするためじきわらやマルチ資材しざいうねめんおおう。

▲灰色かび病による葉の病斑
灰色はいいろかびびょうによるやまいまだら

▲灰色かび病による果実の被害
灰色はいいろかびびょうによる果実かじつ被害ひがい

▲菌核病
きんかくびょう

108
灰色はいいろかびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
施設しせつ栽培さいばい特有とくゆう病害びょうがいで、はな果実かじつ発生はっせいするが、果実かじつへの被害ひがい問題もんだいとなる。
ようはてはなから感染かんせんし、果実かじつあわ褐色かっしょくとなり腐敗ふはいする。多湿たしつ条件下じょうけんか腐敗ふはい灰色はいいろのカビがしょうじ、胞子ほうし飛散ひさんして伝染でんせんする。
病原菌びょうげんきん被害ひがい植物しょくぶつとともに土壌どじょうちゅうのこり、伝染でんせんげんとなる。やや低温ていおん多湿たしつ条件じょうけんになると多発たはつする。
<防除ぼうじょ>
開花かいかれた花弁はなびら伝染でんせんげんとなるので、できるだけ除去じょきょする。

きんかくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
施設しせつ栽培さいばいでの発生はっせいおおみとめられ、果実かじつやツルでの被害ひがいおおきい。
果実かじつでは、はなちの部分ぶぶんからみずれたようなやまいまだらができる。やがて発病はつびょう部分ぶぶん綿めんじょうのカビでおおわれ、表面ひょうめん黒色こくしょくのネズミのくそのようなきんかく形成けいせいされる。
おかされた果実かじつ腐敗ふはいし、ツルの発病はつびょう部分ぶぶんよりうえ枯死こしする。
発病はつびょうにできたきんかく発芽はつがしてきのこができ、胞子ほうし飛散ひさんする。
<防除ぼうじょ>
被害ひがい果実かじつくき伝染でんせんげんとなるので処分しょぶんする。
施設しせつ栽培さいばいでは多湿たしつとなりやすいので、換気かんきおこな湿度しつど管理かんりおこなう。

▲つる割病による株のしおれ
▲つるわりびょうによるかぶのしおれ

▲つる割病による維管束の褐変
▲つるわりびょうによる維管たばの褐変

▲つる枯病
▲つる枯病

109
つるわりびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
気温きおんたか時期じきにキュウリがしもからし、やがてかぶ全体ぜんたいがしおれてれる。
しおれたかぶではかぶもとちか部分ぶぶんあわ褐色かっしょくになり、ができヤニがる。この部分ぶぶんにはしろいカビと淡紅あわべにしょくねばりけのある胞子ほうしができる。
くきると維管たば部分ぶぶんあわ褐色かっしょく変色へんしょくしており、はあめいろ変色へんしょくし、かぶ容易よういくことができる。
<防除ぼうじょ>
病原菌びょうげんきんくきとともに土壌どじょうちゅうのこり、伝染でんせんかえす。また、果実かじつ病原菌びょうげんきんはいると種子しゅし付着ふちゃく種子しゅし伝染でんせんする。
発病はつびょうじょうでは土壌どじょう消毒しょうどくおこなう。ハウス栽培さいばいでは太陽熱たいようねつ消毒しょうどく有効ゆうこうである。また、カボチャに接木つぎきをすると被害ひがい軽減けいげんできる。

つる枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くきぎわ灰色はいいろとなりその表面ひょうめんちいさなくろつぶ多数たすうできる。被害ひがい程度ていどはげしいと地上ちじょうはしおれてれる。ではえんからあわ褐色かっしょく大型おおがたびょうむら扇状せんじょうひろがる。
病原菌びょうげんきん土壌どじょう伝染でんせん種子しゅし伝染でんせんをする。
多湿たしつ条件下じょうけんか発生はっせいおおく、地下水ちかすいたか排水はいすいわるいほじょう多発たはつしやすい。
<防除ぼうじょ>
なえからのみをふせぎ、じきわらなどをおこなう。

▲モザイク病
モザイク病もざいくびょう

▲ワタアブラム
▲ワタアブラム

110
モザイク病もざいくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
あわ黄色きいろ輪郭りんかくのぼやけた斑紋はんもんおおくでき、いわゆるモザイクじょう(CMV)やしんえんきざみがふかくなり濃緑こみどりしょくのしわ(WMV)ができる。
果実かじつ上部じょうぶにモザイク(CMV)や大小だいしょうのこぶじょう凸凹でこぼこ(CGMMV)ができて奇形きけいとなる。
CMV、WMVはアブラムシるいによって伝染でんせんする。CGMMVは土壌どじょう伝染でんせんのほか、発病はつびょうした植物しょくぶつ接触せっしょくすることによっても伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
育苗いくびょう寒冷紗かんれいしゃ被覆ひふくしアブラムシるい侵入しんにゅう防止ぼうしする。また、はたけでは銀色ぎんいろのポリフィルムをうねめん被覆ひふくし、アブラムシるい飛来ひらい防止ぼうしする。
ウイルス症状しょうじょうかぶはやめに除去じょきょする。

ワタアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
翅のえたアブラムシは体長たいちょう1~2ミリ、あたまむねくろく、どうがややあおあじびた黄色おうしょくむしで、キュウリが栽培さいばいされるとどこからともなく飛来ひらいする。翅のないアブラムシは体長たいちょう0.5~1ミリ、たまごがた黄色おうしょくまたはくろ緑色みどりいろのものがおおい。

▲ワタヘリクロノメイガの幼虫
▲ワタヘリクロノメイガの幼虫ようちゅう

▲ウリハムシによる被害
▲ウリハムシによる被害ひがい

▲ウリハムシの成虫
▲ウリハムシの成虫せいちゅう

111
ワタヘリクロノメイガ(ウリノメイガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
つづわせ、そのなか幼虫ようちゅう食害しょくがいする。
多発たはつするとようはて食害しょくがいして5ミリくらいのあなをあけることがある。
幼虫ようちゅう緑色みどりいろで、体長たいちょうは2センチ、背中せなかに2ほんしろすじられる。

ウリハムシ(ウリバエ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
成虫せいちゅう直径ちょっけい1~2センチのえんえがくように食害しょくがいする。しばらくすると食害しょくがいこん沿ってまるかれたあながたくさんできる。
成虫せいちゅう多発たはつすると果実かじつ表面ひょうめんにもまるきずがたくさんできる。
成虫せいちゅうおおきさやく1センチ、黄色きいろで、れたにはさかんにまわる。一見いっけんするとハエのようなので、ウリバエともよばれる。
幼虫ようちゅう体長たいちょう0.5~1センチのしろいウジムシである。
幼虫ようちゅうなかにいて、食害しょくがいする。幼虫ようちゅう多発たはつするとはたらきがわるくなり、にちちゅうがしおれることがある。

▲ミナミキイロアザミウマによる被害
▲ミナミキイロアザミウマによる被害ひがい

▲オンシツコナジラミの多発に伴うすす病の発生
▲オンシツコナジラミの多発たはつともなうすすびょう発生はっせい

▲オンシツコナジラミの成虫
▲オンシツコナジラミの成虫せいちゅう

112
ミナミキイロアザミウマ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しるわれ、その部分ぶぶんいろける。
うらでは被害ひがいひかり反射はんしゃしてテカテカとひかる。
果実かじつでは、表面ひょうめんサメ肌さめはだじょうきずができる。
多発たはつすると褐色かっしょくになって枯死こしし、かぶよわる。
むし体長たいちょう0.5~1ミリで非常ひじょうちいさく、細長ほそながい。からだしょく成虫せいちゅう黄色おうしょく幼虫ようちゅうではしろあわ黄色きいろである。
<防除ぼうじょ>
うねめんにビニールフィルムでマルチをおこなうとむし密度みつどがる。

オンシツコナジラミ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しるってネバネバしたえき排泄はいせつし、そのうえにすすびょう発生はっせいするため、果実かじつくろけがれる。
多発たはつするとかぶ全体ぜんたいよわり、収量しゅうりょう減少げんしょうする。
成虫せいちゅう体長たいちょう2ミリでちいさいしろちょうのようにえる。うらには体長たいちょう2ミリで透明とうめい小判こばんがたをした幼虫ようちゅう付着ふちゃくしている。
さむさによわく、ハウスでしか越冬えっとうできない。

▲ネコブセンチュウ類による被害
▲ネコブセンチュウるいによる被害ひがい

▲タバココナジラミの成虫
▲タバココナジラミの成虫せいちゅう

▲ハモグリバエ類による被害
▲ハモグリバエるいによる被害ひがい

113
ネコブセンチュウるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1ミリ以下いかいとくずのような透明とうめいむし寄生きせいしてコブをつくる。このため、からみずげがさまたげられ、昼間ひるまかぶがしおれ、夜間やかん回復かいふくすることをくりがえ
症状しょうじょう高温こうおんなついちじるしく、しばしばかぶれる。
病害びょうがい間違まちがいやすいが、にコブがあることにより区別くべつできる。

タバココナジラミ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
成虫せいちゅう体長たいちょう1ミリで、かぶをゆするとしろいチョウのようにう。幼虫ようちゅう体長たいちょう1ミリでうす黄色おうしょくうらうごかずにしるう。
多発たはつするとむし排泄はいせつぶつとそのうえ発生はっせいするくろいカビ(すすびょう)で果実かじつくろけがれる。
ウイルスびょう伝搬でんぱんするので問題もんだいになる。

ハモグリバエるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~2ミリの黄色おうしょくのウジムシ(幼虫ようちゅう)がなかすすみ、そのあとしろすじになる。このため、エカキムシともばれる。成虫せいちゅう体長たいちょう2ミリのちいさなハエである。
天敵てんてき寄生きせいした幼虫ようちゅう褐色かっしょくになるので天敵てんてきはたらいている目安めやすになる。
<防除ぼうじょ>
土着どちゃく天敵てんてきがよくはたらくため、天敵てんてき影響えいきょうのすくない薬剤やくざい使用しようする。

▲赤枯症
あか枯症

▲赤枯症による塊茎の腐敗
あか枯症による塊茎かいけい腐敗ふはい

▲ひぶくれ病
▲ひぶくれびょう

114
あか枯症
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
7がつ上旬じょうじゅん中旬ちゅうじゅんにかけて発生はっせいする。はじめかぶそと2~3まい緑色みどりいろ赤色あかいろ変色へんしょくし、その赤褐色せきかっしょくになるとともに内部ないぶ変色へんしょく、やがてかぶ全体ぜんたい枯死こしする。
発病はつびょうかぶ塊茎かいけいは褐変し、はなはだしい場合ばあいくろへんして腐敗ふはいする。褐色かっしょく変色へんしょくし、りょうすくなくなる。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょうかぶ塊茎かいけいには腐敗ふはい部分ぶぶんがあり、このようなイモを移植いしょくすると発病はつびょうする。無病むびょうたねイモをえるようにする。

ひぶくれびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
葉柄ようへい球茎きゅうけい発生はっせいする。には緑色みどりいろ黄色きいろで、周辺しゅうへん不鮮明ふせんめい円形えんけい楕円だえんがたやまいまだらができ、やがて隆起りゅうきしたやまいまだらとなり、やまいまだら裏面りめん陥没かんぼつする。
やまいまだら融合ゆうごうして直径ちょっけいすうセンチの大型おおがたびょうむらとなり、多発たはつすると茎葉けいようれる。
やまいむら中央ちゅうおうには黒色こくしょく小粒こつぶてん多数たすうでき、表皮ひょうひやぶれて胞子ほうし放出ほうしゅつする。被害ひがい茎葉けいようじょうにできた胞子ほうし越冬えっとうし、翌年よくねんこれが水面すいめん浮遊ふゆうして感染かんせんする。
なつあき高温こうおんで、雷雨らいう台風たいふうおおとし多発たはつする傾向けいこうがある。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいかぶ茎葉けいよう除去じょきょする。

▲クワイホソハマキによる株枯れ
▲クワイホソハマキによるかぶ

▲クワイホソハマキ<BR /> の<ruby><rb>幼虫</rb><rt>ようちゅう</rt></ruby>
▲クワイホソハマキ
 の幼虫ようちゅう

▲クワイホソハマキによる<BR /> <ruby><rb>葉柄</rb><rt>ようへい</rt></ruby>の<ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>
▲クワイホソハマキによる
 葉柄ようへい被害ひがい

▲ハスクビレアブラムシ
▲ハスクビレアブラムシ

115
クワイホソハマキ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう葉柄ようへい(いわゆるくき)にもぐり、内部ないぶをトンネルじょうすすむ。このため、葉柄ようへい褐色かっしょくになり、そのくろ変色へんしょくして枯死こしする。
幼虫ようちゅう葉柄ようへいはいったあとからはしろえきて、よごれている。くそはほとんどがいさない。
たまごうら葉脈ようみゃく沿いにかたまりまれる。
成虫せいちゅう褐色かっしょくちいさなで、翅に光沢こうたくのある褐色かっしょくふとおびが2ほんある。
<防除ぼうじょ>
アブラムシるい防除ぼうじょがなされていると、発生はっせいすくない。

ハスクビレアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
成虫せいちゅう幼虫ようちゅうとも集団しゅうだんからしるう。多発たはつすると正常せいじょう展開てんかいしない。
からだ赤褐色せきかっしょくである。
はるにモモ、ウメ、サクラなどに寄生きせいしたものが、5がつ下旬げじゅん以降いこう飛来ひらいしてくる。クワイでは10がつ下旬げじゅんごろまで発生はっせいをくりかえす。
<防除ぼうじょ>
集団しゅうだん発生はっせいするので、発生はっせい初期しょきにはごところせする。

▲黒斑病
くろむらびょう

▲斑紋モザイグ病
斑紋はんもんモザイグびょう

116
くろむらびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
イモの表面ひょうめん直径ちょっけい2~3センチの黒色こくしょくまるやまいまだらができ、やまいむら中央ちゅうおうとくくろく、みじかのようなものが密生みっせいしている。収穫しゅうかくには目立めだたず、貯蔵ちょぞうちゅう症状しょうじょうあらわれることがおおい。
やまいむらかわした緑色みどりいろびた黒色こくしょくになり、のちにはかなり内部ないぶまで変色へんしょくする。
発病はつびょうしたイモは強烈きょうれつにがみがあり、食用しょくようにできない。また、家畜かちくあたえるとがいになる。
コガネムシるい、ネズミによる食害しょくがい傷口きずぐちから感染かんせんして発病はつびょうすることがおおい。
<防除ぼうじょ>
土壌どじょうたねイモで伝染でんせんする。苗床なえどこ無病むびょうもちい、無病むびょうたねイモからなえる。
品種ひんしゅにより抵抗ていこうせいがあるため、発病はつびょうおおいほじょうでは抵抗ていこうせい品種ひんしゅもちいる。

斑紋はんもんモザイク病もざいくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
葉脈ようみゃくあわ黄色きいろのにじんだような斑紋はんもんができる。やまいまだら周囲しゅうい紫色むらさきいろになる。なつ高温こうおんにはこの症状しょうじょうえる。
発病はつびょうかぶ苗床なえどこちぢれ、生育せいいくおとる。
はたけでの生育せいいくにはがないが、イモのはだいろがややわるくなる。
<防除ぼうじょ>
アブラムシるいにより伝染でんせんするのでアブラムシるい防除ぼうじょする。

▲ハスモンヨトウの幼虫
▲ハスモンヨトウの幼虫ようちゅう

▲ナカジロシタバの幼虫
▲ナカジロシタバの幼虫ようちゅう

▲エビガラスズメの幼虫
▲エビガラスズメの幼虫ようちゅう

117
ハスモンヨトウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~4センチ、緑色みどりいろ灰色はいいろまたは黒褐色こっかっしょくむし食害しょくがいしてあなをあける。被害ひがいはげしいときはふと葉脈ようみゃくくきだけになる。
ちいさなころはアオムシによく緑色みどりいろむしで、50~100ひき集団しゅうだんをつくる。
<防除ぼうじょ>
むし集団しゅうだん食害しょくがいしているって処分しょぶんする。

ナカジロシタバ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう2~4センチのイモムシで、あわ紫色むらさきいろで5ほん細長ほそなが黄色おうしょくせんがある。食害しょくがいしてボロボロにする。

エビガラスズメ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう2~9センチ、おしりかくのような突起とっきをもったおおきなイモムシで、はげしく食害しょくがいし、あっというかぶ全体ぜんたい丸坊主まるぼうずにする。
からだしょく緑色みどりいろのほか、黒色こくしょく褐色かっしょくむしもいる。

▲イモコガにより折り曲げられた葉
▲イモコガによりげられた

▲イモコガの幼虫
▲イモコガの幼虫ようちゅう

▲コガネムシ類によるサツマイモの被害
▲コガネムシるいによるサツマイモの被害ひがい

118
イモコガ(イモキバガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
げた、または2まいをあわせてをつくり、そのなかで、片面かためん食害しょくがいする。被害ひがいけた部分ぶぶんは褐変し、やがてちてあながあく。
むし体長たいちょう1センチで細長ほそながく、からだ白色はくしょく紫色むらさきいろしま模様もようがある。
被害ひがいはよくにつくが、実害じつがいすくない。

コガネムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう2~4センチ、白色はくしょくまたは黄色おうしょくむしなかむ。むしはいつもからだまるめているのが特徴とくちょうである。
イモの表面ひょうめんあさくかじり、その部分ぶぶんがへこむ。また、傷口きずぐちからくろむらびょう侵入しんにゅうしてイモがくろくさる。
成虫せいちゅう植物しょくぶつくさったにひかれて飛来ひらいし、たまごむ。このため、なかくさ、わらなどをむと多発たはつしやすい。

▲汚斑病
けがれむらびょう

▲黒斑病
くろむらびょう

▲モザイク病(DMV)
モザイク病もざいくびょう(DMV)

119
きたなむらびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ひょううらにしみじょう褐色かっしょく円形えんけいやまいまだらができる。やまいまだらしもからうえ伝染でんせんしていく。
病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅうのこ伝染でんせんげんとなる。
<防除ぼうじょ>
多発たはつしても実害じつがいすくない。

くろむらびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
イモの表面ひょうめん灰色はいいろのカビがしょうじ、その黒褐色こっかっしょくのしみのようなやまいまだらとなり腐敗ふはいする。
感染かんせんしているたねイモや伝染でんせんげんとなる。収穫しゅうかく傷口きずぐちから感染かんせんし、貯蔵ちょぞうちゅう発病はつびょうする。
発病はつびょうイモをあらうと表面ひょうめんにいわゆる「ほし」(斑点はんてん)があり、品質ひんしつちる。
<防除ぼうじょ>
健全けんぜんたねイモを使用しようする。

モザイク病もざいくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
CMV、DMVの2種類しゅるいのウイルスによって発生はっせいする。CMV感染かんせんによる症状しょうじょうは、鮮明せんめい黄色おうしょくのまだら模様もよう(モザイク)や葉脈ようみゃくみどりくなるなどの症状しょうじょうで、奇形きけいになったりかぶちいさくなることもある。
DMVでは白色はくしょくがかった斑紋はんもん稲妻いなづまじょうのモザイクがしょうじることがある。
<防除ぼうじょ>
無病むびょうたねイモをもちいる。

▲ワタアブラムシ
▲ワタアブラムシ

▲ハスモンヨトウの幼虫
▲ハスモンヨトウの幼虫ようちゅう

▲セスジスズメの幼虫
▲セスジスズメの幼虫ようちゅう

120
ワタアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
くき体長たいちょう1~2ミリ、黄色おうしょくまたは黒色こくしょくちいさなむしすうじゅうすうせんひきあつまって寄生きせいする。
多発たはつするとかぶ生長せいちょうおさえられるほか、葉柄ようへいむし排泄はいせつぶつがらきたなくなる。

ハスモンヨトウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう2~4センチのむし集団しゅうだん裏側うらがわあさくかじる。
からだいろ緑色みどりいろのほか、うすい灰色はいいろ黒褐色こっかっしょくのものもあるが、一般いっぱんてき成長せいちょうするにつれてくろくなる。
あたまのすぐうしろに1ついちいさな黒色こくしょく斑紋はんもんがあるのが特徴とくちょうである。

セスジスズメ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう2~8センチ、おしりかくのような突起とっきをもち、からだ側面そくめん黄色おうしょく目玉めだま模様もようをたくさんもったむしあらしてボロボロにしてしまう。
からだいろはほとんどが黒色こくしょくであるが、緑色みどりいろのものもいる。
<防除ぼうじょ>
発生はっせいすくないので、むしつけしだいころせする。

▲斑点病
斑点はんてんびょう

▲そうか病
▲そうかびょう

▲炭そ病
たんびょう

121
斑点はんてんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
褐色かっしょく黒褐色こっかっしょくちいさな斑点はんてんができる。発病はつびょうしたをパックめすると、輸送ゆそうちゅう高温こうおん多湿たしつ条件じょうけんすうミリだい黒色こくしょくやまいまだらができ、融合ゆうごうして大型おおがたびょうむらとなり、腐敗ふはいさせる。
施設しせつ露地ろじ栽培さいばいで、7がつ中旬ちゅうじゅんから9がつにかけて発生はっせいられる。
多発たはつするとわか奇形きけいになることもある。
<防除ぼうじょ>
20℃以上いじょう多湿たしつ条件下じょうけんか発生はっせいする。
この病気びょうきは、はたけちいさなやまいまだらのある収穫しゅうかく高温こうおん多湿たしつ条件じょうけんくことで被害ひがい発生はっせいする。
15℃以下いか低温ていおん条件下じょうけんか流通りゅうつうすると発病はつびょう防止ぼうしできる。

そうかやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
発病はつびょうは5~7がつにかけてられ、高温こうおんには発生はっせい減少げんしょうし、9月からふたた発生はっせいする。
やまいまだら葉柄ようへいくきなど地上ちじょうられる。表面ひょうめん直径ちょっけいすうミリの円形えんけい楕円だえんがたのふくれたあわ緑色みどりいろやまいまだらができる。のちにかさぶたじょうとなる。
くきでは直径ちょっけい1~13ミリの円形えんけい楕円だえんがた隆起りゅうきしたやまいまだら形成けいせいし、はじめはい褐色かっしょくでやがてむらさき褐色かっしょくになる。茎葉けいよう多数たすうやまいまだらができると落葉らくようしたり、立枯たちがれをおこす。
<防除ぼうじょ>
はたけ発病はつびょうかぶ放置ほうちしない。

たんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
しもくら褐色かっしょくしょう斑点はんてんあらわれ、斑点はんてんおおくなるといろあせ落葉らくようする。あかじそのなえではいただきがしおれ、はげしい場合ばあいかぶ枯死こしすることもある。
あめおお時期じき多湿たしつ発生はっせいしやすいが、盛夏せいか生育せいいくすすんだかぶでは発生はっせいしにくくなる。
<防除ぼうじょ>
圃場ほじょう日当ひあたりと排水はいすいをよくする。マルチなどであめによる土壌どじょうがりをふせぐ。
病気びょうきれたなどが翌年よくねん伝染でんせんげんになるので圃場ほじょうからのぞく。

▲疫病
疫病えきびょう

▲そうか病
▲そうかびょう

122
疫病えきびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
開花かいかごろ(暖地だんちで5~6がつ上旬じょうじゅん)に、かぶもとくら緑色みどりいろ斑点はんてんができる。やまいまだらはしだいにおおきくなって、裏面りめん灰白色かいはくしょくのカビがえる。
発病はつびょうはげしいときには数日すうじつでほじょう全面ぜんめんひろがり、茎葉けいよう熱湯ねっとうをかけたようになり、腐敗ふはいはたけ全体ぜんたいから悪臭あくしゅうはなつ。イモにも感染かんせんし、イモがくら褐色かっしょくとなり、かたくなる。
低温ていおん雨天うてんつづとき発生はっせいしやすい。
<防除ぼうじょ>
健全けんぜんたねイモを使用しようし、発病はつびょうかぶる。
じょう排水はいすい良好りょうこうにする。

そうかやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
イモの表面ひょうめんに、大小だいしょうさまざまながったあわ褐色かっしょくのかさぶたじょうやまいまだらができる。
やまいむら部分ぶぶんのイモのにくあわ褐色かっしょくでやや腐敗ふはいする。
症状しょうじょうにはケラの食害しょくがいこんのようなものや、網目あみめじょう亀裂きれつができるものがある。
病原菌びょうげんきん土壌どじょうのこ長時間ちょうじかん伝染でんせんする。アルカリ性あるかりせい土壌どじょう発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
ジャガイモの連作れんさくけ、土壌どじょう酸性さんせい肥料ひりょうあたえる。

▲ニジュウヤホシテントウの幼虫<BR /> (<ruby><rb>右</rb><rt>みぎ</rt></ruby><ruby><rb>下</rb><rt>か</rt></ruby>:ニジュウヤホシテントウの<ruby><rb>成虫</rb><rt>せいちゅう</rt></ruby>)
▲ニジュウヤホシテントウの幼虫ようちゅう
 (みぎ:ニジュウヤホシテントウの成虫せいちゅう)

▲モモアカアブラムシ
▲モモアカアブラムシ

▲夏疫病
なつ疫病えきびょう

123
ニジュウヤホシテントウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
褐色かっしょくに28黒点こくてんをもった体長たいちょう7ミリのテントウムシが裏側うらがわをかじり、階段かいだんじょう傷痕きずあとのこす。
幼虫ようちゅう体長たいちょう5~10ミリ、灰色はいいろ黒色こくしょくのトゲをったタワシじょうむしで、成虫せいちゅうおなじようにうら食害しょくがいする。
食害しょくがいけた部分ぶぶんはやがてちてあながあく。多発たはつするとはボロボロになり、かぶ全体ぜんたい褐色かっしょくになる。
<防除ぼうじょ>
むし発生はっせいすくないとき防除ぼうじょ不要ふようである。

アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
裏側うらがわに1~3ミリのむしすうじゅうすうひゃくひき集団しゅうだんをつくってしるうため、元気げんきがなくなり、裏側うらがわむ。多発たはつするとかぶ全体ぜんたいよわり、イモの収量しゅうりょうる。
種類しゅるいはワタアブラムシ、モモアカアブラムシ、ジャガイモヒゲナガアブラムシがあり、からだいろ黄色おうしょく緑色みどりいろ赤色あかいろ灰色はいいろ黒色こくしょくなどさまざまである。

なつ疫病えきびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くら褐色かっしょくしょう斑点はんてんあらわれ、やがて同心円どうしんえんじょうもんともなった褐色かっしょくおおきなやまいむらになりからがる。はげしくなるとかぶ全体ぜんたいれることもある。
高温こうおん肥料ひりょうれで発生はっせいしやすい。
<防除ぼうじょ>
生育せいいく後期こうき肥料ひりょうれしないようにする。
被害ひがいなどが地中ちちゅうのこ年度ねんど伝染でんせんげんになるので、圃場ほじょうのこさないようにする。
やや低温ていおん発生はっせいする疫病えきびょうとはまったことなる病害びょうがいである。

▲べと病(葉表)
▲べとやめ(ひょう)

▲べと病(葉裏に生じた胞子)
▲べとやめ(うらしょうじた胞子ほうし)

▲炭そ病
たんびょう

124
べとやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
4~6がつ、9~10がつ発生はっせいおおい。施設しせつ栽培さいばいでは一年中いちねんじゅう発生はっせいすることがある。
はじめ周辺しゅうへん不明瞭ふめいりょう黄色おうしょくみをびたやまいまだらができ、やがて全面ぜんめんひろがり、一部いちぶが褐変する。湿度しつどたかいと病変びょうへん裏面りめんには白色はくしょくしもじょうのカビがしょうじ、急速きゅうそく蔓延まんえんする。
品種ひんしゅによって被害ひがい程度ていどがあり、種子しゅし伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
しゅりょうすくなくし、株間かぶま通風つうふうくする。また、潅水かんすいりょうをひかえめにし、めんへの潅水かんすいけるなど湿しめたいする対策たいさく重要じゅうようである。

たんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
葉柄ようへいくき発生はっせいする。発生はっせいは、6~7がつ、9~10がつおおく、降水こうすいりょうおお時期じき被害ひがいおおくなる。
黒褐色こっかっしょく茶褐色ちゃかっしょく不規則ふきそくやまいまだらしょうじる。くきでは楕円だえんがたまたは細長ほそながやまいまだらしょうじ、降雨こうう曇天どんてんには、やまいまだらじょうピンク色ぴんくいろ胞子ほうしかたまり形成けいせいされ、これが飛散ひさんして伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
病原菌びょうげんきん種子しゅし伝染でんせんする。あたらしい種子しゅしでは病原菌びょうげんきんのこっていることがあるので、1ねん以上いじょう経過けいかしたふるたねもちいると発生はっせいすくない。
じょう排水はいすいくする。

▲立枯病
立枯たちがれびょう

▲葉枯病
枯病

▲葉枯病の葉の病斑
枯病のやまいまだら

125
立枯たちがれびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
やしなええき栽培さいばいようなえ発生はっせいし、はいじく基部きぶ(ぎわ)からにかけてくら褐色かっしょく軟化なんかして倒伏とうふく枯死こしする。生育せいいくすすんだかぶではほとんど発生はっせいしない。
生育せいいく適温てきおんが30℃以上いじょうで、みず伝染でんせんする病原菌びょうげんきんのため、高温こうおんやしなええき栽培さいばい培養ばいようえきつうじて急速きゅうそく蔓延まんえんする。
<防除ぼうじょ>
高温こうおんには遮光しゃこうするなどして室温しつおんえきゆたか上昇じょうしょうふせぐ。
発病はつびょうした栽培さいばいそうやタンク、配管はいかんなどは十分じゅうぶん消毒しょうどくしてからつぎさく使用しようする。

枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
あわ褐色かっしょくやまいまだら形成けいせいし、やがて全体ぜんたいひろがってれる。えんかられてなかじくだけがのこることもある。たんびょうよりやまいまだらいろあわ中心ちゅうしんしろっぽい。
高温こうおん多湿たしつ発生はっせいしやすい。れた病葉わくらば地中ちちゅうのこ翌年よくねん伝染でんせんげんになる。
<防除ぼうじょ>
高温こうおん遮光しゃこうするなどして温度おんどげるとともに風通かぜとおしをよくする。
土壌どじょうがりをふせぐためマルチをしたり、チューブ潅水かんすいなどの工夫くふうをする。

▲ハモグリバエ類による被害
▲ハモグリバエるいによる被害ひがい

▲ハスモンヨトウの幼虫と被害
▲ハスモンヨトウの幼虫ようちゅう被害ひがい

▲アザミウマ類による被害
▲アザミウマるいによる被害ひがい

126
ハモグリバエるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~2ミリの幼虫ようちゅう(ウジムシ)が内部ないぶすすみ、しょくこんしろすじになる。成虫せいちゅう体長たいちょう2ミリのちいさなハエである。ハモグリバエは数種類すうしゅるいいるが、肉眼にくがんでの区別くべつむずかしい。
<防除ぼうじょ>
収穫しゅうかく地面じめんにビニールをいて、太陽熱たいようねつ地中ちちゅうさなぎころす。

ヨトウムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~4センチのイモムシがべる。
数種類すうしゅるいいるが、あたま後方こうほう一対いっついくろ斑紋はんもんをもつハスモンヨトウの被害ひがいおおきい。

アザミウマるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
黄色おうしょく褐色かっしょく体長たいちょう0.5~1ミリの細長ほそながむし展開てんかいちゅうしんしるうため、展開てんかいにひきつれたようなきずがついたり、ちぢれたりする。
むしかずすくなくてもおおくの被害ひがい発生はっせいするため、むしはなかなかつからない。
<防除ぼうじょ>
収穫しゅうかく地面じめんにビニールをいて、太陽熱たいようねつ地中ちちゅうさなぎころす。

▲炭そ病
たんびょう

▲白絹病による果実の腐敗
しろきぬびょうによる果実かじつ腐敗ふはい

127
たんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
被害ひがいくき子葉しよう果実かじつられる。
では円形えんけい楕円だえんがた褐色かっしょく中心ちゅうしん灰色はいいろもんのあるやまいまだらができる。果実かじつでは、あぶらのしみたような斑点はんてんができ、やがて拡大かくだい褐色かっしょくのくぼんだやまいまだらとなる。
低温ていおんで、日照ひでりすくなく、あめおおとし多発たはつする。
<防除ぼうじょ>
はたけ排水はいすいくし、じきわらなどによりがりをふせぎ、感染かんせん防止ぼうしする。

しろきぬびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くきぎわや、せっしている果実かじつおかされる。くきおかされるとかぶ急速きゅうそくにしおれ、枯死こしすることがある。
被害ひがい部分ぶぶん白色はくしょく絹糸けんしじょうのカビでおおわれ、やがてその部分ぶぶん褐色かっしょくちいさなつぶ(きんかく)が多数たすうできる。翌年よくねんこのきんかく感染かんせんげんとなる。
高温こうおん多湿たしつ条件じょうけん発生はっせいおおい。窒素ちっそ過多かた密植みっしょく状態じょうたい多発たはつする。
<防除ぼうじょ>
たたえすい田畑たばたかわすると被害ひがいすくなくなる。
かぶもとかわくようにすると被害ひがいすくない。
発生はっせいおおいほじょうでは、連作れんさくける。

▲つる割病による被害
▲つるわりびょうによる被害ひがい

▲つる割病による茎の亀裂
▲つるわりびょうによるくき亀裂きれつ

▲つる枯病による葉の被害
▲つる枯病による被害ひがい

128
つるわりびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
地温ちおんが20℃以上いじょうから発生はっせいられる。
かぶ全体ぜんたいがしおれ、やがて急速きゅうそく枯死こしする。ぎわくきみずひたじょうまたはみどり褐色かっしょく細長ほそながやまいまだらができ、茶褐色ちゃかっしょくのヤニがる。発病はつびょうすすむとくきあわ褐色かっしょくになり、たてができてしろいカビがしょうじ、のち淡紅あわべにしょくわる。くきると維管たばあわ褐色かっしょくになっている。
はあめいろ変色へんしょくしている。
<防除ぼうじょ>
連作れんさくけ、発病はつびょうじょうでは5ねん以上いじょうスイカを作付さくづけしない。
ユウガオやカボチャ台木だいぎもちいる。

つる枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くき果実かじつ発生はっせいする。くきぎわ部分ぶぶんみずひたじょうくら緑色みどりいろとなり、やがて褐色かっしょくとなってができ、多数たすうしょう黒点こくてんができる。
では円形えんけい楕円だえんがた融合ゆうごうした整形せいけい褐色かっしょくやまいまだらができる。
梅雨つゆ降雨こううにより被害ひがい増加ぞうかする。
繁茂はんも風通かぜとおしがわるいと発生はっせいする。湿しめ苗床なえどこではなえにも発生はっせいする。
病原菌びょうげんきん被害ひがい植物しょくぶつ付着ふちゃくして土壌どじょうちゅう越冬えっとうする。また、種子しゅし伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
湿しめにならないように管理かんりすることが大切たいせつである。

▲モザイク病(CMV)
モザイク病もざいくびょう(CMV)

▲CGMMVによる<BR /> <ruby><rb>果実</rb><rt>かじつ</rt></ruby>の<ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>
▲CGMMVによる
 果実かじつ被害ひがい

▲モザイク病(CGMMV)
モザイク病もざいくびょう(CGMMV)

▲疫病による果実の被害
疫病えきびょうによる果実かじつ被害ひがい

129
モザイク病もざいくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ウイルスびょうで、しんがまだら模様もよう(モザイク)になる。
CMVではかるいモザイクであるが、CGMMVとWMVでははげしいモザイク症状しょうじょうとなり、明瞭めいりょう斑紋はんもんになる。また、にくあつ奇形きけいになることもある。果実かじつにもモザイクができる。
<防除ぼうじょ>
CMVとWMVはモモアカアブラムシ、ワタアブラムシによって伝染でんせんするので、アブラムシるい防除ぼうじょ徹底てっていする。CGMMVは土壌どじょう伝染でんせんする。
モザイク症状しょうじょうかぶはできるだけすみやかにのぞく。

疫病えきびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
みずひたじょうくら緑色みどりいろやまいまだらができる。乾燥かんそうするとはい褐色かっしょくくら褐色かっしょくになり、やぶれやすい。
くきでは紡錘ぼうすいがたのくぼんだやまいまだらができ、やまいまだらからうえくきがしおれる。
果実かじつではくら緑色みどりいろすいひたじょうのへこんだ円形えんけいびょうむらができ、急速きゅうそくおおきくなり、果実かじつ腐敗ふはいする。
湿度しつどたかいときには白色はくしょく綿毛わたげじょうのカビがえる。
<防除ぼうじょ>
こううねにするなどはたけ排水はいすいをよくする。また、窒素肥料ちっそひりょうをやりすぎないようにする。

▲ハダニ類による被害
▲ハダニるいによる被害ひがい

▲ミナミキイロアザミウマによる果実の被害
▲ミナミキイロアザミウマによる果実かじつ被害ひがい

▲ウリハムシの成虫
▲ウリハムシの成虫せいちゅう

130
ハダニるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しるわれ、その部分ぶぶんいろけて黄色きいろくなる。
成虫せいちゅう体長たいちょう1ミリで非常ひじょうちいさい。赤色あかいろのカンザワハダニとあわ緑色みどりいろのナミハダニがある。

ミナミキイロアザミウマ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しるわれ、その部分ぶぶんいろける。被害ひがいひかり反射はんしゃして銀色ぎんいろひかる。
体長たいちょうは0.5~1ミリで非常ひじょうちいさく、細長ほそながい。からだしょく成虫せいちゅうでは黄色おうしょく幼虫ようちゅうではしろまたはうすい黄色きいろである。

ウリハムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
直径ちょっけい1センチくらいのえんえがいて食害しょくがいされ、やがてまるいたあなとなる。
成虫せいちゅう体長たいちょう1センチで黄色きいろく、れたにはさかんにまわる。
幼虫ようちゅう食害しょくがいし、多発たはつするとかぶ生長せいちょうまり、枯死こしすることもある。

▲萎黄病の末期症状
あまどころびょう末期まっき症状しょうじょう

▲萎黄病による根の維管束の褐変
あまどころびょうによるの維管たばの褐変

▲軟腐病
▲軟腐びょう

131
あまどころびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
育苗いくびょうに、なえがしおれて枯死こしする。ると維管たば部分ぶぶんが褐変している。
肥大ひだい時期じきではしもからし、生育せいいくおとってかぶちいさくなりれる。るとリングじょうに褐変し、内部ないぶ放射状ほうしゃじょう変色へんしょくられる。
病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅうのこ伝染でんせんする。
連作れんさくすると多発たはつしやすく、地温ちおんたか時期じきによく発病はつびょうする。
はるまき栽培さいばいでは生育せいいく後期こうきなつまき栽培さいばいでは生育せいいく初期しょきから発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
多発たはつじょうでは、連作れんさくける。
あまどころびょう抵抗ていこうせい品種ひんしゅ(なつのみ早生わせ3ごう、YRくらまなど)を栽培さいばいする。

軟腐びょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ようなえではぎわみずれたように腐敗ふはいし、やがてしおれてれる。
生育せいいくでは、くび部分ぶぶんよごれたような白色はくしょくで、やわらかくなり、内部ないぶがドロドロになって腐敗ふはいし、悪臭あくしゅうはなつ。
病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅうのこ伝染でんせんげんとなる。排水はいすいわるいほじょう多発たはつする。
気温きおんたかいと発生はっせいしやすい。
<防除ぼうじょ>
多発たはつじょうでの連作れんさくける。
じょう排水はいすい改善かいぜんし、みずはけをよくする。

▲モザイク病
モザイク病もざいくびょう

▲モモアカアブラムシ
▲モモアカアブラムシ

▲バーティシリウム黒点病
▲バーティシリウム黒点こくてんびょう

132
モザイク病もざいくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
葉脈ようみゃくあわ黄色きいろ透明とうめいじょうになり、しだいに黄色おうしょくになりまだら模様もよう(モザイク症状しょうじょう)となる。
また、葉柄ようへい褐色かっしょく斑点はんてんや、すじじょう斑紋はんもんができることがある。
生育せいいく初期しょき感染かんせんすると生育せいいく不良ふりょうとなり、肥大ひだいしない。生育せいいく感染かんせんするとのモザイクと萎縮いしゅく症状しょうじょうしめして生育せいいく不良ふりょうとなり、ダイコンの肉質にくしつかたくなるなど品質ひんしつ低下ていかする。
アブラムシるいにより伝搬でんぱんされるのでアブラムシるい防除ぼうじょ徹底てっていする。
<防除ぼうじょ>
シルバーポリフィルムのマルチによりアブラムシるい飛来ひらい防止ぼうしする。

バーティシリウム黒点こくてんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
肥大ひだいしたると維管たばくろへんしている。
くろへん中心ちゅうしんでは放射状ほうしゃじょうで、かわそう付近ふきんでは輪状りんじょうである。そと葉柄ようへいると維管たばが褐変している。
軟化なんか腐敗ふはいすることはないが、まれにそとすることがある。
ダイコンのほかおおくの野菜やさい感染かんせんする。
<防除ぼうじょ>
土壌どじょう伝染でんせんする。病気びょうきのダイコンは処分しょぶんする。
水稲すいとう輪作りんさくをすると発病はつびょうかるくなる。

▲アオムシ
▲アオムシ

▲カブラハバチの幼虫
▲カブラハバチの幼虫ようちゅう

▲ヨトウムシ(ふ化直後の幼虫)
▲ヨトウムシ(ふ直後ちょくご幼虫ようちゅう)

133
アオムシ(モンシロチョウ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~3センチの緑色みどりいろむし食害しょくがいしてあなをあける。

カブラハバチ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~3センチの青色あおいろむし食害しょくがいする。れるとまるくなって落下らっかする。
<防除ぼうじょ>
ころせする程度ていどでよい。

ヨトウムシ(ヨトウガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
夜行やこうせい昼間ひるま根元ねもとなかひそんでいるので、はげしくあらされてあなだらけになっているにもかかわらずむしつからない。
夜間やかん見回みまわると体長たいちょう3~4センチ、くら褐色かっしょくむしうえつかる。
たまごからふしたのちしばらくのあいだすうじゅうひきむし集団しゅうだんうら寄生きせいし、薄皮うすかわのこして食害しょくがいするため、かしじょうになってれる。
わか幼虫ようちゅうはシャクトリムシのようにからだげたりばしたりしてあるくのが特徴とくちょうである。
<防除ぼうじょ>
幼虫ようちゅう集団しゅうだん寄生きせいしているって処分しょぶんする。また、夜間やかん見回みまわってころせする。

▲キスジノミハムシによる被害
▲キスジノミハムシによる被害ひがい

▲キスジノミハムシの成虫
▲キスジノミハムシの成虫せいちゅう

▲ハイマダラノメイガの幼虫
▲ハイマダラノメイガの幼虫ようちゅう

134
キスジノミハムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
収穫しゅうかく表面ひょうめん褐色かっしょくあさいへこみきずられる。多発たはつしたときには表面ひょうめんがでこぼこになるなど、エクボじょうきず多数たすうしょうじる。
成虫せいちゅう体長たいちょう2ミリ、黒色こくしょく背中せなかに2ほん黄色おうしょくせんをもった甲虫かぶとむしで、ちいさなあなをあける。ひとちかづくと、いきおいよくはねんでる。
幼虫ようちゅう白色はくしょくのウジムシで、なか生活せいかつし、表面ひょうめん食害しょくがいする。

ハイマダラノメイガ(ダイコンシンクイ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう体長たいちょう0.5~2センチ、あわ褐色かっしょくで5ほん褐色かっしょくたてすじがある。あたまくろい。
しんいとつづられるとともに、しん部分ぶぶん食害しょくがいされるので、ようなえ多発たはつすると被害ひがいおおきい。

▲べと病
▲べとやまい

▲菌核病 (発病初期)
きんかくびょう (発病はつびょう初期しょき)

▲菌核病 (多発時)
きんかくびょう (多発たはつ)

135
べとやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
おかされ、採種さいしゅにははながら、さやがおかされる。では、表面ひょうめんあわ黄色きいろ円形えんけい整形せいけい周辺しゅうへんがややぼけたやまいまだらしょうじ、拡大かくだいしても多角たかくがたやまいまだらとなる。
湿度しつどおおときには、やまいむらうら白色はくしょくのカビ(ぶん生子いくこ)がられる。
<防除ぼうじょ>
種子しゅし伝染でんせんするので、発病はつびょうかぶからは採種さいしゅしない。
アブラナ野菜やさい連作れんさくけ、うすきまきにして風通かぜとおしを確保かくほする。
防除ぼうじょ薬剤やくざい発病はつびょう初期しょき散布さんぷする。

きんかくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ダイコンのおかされる。
付近ふきんから発病はつびょうすることがおおく、葉柄ようへい軟化なんか腐敗ふはいし、表面ひょうめん白色はくしょく菌糸きんし黒色こくしょくでネズミのくそさまきんかくしょうじる。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょう防除ぼうじょむずかしい。罹病りびょうかぶはやめに除去じょきょし、発病はつびょうおお場合ばあいには、水田すいでんとの輪作りんさくとすると被害ひがい軽減けいげんされる。
発病はつびょうしたかぶきんかく形成けいせいされないうちにすみやかに圃場ほじょうがい処分しょぶんする。

▲黒腐病
くろくさやまい

▲白さび病(輪禍症)
しろさびびょう(輪禍りんかしょう)

136
くろくさやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
周辺しゅうへんへんしょうじ、くさびじょう整形せいけいにひろがって、維管たばくろへんする。
病変びょうへんは、の維管たばにもおよび、維管たばくろへん腐敗ふはいするこもある。
<防除ぼうじょ>
種子しゅし伝染でんせんするので、栽培さいばいにあたっては消毒しょうどくみの種子しゅしもちいる。
病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅう生存せいぞん土壌どじょう伝染でんせんする。多発たはつ圃場ほじょうでは、アブラナ以外いがい作物さくもつえる。

しろさびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
収穫しゅうかくのダイコン黒褐色こっかっしょく黒色こくしょく直径ちょっけい3~8ミリ程度ていど円形えんけいやまいまだら(輪禍りんかじょう)がいくつもられる。やまいまだらよこにつながるようにしょうじ、中央ちゅうおう付近ふきんより上部じょうぶ(ぎわ付近ふきん)におおい。
<防除ぼうじょ>
アブラナ野菜やさいしろさび病菌びょうきん感染かんせんによって発生はっせいすることが確認かくにんされており、圃場ほじょうにおけるしろさびびょう早期そうき発見はっけん除去じょきょつとめる。
アブラナ野菜やさい連作れんさくけ、収穫しゅうかくざん渣は丁寧ていねい除去じょきょするか、ふかたがやしてむ。

▲べと病
▲べとやまい

▲べと病越冬り病株
▲べとやめ越冬えっとうびょうかぶ

▲白色疫病
白色はくしょく疫病えきびょう

137
べとやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
早春そうしゅんに、光沢こうたくがなくなり湾曲わんきょくした感染かんせんかぶ(越年えつねんかぶ)がられる。
かぶ全体ぜんたいあわ緑色みどりいろとなり生育せいいくおとり、2~3がつごろ全身ぜんしんしろ灰色はいいろ胞子ほうし多数たすうつくられ、枯死こしする。3がつ以降いこうでは、越年えつねんかぶからの胞子ほうし飛散ひさんにより、ちょうたまごがた楕円だえんがた黄色きいろがかった大型おおがたびょうむらができる。
多湿たしつ条件じょうけんではやまいむら白色はくしょくしもじょうのカビがふく。
ネギ、ワケギにも感染かんせんし、ふたたびタマネギに伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
やまいかぶ除去じょきょし、処分しょぶんする。

白色はくしょく疫病えきびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
おも発生はっせいする。中央ちゅうおうみずひたじょうやまいまだらができる。やまいまだら白色はくしょく変色へんしょくし、やまいむらからがりがる。
発生はっせい晩秋ばんしゅう春期しゅんきにかけてられるが、被害ひがいは3~4がつおおい。とくに1~2がつあたたかく、3~4がつ冷涼れいりょうあめおおいと発生はっせいする。
排水はいすいわるいほじょうで、早春そうしゅん豪雨ごううによる冠水かんすいをうけると多発たはつする。
<防除ぼうじょ>
排水はいすいわるいほじょうでは、こううねにするなど排水はいすいをよくする。

▲灰色腐敗病
灰色はいいろ腐敗ふはいびょう

▲軟腐病
▲軟腐びょう

▲軟腐病によるりん茎の腐敗
▲軟腐びょうによるりんくき腐敗ふはい

138
灰色はいいろ腐敗ふはいびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
生育せいいくちゅうおよび貯蔵ちょぞうちゅうのタマネギに発生はっせいする。
生育せいいくちゅうでは3~5がつにかけてしたがり、ぎわのりんくきちかくに灰色はいいろこなじょうのカビがしょうじ、りんくき腐敗ふはいすることがある。
貯蔵ちょぞうちゅうのタマネギでは、首部しゅぶかた部分ぶぶんにかけて腐敗ふはいし、表面ひょうめんくら緑色みどりいろはい褐色かっしょくのビロードじょう胞子ほうし黒褐色こっかっしょくつぶ(きんかく)ができる。
1~3がつ降雨こううおおとし発生はっせいおおい。
類似るいじした病害びょうがいに軟腐びょう腐敗ふはいびょうがある。
<防除ぼうじょ>
窒素肥料ちっそひりょう多用たようけ、排水はいすいわるいほじょうではこううね栽培さいばいにするなど排水はいすいをよくする。

軟腐びょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
発病はつびょうは5がつごろから観察かんさつされる。やや温暖おんだん降雨こううおおとし発生はっせいしやすい。
ちゅう下位かいさや部分ぶぶんみずひたじょうから灰色はいいろ変色へんしょくし、部分ぶぶんも軟腐じょうになり倒伏とうふくする。
病原菌びょうげんきんはりんくきはいり、軟腐じょう腐敗ふはい異臭いしゅうはなつ。軽症けいしょうのものではりんくきくび部分ぶぶんさえるとしろじるがでる。
<防除ぼうじょ>
病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅうのこって伝染でんせんする。
多湿たしつなほじょうでは発病はつびょうおおいので、排水はいすいわるいほじょうではこううね栽培さいばいとする。

▲さび病
▲さびびょう

▲黒斑病
くろむらびょう

139
さびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
および花茎かけい発生はっせいする。表面ひょうめん青白あおじろしょう斑点はんてんしょうじ、拡大かくだいして紡錘形ぼうすいけいとなり、中央ちゅうおう赤褐色せきかっしょく隆起りゅうきし、やがてやぶれてだいだい黄色おうしょくこなじょうなつ胞子ほうししょうじる。
のちに、やまいむら周辺しゅうへん黒褐色こっかっしょく変化へんかしてふゆ胞子ほうしそうしょうじることもあるが、なつどりではまれである。
<防除ぼうじょ>
ほん病原菌びょうげんきんはネギぞく植物しょくぶつ以外いがいへの寄生きせいは、みとめられないので、ネギ、タマネギ、ニンニクなど連作れんさくや、これらの発病はつびょうかぶ周辺しゅうへんでの栽培さいばいける。
罹病りびょうかぶは、圃場ほじょうから除去じょきょするとともに、肥料ひりょうれしないように肥培ひばい管理かんりする。
やまいまだらみとめたら、はやめに防除ぼうじょ薬剤やくざい散布さんぷする。

くろむらびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
および花茎かけいやめまだらしょうじる。やまいまだらは、あわ褐色かっしょく紡錘形ぼうすいけいちょう楕円だえんがたで、やまいまだらじょう暗色あんしょくのカビがもんじょうしょうじて、胞子ほうし形成けいせいする。は、やまいむられやすくなる。
<防除ぼうじょ>
種子しゅし伝染でんせんするため、消毒しょうどくみの種子しゅしもちいる。
肥料ひりょうれすると発病はつびょうしやすいので、適正てきせい肥培ひばい管理かんりをする。
排水はいすい不良ふりょう多雨たう条件じょうけん発生はっせいしやすいので、やまいまだらみとめたら早期そうき防除ぼうじょ薬剤やくざい散布さんぷする。

▲アワノメイガの幼虫と虫糞
▲アワノメイガの幼虫ようちゅうむしくそ

▲アワヨトウの幼虫
▲アワヨトウの幼虫ようちゅう

▲アブラムシ類
▲アブラムシるい

140
アワノメイガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
果実かじつかわぐと内部ないぶあらされている。
体長たいちょうは1~2センチで、縦縞たてじま模様もようはない。
<防除ぼうじょ>
薬剤やくざい散布さんぷ適期てっきはじめたころ参照さんしょう)である。


アワヨトウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
食害しょくがいし、多発たはつするとかぶ丸坊主まるぼうずになる。
体長たいちょうは3~4センチで縦縞たてじま模様もようがある。

アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~2ミリの緑色みどりいろむしくきむらがらがってしるうため、かぶ生育せいいくおくれる。
ムギクビレアブラムシとキビクビレアブラムシの2しゅがいて、よくている。
キビクビレアブラムシのほうがいろがややうすい。

▲葉かび病(葉表)
かびびょう(ひょう)

▲葉かび病(葉裏に生えたビロード状のカビ)
かびびょう(うらえたビロードじょうのカビ)

▲輪紋病
もんびょう

141
かびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
おも発生はっせいする。はじめ表面ひょうめんにかすかにまだらあらわれ、その裏側うらがわ灰白色かいはくしょくはい褐色かっしょくのビロードじょうのカビが密生みっせいする。被害ひがいすすむと乾燥かんそうしてがりれる。
うら胞子ほうし飛散ひさんして伝染でんせんする。とくにハウスなどの多湿たしつ環境かんきょう発生はっせいしやすく、晩秋ばんしゅうから早春そうしゅんおおい。密植みっしょく通気つうきわるいと発病はつびょうしやすく、肥料ひりょうれによりかぶいきおいがおとろえたときにも病気びょうきにかかりやすくなる。
<防除ぼうじょ>
被害ひがい摘除てきじょし、ハウスの換気かんき十分じゅうぶんおこなう。
抵抗ていこうせい品種ひんしゅ利用りよう有効ゆうこうである。

もんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
でははじめくら褐色かっしょくみずひたじょうちいさな斑点はんてんができ、しだいに拡大かくだいして1センチ程度ていど同心どうしんもんじょう大型おおがたびょうむらとなる。
被害ひがいすすむとくき果実かじつにも同様どうようやまいまだらをつくる。多湿たしつになるとやまいまだらじょうにはくろいビロードじょうのカビがえる。
やまいまだらじょうにできた胞子ほうし飛散ひさんして伝染でんせんする。
適温てきおんは28℃で、高温こうおん乾燥かんそう条件じょうけん発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
はて以降いこう肥料ひりょうれしないように注意ちゅういする。とくに生育せいいく後半こうはん発生はっせいしやすい。

▲疫病による茎の褐変
疫病えきびょうによるくきの褐変

▲疫病による果実の被害
疫病えきびょうによる果実かじつ被害ひがい

▲うどんこ病
▲うどんこびょう

142
疫病えきびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くき果実かじつおかす。くきには、はじめはい緑色みどりいろのちにくら褐色かっしょく整形せいけいやまいまだらをつくる。果実かじつでは、ようはてにややくぼんだ褐色かっしょく、ケロイドじょうやまいまだらができる。
湿度しつどたかいと、やまいまだらじょう白色はくしょくしもじょうのカビがられ、気温きおん湿度しつどによっては急速きゅうそく伝染でんせんし、おおきな被害ひがいとなる。
病原菌びょうげんきん被害ひがい植物しょくぶつとともになかのこり、伝染でんせんげんとなる。被害ひがい植物しょくぶつじょう形成けいせいされたぶんなま胞子ほうし雨滴うてきなどで飛散ひさんして伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
ジャガイモ、トマトなどの連作れんさくける。
窒素肥料ちっそひりょうおおいと発病はつびょうしやすくなる。
施設しせつでは20℃前後ぜんこう多湿たしつ条件下じょうけんか急速きゅうそく伝染でんせんし、全滅ぜんめつすることがある。

うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
にはじめ白色はくしょく円形えんけいびょうむらができ、やがて拡大かくだい全体ぜんたいおおい、小麦粉こむぎこりかけたようになる。日数にっすう経過けいかすると、めん灰白色かいはくしょくよごれたかんじになる。施設しせつ栽培さいばい多発たはつするとしもからがりおおきな被害ひがいとなる。
施設しせつ栽培さいばい発生はっせいすることがおおい。日照ひでり不足ふそく乾燥かんそうすると発生はっせいおおくなる。
<防除ぼうじょ>
くさぜい維持いじするよう施肥せひ管理かんり注意ちゅういする。

▲灰色かび病による葉の病斑
灰色はいいろかびびょうによるやまいまだら

▲尻腐症
しりくさしょう

143
灰色はいいろかびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
はじめわったはなびらやがくに感染かんせんられ、やがてはていただきやへたがおかされ、果実かじつ腐敗ふはいする。湿度しつどたかいと被害ひがい灰白色かいはくしょくのカビが密生みっせいする。
果実かじつみち1~2ミリの黄白こうはくしょく円形えんけい斑点はんてん(ゴーストスポット)ができることもある。
施設しせつ栽培さいばい発生はっせいおおく、被害ひがいのカビが飛散ひさんして伝染でんせんする。12~5がつにかけて20℃くらいの多湿たしつ環境かんきょう発生はっせいしやすい。
<防除ぼうじょ>
多湿たしつにならないように通気つうき換気かんきつとめ、きワラやマルチをおこなう。病気びょうきにかかった果実かじつ茎葉けいようはていねいにのぞく。

しりくさしょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
生理せいりびょう一種いっしゅで、はていただきくら緑色みどりいろあぶらひたじょうやまいまだらができ、果実かじつ肥大ひだいとともにやまいまだらはくぼみ黒褐色こっかっしょくになる。
おもにカルシウム不足ふそくによる症状しょうじょうで、粘土ねんどしつすなしつ土壌どじょう発生はっせいおおい。窒素肥料ちっそひりょうおおいと発生はっせいえ、燐酸りんさん肥料ひりょう施肥せひすると発生はっせい抑制よくせいされる。
<防除ぼうじょ>
石灰せっかい燐酸りんさん十分じゅうぶんほどこせようし、窒素ちっそようける。土壌どじょう急激きゅうげき乾湿かんしつふせぐためじきわらやマルチをおこなう。

▲かいよう病による鳥目状斑点
▲かいようびょうによる鳥目とりめじょう斑点はんてん

▲かいよう病
▲かいようびょう

▲軟腐病
▲軟腐びょう

144
かいようびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
しもがり、周縁しゅうえんからしおれてがる。
また植物しょくぶつたい表面ひょうめんしろ褐色かっしょくのやや隆起りゅうきしたコルクしつちいさな斑点はんてんや、果実かじつ表面ひょうめんには2~3ミリの鳥目とりめじょう斑点はんてんをつくることもある。
種子しゅし伝染でんせんする。発病はつびょうじょうでは病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅうのこり、伝染でんせんげんとなる。冷夏れいかあめおおいと発生はっせいおおくなる。
<防除ぼうじょ>
種子しゅしゆか消毒しょうどくおこない、連作れんさくける。
施設しせつない湿度しつどげる工夫くふうあまよけ栽培さいばいをする。摘芽てきが晴天せいてんおこなう。

軟腐びょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
支柱しちゅう誘引ゆういんテープにれた部分ぶぶんからみずひたじょうくろずみ、くきのズイまで変色へんしょくしてしおれてれる。
さえると腐敗ふはいしたしるえき悪臭あくしゅうはなち、かわくとくき内部ないぶ崩壊ほうかいして空洞くうどうになる。
土壌どじょうちゅう病原菌びょうげんきん生存せいぞんし、摘芽てきが風雨ふううによってできたきずから感染かんせんする。高温こうおんあめつづくと発生はっせいおおくなる。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょうしたかぶつけしだい除去じょきょする。
あまよけ栽培さいばいやマルチ、きワラをおこながりをふせぐ。

▲萎ちょう病による葉の黄化としおれ
あまどころちょうびょうによるとしおれ

▲青枯病によるしおれ
あお枯病によるしおれ

145
あまどころちょうびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
にちちゅうかぶ片側かたがわしもからしてしおれ、病気びょうきすすむとぜんへん、しおれてれる。はアメしょくに、維管たば褐色かっしょく変色へんしょくする。
連作れんさくにより病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅうのこり、土壌どじょう温度おんどたかく、きずがあると発生はっせいしやすい。
J1、J2、J3の3しゅあまどころちょう病菌びょうきんがある。J1、J2は高温こうおん条件下じょうけんか発生はっせいするが、J3は低温ていおん条件下じょうけんか発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
抵抗ていこうせい品種ひんしゅ抵抗ていこうせい台木だいぎによる接木つぎき栽培さいばいおこない、連作れんさくける。土壌どじょうpHを矯正きょうせいし、じきわらなどで地温ちおん上昇じょうしょうさえると発病はつびょうる。

あお枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
にちちゅうきゅう水分すいぶんうしなったようにしおれ、かぶ全体ぜんたいあおじょうとなり、急速きゅうそく症状しょうじょうすすむ。
ぎわくきると維管たばが褐変し、乳白色にゅうはくしょくえきしょうじる。
夏期かき高温こうおん時期じき発生はっせいしやすく、ナス作物さくもつ連作れんさく多発たはつする。病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅうで2~3ねん以上いじょう生存せいぞんし、きずなどから侵入しんにゅうする。
<防除ぼうじょ>
多発たはつじょうでは連作れんさくける。排水はいすいきワラによりいたみをふせぎ、シルバーマルチにより地温ちおん上昇じょうしょうふせぐ。
抵抗ていこうせい品種ひんしゅや、抵抗ていこうせい台木だいぎ接木つぎきすると発病はつびょうすくない。
かき、収穫しゅうかくのハサミ伝染でんせん注意ちゅういする。

▲モザイク病(ToMV)
モザイク病もざいくびょう(ToMV)

▲モザイク病(CMV)による果実の被害
モザイク病もざいくびょう(CMV)による果実かじつ被害ひがい

▲アブラムシ類
▲アブラムシるい

146
モザイク病もざいくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ウイルスによる病害びょうがいで、しんにまだら模様もよう(モザイク症状しょうじょう)ができる。CMV(キュウリモザイクウイルス)とToMV(トマトモザイクウイルス)がある。
葉脈ようみゃくけて葉脈ようみゃくあいだ濃淡のうたんのモザイクじょうになり、被害ひがいすすむと糸状いとじょうとなり、かぶがしおれる(ToMV、CMV)。また、果実かじつくきを褐変させることもある(ToMV)。
CMVはおもにアブラムシで、ToMVは、種子しゅし土壌どじょう接触せっしょくによって伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
うねめんをシルバーポリフイルムで被覆ひふくするとアブラムシるい飛来ひらいすくなくなる。
種子しゅし育苗いくびょうばこゆか消毒しょうどくおこない、抵抗ていこうせい品種ひんしゅもちいる。

アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
生長せいちょうてん付近ふきん湾曲わんきょくしたり、している症状しょうじょうがあれば、アブラムシるい有無うむ調しらべる。
翅のはえたアブラムシはあたまむねくろ斑紋はんもんがある。翅のないアブラムシはたまごがたで、あわ緑色みどりいろ淡紅あわべにしょくのものがある。

▲オンシツコナジラミによる果実のよごれ<BR /> (<ruby><rb>右</rb><rt>みぎ</rt></ruby><ruby><rb>上</rb><rt>じょう</rt></ruby>:オンシツコナジラミの<ruby><rb>成虫</rb><rt>せいちゅう</rt></ruby>)
▲オンシツコナジラミによる果実かじつのよごれ
 (みぎじょう:オンシツコナジラミの成虫せいちゅう)

▲タバココナジラミによる果実の着色不良
▲タバココナジラミによる果実かじつ着色ちゃくしょく不良ふりょう

▲タバココナジラミの成虫4齢幼虫
▲タバココナジラミの成虫せいちゅうよわい幼虫ようちゅう

147
オンシツコナジラミ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
タバココナジラミと同様どうよう幼虫ようちゅうしるえきってネバネバしたえき排泄はいせつし、そのうえにすすびょう発生はっせいするため果実かじつくろけがれる。
多発たはつするとかぶ全体ぜんたいよわり、収量しゅうりょう減少げんしょうする。
うらには体長たいちょう2ミリのしろ透明とうめい小判こばんがたをした幼虫ようちゅう付着ふちゃくしている。
成虫せいちゅう体長たいちょう2ミリでしろちょうのようにえる。
さむさによわく、おもにハウスない発生はっせいする。

タバココナジラミ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅううら寄生きせいし、しるえきってネバネバしたえき排泄はいせつするため、すすびょう発生はっせいする。
しるわれると果実かじつ一部いちぶ着色ちゃくしょくせず、赤色あかいろとうすい緑色みどりいろのまだら模様もようになる。
幼虫ようちゅう体長たいちょう2ミリの小判こばんがたで、からだしょくはうすい黄色おうしょく一対いっついあか斑点はんてんがある。
成虫せいちゅう体長たいちょう2ミリでしろちょうのようにえる。

▲オオタバコガの幼虫と被害果
▲オオタバコガの幼虫ようちゅう被害ひがいはて

▲ナミハダニの被害葉
▲ナミハダニの被害ひがい

▲トマトサビダニによる果実の被害<BR /> (<ruby><rb>左下</rb><rt>ひだりした</rt></ruby>:トマトサビダニ)
▲トマトサビダニによる果実かじつ被害ひがい
 (左下ひだりした:トマトサビダニ)

148
オオタバコガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう果実かじつあらしてあなをあける。
幼虫ようちゅう緑色みどりいろで、成長せいちょうすると体長たいちょう4センチになる。
1ひきむし次々つぎつぎ果実かじつ加害かがいしてゆくので、むし発生はっせいすくなくても被害ひがいおおきい。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいけた果実かじつつけしだいって処分しょぶんする

ハダニるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう0.5~1ミリの非常ひじょうちいさなむししるい、われた部分ぶぶんいろける。
からだしょくあかいカンザワハダニとうすい緑色みどりいろのナミハダニがいる。

トマトサビダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
えん裏側うらがわへそりかえり、うらひかり反射はんしゃして銀色ぎんいろひかる。
多発たはつするとくき果実かじつ褐色かっしょくになってかたくなる。また、かぶもとから黄色きいろがる。
むし体長たいちょうは0.2ミリで非常ひじょうちいさいため、肉眼にくがんでは発見はっけんできない。
高温こうおん乾燥かんそうこのみ、おもにハウスで発生はっせいする。

▲吸蛾類による被害
▲吸蛾るいによる被害ひがい

▲ダイズウスイロアザミウマによる葉の被害
▲ダイズウスイロアザミウマによる被害ひがい

▲ヒラズハナアザミウマによる果実の被害
▲ヒラズハナアザミウマによる果実かじつ被害ひがい

149
吸蛾るい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
成虫せいちゅうによって果実かじつが吸汁され、その部分ぶぶんまる褐色かっしょくくさってへこむ。腐敗ふはい急速きゅうそくひろがり、やがて果実かじつ落下らっかする。
種類しゅるいはアカエグリバ、アケビコノハなどがあり、いずれも翅をひろげると4~10センチの大型おおがたである。
山林さんりんちかいほじょう発生はっせいおおく、夜間やかん飛来ひらいする。
<防除ぼうじょ>
じょうをネットでおおって、侵入しんにゅうふせぐ。
黄色おうしょく蛍光けいこうとう点灯てんとうしての吸汁行動こうどう抑制よくせいする。

アザミウマるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
が吸汁され、その部分ぶぶんひかり反射はんしゃして銀色ぎんいろひかる。また、ようはて多発たはつすると、果実かじつ表面ひょうめんにソバカスじょう褐色かっしょく斑点はんてんができる。
種類しゅるいはダイズウスイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマ、ミカンキイロアザミウマなどがある。いずれも体長たいちょうは1ミリでちいさく細長ほそながい。
ヒラズハナアザミウマ、ミカンキイロアザミウマはウイルスびょう(えそびょう)を媒介ばいかいする。
ヒラズハナアザミウマが産卵さんらんした果実かじつ一部分いちぶぶんしろがるのが特徴とくちょうで、しろぶくれ症状しょうじょうとよばれる。

▲トマト黄化葉巻病(TYLCV)
▲トマト葉巻はまきびょう(TYLCV)

▲ハモグリバエ類による被害
▲ハモグリバエるいによる被害ひがい

▲ハモグリバエ類の成虫
▲ハモグリバエるい成虫せいちゅう

150
葉巻はまきびょう(TYLCV)
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
感染かんせんしたトマトは、しん表面ひょうめんがわまたは裏側うらがわきあがり、葉脈ようみゃく周辺しゅうへんのこしてしてちぢみとなる。
ほんびょう病原びょうげんウイルスは、タバココナジラミによって媒介ばいかいされる。
<防除ぼうじょ>
育苗いくびょうからタバココナラジラミの発生はっせい防止ぼうしする。

ハモグリバエるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう内部ないぶべるため、がりくねったしろおびしょうじる。多発たはつするととなおびがくっつき、全体ぜんたいしろくなる。
トマトハモグリバエやマメハモグリバエが発生はっせいする。成虫せいちゅう体長たいちょう2ミリのハエで、幼虫ようちゅう黄色おうしょく体長たいちょう3ミリである。
<防除ぼうじょ>
圃場ほじょうない周辺しゅうへん除草じょそうおこなう。
ハウスの開口かいこう防虫ぼうちゅうネットをる。

▲うどんこ病(果実)
▲うどんこびょう(果実かじつ)

▲うどんこ病(葉)
▲うどんこびょう()

▲すすかび病(葉表)
▲すすかびびょう(ひょう)

▲すすかび病(葉裏)
▲すすかびびょう(うら)

151
うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
はじめ表面ひょうめんしろいカビが点々てんてんしょうじ、しだいにひろがって全体ぜんたい小麦粉こむぎこりかけたようになる。多発たはつすると葉柄ようへい果実かじつのへたの部分ぶぶんしろくなる。やまいまだらふるくなると灰色はいいろ褐色かっしょく変色へんしょくし、病気びょうきは、やがて落葉らくようする。
気温きおんが25~28℃、湿度しつどが50~80%程度ていど高温こうおん乾燥かんそう発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
密植みっしょくけ、日当ひあたりと風通かぜとおしをよくしてしげぎないようにする。
ハウスではビニールがよごれ、透明とうめいちると発生はっせいおおい。

すすかびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
はじめ裏側うらがわ黄白こうはくしょくのカビが密生みっせいし、やがてはい褐色かっしょく、ビロードじょうまるやまいまだら(0.5~1センチ)となる。表面ひょうめんにはうすい褐色かっしょく褐色かっしょく周縁しゅうえんがぼやけた円形えんけいびょうむらあらわれる。
多発たはつすると多数たすうやまいまだらができ、融合ゆうごうし、黄色きいろくなり、落葉らくようすることがある。
高温こうおん多湿たしつになる施設しせつ栽培さいばい発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
ハウスの換気かんきみず管理かんり注意ちゅういし、湿度しつどげるようにつとめる。
多発たはつすると防除ぼうじょむずかしくなる。

▲灰色かび病(果実の症状)
灰色はいいろかびびょう(果実かじつ症状しょうじょう)

▲灰色かび病<br /> (<ruby><rb>葉</rb><rt>は</rt></ruby>の<ruby><rb>輪</rb><rt>わ</rt></ruby><ruby><rb>紋</rb><rt>もん</rt></ruby><ruby><rb>症状</rb><rt>しょうじょう</rt></ruby>)
灰色はいいろかびびょう
 (もん症状しょうじょう)

▲菌核病(茎上の菌核)
きんかくびょう(くきじょうきんかく)

▲菌核病(果実の腐敗とカビ)
きんかくびょう(果実かじつ腐敗ふはいとカビ)

152
灰色はいいろかびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ハウスで発生はっせいおおく、わったはなびらやようはて感染かんせんしやすい。
20℃程度ていど多湿たしつ環境かんきょう条件じょうけん繁茂はんも発病はつびょうおおくなる。
果実かじつ先端せんたんやがくに褐色かっしょくのくぼんだやまいまだらができる。やまいまだらはしだいにおおきくなり、灰色はいいろのカビが密生みっせいする。
<防除ぼうじょ>
わったはなびらはていねいにり、病気びょうきにかかった果実かじつはハウスのそと処分しょぶんする。うねめんマルチやハウスの換気かんきおこな湿度しつどげる。

きんかくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
くきかれた部分ぶぶんぎわみずひたじょうやまいまだらができ、やまいむらよりうえ茎葉けいようがしおれる。果実かじつではむらさき褐色かっしょくみずひたじょう腐敗ふはいする。果実かじつくき病変びょうへんには白色はくしょく綿めんじょうのカビがえ、のちにネズミのくそじょうくろかたまり(きんかく)ができる。
きんかく土壌どじょうちゅうのこって伝染でんせんげんとなる。
20℃程度ていどのやや低温ていおん多湿たしつ条件じょうけん発生はっせいし、連作れんさくにより多発たはつする。
<防除ぼうじょ>
夏期かきたたえすい田畑たはたかわにより土壌どじょうちゅうきんかく死滅しめつさせる。マルチやきワラによりハウスない湿度しつどげる。病気びょうきにかかった果実かじつえだつけしだい処分しょぶんする。

▲黒枯病(葉)
くろ枯病()

▲黒枯病による果実表面のイボ症状
くろ枯病による果実かじつ表面ひょうめんのイボ症状しょうじょう

▲褐色腐敗病による<BR /> <ruby><rb>果実</rb><rt>かじつ</rt></ruby>の<ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>
褐色かっしょく腐敗ふはいびょうによる
 果実かじつ被害ひがい

▲褐色腐敗病による<BR /> <ruby><rb>茎</rb><rt>くき</rt></ruby>の<ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>
褐色かっしょく腐敗ふはいびょうによる
 くき被害ひがい

153
くろ枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
境目さかいめ明瞭めいりょう黒褐色こっかっしょく同心円どうしんえんじょうもんのある斑点はんてんができる。多発たはつすると多数たすうやまいまだらができ落葉らくようし、果実かじつ表面ひょうめん水泡すいほうじょうちいさな隆起りゅうきしょうじて湾曲わんきょくすることがある。
ハウス特有とくゆう病害びょうがい高温こうおん多湿たしつ環境かんきょう条件じょうけん発生はっせいしやすい。褐紋びょうているが、くろ枯病はやまいまだらうえくろ小粒こつぶができない。
<防除ぼうじょ>
ハウスない換気かんき排水はいすいをよくする。
うねめん通路つうろじきわらやマルチをおこなうと発病はつびょう抑制よくせいされる。

褐色かっしょく腐敗ふはいびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
果実かじつではややくぼんだ褐色かっしょくやまいまだらをつくり、多湿たしつなときは表面ひょうめん白色はくしょくしもじょうのカビがふき果実かじつ腐敗ふはいする。ではほそが褐変腐敗ふはいして、くきぎわあわ褐色かっしょくみずひたじょうやまいまだらができるとへんしてしおれてれる。
病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅう存在そんざいし、がりによって伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
抵抗ていこうせい台木だいぎ接木つぎきし、風雨ふううによるがり防止ぼうしのためこううね栽培さいばいとするほか、マルチやきワラをすると発病はつびょうかるくなる。

▲半身萎ちょう病
半身はんしんあまどころちょうびょう

▲青枯病 (右下:茎からの青枯病菌の溶出)
あお枯病 (みぎ:くきからのあお枯病きん溶出ようしゅつ)

154
半身はんしんあまどころちょうびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
しも葉脈ようみゃくあいだ周縁しゅうえん不鮮明ふせんめいなうすい黄色おうしょくでクサビがたやまいまだらあらわれ、しだいに上位じょういすすみ、かぶ片側かたがわもしくは全体ぜんたいがしおれる。くきると維管たば変色へんしょくしている。
ナス作物さくもつ連作れんさくすると発生はっせい増加ぞうかする。
発病はつびょうかぶくきなどの病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅう蓄積ちくせきして被害ひがい増加ぞうかする。
地温ちおんが25℃程度ていどから作物さくもつ体内たいない侵入しんにゅうし、道管どうかんない増殖ぞうしょくしてナスを枯死こしさせる。
<防除ぼうじょ>
抵抗ていこうせい台木だいぎ接木つぎきする。
7~8がつにほじょうたたえすいし、太陽熱たいようねつによる土壌どじょう消毒しょうどくおこなう。
発生はっせいおおいほじょうでは苗床なえどこはたけ土壌どじょう消毒しょうどくする。

あお枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ナスが急激きゅうげきにしおれ、あおじょうになる。くきると維管たばがあめいろ変色へんしょくしている。
くきり、みずひたすと乳白色にゅうはくしょく粘液ねんえきる。
夏期かき発病はつびょうおおく、畝間うねま潅水かんすいにより急速きゅうそく周囲しゅういひろがる。連作れんさく排水はいすい不良ふりょう乾湿かんしつおおきいほじょう発病はつびょうおおくなる。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょうかぶつけしだいとともにる。
堆肥たいひほどこせようにより土壌どじょう微生物びせいぶつそう豊富ほうふにする。太陽熱たいようねつにより土壌どじょう消毒しょうどくおこなう。
シルバーマルチで地温ちおん上昇じょうしょうおさえる。
抵抗ていこうせい台木だいぎ接木つぎきする。

▲苗立枯病
なえ立枯たちがれびょう

▲モザイク病(CMV)
モザイク病もざいくびょう(CMV)

▲CMVによる果実内部の褐変
▲CMVによる果実かじつ内部ないぶの褐変

155
なえ立枯たちがれびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
発生はっせい発芽はつが直後ちょくごから、ほん2~3まいころおおみとめられる。
なえぎわくきくら褐色かっしょくになりぼそくくびれ、しおれて枯死こしする場合ばあい(リゾクトニアきん)と、くきみずひたじょうとなりやわらかくなり、腰折こしおれじょう枯死こしする場合ばあい(ピシウムきん)がある。
じゅう粘土ねんどしつ酸性さんせい土壌どじょう発生はっせいおおく、温度おんど湿度しつどたかいと急速きゅうそく蔓延まんえんする。
<防除ぼうじょ>
育苗いくびょうあたらしいもちい、堆肥たいひなど有機ゆうきしつはよくくさじゅくしたものをもちいる。

モザイク病もざいくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
モザイク病もざいくびょうおもにCMV(キュウリモザイクウイルス)の感染かんせん発生はっせいすることがおおい。
発病はつびょうしたナスの(しん2~3まい)をかしてみると葉脈ようみゃくあいだまだらられ、みどりうす部分ぶぶんがまだらにできる。
果実かじつ表面ひょうめんがデコボコしたり、湾曲わんきょくする。また、果肉かにく部分ぶぶんてきに褐変することがある。
ウイルスはワタアブラムシによって被害ひがい植物しょくぶつから伝搬でんぱんされる。土壌どじょう種子しゅし伝染でんせんはしない。

▲TSWVによる<br/><ruby><rb>果実</rb><rt>かじつ</rt></ruby>の<ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>
▲TSWVによる
果実かじつ被害ひがい

▲TSWVによる<br/><ruby><rb>葉</rb><rt>は</rt></ruby>の<ruby><rb>病</rb><rt>やまい</rt></ruby><ruby><rb>微</rb><rt>ほろ</rt></ruby>
▲TSWVによる
やまいほろ

▲ミカンキイロアザミ<BR /> ウマの<ruby><rb>成虫</rb><rt>せいちゅう</rt></ruby>
▲ミカンキイロアザミ
 ウマの成虫せいちゅう

▲ミカンキイロアザ<BR /> ミウマによる<ruby><rb>葉</rb><rt>は</rt></ruby>の<ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>
▲ミカンキイロアザ
 ミウマによる被害ひがい

▲ミカンキイロアザミウマによる果実の被害
▲ミカンキイロアザミウマによる果実かじつ被害ひがい

156
TSWV
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
病原菌びょうげんきんはウイルスで、アザミウマるいによって伝染でんせんする。ナスをはじめキク、アカザなどの植物しょくぶつ感染かんせんする。また、M系統けいとうはウリ感染かんせんする。
ナスの果実かじつくきかぶ全体ぜんたい症状しょうじょうがでる。
ではもんじょういろうすくなった部分ぶぶんしょうじ、やがて、褐色かっしょくのえそ症状しょうじょうになる。
果実かじつでは、がくの部分ぶぶん褐色かっしょくのくぼみをしょうじる。
発病はつびょうはなはだしいとかぶ全体ぜんたいあまどころちょうする。
<防除ぼうじょ>
アザミウマるい防除ぼうじょ徹底てっていする。

ミカンキイロアザミウマ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
では吸汁された部分ぶぶんがカスリじょう白色はくしょく斑点はんてんとなり、しだいに光沢こうたくびて銀色ぎんいろひかる。
みずナス果実かじつでははていただき円形えんけいじょう脱色だっしょく斑点はんてんしょうじ、症状しょうじょうがひどい場合ばあいはていただき全体ぜんたい着色ちゃくしょく不良ふりょうになる。
体長たいちょうなり幼虫ようちゅうとも0.5~2ミリでちいさく細長ほそながい。成虫せいちゅうからだしょく褐色かっしょく幼虫ようちゅうあわ黄色きいろである。
ナス、キュウリ、トマト、ピーマン、キク、バラ、トルコギキョウ、ミカンなどおおくの作物さくもつ雑草ざっそう発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
寒冷紗かんれいしゃとう成虫せいちゅう飛来ひらいふせぐ。
ビニールマルチし、土中どちゅうでのさなぎふせぐ。
はたけなか周辺しゅうへん除草じょそうおこなう。

▲カンザワハダニによる葉の被害<BR /> (<ruby><rb>右</rb><rt>みぎ</rt></ruby><ruby><rb>下</rb><rt>か</rt></ruby>:カンザワハダニ)
▲カンザワハダニによる被害ひがい
 (みぎ:カンザワハダニ)

▲チャノホコリダニによる新芽の被害
▲チャノホコリダニによる新芽しんめ被害ひがい

▲チャノホコリダニによるヘタの変色
▲チャノホコリダニによるヘタの変色へんしょく

157
ハダニるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しるわれ、その部分ぶぶんいろてんじょうしろける。多発たはつすると全体ぜんたいしろっぽくなったり、部分ぶぶんてき黄色きいろくなったりする。
成虫せいちゅうおおきさはやく1ミリとちいさい。からだしょく赤色あかいろのカンザワハダニ(あかダニ)とうすい緑色みどりいろのナミハダニ(しろダニ)がある。
高温こうおん乾燥かんそうこのみ、7~8がつにさかんに増殖ぞうしょくする。

チャノホコリダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うら褐色かっしょくをおびて光沢こうたくをもち、えん裏側うらがわがる。多発たはつするとあながたくさんあいてぼろぼろになる。
新芽しんめではひらかなくなり、生長せいちょうまる。
果実かじつではヘタが灰色はいいろになる。また、ヘタの周辺しゅうへん網目あみめじょう灰色はいいろきずがつく。
むし体長たいちょう0.2ミリで非常ひじょうちいさいため、肉眼にくがんでは発見はっけんできない。このため、被害ひがい原因げんいんがわからないまま放置ほうちされていることがおおい。

▲オンシツコナジラミの成虫
▲オンシツコナジラミの成虫せいちゅう

▲ワタアブラムシ
▲ワタアブラムシ

▲モモアカアブラムシ
▲モモアカアブラムシ

158
オンシツコナジラミ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうしるってネバネバしたえき排泄はいせつし、そのうえにすすびょう発生はっせいするため、果実かじつくろけがれる。多発たはつするとかぶ全体ぜんたいよわり、収量しゅうりょう減少げんしょうする。
成虫せいちゅう体長たいちょう2ミリでしろちょうのようにえる。
うらには体長たいちょう2ミリの透明とうめい小判こばんがたをした幼虫ようちゅう付着ふちゃくしている。
さむさによわいため、おもにハウスない発生はっせいする。

アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うらむしむらがって寄生きせいし、オンシツコナジラミと同様どうようしるってネバネバしたえき排泄はいせつするため、すすびょう発生はっせいして果実かじつくろくよごれる。
からだしょく赤褐色せきかっしょくまたは緑色みどりいろからだうしろがとがったモモアカアブラムシと黒色こくしょくまたは緑色みどりいろからだうしろがとがらないワタアブラムシがある。体長たいちょうは0.5~2ミリである。

▲ニジュウヤホシテントウの幼虫と被害
▲ニジュウヤホシテントウの幼虫ようちゅう被害ひがい

▲ハスモンヨトウによる被害
▲ハスモンヨトウによる被害ひがい

▲チャコウラナメクジによる被害
▲チャコウラナメクジによる被害ひがい

159
ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うらうすくかじられ、階段かいだんじょうけてみえる。果実かじつ表面ひょうめんうす階段かいだんじょうにかじられ、その部分ぶぶんかた褐色かっしょくになる。
成虫せいちゅう体長たいちょう7ミリのテントウムシで、背中せなかに28黒点こくてんがある。幼虫ようちゅう体長たいちょう2~6ミリで灰白色かいはくしょくの、くろいトゲをもったタワシのようなかたちをしている。

ハスモンヨトウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう果実かじつあらしてあなだらけにする。幼虫ようちゅうあたま後方こうほう一対いっついくろ斑点はんてんがあることが特徴とくちょうである。
<防除ぼうじょ>
たまごからかえったばかりの幼虫ようちゅう集団しゅうだんらすため、その被害ひがいをみつけて処分しょぶんする。

チャコウラナメクジ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
果実かじつあらしてあなだらけにする。昼間ひるまいししたなどに潜伏せんぷくし、夜間やかん活動かつどうする。

▲ミナミキイロアザミウマの被害と成虫
▲ミナミキイロアザミウマの被害ひがい成虫せいちゅう

▲オオタバコガの幼虫
▲オオタバコガの幼虫ようちゅう

▲タバココナジラミの成虫
▲タバココナジラミの成虫せいちゅう

160
ミナミキイロアザミウマ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
では葉脈ようみゃく沿いに白色はくしょく斑点はんてんしょうじ、しだいに光沢こうたくびて銀色ぎんいろひかる。
果実かじつではがくの内側うちがわはてめんが褐変し、すじじょうきずひろがる。多発たはつするとはてめん全体ぜんたいきずひろがり、褐変する。
体長たいちょうは0.5~2ミリでちいさく、成虫せいちゅう黄色おうしょく幼虫ようちゅう黄白こうはくしょくである。
<防除ぼうじょ>
圃場ほじょうない周辺しゅうへん除草じょそうおこなう。
うねめんをマルチにして土中どちゅうのでのさなぎふせぐ。
ハウスの開口かいこう防虫ぼうちゅうネットをる。

オオタバコガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうはならし、果実かじつ食入くいいしてあなをあける。
幼虫ようちゅう緑色みどりいろまたは褐色かっしょくで、成長せいちょうすると体長たいちょうは4センチになる。
1ひき幼虫ようちゅう次々つぎつぎ果実かじつ食入くいいするので、発生はっせいすくなくても被害ひがいおおきい。
<防除ぼうじょ>
発生はっせいしている幼虫ようちゅう見回みまわってころせする。あなのあいた果実かじつ内部ないぶ幼虫ようちゅうころしてから処分しょぶんする。
防虫ぼうちゅうネットにより成虫せいちゅう飛来ひらいふせぐ。

タバココナジラミ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅううら発生はっせいし、しるってネバネバしたえき排出はいしゅつするため、多発たはつするとすすびょう発生はっせいする。
成虫せいちゅう体長たいちょう2ミリでしろちょうのようにえる。
幼虫ようちゅう体長たいちょう2ミリの小判こばんがたで、からだしょく黄色おうしょく一対いっついあか斑点はんてんがある。
<防除ぼうじょ>
圃場ほじょうない周辺しゅうへん除草じょそうおこなう。
ハウスの開口かいこう防虫ぼうちゅうネットをる。

▲うどんこ病
▲うどんこびょう

▲黒すす病 (左:健全株 右:発病株)
くろすすびょう (ひだり:健全けんぜんかぶ みぎ:発病はつびょうかぶ)

161
うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
および葉柄ようへいしろこないたようなやまいまだら発生はっせいし、そのやまいまだら拡大かくだいして全体ぜんたいしろおおう。
発病はつびょう程度ていどはげしいと、しもからし、がる。
被害ひがいない病原菌びょうげんきん越冬えっとうえつなつし、だいいち伝染でんせんげんとなる。発病はつびょうかぶじょう形成けいせいされた病原菌びょうげんきん胞子ほうし飛散ひさんして、感染かんせん拡大かくだいする。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいかぶ圃場ほじょう放置ほうちせず、圃場ほじょう衛生えいせいつとめる。
初期しょき防除ぼうじょ徹底てっていする。

くろすすびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ほんびょうはニンジンの収穫しゅうかくをブラシで洗浄せんじょうするさい感染かんせんし、出荷しゅっか保存ほぞんちゅうしょく綿毛わたげじょうくろいかびが発生はっせいするのが特徴とくちょうである。ほんびょう発生はっせいしやすい温度おんどは、20℃程度ていどである。発病はつびょうには品種ひんしゅあいだ差異さいみとめられている。
<防除ぼうじょ>
洗浄せんじょうさいのブラッシングをよわめ、表面ひょうめんきずけないよう注意ちゅういする。
洗浄せんじょう使用しようするみずをこまめに交換こうかんする。
出荷しゅっかさい箱詰はこづめの通気つうきをよくするために、あなけたはこ使用しようする。

▲さび病
▲さびびょう

▲黒斑病
くろむらびょう

162
さびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
めんにオレンジしょくのやや隆起りゅうきしたしょう斑点はんてん多数たすうできる。のちに表面ひょうめんやぶれ、こなじょう橙色だいだいいろ粉末ふんまつ(なつ胞子ほうし)を飛散ひさんする。病状びょうじょうすすむとやまいむら周辺しゅうへん褐色かっしょくやまいまだらができ、むらさき褐色かっしょく胞子ほうし(ふゆ胞子ほうし)が飛散ひさんする。
多発たはつすると被害ひがい枯死こしする。
気温きおんが22℃ぐらいのとき多発たはつし、24℃以上いじょう発生はっせい減少げんしょうする。春期しゅんき(5~6がつ)と秋冬あきふゆ(10~1がつ)の2かい発生はっせいする。
肥料ひりょうれしたほじょう発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
多発たはつすると防除ぼうじょ困難こんなんとなるので発病はつびょう初期しょきからの防除ぼうじょ徹底てっていする。

くろむらびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
5~11がつにかけて発生はっせいする。とく梅雨つゆには被害ひがいおおい。
花茎かけい紡錘形ぼうすいけいやまいまだらができ、やまいむらには同心円どうしんえんじょうあわ黒色こくしょくすすじょうのカビがえる。やまいまだらから上部じょうぶがり、はなはだしい場合ばあい全体ぜんたい枯死こしして、がる。
<防除ぼうじょ>
被害ひがい植物しょくぶつ放置ほうちせずに処分しょぶんする。

▲シロイチモジヨトウの幼虫
▲シロイチモジヨトウの幼虫ようちゅう

▲ハスモンヨトウの幼虫
▲ハスモンヨトウの幼虫ようちゅう

▲ヨトウムシの幼虫
▲ヨトウムシの幼虫ようちゅう

163
シロイチモジヨトウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
たまごは100くらいがひとかたまりりにみつけられ、たまごからかえった幼虫ようちゅう集団しゅうだんべる。その幼虫ようちゅうらばり、なかはいってボロボロにあらす。
<防除ぼうじょ>
なかむしはいってしまうと薬剤やくざいきにくいので、はやめに薬剤やくざい散布さんぷする。

ハスモンヨトウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
シロイチモジヨトウによくる(参照さんしょう)。

ヨトウムシ(ヨトウガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
シロイチモジヨトウによくる(参照さんしょう)。



▲ネキリムシによる被害
▲ネキリムシによる被害ひがい

▲ネキリムシ
▲ネキリムシ

▲ネギアブラムシ
▲ネギアブラムシ

164
ネキリムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
むし姿すがたえないのに、次々つぎつぎなえぎわからられてわれる。
犯人はんにんはタマナヤガまたはカブラヤガという幼虫ようちゅうで、体長たいちょうは4センチ、からだしょく灰色はいいろまたは褐色かっしょくである。
ひるなかひそんでおり、よるてきてなえをかじってたおす。
なかからすとからだをまるめるのが特徴とくちょうで、からだはゴムのように弾力だんりょくがある。
さまざまな野菜やさいはな雑草ざっそうべる。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいられたかぶのまわりをかえし、むしをつかまえてころす。

ネギアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう2~3ミリの光沢こうたくのあるくろむしむらがってしるう。
多発たはつするとかぶ生長せいちょうまり、ちいさななえでは枯死こしすることがある。

▲ネギアザミウマ
▲ネギアザミウマ

▲ネギハモグリバエ<br /> による<ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>
▲ネギハモグリバエ
 による被害ひがい

▲ネギハモグリ<br /> バエの<ruby><rb>産卵</rb><rt>さんらん</rt></ruby><ruby><rb>痕</rb><rt>こん</rt></ruby>
▲ネギハモグリ
 バエの産卵さんらんこん

▲ネギコガの蛹(左)と幼虫(右)
▲ネギコガのさなぎ(ひだり)と幼虫ようちゅう(みぎ)

165
ネギアザミウマ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
むししるい、われたあとはカスリじょういろけてしろくなる。
むし黄色きいろく、体長たいちょうは1ミリで細長ほそながい。

ネギハモグリバエ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
内部ないぶ幼虫ようちゅうがトンネルをってすすみ、そのあと細長ほそながしろすじになる。また、成虫せいちゅう産卵さんらんこん規則正きそくただしくならんだしろてんになる。

ネギコガ
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
幼虫ようちゅうすすんだあとしろふとすじになり、のところどころにあながあく。

▲べと病(葉表)
▲べとやめ(ひょう)

▲べと病(葉裏)
▲べとやめ(うら)

▲軟腐病
▲軟腐びょう

166
べとやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
あわ黄色きいろ不規則ふきそくやまいまだらができ、しだいに拡大かくだいして葉脈ようみゃく区切くぎられた角形かくがた斑点はんてんになる。うらには葉脈ようみゃく灰白色かいはくしょくのカビがえる。
採種さいしゅには、くきはながら、サヤなどがおかされ、被害ひがい部分ぶぶんふくれ、ゆがんで奇形きけいとなる。
晩秋ばんしゅう春季しゅんき低温ていおん多湿たしつ発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
ハクサイに感染かんせんする病原菌びょうげんきんは、コマツナ、カブ、ナタネなどをおかすので、多発たはつじょうではこれらの作物さくもつつづけて栽培さいばいしない。

軟腐びょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
葉柄ようへいあぶらのしみたような斑点はんてんができ、しだいにあわ褐色かっしょくはい褐色かっしょくになって拡大かくだいし、腐敗ふはいして悪臭あくしゅう発生はっせいする。
結球けっきゅうそとからだけでなく、内部ないぶから発生はっせいすることもある。また、はたけだけでなく収穫しゅうかく貯蔵ちょぞう輸送ゆそうちゅう発病はつびょうすることもある。
病原菌びょうげんきん土壌どじょうちゅう生存せいぞんし、高温こうおん多湿たしつかぶ傷口きずぐちなどから侵入しんにゅう発病はつびょうする。
<防除ぼうじょ>
アブラナ作物さくもつ共通きょうつうしておかすので、多発たはつしたはたけでの連作れんさくける。低湿ていしつ発生はっせいおおいので、排水はいすいくする。
高温こうおん栽培さいばいけ、寒冷紗かんれいしゃ被覆ひふくすると被害ひがいかるくなる。

▲白斑病
白斑はくはんびょう

▲黒斑病
くろむらびょう

167
白斑はくはんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
めんはい褐色かっしょくしょう斑点はんてんができ、しだいに拡大かくだいし1~2センチの円形えんけい多角たかくがた灰白色かいはくしょくやまいまだらができる。やまいむら中央ちゅうおううすくなりやぶれやすい。
多発たはつすると全体ぜんたいして枯死こしする。
あきから初冬しょとうにかけてのあめおお時期じき多発たはつする傾向けいこうがある。
べとやまい同時どうじ発生はっせいすることがおおい。多発たはつするとであぶったようにれる。
酸性さんせい土壌どじょう肥料ひりょうれで発生はっせいおおくなる。
<防除ぼうじょ>
品種ひんしゅによって発病はつびょうがある。連作れんさくけ、水稲すいとうとの輪作りんさくおこなう。
被害ひがい伝染でんせんげんとなるので除去じょきょする。

くろむらびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
に2~10ミリのあわ褐色かっしょく円形えんけいびょうむらしょうじる。やまいむらには同心円どうしんえんじょうもんがあり、境界きょうかい明瞭めいりょう周辺しゅうへんあぶらひたじょうとなる。
くきはながらにもやめまだらができ、種子しゅしちゅう菌糸きんし蔓延まんえんし、種子しゅし伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
まきすると多発たはつしやすい。
肥料ひりょうれしないようにする。
被害ひがい放置ほうちしない。

▲アブラムシ類
▲アブラムシるい

▲モザイク病による葉の黒点
モザイク病もざいくびょうによる黒点こくてん

▲ハクサイダニの被害    ▲ハクサイダニ
▲ハクサイダニの被害ひがい    ▲ハクサイダニ

168
アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~2ミリのちいさなむし群生ぐんせいしてしるう。
モモアカアブラムシ(緑色みどりいろまたは赤褐色せきかっしょく)、ニセダイコンアブラムシ(くすんだ緑色みどりいろ)、ダイコンアブラムシ(白色はくしょく)の3種類しゅるい寄生きせいする。

モザイク病もざいくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
あわ緑色みどりいろ斑入ふいりがしょうじ、萎縮いしゅくして生育せいいく不良ふりょうとなる。品種ひんしゅによっては葉脈ようみゃく透明とうめいになったような症状しょうじょうしめす。
生育せいいく初期しょき感染かんせんするとかぶちぢれて結球けっきゅうしない。生育せいいく後期こうき感染かんせんすると結球けっきゅうわるくなる。
<防除ぼうじょ>
病原びょうげんのウイルスをはこぶアブラムシるい防除ぼうじょする。

ハクサイダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
ふゆにのみあらわれるのが特徴とくちょうで、家庭かてい菜園さいえんでしばしば発生はっせいする。
赤色あかいろのクモの子供こどものようなむし群生ぐんせいして吸汁するため、いろけ、しだいにれる。

▲アオムシ
▲アオムシ

▲コナガの幼虫(右上)と蛹(左下)
▲コナガの幼虫ようちゅう(右上みぎうえ)とさなぎ(左下ひだりした)

▲ヨトウムシ
▲ヨトウムシ

169
アオムシ(モンシロチョウ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~3センチの緑色みどりいろむし食害しょくがいしておおきなあなをあける。
<防除ぼうじょ>
しょう発生はっせいのときはむしころせする程度ていどでよい。

コナガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう0.5~1センチのあわ緑色みどりいろむし裏面りめんうす食害しょくがいする。食害しょくがい直後ちょくごはその部分ぶぶんかしじょうになり、やがて褐変してあながあく。

ヨトウムシ(ヨトウガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~4センチ。夜行やこうせいで、にちちゅう根元ねもとなか結球けっきゅうないにいるので、はげしくあらされていてもむしつからないことがおおい。
たまごからふしてしばらくのあいだはアオムシによくており、裏側うらがわ集団しゅうだん寄生きせいする。
<防除ぼうじょ>
幼虫ようちゅう集団しゅうだん寄生きせいしているりとって処分しょぶんする。また夜間やかんはたけ見回みまわってむしころせする。

▲根こぶ病
こぶびょう

▲ネキリムシ
▲ネキリムシ

▲キスジノミハムシによる被害
▲キスジノミハムシによる被害ひがい

170
こぶびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
定植ていしょく早期そうき感染かんせんしたかぶしゅ中心ちゅうしん多数たすうこぶ形成けいせいされるため、地上ちじょう生育せいいく不良ふりょうとなり、にちちゅうしお症状しょうじょうしめして結球けっきゅうしない。生育せいいく後期こうき感染かんせんすると地上ちじょうしお症状しょうじょうみとめられないがこぶ着生ちゃくせいみとめられるため、かぶ生育せいいくおくれる。
被害ひがい組織そしきない形成けいせいされた病原菌びょうげんきんすう年間ねんかん土壌どじょうちゅう生存せいぞんし、伝染でんせんげんとなる。アブラナ作物さくもつにのみ感染かんせんするため、アブラナ連作れんさくにより被害ひがい増大ぞうだいする。
<防除ぼうじょ>
育苗いくびょう無病むびょうはたけまたはセル成型せいけいなえ利用りようし、健全けんぜんなえ育成いくせいつとめる。
アブラナ野菜やさい連作れんさく過度かどはやえはける。ただし、ダイコンには被害ひがいおよぼさない。
排水はいすいをよくして湿しめける。
初期しょき発病はつびょうかぶこぶが破壊はかいするまえ処分しょぶんし、収穫しゅうかく圃場ほじょう衛生えいせいにもつとめる。
圃場ほじょうのpHが酸性さんせいかたむくと発病はつびょうしやすいので、石灰せっかいしつ資材しざいやゼオライトなどで土壌どじょう酸度さんど適正てきせい(pH6.5~7)に調整ちょうせいする。

ネキリムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう定植ていしょく直後ちょくごなえたおす。
カブラヤガまたはタマヤナガが発生はっせいする。幼虫ようちゅう灰色はいいろまたは褐色かっしょくで、成長せいちょうすると体長たいちょうは4センチになる。
昼間ひるまなかひそみ、夜間やかんあらわれてなえたおす。
幼虫ようちゅうからだはゴムのように弾力だんりょくがあり、からすとからだをまるめる。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいがみられたかぶのまわりをかえし、幼虫ようちゅうころせする。

キスジノミハムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
成虫せいちゅうべ、1~2ミリの円形えんけいあながたくさんあく。幼虫ようちゅう食害しょくがいする。
成虫せいちゅう体長たいちょう2ミリ、黒色こくしょくからだにオレンジしょくせんが2ほんはしる。ひとちかづくとねてげる。
成虫せいちゅう地中ちちゅう生息せいそくし、土中どちゅうより成虫せいちゅう発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
アブラナ連作れんさくすると発生はっせいおおくなるので連作れんさくける。

▲疫病による茎の黒変
疫病えきびょうによるくきくろへん

▲炭そ病による果実の被害
たんびょうによる果実かじつ被害ひがい

171
疫病えきびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
なえではくきぎわくら緑色みどりいろみずひたじょうやわらかくなってしおれてたおれる。生育せいいくしたかぶではくきえだにも同様どうよう症状しょうじょうあらわれる。果実かじつにはくら緑色みどりいろみずひたじょう斑点はんてんができ、やまいまだらおおきくなると灰白色かいはくしょくしもじょうのカビをつくる。
病原菌びょうげんきんなかに2~3ねん生存せいぞんし、水滴すいてきなどにより伝染でんせんする。連作れんさく高温こうおん多湿たしつ条件じょうけん発生はっせいしやすく、ほじょう冠水かんすいすると急激きゅうげき蔓延まんえんする。
<防除ぼうじょ>
排水はいすい良好りょうこうにし、こううね栽培さいばいとする。じきわらやマルチによりがりをふせぐ。
ハウス栽培さいばいでは太陽熱たいようねつ消毒しょうどくをする。

たんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
黄色おうしょくしょう斑点はんてんができる。やまいまだら褐色かっしょく不規則ふきそく斑点はんてん中央ちゅうおう灰色はいいろである。果実かじつでは中央ちゅうおうにややくぼんだみずひたじょうしょう斑点はんてんができ、やがて輪状りんじょうもんができて中央ちゅうおうくろ小粒こつぶてんをつくる。
温暖おんだんあめおおいときに発生はっせいおおい。やまいまだらじょう胞子ほうしあめなどの水滴すいてきにより飛散ひさんして病気びょうきひろがる。種子しゅし伝染でんせんもする。
<防除ぼうじょ>
健全けんぜん種子しゅしもちい、はたけ排水はいすい良好りょうこうにする。
発病はつびょうした果実かじつ胞子ほうし飛散ひさんするまえのぞき、処分しょぶんする。

▲白斑病
白斑はくはんびょう

▲モザイク病(PMMoV)
モザイク病もざいくびょう(PMMoV)

▲モザイク病(CMV)
モザイク病もざいくびょう(CMV)

172
白斑はくはんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
おも発生はっせいするが、はて梗、わかえだにも発生はっせいする。では、はじめ褐色かっしょくしょう斑点はんてんあらわれ、しだいにおおきくなり直径ちょっけい2~3ミリの灰白色かいはくしょくやまいまだらとなる。発病はつびょうかぶしもから発生はっせいし、しだいにうえひろがる。
えだには5~10ミリのながやまいまだらができる。
露地ろじ栽培さいばいでは発生はっせいすくないが、ハウスでは多湿たしつ条件下じょうけんか多発たはつし、やまいまだら拡大かくだいし、全体ぜんたいして落葉らくようすることがある。
<防除ぼうじょ>
抵抗ていこうせい品種ひんしゅもちい、肥料ひりょうれに注意ちゅういする。
発病はつびょうしたのぞき、処分しょぶんする。

モザイク病もざいくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
CMVにくらべPMMoVによる被害ひがいおおい。
PMMoVではしんし、まだら模様もよう(モザイク症状しょうじょう)となる。くきにはすじじょう斑紋はんもんでは褐変した斑点はんてんができ、落葉らくようすることもおおい。果実かじつ奇形きけいとなる。
CMVではわかがモザイクじょうとなる。
<防除ぼうじょ>
PMMoVは感染かんせん植物しょくぶつへの接触せっしょく種子しゅし土壌どじょうなどによって伝染でんせんするが、アブラムシるいによる伝染でんせんはしない。発病はつびょうしたかぶり、管理かんり作業さぎょうなどで接触せっしょくしないようにする。
CMVはアブラムシるいにより伝染でんせんするので、アブラムシるい防除ぼうじょする。

▲ハスモンヨトウの幼虫
▲ハスモンヨトウの幼虫ようちゅう

▲ヨトウムシによる果実の被害
▲ヨトウムシによる果実かじつ被害ひがい

▲タバコガの幼虫と果実の被害
▲タバコガの幼虫ようちゅう果実かじつ被害ひがい

173
ハスモンヨトウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう集団しゅうだん果実かじつあらしてあなだらけにする。
わか幼虫ようちゅう緑色みどりいろであるが、しだいに黒褐色こっかっしょくになる。あたま後方こうほう一対いっついくろ斑紋はんもんがあるのが特徴とくちょうである。
<防除ぼうじょ>
たまごからかえったばかりの幼虫ようちゅう集団しゅうだん食害しょくがいしているため、むしごとって処分しょぶんする。

ヨトウムシ(ヨトウガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう集団しゅうだん果実かじつあらしてあなだらけにする。
わか幼虫ようちゅう緑色みどりいろであるが、成長せいちょうすると褐色かっしょく黒色こくしょくのものがおおくなる。
<防除ぼうじょ>
みつ集団しゅうだんつく若齢じゃくれい幼虫ようちゅうに、とともにむしのぞく。

タバコガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう果実かじつなか侵入しんにゅうしてあらし、果実かじつ腐敗ふはい落下らっかさせる。
幼虫ようちゅう緑色みどりいろで、背中せなか黒褐色こっかっしょく斑点はんてんがみられる。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいはてって処分しょぶんする。

▲ミナミキイロアザミウマによる果実の被害
▲ミナミキイロアザミウマによる果実かじつ被害ひがい

▲ミナミキイロアザミウマによる葉の被害
▲ミナミキイロアザミウマによる被害ひがい

▲チャノホコリダニによる新葉の奇形
▲チャノホコリダニによるしん奇形きけい

174
ミナミキイロアザミウマ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
果実かじつやヘタに褐色かっしょくきずがついて奇形きけいはてとなる。ではしるわれた部分ぶぶんいろしろけ、ひかり反射はんしゃして銀色ぎんいろひかる。
体長たいちょうは1ミリで非常ひじょうちいさく、つけにくい。からだしょく成虫せいちゅうでは黄色おうしょく幼虫ようちゅうではしろ~うすい黄色きいろである。
<防除ぼうじょ>
むしかずすくないうちから果実かじつきずがつくため、早期そうき発見はっけん早期そうき防除ぼうじょつとめる。

チャノホコリダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
新芽しんめ寄生きせいすると奇形きけいになったり、展開てんかいしなくなったりする。
果実かじつでははい褐色かっしょくのコルクじょうきずが、がくとその周囲しゅういひろがる。
むしおおきさは0.2ミリで非常ひじょうちいさいため、肉眼にくがんでは発見はっけんできない。このため、症状しょうじょうづいても、原因げんいんがわからないまま放置ほうちされていることがおおい。

▲白絹病
しろきぬびょう

▲半身萎ちょう病          ▲導管部の病変
半身はんしんあまどころちょうびょう    ▲導管どうかん病変びょうへん

▲フキアブラムシによる葉の被害
▲フキアブラムシによる被害ひがい

175
しろきぬびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
かぶもと褐色かっしょく変色へんしょくし、その部分ぶぶんが軟腐じょう腐敗ふはいする。湿度しつどたかいとその部分ぶぶん白色はくしょく菌糸きんししょうじる。
かぶ枯死こししたあとには、芥子粒けしつぶじょうきんかく多数たすうみとめられる。
<防除ぼうじょ>
罹病りびょうかぶから伝染でんせんする。たねくき採取さいしゅ健全けんぜん親株おやかぶからにする。

半身はんしんあまどころちょうびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
にちちゅう茎葉けいようにしおれがみとめられるようになり、やがて、症状しょうじょうがみられるようになる。
症状しょうじょうすすむと、かぶ全体ぜんたいあまどころちょうし、しおれた部分ぶぶんれる。
葉柄ようへい切断せつだんすると維管たば褐色かっしょくになっている。
<防除ぼうじょ>
施設しせつ栽培さいばいではハウス密閉みっぺいによる太陽熱たいようねつ消毒しょうどく効果こうかてきである。
水田すいでんとの輪作りんさく発生はっせい軽減けいげんできる。

フキアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
裏側うらがわき、被害ひがいひらくとうら体長たいちょう1~2ミリの褐色かっしょくむしられる。
多発たはつするとはたけ全面ぜんめん被害ひがいられる。露地ろじじょうおおく、ハウスではすくない。
フキではにワタアブラムシとモモアカアブラムシがうら寄生きせいするが、かない。

▲黒腐病
くろくさやまい

▲ハスモンヨトウ
▲ハスモンヨトウ

▲ハスモンヨトウによる被害
▲ハスモンヨトウによる被害ひがい

176
くろくさやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
おも発生はっせいする。ほんではしも発生はっせいしやすく、えんにくさびがた黄色おうしょくやまいまだらしょうじ、その黒褐色こっかっしょく変色へんしょくする。やまいむらやぶれやすくなる。はならいに発生はっせいするとくろへんする。
病原菌びょうげんきん被害ひがいざん渣とともに土壌どじょう残存ざんそんし、伝染でんせんげんとなる。病原菌びょうげんきん雨滴うてきによりがり、えんみずあな傷口きずぐちから感染かんせんする。春先はるさきあき降雨こううおおとし多発たはつしやすい。
<防除ぼうじょ>
種子しゅし伝染でんせんするので、健全けんぜん種子しゅしもちいる。
アブラナ野菜やさい連作れんさく回避かいひする。
病原菌びょうげんきん傷口きずぐちとうから侵入しんにゅうするので、害虫がいちゅう発生はっせいにも留意りゅういする。

ハスモンヨトウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~4センチのイモムシがらす。体長たいちょう緑色みどりいろ褐色かっしょく黒色こくしょくなどさまざまで、あたま後方こうほう一対いっついくろ斑紋はんもんつのが特徴とくちょう
たまごすうひゃくかためてまれるため、若齢じゃくれい幼虫ようちゅう集団しゅうだんうら食害しょくがいする。このときの被害ひがいひょう薄皮うすかわのこるため、しろっぽくえる。
<防除ぼうじょ>
若齢じゃくれい幼虫ようちゅう集団しゅうだんごと処分しょぶんする。

▲苗立枯病
なえ立枯たちがれびょう

▲萎ちょう病
あまどころちょうびょう

▲べと病
▲べとやまい

177
なえ立枯たちがれびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
しゅからほん2~3よう発生はっせいする。
ぎわおかされ、くきがくびれてなえたおれる。
すうしゅ病原菌びょうげんきん関係かんけいしており、低温ていおんから高温こうおんまで多湿たしつ条件下じょうけんか発生はっせいする。
<防除ぼうじょ>
はたけ排水はいすいくする。あまよけ栽培さいばい発生はっせいすくない。

あまどころちょうびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
しもし、しおれ症状しょうじょうられる。ぎわくきると維管たばが褐変している。
土壌どじょう伝染でんせんせい病害びょうがい土壌どじょうちゅうあつまく胞子ほうしのこって伝染でんせんかえす。
やや温度おんどたか条件下じょうけんか発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょうしたはたけではホウレンソウの連作れんさくける。

べとやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
にうすみどりしょく黄色おうしょく境界きょうかい不明瞭ふめいりょうやまいまだらができる。のちにあわ黄色きいろやまいまだらとなり、多湿たしつうら灰色はいいろのカビがえる。

▲ミナミキイロアザミウマによる葉の被害
▲ミナミキイロアザミウマによる被害ひがい

▲モモアカアブラムシ
▲モモアカアブラムシ

▲ヨトウムシによる被害       ▲ヨトウムシ
▲ヨトウムシによる被害ひがい   ▲ヨトウムシ

178
ミナミキイロアザミウマ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
新芽しんめ寄生きせいしてしるい、きずつける。このきず生長せいちょうにつれてびてゆくため、ちぢれたり、奇形きけいになったりする。
むし体長たいちょう1ミリ程度ていどで、黄色きいろ細長ほそながい。
むしちいさくかずすくなく、新芽しんめもぐんでいるため、つけにくい。
<防除ぼうじょ>
生育せいいく初期しょき寒冷紗かんれいしゃ不織布ふしょくふをかけて、むし侵入しんにゅうふせぐ。
かぶおおきくなったのちは、中心ちゅうしんしんきず目立めだたないので、防除ぼうじょ不要ふようである。

モモアカアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1~2ミリのあかまたは緑色みどりいろむしうらむらがってしるうため、ちぢれて奇形きけいになり、かぶ生育せいいくおくれる。
ウイルスびょう媒介ばいかいし、病気びょうきにかかったいろ濃淡のうたんのまだら模様もよう(モザイクじょう)になる。
<防除ぼうじょ>
生育せいいく初期しょき寒冷紗かんれいしゃ不織布ふしょくふをかけて、むし侵入しんにゅうふせぐ。

ヨトウムシ(ヨトウガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうははじめのうちは集団しゅうだん生活せいかつし、2~3まい集中しゅうちゅうしてわれる。被害ひがい最初さいしょしろくなり、のちに褐変してれる。
集団しゅうだんらす幼虫ようちゅう体長たいちょう1~2センチの緑色みどりいろで、アオムシによくているが、シャクトリムシのようにからだげたりばしたりしながらあるくのが特徴とくちょうである。
むしおおきくなると4センチになり、まわりに移動いどうしていく。おおきくなったむし昼間ひるまかぶしたなかにおり、よるてきて暴食ぼうしょくする。
<防除ぼうじょ>
むし集団しゅうだん発生はっせいしているって処分しょぶんする。

▲シロオビノメイガの幼虫
▲シロオビノメイガの幼虫ようちゅう

▲シロオビノメイガの成虫
▲シロオビノメイガの成虫せいちゅう

▲ハモグリバエ類による被害
▲ハモグリバエるいによる被害ひがい

179
シロオビノメイガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
むし体長たいちょう1~2センチ、うすい緑色みどりいろで、ヨトウムシによくるが、集団しゅうだん生活せいかつはしない。
薄皮うすかわだけのこしてうため、その部分ぶぶんしろっぽくなり、やがてあながあく。
いとき、つづわせてなかひそむので、この習性しゅうせいによってもヨトウムシと容易ようい区別くべつできる。
<防除ぼうじょ>
イヌビユやアカザなどの雑草ざっそうおおいので、はたけなか周辺しゅうへん除草じょそう徹底てっていし、むし侵入しんにゅうげんつ。

ハモグリバエるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう内部ないぶべるため、がりくねったしろおびしょうじる。多発たはつするととなおびがくっつき、全体ぜんたいしろくなる。
トマトハモグリバエやマメハモグリバエが発生はっせいする。成虫せいちゅう体長たいちょう2ミリのハエで、幼虫ようちゅう黄色おうしょく体長たいちょう3ミリである。
<防除ぼうじょ>
圃場ほじょうない周辺しゅうへん除草じょそうおこなう。
ハウスの開口かいこう防虫ぼうちゅうネットをる。

▲べと病
▲べとやまい

▲立枯病
立枯たちがれびょう

▲根腐病
くさやまい

180
べとやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
あわ黄色きいろ斑点はんてんができ、しだいに拡大かくだいして葉脈ようみゃく区切くぎられたかくがたびょうむらとなる。やまいまだら裏面りめん白色はくしょくしもじょうのカビがえる。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょうかぶ放置ほうちしない。

立枯たちがれびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
やしなええき栽培さいばいで5がつ~7がつ、9月~10がつ発生はっせいおおい。
ぎわ茎葉けいようおかされ、みずひたじょうになり急速きゅうそく腐敗ふはいし、表面ひょうめんクモくもじょう菌糸きんしおおう。
<防除ぼうじょ>
育苗いくびょう定植ていしょくおくれると発生はっせいしやすい。種子しゅし混入こんにゅうした病原菌びょうげんきんから伝染でんせんすることもある。

くさやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
夏期かき高温こうおんやしなええき栽培さいばい発生はっせいする。ぎわみずひたじょうとなり、が褐変し、地上ちじょうはしおれて枯死こしする。
病原菌びょうげんきん培養ばいようえき伝染でんせんし、急速きゅうそくひろがっておおきな被害ひがいとなる。
<防除ぼうじょ>
培養ばいようえき濃度のうどたかくし、pHをひく管理かんりすると被害ひがいかるくなる。

▲株枯病
かぶ枯病

▲ハダニ類による被害
▲ハダニるいによる被害ひがい

▲アザミウマ類による被害
▲アザミウマるいによる被害ひがい

181
かぶ枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
高温こうおん発生はっせいしやすい。はじ外側そとがわし、その中心ちゅうしんにも同様どうよう症状しょうじょうしめし、生育せいいく阻害そがいされ枯死こしする。腐敗ふはいする。
病原菌びょうげんきん被害ひがいざん渣とともに土壌どじょうちゅう残存ざんそんみずこう栽培さいばいではパネルない侵入しんにゅうした組織そしきない残存ざんそんし、伝染でんせんげんとなる。
種子しゅし伝染でんせん可能かのうせい示唆しさされている。
<防除ぼうじょ>
種子しゅし伝染でんせん可能かのうせいがあるので、種子しゅし消毒しょうどく実施じっししたものを使用しようする。
みずこう栽培さいばいでは、栽培さいばいそう、タンクを清潔せいけつにし、中性ちゅうせい塩酸えんさんカルシウム(カルシュウムハイポクロライド)とう消毒しょうどくする。
パネルない残存ざんそんした病原菌びょうげんきん伝染でんせんげんとなるので、パネルをあたらしいものに交換こうかんするか、加熱かねつ殺菌さっきんする。

ハダニるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう0.5ミリの楕円だえんがたむししるうためいろけ、多発たはつすると全体ぜんたいしろになる。カンザワハダニは赤色あかいろ、ナミハダニはうすみどりしょく(赤色あかいろのこともある)である。
<防除ぼうじょ>
ハダニるい雑草ざっそうから侵入しんにゅうするため、ハウスのなか周辺しゅうへん雑草ざっそうやさない。

アザミウマるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう0.5~1ミリの黄色おうしょく褐色かっしょく細長ほそながむししるうためいろける。ネギアザミウマやミカンキイロアザミウマなど数種類すうしゅるいいる。
<防除ぼうじょ>
症状しょうじょうはハダニるいているため、ルーペを使つかってどちらであるかを確認かくにんする。
アザミウマるいはなあつまるため、ハウスのなか周辺しゅうへんはなえない。

▲べと病
▲べとやまい

▲軟腐病
▲軟腐びょう

▲ビッグベイン病
▲ビッグベインびょう

182
べとやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
そと輪郭りんかく不明瞭ふめいりょう整形せいけい黄色おうしょく斑紋はんもんができ、やがて葉脈ようみゃくかこまれた角形かくがたやまいむらになる。湿度しつどたかいと裏面りめんしろしもじょうのカビがみられる。はげしい場合ばあい全体ぜんたいれあがり、かわいてかみのようになる。
はる冬期とうき湿度しつどたかとき発生はっせいする。

軟腐びょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ぎわくき葉柄ようへいあわ褐色かっしょくすいひたじょうやまいまだらができ、やがて軟腐じょうとなる。結球けっきゅうではくき葉柄ようへい基部きぶから発病はつびょうし、たま全体ぜんたい腐敗ふはい悪臭あくしゅうはっする。
高温こうおん多湿たしつ条件下じょうけんか発生はっせいおおく、とくに、初夏しょかからあきにかけて気温きおんたかぶし発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
冬期とうき収穫しゅうかくするさくがたでは発生はっせいすくない。

ビッグベインびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
えん部分ぶぶんから葉脈ようみゃくけ、編目あみめじょうになる。やがて葉脈ようみゃく沿った部分ぶぶんいろうすくなり葉脈ようみゃくふとくみえる。
土壌どじょうちゅうのカビにより媒介ばいかいされるウイルスびょうである。
<防除ぼうじょ>
連作れんさくによって発病はつびょう増加ぞうかする。土壌どじょうのpHをひくくすると発病はつびょう抑制よくせいされる。

▲モモアカアブラムシ
▲モモアカアブラムシ

▲ヨトウムシによる被害
▲ヨトウムシによる被害ひがい

▲ヨトウムシ
▲ヨトウムシ

183
アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
0.5~3ミリのあかまたは緑色みどりいろむし新芽しんめむらがってしるうため、新芽しんめがしおれたり、奇形きけいになったりする。
しるときにウイルスびょう媒介ばいかいする。
ウイルスびょうにかかったかぶいろ濃淡のうたんのまだら模様もよう(モザイクじょう)になり、かぶ生長せいちょうまる。
<防除ぼうじょ>
生育せいいく初期しょき寒冷紗かんれいしゃ不織布ふしょくふをかけて、むし侵入しんにゅうふせぐ。

ヨトウムシ(ヨトウガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
むしちいさいうちは集団しゅうだん生活せいかつし、2~3まい集中しゅうちゅうてき食害しょくがいする。
むしおおきくなるとまわりに移動いどうし、葉脈ようみゃくのこしてをボロボロに食害しょくがいする。
おおきくなったむしひるかぶもとなかひそみ、よるてきてべる。ヨトウムシ(夜盗虫よとうむし)のはこの習性しゅうせいにもとづいている。
<防除ぼうじょ>
生育せいいく初期しょき寒冷紗かんれいしゃ不織布ふしょくふをかけてむし侵入しんにゅうふせぐ。
集団しゅうだん食害しょくがいしているつけ、って処分しょぶんする。

▲疫病による果実の被害
疫病えきびょうによる果実かじつ被害ひがい

▲コナカイガラムシ類
▲コナカイガラムシるい

186
疫病えきびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
6がつ中旬ちゅうじゅんごろから発生はっせいする。果実かじつ緑色みどりいろすいひたじょう斑点はんてんができ、やがて暗紫色あんししょく円形えんけいでくぼんだやまいむらになり、白色はくしょくのカビにおおわれる。
では褐色かっしょくしょう斑点はんてんができて拡大かくだいし、葉脈ようみゃく区切くぎられた2~3センチの角形かくがたびょうむらになる。
みきぎわでは樹皮じゅひ黒褐色こっかっしょくになり軟化なんかする。腐敗ふはい消失しょうしつし、やがて樹勢じゅせいおとろえて枯死こしする。
<防除ぼうじょ>
病気びょうきにかかった果実かじつあつめ、れたはやめに処分しょぶんする。
暗渠あんきょれ、えん全体ぜんたい排水はいすいをよくする。
きわらやマルチなどで地面じめんからの雨水あまみずのはねかえりをふせぐ。

コナカイガラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
果実かじつ新芽しんめうら体長たいちょう1~2ミリ、白色はくしょくこなをかぶったワラジじょうむし集団しゅうだん寄生きせいして吸汁する。吸汁よりも排泄はいせつぶつ発生はっせいするすすびょうくろよごれが問題もんだいとなる。
幼虫ようちゅう成虫せいちゅうおおきさに若干じゃっかんがある程度ていどおながたをしている。どちらもあしがあり、移動いどうできる。
しばしば綿めんかたまりのような物質ぶっしつつかるが、これはめす成虫せいちゅうつくったたまごふくろで、そのなかすうひゃくたまごまれている。
<防除ぼうじょ>
たまごふくろつけしだいる。
むしのいるではブラシで表面ひょうめんをこすってむししつぶす。

▲アザミウマ類による果実内部の変色
▲アザミウマるいによる果実かじつ内部ないぶ変色へんしょく

▲幹に食入しているクワカミキリの幼虫
みき食入くいいしているクワカミキリの幼虫ようちゅう

▲クワカミキリの成虫
▲クワカミキリの成虫せいちゅう

187
アザミウマるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
成虫せいちゅう果実かじつない侵入しんにゅうして食害しょくがいする。果実かじつ外観がいかんわらないが、内部ないぶ食害しょくがいされた部分ぶぶんは褐変し、腐敗ふはいしやすくなる。
寄生きせいするアザミウマるい数種類すうしゅるいられているが、いずれも体長たいちょう1ミリの細長ほそながちいさなむしで、からだしょく黄色きいろまたは褐色かっしょくである。
<防除ぼうじょ>
じょう周辺しゅうへん雑草ざっそう除去じょきょし、むし生息せいそく密度みつどげる。

カミキリムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
キボシカミキリとクワカミキリの2種類しゅるい寄生きせいする。
キボシカミキリは幼虫ようちゅう樹幹じゅかんしゅえだ樹皮じゅひ食害しょくがいし、被害ひがいすすむと樹勢じゅせいおとろえてれる。近年きんねん被害ひがいおおきい。成虫せいちゅう体長たいちょう1.5~3センチ、からだ黒色こくしょく多数たすう黄色おうしょく斑紋はんもんがある。
クワカミキリは幼虫ようちゅうえだ樹幹じゅかん中心ちゅうしん食害しょくがいする。成虫せいちゅう体長たいちょう4センチで褐色かっしょくである。産卵さんらんしんこずえきずをつけるため、果実かじつ成熟せいじゅくしておもくなると、しんこずえきず部分ぶぶんかられる。
成虫せいちゅう脱出だっしゅつあなから雨水あまみずはいり、内部ないぶくさらせる。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいえだり、れたかぶこして処分しょぶんする。
成虫せいちゅうつけしだいころせする。
脱出だっしゅつあな木工もっこうボンドとうでふさぐ。

▲カンザワハダニによる果実の被害
▲カンザワハダニによる果実かじつ被害ひがい

▲イチジクモンサビダニによる葉の被害
▲イチジクモンサビダニによる被害ひがい

▲イチジクモンサビダニによる果実の被害
▲イチジクモンサビダニによる果実かじつ被害ひがい

▲群生するイチジクヒトリモドキの幼虫
群生ぐんせいするイチジクヒトリモドキの幼虫ようちゅう

188
ハダニるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うら寄生きせいしてしるうため、多発たはつするといろ全体ぜんたいにうすくなり、被害ひがいがひどいとが褐変してかたくなる。
果実かじつ寄生きせいすると果皮かひが褐変してかたくなる。多発たはつすると果実かじつ肥大ひだいしない。
ハダニるいのほとんどは赤色あかいろのカンザワハダニで、このほかにうすい緑色みどりいろのナミハダニが時々ときどきられる。体長たいちょうりょうたねとも0.5ミリでちいさい。
カンザワハダニが発生はっせいすると、作業さぎょうよう手袋てぶくろちいさなあかいシミが付着ふちゃくする。このあかいシミのりょうによって発生はっせいじょうきょう把握はあくできる。
高温こうおん乾燥かんそう条件じょうけん多発たはつしやすい。
<防除ぼうじょ>
めす成虫せいちゅう雑草ざっそう越冬えっとうするので、除草じょそう徹底てっていする。

イチジクモンサビダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう0.2ミリで、肉眼にくがんではえない。
果実かじつ新芽しんめ寄生きせいし、奇形きけいになったり、まだらにいろける。果実かじつ肥大ひだいしないか、まだらにいろける。

イチジクヒトリモドキ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう葉脈ようみゃくのこしてべる。多発たはつすると丸坊主まるぼうずになる。発生はっせいおおいと果皮かひまで食害しょくがいする。
たまごうらかたまりみつけられ、幼虫ようちゅう集合しゅうごうせいつよい。
南方なんぽうけい最近さいきん本州ほんしゅうでも発生はっせい拡大かくだいしている。
成虫せいちゅうとし4かい以上いじょう発生はっせいする。越冬えっとうさなぎなかおこなわれる。
<防除ぼうじょ>
幼虫ようちゅう集団しゅうだんつけしだい、ごと処分しょぶんする。

▲黒星病による果実の病斑
黒星くろぼしびょうによる果実かじつやまいまだら

▲ムギワラクオマル<BR /> アブラムシの<ruby><rb>巻</rb><rt>まき</rt></ruby><ruby><rb>葉</rb><rt>よう</rt></ruby>
▲ムギワラクオマル
 アブラムシのまきよう

▲オカボノアカアブラムシ
▲オカボノアカアブラムシ

189
黒星くろぼしびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
赤褐色せきかっしょくしょう斑点はんてんができ、中心ちゅうしんだつおとあながあく。えだでは輪状りんじょうやまいまだらができ、中心ちゅうしん灰色はいいろとなる。
果実かじつでは、2~3ミリの黒色こくしょくまだらができ、多発たはつするとはてめん亀裂きれつができ、果実かじつ外観がいかんわるくなり商品しょうひん価値かちいちじるしく低下ていかする。とくに、梅酒うめしゅようあおウメでは商品しょうひんせいがなくなる。
低湿ていしつ山間さんかんなどの通風つうふう不良ふりょうえん日照ひでり不良ふりょうえん密植みっしょくえんおよ老木ろうぼくえん発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
剪定せんていやめむらのできたえだ切除せつじょする。
密植みっしょくけ、通風つうふう排水はいすいうしとらこのみにする。

アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう1ミリのちいさなむし集団しゅうだんしんこずえうら寄生きせいし、吸汁する。
吸汁されたちぢれ、しんこずえびがわるくなる。被害ひがいがひどいと果実かじつ発育はついく不良ふりょうとなって落果らっかする。
果実かじつむしがら排泄はいせつぶつ、そのうえ発生はっせいするすすびょうによってくろけがれる。
ムギワラギクオマルアブラムシ、オカボノアカアブラムシなどが寄生きせいする。

▲ウメシロカイガラムシ
▲ウメシロカイガラムシ

▲タマカタカイガラムシ
▲タマカタカイガラムシ

▲タマカタカイガラムシ
▲タマカタカイガラムシ

190
ウメシロカイガラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
わかえだ集団しゅうだん寄生きせいして吸汁するので、多発たはつすると落葉らくようえだれがこり、樹勢じゅせいいちじるしくおとろえる。
むしかいから直径ちょっけい2ミリ、白色はくしょくまるたいらなかたちをしている。寄生きせいおおでは、2~3年生ねんせいえだしろこなをふいたようにえる。

タマカタカイガラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
えだ集団しゅうだん寄生きせいして吸汁するので、多発たはつするとえだ全体ぜんたいれる。
むし体長たいちょう5ミリ、赤褐色せきかっしょく球形きゅうけいである。
<防除ぼうじょ>
発生はっせいすくない場合ばあいは、作業さぎょうよう手袋てぶくろをはめてむしをこすりとす。

▲炭そ病による枝の病斑
たんびょうによるえだやまいまだら

▲炭そ病による果実の病斑
たんびょうによる果実かじつやまいまだら

▲うどんこ病(葉表)
▲うどんこびょう(ひょう)

191
たんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
5がつごろしんこずえ楕円だえんがたくら褐色かっしょくやまいまだらができ、ひろがると木質もくしつ部分ぶぶんたったて亀裂きれつができる。やまいむら上部じょうぶえだれることがある。
果実かじつでは、梅雨つゆ黒色こくしょく円形えんけい楕円だえんがたのくぼんだやまいまだらができ、はや着色ちゃくしょくし、じゅくはてとなって落下らっかしやすくなる。
病原菌びょうげんきん病気びょうきになったえだ越冬えっとうし、よくはる胞子ほうしができしんこずえ伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
間伐かんばつおこなって園内えんない通風つうふうをよくする。
剪定せんてい発病はつびょうえだ果実かじつ除去じょきょする。

うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
5~6がつごろ若葉わかばしょう黒点こくてん多数たすうあつまり、すみったようなやまいまだらとなる。8がつ下旬げじゅんになるとうらしろこなおおわれる。
多発たはつすると落葉らくようはやめ、品質ひんしつ低下ていかする。
空梅雨からつゆとし多発たはつ傾向けいこうがある。
<防除ぼうじょ>
落葉らくようあつめて処分しょぶんする。

▲円星落葉病
えんぼし落葉らくようびょう

▲角斑落葉病
すみまだら落葉らくようびょう

▲カメムシ類による被害果実<BR /> (<ruby><rb>左下</rb><rt>ひだりした</rt></ruby>:チャバネアオカメムシ)
▲カメムシるいによる被害ひがい果実かじつ
 (左下ひだりした:チャバネアオカメムシ)

▲カキクダアザミウマ<BR /> による<ruby><rb>巻</rb><rt>まき</rt></ruby><ruby><rb>葉</rb><rt>よう</rt></ruby>
▲カキクダアザミウマ
 によるまきよう

▲カキクダアザミウマ<BR />の<ruby><rb>成虫</rb><rt>せいちゅう</rt></ruby>
▲カキクダアザミウマ
成虫せいちゅう

192
落葉らくようびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
えんぼし落葉らくようびょうかくむら落葉らくようびょうがあり、カキにもっと普通ふつうられる病気びょうきである。
えんぼし落葉らくようびょうは9がつごろから発生はっせいし、に3~5ミリの赤褐色せきかっしょくまるやまいまだらができ、落葉らくようする。
かくむら落葉らくようびょうは7~8がつごろから発生はっせいし、3~7ミリではい褐色かっしょくかくばったびょうむらにできる。
<防除ぼうじょ>
落葉らくようはていねいにあつめて処分しょぶんする。

カメムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
成虫せいちゅう果実かじつ飛来ひらいして吸汁する。われた部分ぶぶんははじめは目立めだたないが、そのくさって1センチのまるいくぼみになる。
チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシの3種類しゅるいによる被害ひがいおおきい。

カキクダアザミウマ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しんたてほそき、その褐変して落葉らくようする。ひらくと細長ほそながむしがいる。成虫せいちゅう体長たいちょう3ミリでくろく、幼虫ようちゅうは0.5~2ミリで黄色きいろである。
ようはてにも寄生きせいし、吸汁されたあと果実かじつ生長せいちょう褐色かっしょく斑点はんてんとなってのこる。

▲カキノヘタムシガによる果実の被害
▲カキノヘタムシガによる果実かじつ被害ひがい

▲カキノヘタムシガの成虫
▲カキノヘタムシガの成虫せいちゅう

▲アオイラガの幼虫
▲アオイラガの幼虫ようちゅう

193
カキノヘタムシガ(カキミガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうがヘタの部分ぶぶんから果実かじつり、った部分ぶぶんには褐色かっしょくむしくそられる。
被害ひがいけた果実かじつはそのヘタをのこして落果らっかする。また、8がつ被害ひがいはて早期そうき着色ちゃくしょくするのが特徴とくちょうである。
1ねんに2かい発生はっせいし、幼虫ようちゅう樹皮じゅひ越冬えっとうする。
<防除ぼうじょ>
あきにムシロをみきき、もぐんだ越冬えっとう幼虫ようちゅうふゆにムシロごと処分しょぶんする。
ふゆ粗皮あらかわけずりをおこなう。

イラガるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうは5~20ひきうらあつまって寄生きせいし、ひょう薄皮うすかわのこしてべるので、その部分ぶぶんけてえる。おおきくなった幼虫ようちゅう葉脈ようみゃく葉柄ようへいだけをのこしてべつくす。
幼虫ようちゅうにはどくのあるトゲがあり、さわるとひどくいたむ。
1センチの楕円だえんがたのまゆのなか越冬えっとうする。
イラガ、アオイラガ、ヒロヘリアオイラガなどやく10種類しゅるいがカキに寄生きせいする。
<防除ぼうじょ>
冬期とうきにまゆをあつめて処分しょぶんする。

▲実炭そ病
じつたんびょう

▲コウモリガによる木屑の塊
▲コウモリガによる木屑きくずかたまり

▲コウモリガの成虫
▲コウモリガの成虫せいちゅう

194
じつたんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
イガに定形ていけい褐色かっしょく黒褐色こっかっしょく斑紋はんもんができ、湿度しつどたかときにはやまいまだらじょうねばしつピンク色ぴんくいろ胞子ほうしかたまりができる。
果実かじつ表面ひょうめん黒褐色こっかっしょく腐敗ふはいし、内部ないぶ褐色かっしょく黒褐色こっかっしょくになり腐敗ふはいし、空洞くうどうができ、灰白色かいはくしょく菌糸きんしえる。では葉脈ようみゃくちゅうあばら部分ぶぶん黒褐色こっかっしょく斑紋はんもんになる。
えだなか潜在せんざいする病原菌びょうげんきん雨水あまみずによってなが伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
枝葉えだは適度てきど剪定せんていし、密生みっせいふせぐ。
発病はつびょうおお場合ばあいにはたいびょうせい品種ひんしゅもちいる。

コウモリガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
えだみきまわりに、おおきさ1~3センチの木屑きくずかためた団子だんごじょうかたまり付着ふちゃくする。
かたまりになった木屑きくずではがすと簡単かんたんれ、あながあいている。
あなおくに、イモムシじょうむしがいる。
よう食入くいいすると、らすこともある。
しょうえだ樹幹じゅかん食入くいいすると、強風きょうふうなどでそこかられることがある。
<防除ぼうじょ>
幼虫ようちゅう周辺しゅうへん雑草ざっそうから移動いどうしてくるので、雑草ざっそう適切てきせつ管理かんりする。
食入くいいしているあな針金はりがねなどをさしんで、幼虫ようちゅうころす。

▲モモノゴマダラノメイガの被害と虫糞
▲モモノゴマダラノメイガの被害ひがいむしくそ

▲モモノコマダラノメイガの幼虫
▲モモノコマダラノメイガの幼虫ようちゅう

▲クリミガの虫糞
▲クリミガのむしくそ

▲クリシギゾウムシの幼虫
▲クリシギゾウムシの幼虫ようちゅう

195
モモノゴマダラノメイガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう果実かじつ食入くいいし、大粒おおつぶくそそとしていとつづる。
幼虫ようちゅう樹皮じゅひなどで越冬えっとうする。
<防除ぼうじょ>
あきにムシロをみきき、越冬えっとう幼虫ようちゅうあつめて処分しょぶんする。

クリミガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうは9~10がつ果実かじつ食入くいいするが、収穫しゅうかくにはくそられないため、被害ひがいわかりにくい。
幼虫ようちゅうは10がつ中旬ちゅうじゅん~11がつ上旬じょうじゅん果実かじつから脱出だっしゅつしてもぐり、まゆをつくって越冬えっとうする。
<防除ぼうじょ>
10がつじょう中旬ちゅうじゅんにイガをあつめて処分しょぶんする。

クリシギゾウムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうは9~10がつ果実かじつ食入くいいするが、くそそとさないため、被害ひがいわかりにくい。
幼虫ようちゅうは10がつ中旬ちゅうじゅん~11がつ上旬じょうじゅん果実かじつから脱出だっしゅつしてもぐ越冬えっとうする。
<防除ぼうじょ>
10がつじょう中旬ちゅうじゅんにイガをあつめて処分しょぶんする。

▲枝に群生するカツラマルカイガラムシ<BR /> (<ruby><rb>右</rb><rt>みぎ</rt></ruby><ruby><rb>下</rb><rt>か</rt></ruby>:<ruby><rb>成虫</rb><rt>せいちゅう</rt></ruby>と<ruby><rb>幼虫</rb><rt>ようちゅう</rt></ruby>)
えだ群生ぐんせいするカツラマルカイガラムシ
 (みぎ:成虫せいちゅう幼虫ようちゅう)

▲クリタマバチの虫コブ
▲クリタマバチのむしコブ

▲虫コブ内にいるクリタマバチの成虫
むしコブないにいるクリタマバチの成虫せいちゅう

196
カツラマルカイガラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
えだみき表面ひょうめん寄生きせいして吸汁するため、多発たはつすると衰弱すいじゃくして枯死こしする。
かいから褐色かっしょく直径ちょっけい2ミリで、からをはがすと黄色きいろやわらかいむし本体ほんたいられる。
たまごからふしたばかりの幼虫ようちゅう黄色おうしょくからがない。あしがあってあるけるのはこの時期じきだけで、あたらしいえだにたどりついて定着ていちゃくしたのち移動いどうしない。
<防除ぼうじょ>
カットバックをおこなってだかひくくし、薬剤やくざいむしにかかりやすいようにする。

クリタマバチ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうはクリの寄生きせいし、むしコブをつくる。
発生はっせいおおいと果実かじつすくなくなって収量しゅうりょうる。よわってれることもある。
6~7がつむしコブから成虫せいちゅう羽化うかして新芽しんめたまごみつける。たまごからかえった幼虫ようちゅうははじめのうち成長せいちょうおそく、越冬えっとうきゅう成長せいちょうしてむしコブをつくる。
成虫せいちゅう黒色こくしょくで、体長たいちょう3ミリのちいさなはちである。
<防除ぼうじょ>
剪定せんていおこない、樹勢じゅせいつよたもつ。
寄生きせいはちのチュウゴクオナガコバチを飼する。

▲クリオオアブラムシ
▲クリオオアブラムシ

▲クリオオアブラムシの成虫と卵塊
▲クリオオアブラムシの成虫せいちゅうたまごかたまり

▲クスサンの幼虫
▲クスサンの幼虫ようちゅう

197
クリオオアブラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
たまごくろく、体長たいちょう1.5ミリの長円ちょうえんがたである。みきえだ多数たすうたまごかたまりみつけられ、ふゆす。
たまごは4がつ中旬ちゅうじゅんにふし、その成虫せいちゅうえだ寄生きせいして吸汁する。
むし黒色こくしょくで、一見いっけんするとアリのようにえる。成虫せいちゅうになると体長たいちょうが5ミリにたっする大型おおがたのアブラムシである。
<防除ぼうじょ>
越冬えっとうちゅうたまごかたまりふゆあいだつけてつぶす。

クスサン
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
たまご越冬えっとうし、4がつ下旬げじゅん~5がつ上旬じょうじゅん黒色こくしょく幼虫ようちゅうたまごからふする。幼虫ようちゅうははじめれをつくるが、成長せいちょうするにつれ分散ぶんさんする。
6~7がつ白色はくしょくなが体長たいちょう10センチの大型おおがた毛虫けむしになり、さかんにべたのち褐色かっしょくのかごのようなまゆのなかさなぎになる。
成虫せいちゅうは9~10がつあらわれ、100以上いじょうたまご一塊ひとかたまりにしてえだ分岐ぶんきてん付近ふきんみつける。
<防除ぼうじょ>
ふゆあいだたまごかたまりつけてつぶす。
5がつ上旬じょうじゅん幼虫ようちゅうあつまっているって処分しょぶんする。

▲晩腐病による果実の腐敗
ばんくさやまいによる果実かじつ腐敗ふはい

▲黒とう病による果実の病斑
こくとうびょうによる果実かじつやまいまだら

▲黒とう病による葉の病斑 (左下:枝の病斑)
こくとうびょうによるやまいむら (左下ひだりした:えだやまいまだら)

198
ばんくさやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
はてぼうえだとう発病はつびょうするが、もっと被害ひがいおおきいのは成熟せいじゅくはてぼう腐敗ふはいである。
果実かじつ成熟せいじゅくすすむと、表面ひょうめんあわ褐色かっしょくてんからすみがにじむようなやまいむらになり、さらに鮫肌さめはだじょうくろへんする。その晴天せいてんつづくとミイラし、しブドウじょうになる。
デラウエアに発生はっせいおおく、病原菌びょうげんきん結果けっかははえだきヒゲなどで越冬えっとうする。
<防除ぼうじょ>
密植みっしょくたなめんあかるくし、通風つうふうおよび排水はいすいくするとともにふくろかけをおこなう。

こくとうびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
果実かじつしんこずえきヒゲに発病はつびょうし、甲州こうしゅう、ネオマスカット、きょほうなどにおおい。
開花かいかでは、はなくろ変色へんしょくし、はなながれとなる。ようはてでは2~5ミリの円形えんけいびょうむらができ、とりじょうになることから「とりびょう」ともばれる。果実かじつ肥大ひだいわるく、品質ひんしつ低下ていかにつながる。
病原菌びょうげんきんは、ツルなどに菌糸きんし越冬えっとうし、雨滴うてき飛沫しぶきによりまんえんする。
<防除ぼうじょ>
やまいえだやまいはてきヒゲを除去じょきょする。
ハウス栽培さいばいでは発病はつびょう抑制よくせいされる。やまいえだ剪定せんてい除去じょきょする。
雨除あまよけすることで被害ひがい軽減けいげんできる。

▲べと病(葉表)
▲べとやめ(ひょう)

▲べと病(葉裏)
▲べとやめ(うら)

▲褐斑病
▲褐斑びょう

199
べとやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
若葉わかばでの被害ひがいは、はじめあわ黄色きいろ輪郭りんかく不明瞭ふめいりょう斑点はんてんあらわれ、やがて裏面りめん白色はくしょくのカビが密生みっせいし、ひどくなると早期そうき落葉らくようする。
開花かいかまえ花穂かすい白色はくしょくのカビがえたのち、褐変枯死こしする。未熟みじゅくはてぼうではなまりしょくからむらさき黒色こくしょくわりだつりゅうしやすくなる。
雨滴うてきにより伝染でんせんし、露地ろじ栽培さいばい発生はっせいおおい。
落葉らくよう組織そしきない胞子ほうし状態じょうたい越冬えっとうする。
20~22℃の多湿たしつ条件じょうけん発生はっせいしやすい。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいはやめに除去じょきょし、処分しょぶんする。

褐斑びょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
デラウエア、キャンベルアーリーに多発たはつする。に5~9ミリ程度ていどおおきさで黒褐色こっかっしょく斑点はんてんができ、やまいまだらうらにはあわ褐色かっしょくですすじょうのカビがえる。多発たはつすると、早期そうき落葉らくようし、果実かじつ着色ちゃくしょく不良ふりょうとなり商品しょうひん価値かち低下ていかする。
発病はつびょうえだ付着ふちゃくした病原菌びょうげんきん越冬えっとうし、翌年よくねんふたた風雨ふううにより飛散ひさんし、感染かんせん発病はつびょうする。
<防除ぼうじょ>
越冬えっとう伝染でんせんげん除去じょきょ目的もくてき粗皮あらかわけずりをおこなう。

▲葉裏のさび病の胞子
うらのさびびょう胞子ほうし

▲うどんこ病(葉)
▲うどんこびょう()

▲うどんこ病(果実)
▲うどんこびょう(果実かじつ)

200
さびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
葉柄ようへいじくはて梗、しんこずえ発生はっせいし、デラウエア、きょほうなどの品種ひんしゅ被害ひがいおおい。
発病はつびょうおおいと早期そうき落葉らくようし、結果けっかははえだ栄養えいよう蓄積ちくせきさまたげられ、翌年よくねん生育せいいくわるくなる。
伝染でんせん経路けいろは、ぶどうじょうにできたふゆ胞子ほうし落葉らくようじょう越冬えっとうし、翌年よくねん中間なかまよせぬしのアワブキなどに寄生きせいし、ふたたびブドウに伝染でんせんする。
露地ろじ栽培さいばい発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
被害ひがいはやめに除去じょきょし、処分しょぶんする。

うどんこびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
施設しせつ栽培さいばい発生はっせいおおく、若葉わかばしんこずえ果実かじつ発病はつびょうられる。
一般いっぱん欧州おうしゅうけい品種ひんしゅ(マスカット、甲州こうしゅう)に発病はつびょうおおく、アメリカけい品種ひんしゅ(キャンベルなど)はたいびょうせいである。
表面ひょうめんクモくもさま白色はくしょくのカビがえ、のちに黄白こうはくしょくやまいまだらができる。
多発たはつすると、裏側うらがわまでひろがり、全体ぜんたい白色はくしょくこなおおわれたようにしろとなる。
果実かじつへの被害ひがいは、成熟せいじゅくおくらせ、収穫しゅうかくはてぼう日持ひもちをわるくする。
<防除ぼうじょ>
通風つうふう日当ひなたたり、排水はいすいくする。
被害ひがい(しぶ)をはやめに除去じょきょし、処分しょぶんする。

▲つる割病による枝の亀裂
▲つるわりびょうによるえだ亀裂きれつ

▲つる割病による果実の被害
▲つるわりびょうによる果実かじつ被害ひがい

▲灰色かび病による果実の被害
灰色はいいろかびびょうによる果実かじつ被害ひがい

201
つるわりびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
若葉わかばようはてみどりえだツルなどに発生はっせいする。被害ひがいは、欧州おうしゅうけい品種ひんしゅおおい。
若葉わかばではちぢれ、えん内側うちがわく。みどりえだ基部きぶ付近ふきんにはまるみをびた黒色こくしょくじょうまだらいちめんにでき、いわゆる「くろツル」となりれやすくなる。
病原菌びょうげんきん枯死こしした2ねんえだやまい患部かんぶ越冬えっとうし、翌年よくねん発芽はつがし、胞子ほうし降雨こううにより伝染でんせんする。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょうえだ切除せつじょツルの除去じょきょ粗皮あらかわはぎをおこなう。
窒素ちっそしつ肥料ひりょうひかえ、軟弱なんじゃく徒長とちょうふせぐ。

灰色はいいろかびびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
おもにハウス栽培さいばい発生はっせいおおられ、花穂かすい果実かじつじくおかされる。
開花かいかちゅう落花らっか直後ちょくご花穂かすいでの被害ひがいもっとおおきい。じくなどが褐色かっしょくになり、多湿たしつ条件じょうけん灰色はいいろのカビがえ、褐変枯死こししてだつつぶする。
排水はいすい不良ふりょうえんや、開花かいか前後ぜんこう長雨ながあめ台風たいふう低温ていおん多湿たしつになるとえん全体ぜんたいひろがり、収穫しゅうかく皆無かいむになることがある。
<防除ぼうじょ>
園地えんち排水はいすいくし、えだ繁茂はんもける。
ハウス栽培さいばいでは、ビニールマルチをし、換気かんき十分じゅうぶんおこない、湿度しつど低下ていかさせる。

▲ブドウトラカミキリの成虫
▲ブドウトラカミキリの成虫せいちゅう

▲プドウスカシバの成虫
▲プドウスカシバの成虫せいちゅう

▲ブドウスカシバの蛹殻
▲ブドウスカシバのさなぎから

202
ブドウトラカミキリ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうえだ内部ないぶすすみ、被害ひがいけた部分ぶぶんくろくなる。むしのいるえださきしんこずえはしおれてれる。くそそと排出はいしゅつしない。
幼虫ようちゅう体長たいちょう1~2センチでしろく、あたまむね褐色かっしょくである。
成虫せいちゅうは8~9がつ羽化うかする。体長たいちょう1~1.5センチで、腹部ふくぶ黒地くろじ黄色おうしょく横縞よこじま模様もようがあるのが特徴とくちょうである。
<防除ぼうじょ>
剪定せんてい被害ひがいえだり、処分しょぶんする。

ブドウスカシバ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうえだ内部ないぶすすみ、食害しょくがいされた部分ぶぶん赤褐色せきかっしょくになってふくれる。むしのいるえださきではしんこずえびがまる。
被害ひがいえだのところどころからくそされるため、ブドウトラカミキリと区別くべつできる。
幼虫ようちゅう体長たいちょう3~4センチ、うすい黄色きいろで、あたま褐色かっしょくである。
成虫せいちゅうは5がつちゅう下旬げじゅん羽化うかする。体長たいちょう2センチで、黒地くろじ黄色おうしょく横縞よこじま模様もようがある。一見いっけんするとハチに非常ひじょうによくている。
<防除ぼうじょ>
剪定せんてい被害ひがいえだり、処分しょぶんする。

▲チャノキイロアザミウマによる果実褐変
▲チャノキイロアザミウマによる果実かじつ褐変

▲チャノキイロアザミウマによる葉脈褐変
▲チャノキイロアザミウマによる葉脈ようみゃく褐変

▲クワコナカイガラムシの成虫と幼虫
▲クワコナカイガラムシの成虫せいちゅう幼虫ようちゅう

203
チャノキイロアザミウマ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
果実かじつ表面ひょうめん褐色かっしょくきずができ、その部分ぶぶんかたくなる。とくにマスカット・オブ・アレキサンドリアのような緑色みどりいろ系統けいとうのブドウでは症状しょうじょう顕著けんちょ被害ひがいおおきく、多発たはつすると褐色かっしょく果実かじつわる。
むし体長たいちょう1ミリと非常ひじょうちいさいので、発見はっけんするのは困難こんなんである。
新芽しんめしんにも寄生きせいし、しんではうら葉脈ようみゃくが褐変する。この症状しょうじょうむし発生はっせいりょうのめやすになる。
ようはてころ被害ひがい収穫しゅうかくまでのこる。

クワコナカイガラムシ
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
果実かじつはて梗に白色はくしょく綿めんじょうむし群生ぐんせいして吸汁する。
すこしでもむしがつくと商品しょうひん価値かちがなくなってしまうので、被害ひがいおおきい。また、むし排泄はいせつぶつにすすびょう発生はっせいするので、果実かじつくろけがれる。
緑色みどりいろ系統けいとうのブドウで発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
粗皮あらかわけずりをおこない、むし越冬えっとう場所ばしょをなくす。

▲フタテンヒメヨコバイによる葉の被害<BR /> (<ruby><rb>右</rb><rt>みぎ</rt></ruby><ruby><rb>下</rb><rt>か</rt></ruby>:<ruby><rb>成虫</rb><rt>せいちゅう</rt></ruby>)
▲フタテンヒメヨコバイによる被害ひがい
 (みぎ:成虫せいちゅう)

▲カンザワハタニと葉の被害
▲カンザワハタニと被害ひがい

▲ドウガネブイブイの成虫
▲ドウガネブイブイの成虫せいちゅう

204
フタテンヒメヨコバイ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
むしうら寄生きせいして吸汁するため、その部分ぶぶんいろしろける。多発たはつすると全体ぜんたいしろっぽくなり、果実かじつ着色ちゃくしょく不良ふりょうになって糖度とうどがる。
成虫せいちゅう体長たいちょう3~4ミリで、うすい黄色おうしょく褐色かっしょく模様もようがある。幼虫ようちゅう体長たいちょう1~4ミリで、しろまたは黄色きいろである。
多発たはつ園内えんないあるくと成虫せいちゅうがさかんにかおにぶつかってくる。

カンザワハダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うら体長たいちょう0.5ミリのちいさなあかいダニが寄生きせいして吸汁するため、いろしろける。
乾燥かんそうこのみ、ハウスでしばしば多発たはつする。

ドウガネブイブイ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
名前なまえのとおりどうのようないろをした体長たいちょう2~2.5センチのコガネムシで、園内えんないまたはえんがいからたくさんんでて、暴食ぼうしょくする。

▲アメリカシロヒトリ
▲アメリカシロヒトリ

▲トビイロトラガ
▲トビイロトラガ

▲ハスモンヨトウ
▲ハスモンヨトウ

205
アメリカシロヒトリ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうがテントじょういとって群生ぐんせいし、葉脈ようみゃく薄皮うすかわのこしてらす。幼虫ようちゅうおおきくなるとテントのそとて、べる。
たまごは100くらいのかたまりみつけられるので、たまごからかえった幼虫ようちゅう集団しゅうだんべる。
幼虫ようちゅうはい黒色こくしょくで、白色はくしょくながたち、成長せいちょうすると体長たいちょうは3センチになる。
<防除ぼうじょ>
幼虫ようちゅう集団しゅうだん発生はっせいしているって処分しょぶんする。

トビイロトラガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうしんこずえ先端せんたんなどやわらかい食害しょくがいし、成長せいちょうすると葉脈ようみゃく葉柄ようへいのこしてらす。
幼虫ようちゅうだいだい黄色おうしょく黒色こくしょくよこたいせんじょうはしり、成長せいちょうすると体長たいちょうは4センチになる。
<防除ぼうじょ>
圃場ほじょう見回みまわり、幼虫ようちゅうころせする。

ハスモンヨトウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう新芽しんめらす。早期そうきゆたか栽培さいばい被害ひがいおおい。
たまごは100くらいのかたまりみつけられるので、たまごからかえった幼虫ようちゅう集団しゅうだんべる。
幼虫ようちゅう緑色みどりいろ灰色はいいろ黒褐色こっかっしょくなどさまざまで、体長たいちょうは1~4センチである。
あたまうしろに一対いっついちいさなくろ斑紋はんもんがあるので、のヨトウムシるい区別くべつできる。
<防除ぼうじょ>
幼虫ようちゅう集団しゅうだん発生はっせいしているりとって処分しょぶんする。

▲クワゴマダラヒトリ
▲クワゴマダラヒトリ

▲アカガネサルハムシ
▲アカガネサルハムシ

▲ブドウヒメハダニによる枝の被害<BR /> (<ruby><rb>右</rb><rt>みぎ</rt></ruby><ruby><rb>下</rb><rt>か</rt></ruby>:ブドウヒメハダニ)
▲ブドウヒメハダニによるえだ被害ひがい
 (みぎ:ブドウヒメハダニ)

206
クワゴマダラヒトリ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
越冬えっとう幼虫ようちゅうによる被害ひがいおおきい。萌芽ほうが食害しょくがいけると経済けいざいてき損失そんしつおおきい。幼虫ようちゅう様々さまざま植物しょくぶつべる。
幼虫ようちゅうおおきく、褐色かっしょく突起とっきをもち、多数たすうくろくてながえている。
たまごかたまりけられるが、ブドウには産卵さんらんしない。幼虫ようちゅうははじめもうなか集団しゅうだん生息せいそくし、落葉らくようあいだなどで越冬えっとうする。越冬えっとう単独たんどく行動こうどうする。
<防除ぼうじょ>
ブドウのハウスでは、ハウスをはじめるとそとから越冬えっとう幼虫ようちゅう侵入しんにゅうしてくるため、つけ次第しだいころせする。
圃場ほじょう周辺しゅうへんから侵入しんにゅうしてくるので、周辺しゅうへん除草じょそうつとめる。

アカガネサルハムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
成虫せいちゅう発芽はつが新芽しんめややわらかいしんこずえらす。食害しょくがいされた部分ぶぶん赤褐色せきかっしょく変色へんしょくし、へこむ。
発生はっせいおおいと果実かじつ食害しょくがいし、じくられる。
成虫せいちゅう体長たいちょう7ミリ、金属きんぞく光沢こうたくみどり藍色あいいろで、中央ちゅうおう赤褐色せきかっしょくすじが2ほんはしる。
幼虫ようちゅう土中どちゅう生息せいそくし、食害しょくがいするが、実害じつがいはほとんどない。

ブドウヒメハダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しんこずえ基部きぶ表皮ひょうひが吸汁されて黒褐色こっかっしょく変色へんしょくし、びがわるくなる。葉脈ようみゃく沿いに黒褐色こっかっしょくになる。
多発たはつすると果実かじつ肥大ひだい着色ちゃくしょくさまたげられる。
きわめて扁平へんぺいなダニで、体長たいちょうは0.3ミリ、赤色あかいろで、ほぼたまごがたである。

▲そうか病による果実のイボ症状
▲そうかびょうによる果実かじつのイボ症状しょうじょう

▲そうか病による葉の突起
▲そうかびょうによる突起とっき

▲かいよう病による葉の病斑
▲かいようびょうによるやまいまだら

207
そうかやまい
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
果実かじつ表面ひょうめんに、直径ちょっけい1ミリ前後ぜんこう隆起りゅうきする「イボがた」や「そうかかた」のやまいまだらができる。
果実かじつ外観がいかんわるくなり、とうすくなく、さんおおくなるなど品質ひんしつ低下ていかする。
降雨こううにより伝染でんせんよう樹勢じゅせいさかんな発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
被害ひがい枝葉えだは剪定せんていし、園内えんない通風つうふう採光さいこうくし、多湿たしつにならないようにする。

かいようびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
果実かじつ発生はっせいする。はじめ円形えんけいみずひたじょう斑点はんてんができ、やがてがり、中央ちゅうおう表皮ひょうひやぶれコルクし、その周囲しゅうい黄色きいろくなる。発病はつびょうはげしいと落葉らくようする。
果実かじつ発生はっせいすると、外観がいかんわるくなり、商品しょうひん価値かちいちじるしく低下ていかする。
越冬えっとうしたやまいまだら伝染でんせんげんとなる。なつ秋枝あきえ潜伏せんぷくして越冬えっとうすることもある。
風当かぜあたりのつよえん台風たいふう、さらにはミカンハモグリガのしょくこんなどからも発病はつびょうする。
温州うんしゅうみかんでは発生はっせいすくなく、グレープフルーツやネーブルで発生はっせいおおい。
<防除ぼうじょ>
ミカンハモグリガの防除ぼうじょふうずれ対策たいさく施肥せひ管理かんり十分じゅうぶんおこなう。

▲黒点病による果実の黒点
黒点こくてんびょうによる果実かじつ黒点こくてん

▲黒点病による葉の黒点
黒点こくてんびょうによる黒点こくてん

▲ミカンハモグリガによる葉の食害痕
▲ミカンハモグリガによる食害しょくがいこん

208
黒点こくてんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
えだ果実かじつ感染かんせんして、微小びしょう黒色こくしょく円形えんけいやまいまだらができる。やまいまだらは、黒点こくてんなみだむらどろ塊状かいじょうとさまざまである。
果実かじつ発生はっせいすると商品しょうひん価値かち低下ていかする。
伝染でんせんげん枯枝かれえだで、6~10がつ降雨こううおおいと多発たはつする。また、若木わかぎえんより老木ろうぼくえん管理かんり不良ふりょうえん発病はつびょうおおい。
<防除ぼうじょ>
枯枝かれえだ剪定せんていし、剪定せんていえだ放置ほうちせず、埋没まいぼつするなど処分しょぶんする。
密植みっしょくえん間伐かんばつおこない、樹冠じゅかん内部ないぶまでじゅう分光ぶんこうれ、通風つうふうくする。
初期しょき発生はっせい防除ぼうじょ重要じゅうようである。

ミカンハモグリガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
体長たいちょう4ミリ、うすい黄色おうしょくむししん内部ないぶにトンネルをってすすむため、がりくねったしろすじがたくさんられる。また、奇形きけいになったり、生長せいちょうまる。
なつからあきびたあきこずえ被害ひがいおおい。このため、とくに若木わかぎ被害ひがい目立めだち、多発たはつすると生育せいいく抑制よくせいされる。
しょくこん沿ってかいようびょう発生はっせいしやすい。

▲ルビーロウムシ
▲ルビーロウムシ

▲葉裏のヤノネカイガラムシ<BR /> (<ruby><rb>左下</rb><rt>ひだりした</rt></ruby>:<ruby><rb>果実</rb><rt>かじつ</rt></ruby>のヤノネカイガラムシ)
うらのヤノネカイガラムシ
 (左下ひだりした:果実かじつのヤノネカイガラムシ)

▲ヤノネカイガラムシによる枝枯れ
▲ヤノネカイガラムシによるえだ

209
ロウムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
えだ寄生きせいして吸汁するため、多発たはつすると樹勢じゅせいおとろえる。また、むし排泄はいせつ物上ぶつじょう発生はっせいするすすびょうによって果実かじつくろけがれる。
ルビーロウムシとツノロウムシがおも種類しゅるいで、いずれも名前なまえのとおり、からだがロウ物質ぶっしつでできたかいからにおおわれている。
ルビーロウムシは5~6ミリであずきしょく、ツノロウムシは6~8ミリで白色はくしょくである。

ヤノネカイガラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
えだ果実かじつ寄生きせいして吸汁し、多発たはつすると落葉らくようがひどくなり、枯死こしする。また、果実かじつではむし寄生きせいした部分ぶぶんがへこむとともに着色ちゃくしょく不良ふりょうとなり、商品しょうひん価値かち低下ていかする。
めすかいから褐色かっしょく体長たいちょう3ミリ、じり()のようなかたちをしており、むし名前なまえはこれにちなむ。
ゆうかいから体長たいちょう1.5ミリ、白色はくしょく綿めんじょう細長ほそながく、うられをつくっている。
<防除ぼうじょ>
府内ふないでは天敵てんてきのヤノネツヤコバチ、ヤノネキイロコバチが飼され、現在げんざい発生はっせいすくない。

▲ミカンコナジラミの幼虫と脱皮殻
▲ミカンコナジラミの幼虫ようちゅう脱皮だっぴから

▲ミカンコナジラミの成虫
▲ミカンコナジラミの成虫せいちゅう

▲ゴマダラカミキリの成虫
▲ゴマダラカミキリの成虫せいちゅう

210
ミカンコナジラミ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅううら寄生きせいして吸汁する。むし排泄はいせつ物上ぶつじょう発生はっせいするすすびょうのために果実かじつくろけがれる。
幼虫ようちゅうきとおった緑色みどりいろ体長たいちょう1~1.5ミリ、たいらな小判こばんがたをしている。
成虫せいちゅう体長たいちょう1~1.5ミリで翅がしろく、をゆするとパッとがる。
<防除ぼうじょ>
密植みっしょくすると多発たはつするので、剪定せんてい十分じゅうぶんおこない、日当ひあたりや通風つうふうをよくする。

ゴマダラカミキリ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうみき樹皮じゅひ食害しょくがいし、ぎわから木屑きくずじょうくそているのが特徴とくちょうである。発生はっせいおおいと衰弱すいじゃくし、枯死こしする。
幼虫ようちゅうはテッポウムシとよばれ、白色はくしょく老熟ろうじゅくすると体長たいちょうは5センチになる。
成虫せいちゅう体長たいちょう3.5センチ、背中せなか藍色あいいろ光沢こうたくがあり、多数たすうしろてんをもつ。
成虫せいちゅう脱出だっしゅつあなから雨水あまみずはいり、内部ないぶくさらせる。
<防除ぼうじょ>
成虫せいちゅうつけしだいころせする。くそている場所ばしょから針金はりがねをさしんで、なか幼虫ようちゅうころす。
産卵さんらんふせぐために、みきぎわ付近ふきんにネットをきつける。
脱出だっしゅつあな木工もっこうボンドとうでふさぐ。

▲コアオハナムグリ
▲コアオハナムグリ

▲ミカンサビダニによる果実の褐変
▲ミカンサビダニによる果実かじつの褐変

▲ミカンサビダニ
▲ミカンサビダニ

211
コアオハナムグリ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
成虫せいちゅう体長たいちょう1~1.5センチのコガネムシで、緑色みどりいろしろ模様もよう散在さんざいする。
開花かいかみつうために飛来ひらいし、将来しょうらい果実かじつになる部分ぶぶんあしつめあたまきずつける。
きず果実かじつ生長せいちょうにともなっておおきくなり、はていただきからクモくもじょう放射状ほうしゃじょうひろがるきずとなる。発生はっせいおおときはてりつわるくなる。

ミカンサビダニ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
果実かじつむし寄生きせいして吸汁し、きずついた果皮かひはかさぶたじょうになって、果実かじつ全体ぜんたい褐色かっしょくまたは灰色はいいろ変色へんしょくする。
むし体長たいちょう0.2ミリと非常ひじょうちいさいので肉眼にくがんではえないが、果実かじつ無数むすう寄生きせいしているときは、果実かじつ黄色おうしょくっぽいほこりをかぶったようにえる。
気温きおんたかく、降水こうすいりょうすくないとし発生はっせいおおい。

▲ミカンハダニによる葉の被害<BR /> (<ruby><rb>右</rb><rt>みぎ</rt></ruby><ruby><rb>下</rb><rt>か</rt></ruby>:ミカンハダニ)
▲ミカンハダニによる被害ひがい
 (みぎ:ミカンハダニ)

▲ワタアアブラムシ
▲ワタアアブラムシ

▲ユキヤナギアブラムシ
▲ユキヤナギアブラムシ

212
ミカンハダニ・アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うら寄生きせいして吸汁するため、われた部分ぶぶんいろけてしろくなる。多発たはつすると落葉らくようはやまる。
果実かじつ寄生きせいすると着色ちゃくしょくおくれ、いろがぼけて商品しょうひん価値かちいちじるしく低下ていかする。

アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
しんこずえうら体長たいちょう1ミリのちいさなむし集団しゅうだんつくって寄生きせいし、吸汁する。
吸汁されたちいさくなったり、いたりするほか、むしがら排泄はいせつぶつがつき、さらに排泄はいせつぶつにすすびょう発生はっせいしてきたなくなる。
多発たはつすると果実かじつ生育せいいくおさえられて品質ひんしつわるくなる。
ワタアブラムシ、ユキヤナギアブラムシ、ミカンクロアブラムシがおも種類しゅるいである。
<防除ぼうじょ>
苗木なえぎこうせっじゅ防除ぼうじょする必要ひつようがあるが、成木なりきではふつう防除ぼうじょ不要ふようである。

▲ナシマルカイガラムシ
▲ナシマルカイガラムシ

▲吸汁ヤガ類の被害
▲吸汁ヤガるい被害ひがい

213
ナシマルカイガラムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
えだみき果実かじつ発生はっせいする。
多発たはつするとむら赤褐色せきかっしょくまだらしょうじ、果実かじつでは着色ちゃくしょくむらとなって美観びかんそこなわれる。
めす成虫せいちゅう円形えんけい、やや隆起りゅうきし、体長たいちょうは2ミリ、茶褐色ちゃかっしょくまたは褐色かっしょくである。
以前いぜんは、サンホーゼカイガラムシとばれていた。

吸汁ヤガるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
成虫せいちゅう夜間やかん飛来ひらいし、じゅくした果実かじつを吸汁する。果実かじつにはまるい1ミリのあながあき、この部分ぶぶんから腐敗ふはいして落果らっかする。
アカエグリバ、ヒメエグリバ、アケビコノハなどが加害かがいする。
アカエグリバとヒメエグリバは開張かいちょう3~4センチ、アケビコノハは開張かいちょう10センチで大型おおがたである。

▲縮葉病による葉の被害
ちぢみびょうによる被害ひがい

▲カワリコブアブラムシによる巻葉
▲カワリコブアブラムシによるまきよう

▲モモコフキアブラムシ
▲モモコフキアブラムシ

214
ちぢみびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
しんあか黄色おうしょくぶくれじょうやまいまだらができ、分厚ぶあつふくれる。表面ひょうめんにはしろこながおおい、やがて黒褐色こっかっしょくくさってちる。
果実かじつぶくれじょうやまいまだらができる。
気温きおんひくく、あめおおとし発生はっせいおおい。
しん展開てんかいするころ発生はっせいし、5がつごろまで伝染でんせんし、25℃以上いじょう気温きおん発生はっせい減少げんしょうする。

アブラムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
おもにカワリコブアブラムシとモモコフキアブラムシの2種類しゅるい寄生きせいする。
カワリコブアブラムシはうら集団しゅうだん寄生きせいして吸汁し、裏側うらがわたてんで棒状ぼうじょうになる。発生はっせいおおいとないのほとんどのいてしまう。
モモコフキアブラムシも集団しゅうだん寄生きせいして吸汁するが、くことはない。むし排泄はいせつぶつにすすびょう発生はっせいし、果実かじつくろけがれる。むし名前なまえのとおり、こなをふいたようにしろっぽいのが特徴とくちょうである。

▲黒星病による果実の病斑
黒星くろぼしびょうによる果実かじつやまいまだら

▲炭そ病による果実の病斑
たんびょうによる果実かじつやまいまだら

▲灰星病による果実の病斑
はいほしびょうによる果実かじつやまいまだら

215
黒星くろぼしびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
果皮かひにホクロじょうくろ斑点はんてんができる。発病はつびょうはげしい場合ばあいやまいまだら多数たすう密生みっせいし、やまいむら密生みっせい部分ぶぶんかわかたくなりきれはてすることがある。
<防除ぼうじょ>
ちゅう晩生ばんせいしゅ発生はっせいおおい。早期そうきふくろかけをおこなうと被害ひがいすくなくなる。

たんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ようはてごろから発病はつびょうし、やまいむらはくぼみ、ピンク色ぴんくいろ胞子ほうしかたまりができ、やがてミイラする。
病気びょうきにかかったえだうえく。
<防除ぼうじょ>
発病はつびょうおおえんでは早期そうきふくろかけをおこなう。
やまいはてや、いているえだる。


はいほしびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
おもじゅくした果実かじつ発病はつびょうし、こなじょう灰白色かいはくしょく胞子ほうし多数たすうでき、急速きゅうそくひろがり落果らっかする。
はな病気びょうきにかかると、褐色かっしょく変色へんしょくくさる。
<防除ぼうじょ>
病気びょうきにかかった果実かじつただちに除去じょきょする。

▲モモノゴマダラノメイガの被害果
▲モモノゴマダラノメイガの被害ひがいはて

▲モモノコマダラノメイガの幼虫
▲モモノコマダラノメイガの幼虫ようちゅう

▲ナシヒメシンクイによる新梢の被害
▲ナシヒメシンクイによるしんこずえ被害ひがい

216
モモノゴマダラノメイガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう果実かじつないり、果実かじつそと粒状りゅうじょうくそす。
幼虫ようちゅう全体ぜんたいあかっぽく、褐色かっしょく斑点はんてんがある。成長せいちょうすると体長たいちょう2.5センチになる。
成虫せいちゅうは翅をひらくと2.5センチので、夜間やかん活動かつどうする。むし名前なまえ黄色おうしょくの翅にくろてんがゴマのようにらばっていることによる。
<防除ぼうじょ>
ふくろかけをしてむししょくいれふせぐ。

ナシヒメシンクイ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうしんこずえ食入くいいするため、しんこずえ先端せんたんれてくろくなる。また、そこからこまかいくそる。
ちゅうせい晩生ばんせいしゅでは、しんこずえびがまると果実かじつ食入くいいし、食入くいいした部分ぶぶんからこまかいくそす。
幼虫ようちゅう黄色きいろで、斑点はんてんはない。成長せいちょうすると体長たいちょう1センチになる。成虫せいちゅう体長たいちょう5~7ミリのくろっぽいちいさなである。
<防除ぼうじょ>
ふくろかけをしてむししょくいれふせぐ。

▲せん孔細菌病による葉の被害
▲せんこう細菌さいきんびょうによる被害ひがい

▲せん孔細菌病による果実の被害
▲せんこう細菌さいきんびょうによる果実かじつ被害ひがい

▲モモハモグリガの食害痕
▲モモハモグリガの食害しょくがいこん

217
せんこう細菌さいきんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
細菌さいきん感染かんせんによって発生はっせいする病害びょうがいで、モモに普通ふつうられる病気びょうきである。はじめ、葉脈ようみゃく区切くぎられた整形せいけい斑点はんてんができ、あわ褐色かっしょくむらさき褐色かっしょく斑点はんてんとなり、やがてやまいむら部分ぶぶんかわいてち、まるあなになる。
しんこずえではみずひたじょうやまいまだらができ、やがて褐色かっしょくわりえだ表面ひょうめん亀裂きれつができる。
<防除ぼうじょ>
えだにできたやまいまだらり、れたえだあつめて処分しょぶんする。

モモハモグリガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう内部ないぶに、はじめうずまきじょうの、その蛇行だこうしたトンネルをってすすむ。
トンネルはしろえ、こまかいくろくそがトンネルないのこされる。
うずまきじょう食害しょくがいされた部分ぶぶんれてち、まるあなになるため、せんこう細菌さいきんびょう被害ひがいとまちがいやすい。
幼虫ようちゅう成長せいちょうするとから脱出だっしゅつし、うらにハンモックのようなマユをつくる。
成虫せいちゅう体長たいちょう3ミリ、銀色ぎんいろちいさなである。
<防除ぼうじょ>
落葉らくようあつめて処分しょぶんする。

▲コスカシバの虫糞とヤニ
▲コスカシバのむしくそとヤニ

▲コスカシバの成虫
▲コスカシバの成虫せいちゅう

▲ハダニ類による被害葉
▲ハダニるいによる被害ひがい

218
コスカシバ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうえだみき樹皮じゅひもぐんで食害しょくがいし、よわらせる。また、食害しょくがいかられやすくなる。
幼虫ようちゅう成長せいちょうすると、体長たいちょう2.5センチになる。
<防除ぼうじょ>
むしくそ樹脂じゅしているところをかわごとけずり、なかにいる幼虫ようちゅうころす。
スカシバコンを10aたり50~150ほん設置せっちして成虫せいちゅう交尾こうびさまたげる。

ハダニるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
うら寄生きせいして吸汁するため、われた部分ぶぶんはカスリじょうしろ斑点はんてんになる。多発たはつすると全体ぜんたいしろっぽくなり、早期そうき落葉らくようする。
主要しゅようなハダニるいは、カンザワハダニ、ミカンハダニ、ナミハダニの3種類しゅるいである。
カンザワハダニ、ミカンハダニはあかく、ナミハダニはうすい緑色みどりいろである。いずれも体長たいちょう0.5ミリでちいさい。
<防除ぼうじょ>
下草したくさ繁殖はんしょくしたのちにのぼってくるので、雑草ざっそう繁茂はんもさせないようにする。

▲カメムシ類による被害
▲カメムシるいによる被害ひがい

▲チャバネアオカメムシ
▲チャバネアオカメムシ

219
カメムシるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
成虫せいちゅう果実かじつ飛来ひらいして吸汁する。われた部分ぶぶん果皮かひはスポンジじょうになり、はてめんがでこぼこになる。
チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシの3しゅおも発生はっせいする。
3しゅとも幼虫ようちゅうがスギやヒノキの果実かじつ生育せいいくし、羽化うか成虫せいちゅう飛来ひらいして加害かがいする。
チャバネアオカメムシは体長たいちょう1センチ、光沢こうたくのある緑色みどりいろで、翅の部分ぶぶん褐色かっしょくである。
<防除ぼうじょ>
ふくろかけをおこなう。

▲モモスズメの老熟幼虫
▲モモスズメの老熟ろうじゅく幼虫ようちゅう

▲ヒメシロモンドクガの幼虫
▲ヒメシロモンドクガの幼虫ようちゅう

▲ウスバツバメの幼虫
▲ウスバツバメの幼虫ようちゅう

220
モモスズメ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
食害しょくがいするイモムシで、成長せいちょうすると8センチにもなる。
幼虫ようちゅうのおしりに1ほんなが突起とっきつのが特徴とくちょうで、幼虫ようちゅういろ緑色みどりいろないし黄色きいろである。
モモ、ウメ、サクラなどのバラ植物しょくぶつとツゲ、ニシキギなどを食害しょくがいする。
<防除ぼうじょ>
つけしだい幼虫ようちゅうころせする。

ヒメシロモンドクガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
はじめはむらがって食害しょくがいするが、成長せいちょうすると1ひきづつえんから食害しょくがいするようになる。
モモ、ウメ、サクラ、バラなどのバラ植物しょくぶつとベゴニアなどを食害しょくがいする。
<防除ぼうじょ>
毛虫けむしむらがっているときにえだごとり、処分しょぶんする。

ウスバツバメガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
4がつごろから食害しょくがいして、ちいさなあなをあける。
だい発生はっせいした場合ばあい全体ぜんたい丸坊主まるぼうずになることもある。
モモ、ウメ、サクラ、スモモ、リンゴなどのバラ植物しょくぶつ食害しょくがいする。
<防除ぼうじょ>
つけしだい幼虫ようちゅうころせする。

▲馬鹿苗病による徒長苗
馬鹿ばかなえびょうによる徒長とちょうなえ

▲馬鹿苗病による<BR /> <ruby><rb>上位</rb><rt>じょうい</rt></ruby><ruby><rb>節</rb><rt>ぶし</rt></ruby>からの<ruby><rb>発根</rb><rt>はっこん</rt></ruby>
馬鹿ばかなえびょうによる
 上位じょういぶしからの発根はっこん

▲フザリウム菌による<BR /> <ruby><rb>苗</rb><rt>なえ</rt></ruby><ruby><rb>立枯</rb><rt>たちが</rt></ruby>れ
▲フザリウムきんによる
 なえ立枯たちが

▲ピシウム菌による<BR /> <ruby><rb>苗</rb><rt>なえ</rt></ruby><ruby><rb>立枯</rb><rt>たちが</rt></ruby>れ
▲ピシウムきんによる
 なえ立枯たちが

▲リゾープス菌による<BR /> <ruby><rb>発芽</rb><rt>はつが</rt></ruby><ruby><rb>不良</rb><rt>ふりょう</rt></ruby>
▲リゾープスきんによる
 発芽はつが不良ふりょう

▲トリコデルマ菌による<BR /> <ruby><rb>発芽</rb><rt>はつが</rt></ruby><ruby><rb>不良</rb><rt>ふりょう</rt></ruby>
▲トリコデルマきんによる
 発芽はつが不良ふりょう

222
馬鹿ばかなえびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
育苗いくびょうばこなえいちじるしくび、緑色みどりいろになる。はなはだしい場合ばあいには枯死こしすることもある。
本田ほんだではかぶ伸長しんちょうし、くきとの角度かくどおおきくなり、よこひらいたかんじとなり上位じょういぶしからる。
本田ほんだにおいては発病はつびょうかぶれ、かぶもとさやまたはふししろこなじょうのカビがえる。
高温こうおん多湿たしつ条件下じょうけんか被害ひがいもみがおおくなる。
<防除ぼうじょ>
病原菌びょうげんきんたねもみで伝染でんせんするので、種子しゅし消毒しょうどく重要じゅうようである。
発病はつびょうかぶから胞子ほうし飛散ひさんし、感染かんせんもみの原因げんいんになるので、伸長しんちょうしたかぶつけたらる。

なえ立枯たちがれびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
病原菌びょうげんきん種類しゅるいによって症状しょうじょうちがう。
発芽はつがなえがしおれ、枯死こしする(フザリウムきん)。みずひたじょうになり褐変し、しおれてれる(ピシウムきん)。灰白色かいはくしょくのカビがえ、なえ不揃ふぞろい、枯死こしられる(リゾープスきん)。ゆかにはじめしろいカビがえ、やがて緑色みどりいろになり発芽はつが障害しょうがいとなる(トリコデルマきん)。

▲葉いもち
いもち

▲穂首いもち
くびいもち

▲ごま葉枯病 (左下:ごま葉枯病多発ほ場)
▲ごま枯病 (左下ひだりした:ごま枯病多発たはつじょう)

223
いもちびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
ふしくび、もみなどに感染かんせん発病はつびょうする。
いもちは、褐色かっしょく紡錘形ぼうすいけい斑点はんてんができる。やまいむらには壊死えしせんばれる褐色かっしょくじょうせんがあるので、ごま枯病と区別くべつできる。
やまいむらには、白斑はくはんがた、褐点がた浸潤しんじゅんがた停止ていしがたなどがある。多発たはつするとかぶちいさくなり、いわゆるずり症状しょうじょうになる。
首部しゅぶぶんおかされたものをいもちといい、れやすく、はくみのるになったりみのりわるくなったりする。
低温ていおん日照ひでり不足ふそく降雨こううおおいと発病はつびょうおおい。
<防除ぼうじょ>
本田ほんだでの密植みっしょく窒素ちっそ過多かたける。
種子しゅし消毒しょうどくおこない、田植たうなえ放置ほうちしない。

ごま枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
褐色かっしょく楕円だえんがた斑点はんてんができ、周辺しゅうへん黄色おうしょくのカサができる。やまいむらにはやや不鮮明ふせんめい同心円どうしんえんじょうもんがあるのが特徴とくちょうである。
もみには周辺しゅうへん不鮮明ふせんめいくら褐色かっしょく(中央ちゅうおう灰白色かいはくしょく)のやまいまだらができる。ふし発病はつびょうすると、黒褐色こっかっしょく斑点はんてんができるが、いもちびょうのようにれることはない。
<防除ぼうじょ>
秋落あきおでん発病はつびょうしやすいので、ケイ酸けいさんしつ肥料ひりょうほどこせよう客土かくど土壌どじょう改良かいりょうはかる。
ぐされをおこさないように、みず管理かんりをする。

▲白葉枯病
白葉はくよう枯病

▲紋枯病
もん枯病

224
白葉はくよう枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
えん波形はけいしろくなり、さきのほうかられる。発病はつびょうはげしい場合ばあいかぶ全体ぜんたい灰白色かいはくしょくになって枯死こしする。
発病はつびょうでは早朝そうちょうえんにごったられ、乾燥かんそうすると褐色かっしょくかたまりとなる。
病原菌びょうげんきん傷口きずぐちから侵入しんにゅうする。台風たいふう直後ちょくごきず冠水かんすいにより発病はつびょうすることがおおい。
<防除ぼうじょ>
病原菌びょうげんきん雑草ざっそうのサヤヌカグサで越冬えっとうするので、水田すいでん周辺しゅうへんのサヤヌカグサをる。
浸水しんすい深水ふかみける。
窒素肥料ちっそひりょうをやりすぎないようにする。

もん枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
水面すいめんちかさやに、はじめ橙色だいだいいろ楕円だえんがた不鮮明ふせんめいやまいまだらができ、やがて中央ちゅうおう灰白色かいはくしょく周囲しゅうい褐色かっしょくやまいまだらとなる。
やまいまだらしたさやからしだいにうえすすみ、発生はっせいすることもある。
やまいまだらじょうに1~3ミリのうすい褐色かっしょく病原菌びょうげんきんかたまり(きんかく)がられることがある。
<防除ぼうじょ>
早期そうきうえ栽培さいばい被害ひがいおおきい。よう形成けいせいばらみの2かい防除ぼうじょ必要ひつようである。
窒素肥料ちっそひりょうもちいおそ追肥ついひける。
株間かぶまじょうあいだひろげ、風通かぜとおしをくする。

▲もみ枯細菌病による苗腐敗
▲もみ枯細菌さいきんびょうによるなえ腐敗ふはい

▲もみ枯細菌病による穂の被害<BR /> (<ruby><rb>右</rb><rt>みぎ</rt></ruby><ruby><rb>下</rb><rt>か</rt></ruby>:<ruby><rb>玄米</rb><rt>げんまい</rt></ruby>の<ruby><rb>横縞</rb><rt>よこじま</rt></ruby><ruby><rb>症状</rb><rt>しょうじょう</rt></ruby>)
▲もみ枯細菌さいきんびょうによる被害ひがい
 (みぎ:玄米げんまい横縞よこじま症状しょうじょう)

▲稲こうじ病
いねこうじびょう

225
もみ枯細菌さいきんびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
発病はつびょうすると、もみ全体ぜんたいあお白色はくしょくになり、のちにうすい褐色かっしょくになる。シイナになることがおおく、直立ちょくりつしたままである。
発病はつびょうした玄米げんまいには、健全けんぜん病変びょうへんさかい褐色かっしょくあわ褐色かっしょくしまおびをまいたようになることがある。
育苗いくびょうばこ発生はっせいすると、がねじれて褐色かっしょくになり、腐敗ふはいしてれる。育苗いくびょうばこでの発生はっせいはパッチじょうげんる。
<防除ぼうじょ>
種子しゅし伝染でんせんするので、種子しゅし消毒しょうどく徹底てっていする。
育苗いくびょうちゅう高温こうおん(30℃以上いじょう)にならないようにする。

いねこうじびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
もみに発病はつびょうする。ちちじゅくごろのもみに緑色みどりいろかたまりき、もみ全体ぜんたいつつみ、やがて表面ひょうめんやぶれて濃緑こみどりしょくこなじょうかたまりとなる。
多発たはつすると、濃緑こみどりしょく(橙色だいだいいろになることもある)のかたまり多数たすうつき、周辺しゅうへんのもみに胞子ほうし付着ふちゃくし、まわりがつぼじょうくろずんでみえる。
出穂しゅつほにかけて低温ていおん日照ひでり不足ふそくとしおおい。
おそまき、おそえ、晩生ばんせいしゅ発生はっせいおおい。

▲ツマグロヨコバイの雄成虫
▲ツマグロヨコバイの成虫せいちゅう

▲萎縮病による生育不良
萎縮いしゅくびょうによる生育せいいく不良ふりょう

▲萎縮病による葉のカスリ症状
萎縮いしゅくびょうによるのカスリ症状しょうじょう

226
ツマグロヨコバイ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
むしむらがってしるう。吸汁による実害じつがいはほとんどないが、多発たはつするとむし排泄はいせつぶつにすすびょう発生はっせいして、くろけがれる。
吸汁萎縮いしゅくびょうウイルスを媒介ばいかいする。
体長たいちょうめすが6ミリ、ゆうは5ミリである。からだしょく緑色みどりいろで、めすの翅の先端せんたんはうすい褐色かっしょくゆうの翅の先端せんたん黒色こくしょくである。幼虫ようちゅうはうすい黄色きいろで、尾端びたんがとがっている。
<防除ぼうじょ>
んぼのなかやあぜのイネ雑草ざっそう越冬えっとうするので、雑草ざっそうる。

萎縮いしゅくびょう
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
病原びょうげんたい萎縮いしゅくびょうウイルスで、ツマグロヨコバイによって媒介ばいかいされる。
かぶ全体ぜんたいちいさくなり、ぶんけつがえる。いろくなり、葉脈ようみゃく沿って連続れんぞくてき白色はくしょくちいさな斑点はんてんができる。
はやえのいねが6がつじょう中旬ちゅうじゅん感染かんせんすると出穂しゅつほせず、被害ひがいおおきい。7がつ以降いこう感染かんせんした場合ばあい出穂しゅつほするが、シイナになることがある。
<防除ぼうじょ>
ツマグロヨコバイを防除ぼうじょする。

▲ヒメトビウンカの雄成虫
▲ヒメトビウンカの成虫せいちゅう

▲ヒメトビウンカの幼虫
▲ヒメトビウンカの幼虫ようちゅう

▲縞葉枯病
しま枯病

227
ヒメトビウンカ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
むし寄生きせいしてしるう。密度みつどひくく、吸汁による実害じつがいはほとんどないが、しま枯病の病原びょうげんウイルスを媒介ばいかいするので問題もんだいになる。
体長たいちょうは3~4ミリ、からだしょくはうすい褐色かっしょくで、ゆう背中せなかくろいのが特徴とくちょうである。
<防除ぼうじょ>
んぼのなかやあぜのイネ雑草ざっそう越冬えっとうするので、雑草ざっそうる。
密植みっしょくけ、窒素肥料ちっそひりょうをやりすぎないようにする。

しま枯病
<被害ひがい特徴とくちょう発生はっせい生態せいたい>
病原びょうげんたいしま枯病ウイルスで、おもにヒメトビウンカによって媒介ばいかいされる。
葉脈ようみゃく沿って黄色おうしょくしまじょう斑点はんてんができる。
生育せいいく初期しょき発病はつびょうするとがこよりじょういてながくなり、がる。その、7がつ下旬げじゅん~8がつ上旬じょうじゅんれる。
生育せいいく後期こうき発病はつびょうすると草丈くさたけひくく、出穂しゅつほしなかったり、みのりになったりする。
<防除ぼうじょ>
ヒメトビウンカを防除ぼうじょする。

▲ニカメイチュウによる<br /><ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>
▲ニカメイチュウによる
被害ひがい

▲ニカメイチュウ
▲ニカメイチュウ

▲イネアオムシによる<br /> <ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby><ruby><rb>葉</rb><rt>は</rt></ruby>
▲イネアオムシによる
 被害ひがい

▲イネアオムシ
▲イネアオムシ

228
ニカメイチュウ(ニカメイガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅうさやくき内部ないぶもぐって食害しょくがいするので、さやは褐変し、しんれになる。またなかったり、はくみのるになったりする。
幼虫ようちゅう体長たいちょう2~2.5センチ、うすい褐色かっしょくに5ほん褐色かっしょく縦縞たてじまがある。
成虫せいちゅう体長たいちょう1~1.5センチのである。翅は黄色きいろまたは褐色かっしょく模様もようはない。
1ねんに2かい発生はっせいするのでニカメイガ(めい)のがついた。
<防除ぼうじょ>
わらのなか越冬えっとうするので、多発たはつするほじょうではわらの処分しょぶん徹底てっていする。

イネアオムシ(フタオビコヤガ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅう食害しょくがいし、にカスリじょうしょくこんられる。多発たはつするといつくされて中央ちゅうおう葉脈ようみゃくだけがのこる。
幼虫ようちゅう体長たいちょう2~2.5センチで、シャクトリムシのようなあるかた特徴とくちょうである。
成虫せいちゅう体長たいちょう0.8~1センチのである。翅は黄色おうしょくで2ほん褐色かっしょくおびがある。フタオビコヤガのはこれに由来ゆらいする。
1ねんに5~6かい発生はっせいし、局地きょくちてき多発たはつする。

▲イネツトムシの巣(ツト)
▲イネツトムシの(ツト)

▲イネツトムシ
▲イネツトムシ

▲コブノメイガによる<br /> <ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>
▲コブノメイガによる
 被害ひがい

▲コブノメイガの幼虫
▲コブノメイガの幼虫ようちゅう

229
イネツトムシ(イチモンジセセリ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
げたりつづわせてつくった(ツト)のなかひそみ、周囲しゅうい食害しょくがいする。また、ツトにさまたげられてなくなる。
幼虫ようちゅう体長たいちょう3~4センチ、うすい緑色みどりいろ背中せなか褐色かっしょくのすじがある。成虫せいちゅう体長たいちょう2センチ、翅は褐色かっしょくちいさな白斑はくはんがある。
1ねんに3かい発生はっせいし、8がつじょう中旬ちゅうじゅん被害ひがいもっとおおきい。
成虫せいちゅうあき集団しゅうだん西にしまたはみなみかって長距離ちょうきょり移動いどうする。
<防除ぼうじょ>
窒素肥料ちっそひりょうおおいと多発たはつするので、やりすぎないようにする。

コブノメイガ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
幼虫ようちゅういとつづってたてき、内側うちがわから薄皮うすかわのこして食害しょくがいするため、食害しょくがいされた部分ぶぶんしろける。
幼虫ようちゅう体長たいちょう1.5センチ、からだしょく黄色きいろである。成虫せいちゅう体長たいちょう1.5センチ、翅は黄色きいろで、ほそ褐色かっしょくのすじがある。
低温ていおんよわいので国内こくないでは越冬えっとうできず、毎年まいとし梅雨つゆ中国ちゅうごく大陸たいりくから飛来ひらいする。

▲トビイロウンカによる坪枯れ
▲トビイロウンカによるつぼ

▲トビイロウンカの成虫
▲トビイロウンカの成虫せいちゅう

▲セジロウンカ
▲セジロウンカ

▲セジロウンカの産卵痕
▲セジロウンカの産卵さんらんこん

230
トビイロウンりょく
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
かぶもとさやむらがってしるうため、かぶよわって9~10がつ枯死こしする。多発たはつすると水田すいでんなか直径ちょっけい5~10mの円形えんけいれた部分ぶぶんができる(つぼれ)。
成虫せいちゅう体長たいちょう4~5ミリ、い掲色であぶらぎってえる。幼虫ようちゅう体長たいちょう1~3ミリ、褐色かっしょくである。
毎年まいとし中国ちゅうごく大陸たいりくなどから飛来ひらいし、国内こくないで3かい発生はっせいする。被害ひがいあき発生はっせいするため、あきウンカとばれる。
<防除ぼうじょ>
密植みっしょくけ、風通かぜとおしをよくする。
窒素肥料ちっそひりょうをやりすぎないようにする。

セジロウンカ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
かぶもとさや産卵さんらんし、その部分ぶぶん黄色きいろまたは褐色かっしょくになる。多発たはつするとイネの生育せいいくわるくなる。また、むし排泄はいせつぶつにすすびょう発生はっせいしてくろけがれる。
成虫せいちゅう体長たいちょう4~5ミリ、黄色おうしょく背中せなかしろいすじがある。幼虫ようちゅう体長たいちょう1~3ミリ、白色はくしょくで、背中せなかくろ模様もようられる。
毎年まいとし中国ちゅうごく大陸たいりくなどから飛来ひらいする。被害ひがいなつ発生はっせいするため、なつウンカとばれる。
<防除ぼうじょ>
トビイロウンカとおなじ。

▲イネミズゾウムシ<br /> による<ruby><rb>葉</rb><rt>は</rt></ruby>の<ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>
▲イネミズゾウムシ
 による被害ひがい

▲イネミズゾウムシ<br /> の<ruby><rb>成虫</rb><rt>せいちゅう</rt></ruby>
▲イネミズゾウムシ
 の成虫せいちゅう

▲イネドロオイムシによる葉の被害
▲イネドロオイムシによる被害ひがい

▲イネドロオイムシの幼虫
▲イネドロオイムシの幼虫ようちゅう

231
イネミズゾウムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
成虫せいちゅう体長たいちょう3ミリ、灰色はいいろ背中せなかくろ模様もようがある。をすじじょうしろ食害しょくがいし、多発たはつするとイネの生育せいいくわるくなる。あぜのちかくにおおられ、水田すいでん中央ちゅうおうにはすくない。
幼虫ようちゅう体長たいちょう8~10ミリ、乳白色にゅうはくしょくのウジムシである。食害しょくがいするため、多発たはつするとかぶ生育せいいくわるくなる。
成虫せいちゅう水田すいでんちかくの土手どて雑木林ぞうきばやし越冬えっとうし、5~6がつ水田すいでんんでくる。
1970年代ねんだいにアメリカから侵入しんにゅうした。

イネドロオイムシ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
成虫せいちゅう幼虫ようちゅうともに食害しょくがいし、しろいすじじょうしょくこんのこる。
成虫せいちゅう体長たいちょう4~5ミリのちいさな甲虫かぶとむしである。からだしょく胴体どうたい黒色こくしょくで、背中せなか黄色きいろである。幼虫ようちゅう体長たいちょう5ミリ、どろじょうくそ背負せおっており、褐色かっしょく水滴すいてきのようにえる。
もともとは北陸ほくりく東北とうほく地方ちほう発生はっせいおおかったむしであるが、はやすすむとともに近畿きんき地方ちほうでも発生はっせいえている。

▲イネシンガレセンチュウによる葉先枯れ
▲イネシンガレセンチュウによるさき

▲イネシンガレセンチュウによる黒点米
▲イネシンガレセンチュウによる黒点こくてんまい

▲スクミリンゴガイ
▲スクミリンゴガイ

▲スクミリンゴガイの卵塊
▲スクミリンゴガイのたまごかたまり

232
イネシンガレセンチュウ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
生長せいちょうてん食害しょくがいされると、さきしろれてがったりいたりする。
食害しょくがいされると、玄米げんまいくろ斑点はんてんができ、黒点こくてんまいとなる。もみがみのりとなる場合ばあいもある。
センチュウは昆虫こんちゅうではなく、人間にんげん寄生きせいする回虫かいちゅうやギョウチュウの仲間なかまである。体長たいちょうは0.5ミリで細長ほそながく、肉眼にくがんではえない。
<防除ぼうじょ>
センチュウはたねもみのなか越冬えっとうするので、被害ひがいもみは処分しょぶんする。

スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
移植いしょく直後ちょくごなえいつくし、かけかぶになる。生長せいちょうしたかぶでは実害じつがいはない。
大型おおがた巻貝まきがいで、成長せいちょうすると体長たいちょう8センチになる。たまごあかく、イネのかぶ水路すいろ壁面へきめんすうひゃくかためてみつけられる。
南米なんべい原産げんさんで、1980ねんごろ養殖ようしょくようとして輸入ゆにゅうされたものがげだして水田すいでん侵入しんにゅうした。
<防除ぼうじょ>
かいたまごかたまりつけしだい処分しょぶんする。
ふゆにロータリーこう水田すいでんこうおこりおこない、かい密度みつどげる。
田植たうえ20日間にちかんは、水深すいしん4センチ以下いか浅水あさみず管理かんりにする。

▲コバネイナゴ
▲コバネイナゴ

▲コバネササキリ<br /> による<ruby><rb>白</rb><rt>はく</rt></ruby><ruby><rb>穂</rb><rt>みのる</rt></ruby>
▲コバネササキリ
 によるはくみのる

▲コバネササキリ<br /> による<ruby><rb>茎</rb><rt>くき</rt></ruby>の<ruby><rb>被害</rb><rt>ひがい</rt></ruby>
▲コバネササキリ
 によるくき被害ひがい

233
イナゴるい
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
はげしく食害しょくがいし、多発たはつするとやもみがいつくされる場合ばあいがある。
成虫せいちゅう体長たいちょう3~4センチ、緑色みどりいろむね褐色かっしょくすじがある。翅のみじかいコバネイナゴと翅のながいハネナガイナゴがいるが、コバネイナゴがおおい。
1970年代ねんだいにはすくなくなっていたが、1990ねんごろからふたたおおくなってきている。
<防除ぼうじょ>
あぜや休耕田きゅうこうでん雑草ざっそう発生はっせいげんになっているので、除草じょそう徹底てっていする。

コバネササキリ
<被害ひがいむし特徴とくちょう>
じく食害しょくがいするため、被害ひがいはささくれだち、はくみのるになる。もみを直接ちょくせつかじる場合ばあいもある。
体長たいちょう2~3センチ、からだしょく緑色みどりいろまたは褐色かっしょくである。イナゴによくむしであるが、触角しょっかくからだながさよりはるかにながいことにより区別くべつできる。
夜行やこうせいであり、また密度みつどひくいため、ほとんど人目ひとめにつかない。
<防除ぼうじょ>
はくみのる目立めだってになるが、むしすくなく、全体ぜんたいとしてみると収量しゅうりょう減少げんしょうはほとんどない。

▲ミナミアオカメムシの幼虫
▲ミナミアオカメムシの幼虫ようちゅう

▲トゲシラホシカメムシ
▲トゲシラホシカメムシ

▲ホソハリカメムシ
▲ホソハリカメムシ

▲アカスジカスミカメ
▲アカスジカスミカメ

234
斑点はんてんまいカメムシるい
<むし特徴とくちょう>
ミナミアオカメムシ
成虫せいちゅう緑色みどりいろであるが、斑点はんてんをもつものもいる。幼虫ようちゅうくろっぽいからだしろ斑点はんてん多数たすうもつ。幼虫ようちゅう集団しゅうだん加害かがいする。
トゲシラホシカメムシ
成虫せいちゅう幼虫ようちゅうとも全体ぜんたい褐色かっしょくで、背中せなかに1つい白斑はくはんをもつ。成虫せいちゅう背中せなか両側りょうがわするど突起とっきをもつ。
ホソハリカメムシ・アカスジカスミカメ
褐色かっしょく細長ほそながからだをしている。
<被害ひがい特徴とくちょう>
成虫せいちゅう幼虫ようちゅう出穂しゅつほとうじゅくもみしるう。
とうじゅく初期しょき加害かがいけると、しいなや屑米くずまいえ、中期ちゅうき以降いこう加害かがいされると斑点はんてんまいとなる。
<防除ぼうじょ>
水田すいでん周辺しゅうへん草地くさじ成虫せいちゅう越冬えっとうするので、周辺しゅうへん除草じょそうつとめる。