大仙

大仙だいせんが登のぼれる山やまだと判わかったのは、ブログ「里山さとやまをたずねて」そこに大仙だいせんが紹介しょうかいされていました。「信仰しんこうの山やま　大仙だいせん」。これまでは興味きょうみも関心かんしんもない山やまだったが、登のぼれる山やまとは知しらなかった。登のぼってみよう。
君田きみたと布野ふのの境界きょうかい近ちかくに二反田にたんだという集落しゅうらくがある。そこのバス停ばすていに車くるまを停とめる。旧きゅう君田きみた村むら内ない巡回じゅんかいバスのバス停ばすていなのだが、バス停ばすていから離はなれて停とめるから邪魔じゃまにはならないだろう。
君田きみた方向ほうこうにちょっと引ひき返かえす。県道けんどうが拡張かくちょう新設しんせつされて、旧きゅう県道けんどうが取とり残のこされている。出入口でいりぐちには枝葉えだはが繁しげっているので、こんなところに道みちがあるとは、今いままで気きが付つきもしなかった。
ここから入はいって行いって、橋はしの手前てまえで地道じみちの林道りんどうが谷たにの奥おくに延のびているのが見みえている。
入はいってみると、じゅくじゅく林道りんどうなのだ。昨日きのうは晴はれていたが、一昨日おとといは雨あめで、水みずが山やまの中なかから滲にじみだしてきて、林道りんどうには水みずたまりは多おおいし、草地くさちを踏ふむとずぼっと靴くつが沈しずむので、足あしの置おき場ばを選えらんで歩あるかなきゃなぁ。
中ちゅう電でん道どうの標識ひょうしきがある。判官ほうがん山やまのほうへの道みちなのだ、ここはパス。次つぎの中ちゅう電でん道どうの標識ひょうしき、ここで林道りんどうを離はなれて送電そうでん線せん監視かんし路ろに入はいって行いく。
道みちは、尾根おね道どうを行いけばいかにも歩あるき易やすそうだが、中ちゅう電でん道どうは谷たにの中央ちゅうおう、ここは中ちゅう電でん道どうを示しめす火ひの用心ようじんの短冊たんざくの案内あんないに従したがうべきなのだ。
火ひの用心ようじん山さん火事かじ注意ちゅういの短冊たんざくがある。この短冊たんざくの合図あいずで、谷たにの真まん中なかから離はなれて左側ひだりがわの山腹さんぷくに取とり付つく。
途方とほうもない直進ちょくしん道どうで、プラ階段かいだんを設置せっちして坂道さかみちが滑すべらないようにしてある。写真しゃしんに撮とったけど、写真しゃしんは実態じったいを表現ひょうげんしていない。実際じっさいは斜ななめ上じょう視線しせんなのに、写真しゃしんは水平すいへい視線しせんのように表現ひょうげんしてしまうのだよ。
やっと送電そうでん線せん鉄塔てっとうまで登のぼって来きた。鉄塔てっとう基部きぶの最さい上段じょうだんまで登のぼってみる。谷たに向むこうの山やまが大仙だいせんなのだが、どの山やまが大仙だいせんなのだろう。今いまの時点じてんではまだ判わかっていない。
登のぼってみた結果けっかを言いうとね、鉄塔てっとう越ごしに見みえる山やまの左端ひだりはしの山やまが大仙だいせんなのだ。山やまを下おりた今いまだからそう言いえるのだが、その時ときにはどこを目指めざすのか全然ぜんぜん判わかっていなかった。
判官ほうがん山やまが見みえている。ただし、木立きだち、梢こずえに邪魔じゃまされていて写真しゃしんに撮とり難がたいよなぁ。前回ぜんかい、あの山やまに登のぼったのだよ。
鉄塔てっとうの下したに降おりる。鉄塔てっとう建設けんせつの時ときに斜面しゃめんを掘ほり返かえしたのだ。泥どろが積つみ重かさなって、そこに笹ささが密集みっしゅうしている。足許あしもとが見みえないほど密集みっしゅうしている。
鉄塔てっとうの下部かぶを渡わたり切きると、昔むかしながらの杣そま道どうが続つづいている。道幅みちはばの広ひろい快適かいてきな道みちが続つづいている。
中ちゅう電でん道どうと別わかれる分岐ぶんきに差さし掛かかる。中ちゅう電でん道どうに比くらべると快適かいてきではないが、杣そま道どうとしてはじゅうぶん歩あるき易やすい道みちを進すすむ。
明あきらかにコブの上うえだな、と感かんじる地点ちてんがある。そこは25000図ずでの578ポイント、あとはほとんど登のぼり一方いっぽうの道みちが続つづく。
尾根おねを登のぼり詰つめて頂いただき上部じょうぶの尾根おねに合あわさった。
右みぎへ行いくのか、左ひだりへ行いくのか、右みぎに行いく踏ぶみ跡あとはない、左ひだりに進すすむように踏ふみ跡あとが誘導ゆうどうしてくれる。
鉄線てっせんが連つらなっている。今いまはもう用途ようとを果はたしたもののようだ。かっては牛うしを放牧ほうぼくしていたのだろうな。よくまぁ牛うしはこの程度ていどの結界けっかいで従したがうもんだね。き分きわけの良よさにはびっくりする。
細尾ほそお根ねを進すすんで、笹原ささはらの中なかに三角さんかく点てんが埋うずもれている。なんの案内あんないも山名やまな標識ひょうしきもないが、ここが大仙だいせん頂上ちょうじょうなのだ。
頂上ちょうじょうは木立こだちに囲かこまれていて展望てんぼうは効きかない。北きたに布野ふの冠山かんざんが見みえている。見みえてはいるが木立こだちの間あいだで写真しゃしんに撮とっても見栄みばえがしない。
下おりようか。尾根おねをそのまま進すすんで行いく。
岩場いわばに差さし掛かかった。岩いわの切きれ目めから下したが見みえている。岩場いわばのてっぺんには石仏いしぼとけが鎮座ちんざしている。こういう姿すがたは地蔵じぞうの姿すがただよねぇ。
真まん中なかに布野ふのという字じは読よめる。他たの字じはどう読よむのか読よみ取とれない。
岩場いわばを伝つたわって降おりて、下したから岩場いわばを眺ながめる。ここには他たに道みちはない。岩場いわばを伝つたうしか方法ほうほうがない。
この先さき、道みちはあります。あるんだが、地籍ちせき調査ちょうさの杭くいがない、リボンがない。登のぼるとき、中ちゅう電でん道どうから登のぼったときには地籍ちせき調査ちょうさの杭くい・リボンはなんぼでもあった。こっち側がわでは全然ぜんぜん見みないが、調査ちょうさの対象たいしょうではないのだろうか。
地形ちけい図ずの567ポイント、そのあたりまでは道みちらしきものがあります。ここから先さきは、あるような、ないような、曖昧あいまいな踏ふみ跡あとになってしまいます。
なにしろ傾斜けいしゃが大おおきい。靴くつ底そこで踏ふん張ばっても、ずるっと落おち葉ばが滑すべってしまう。足許あしもとが定さだまらないので、転ころぶは、尻しりもちをつくは、ズボンが泥どろまみれになりながら坂道さかみちを下くだって行いく。
倒木とうぼくがあったり、繁しげみで塞ふさがれていたり、進路しんろを選えり分わけながら進すすむ傾斜けいしゃで、笹ささを踏ふみながら下くだると、踏ふんだ笹ささの軸じくで滑すべってズデンドウと転ころがってしまう。柔道じゅうどうで言いうイッポン。
なんとか谷たに底そこの道みちまで降おりてきた。
谷たに底そこの道みちは途絶とぜつしている。この先さきは繁しげみで塞ふさがれて、繁しげみの先さきに道みちはないように思おもえる。上うえを見みると、中腹ちゅうふくに道みちがあるのが見みえている。斜面しゃめんを登のぼって、上うえの道みちに移うつることにする。
自然しぜんに植林しょくりんの中なかを歩あるくことになった。植林しょくりんの林はやし床ゆかは見通みとおしが良よくて、どこを歩あるいてもよろしい。
自由じゆうにどこでも歩あるいて良よし、と言いわれても、谷たにからあまり離はなれることなく進すすんで行いく。
最後さいごは密集みっしゅうしたヤブを突破とっぱする。１メートル程度ていどのヤブを突破とっぱすると舗装ほそう路ろに出でる。やれやれ安心あんしん。
そんなに安心あんしんでもないのだよ。舗装ほそう路ろ歩あるきは暑あつい。ジリジリと焼やかれながら歩あるいて行いく。
この先さきに見みえているのが県道けんどう、山裾やますその道みちがそうなのだ。布野ふのの国道こくどう５４号線ごうせんから出発しゅっぱつして君田きみたへ結むすぶ県道けんどう６２号線ごうせんなのだ。
県道けんどうまで出でると、布野ふのと君田きみたの境界きょうかいはすぐなのだ、ほら、これがそう。
境界きょうかいから駐車ちゅうしゃしたところまではほんのちょっと、さぁ、帰かえって来きたぞ。
逆ぎゃくのコースは難むずかしいと思おもうよ。南みなみの谷たにから山腹さんぷくを登のぼるのに、笹ささが逆ぎゃく目めになる。降おりる時ときは順じゅん目めだから楽らくだが、登のぼりは逆ぎゃく目めになる。抵抗ていこうが激はげしくて無駄むだに疲つかれると思おもうよ。

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君田きみた、二反田にたんだ集落しゅうらくの曲まがり角かどから	中ちゅう電でん道どうを行いく	プラ階段かいだん	送電そうでん線せん鉄塔てっとう

大仙だいせんは鉄塔てっとうの向むこう	中ちゅう電でん道どうとの分岐ぶんき	尾根おねの分岐ぶんき点てん	ここが大仙だいせん

岩場いわばの石仏いしぼとけ	谷たにの流ながれが見みえる	舗装ほそう路ろに出でる	布野ふの、君田きみたの境界きょうかい

詳細しょうさい地図ちず、地図ちず上じょうのどこで撮とった写真しゃしんなのか解わかります

カシミール展望てんぼう図ずをつけました。立体りったい的てきに地形ちけいが浮うき出でて一目いちもくでイメージを把握はあくできます。
轍わだちでも軌跡きせきを示しめしています、高低こうていを示しめす断面だんめん図ずも表示ひょうじできます

	縮尺しゅくしゃくは、右みぎ下かの＋－でお好このみの尺度しゃくどで見みてください
	使つかい方かたは、左上ひだりうえの[基本きほん地図ちず]の　▼　白地図はくちず、航空こうくう写真しゃしん、簡易かんい地形ちけい図ずが選えらべます
	Google Map では、使つかい方かたの変更へんこうが突然とつぜんあります、逆さからえません、従したがってください

近郷近在きんごうきんざい、三次みつぎ市し布野ふのの大仙だいせん