明光山

猿さるが馬場ばば、鬼おにが城山じょうやまを登のぼると、気きになるのは、その近隣きんりんにどんな山やまがあるか。明光めいこう山さん（みょうこうざん）というのが目めに留とどまった。この山やま、ネットで検索けんさくしても登のぼった記録きろくがない。
あまりにも里さとに近ちかい山やまなので誰だれも登のぼらないのか、登のぼった人ひとは大勢おおぜいいても、ネットにアップする環境かんきょうがないので黙だまっているのか、そこはどうなんでしょうね。
芸備線げいびせん志こころざし和地わじ駅えきに向むかう。どこに駐車ちゅうしゃしようかね。駅えきの隣となりに川地かわちコミュニティセンターがある。そこに駐車ちゅうしゃさせてね。
志和しわ地ちの駅前えきまえを通とおって、駅えきのプラットフォームを眺ながめる。列車れっしゃの行いき違ちがいが出来できるように、プラットフォームは島しまになっている。ということは、乗客じょうきゃくは大おおきく大回おおまわりしなきゃならないのだね。
踏切ふみきりを渡わたって、ちょっと歩あるいて、志賀しが神社じんじゃの前まえまで進すすむ。次つぎの日曜日にちようびが祭礼さいれいなんだろうね。氏子うじこが総出そうでで掃除そうじしている。邪魔じゃまをしては悪わるいので、神社じんじゃ脇わきの道みちを進すすんで行いく。
本殿ほんでんの脇わきまでは舗装ほそう路ろが続つづいているのですよ。資材しざい搬入はんにゅうとか補修ほしゅうとか、その手ての重量じゅうりょう物ぶつ運搬うんぱん用ようの道みちなんでしょうね。
ここからは山道さんどう、山腹さんぷくに金網かなあみフェンスが取とり囲かこんでいて、出入口でいりぐちの金網かなあみ扉とびらがある。開あけて閉しめて山やまの中なかに入はいって行いく。
古ふるい杣そま道どうが残のこっている。幅広はばひろい道みちで、木馬もくば道どうにも使つかったのかしら、キャタピラ運搬うんぱん車しゃの時代じだいになって使つかったのかしら。
その幅広はばひろの道みちも終おわりで、壁かべがそそりたっている。壁かべの向むこうには大おおきな穴あながある。広角こうかくレンズでないと写真しゃしんに撮とれない。下したから見上みあげた穴あなの外周がいしゅうを見みて、穴あなの大おおきさを想像そうぞうしてちょうだい。
なんでこんな大穴おおあなを掘ほったのかしらね。タタラ製鉄せいてつの砂鉄さてつを採掘さいくつしたのかしら。金かねか銀ぎんの露頭ろとうを掘ほったのかしら。
ここからは急きゅう登とうになる。昔むかしながらの杣そま道どうはあるんですよ。見みえている。測量そくりょう用ようの道みちが一直線いっちょくせんに切きり開ひらいてある。そのほうが歩あるき易やすいよね。
古ふるい墓はかが現あらわれてきた。帰かえりに見みると、そこかしこに古ふるい墓地ぼちがある。昔むかしは集落しゅうらく全部ぜんぶの墓はかがここにあったのだろうね。お参まいりに遠とおいので、下したに墓地ぼちを移転いてんしたのじゃなかろうか。重おもい墓石はかいしを残のこしたのだろうね。
斜面しゃめんを切きり開ひらいたところに出でてきた。地籍ちせき図ず根ね三角さんかく点てんとある。国土こくど地理ちり院いんの三角さんかく点てんじゃないよ、法務局ほうむきょく地籍ちせき図ずの三角さんかく点てんだよ。
ここから展望てんぼうが広ひろがる。麓ふもとの川地かわちは梢こずえに邪魔じゃまされて見みえにくいね。可愛かわい川越かわごしの安芸あき高田たかだ市し甲田こうた町まちが見渡みわたせる。湧永製薬わくながせいやくの工場こうじょうが木々きぎの隙間すきまに見みえている。
ここから測量そくりょう用ようの道みちを進すすむ。古ふるい杣そま道どうは枝葉えだはが邪魔じゃまなので通とおりたくない。ここらあたりが前山さきやまの頂上ちょうじょう部分ぶぶん、測量そくりょうの赤あかいリボンに従したがって下くだって行いく。
その赤あかいリボン、放射状ほうしゃじょうに何なん列れつもあるんですよ。登のぼりは集中しゅうちゅうだから間あいだ違ちがうことはないが、下くだりにはどのリボンの列れつを選えらぶか慎重しんちょうに点検てんけんしなきゃならないね。
前山さきやまと明光めいこう山さんとを結むすぶ渡わたり尾根おねを歩あるいています。地図ちずでは一塊ひとかたまりりの山やまに見みえるが、実際じっさいに登のぼってみると、別々べつべつの山やまだと認識にんしきできる。
いよいよ明光めいこう山さんの斜面しゃめんを登のぼり始はじめる。古ふるい杣そま道どうが溝みぞ状じょうになっているのが見みえている。道みちに雨水あまみずが流ながれて、流ながれた水みずが溝みぞを作つくって、さらに水みずを集あつめて深ふかい溝みぞになる。深ふかい溝みぞになる前まえの溝みぞです。
測量そくりょうのために木々きぎを伐採ばっさいしている。伐きった幹みきから若芽わかめが出でて枝葉えだはになっている。これは一いち年ねん生はえだな、二に年生ねんせいえ三さん年ねん生はえならもっと成長せいちょうしている。測量そくりょうしたのは今年ことしのことだろうな。
さかのぼっても、去年きょねんの秋あき以降いこう、今年ことしの春はるから夏なつにかけて測量そくりょうしたものだろうな。木き株かぶの具合ぐあい、リボンの褪あせ具合ぐあいから判断はんだんして、こういうことだと思おもうよ。
測量そくりょうする以前いぜんなら、枝葉えだは梢こずえに邪魔じゃまされてもっと苦労くろうしたことだと思おもうよ。切きり開ひらかれた道みちを進すすむのだから、楽らくなもんだ、最適さいてきな時期じきに登のぼった、ということなのだろうね。
ここらあたりが山頂さんちょうなのだろうが、三角さんかく点てんはどこにあるんだろう。
こんな場合ばあいにＧＰＳが頼たよりになります。三角さんかく点てんをＧＰＳにウェイポイントしてある。ウェイポイントに近ちかづくように道みちを選えらんで、こっちだ、切きり開ひらかれているスペースに出でてきた。
ここが明光めいこう山さん三角さんかく点てん、三角さんかく点てんにセンサーチップが埋うめ込こまれているもんだが、ここの三角さんかく点てんにはチップはまだ埋うめ込こまれていなかった。
さて、帰かえろうか。
リボンに惑まどわされてはいけないよ。どっちのリボンの列れっか判断はんだんできない場合ばあいがある。
こういう場合ばあいはＧＰＳです。来きたコースを画面がめんで確認かくにんしながら進すすんで行いけばええ。あれ、横よこにずれた、と思おもえば修正しゅうせいするのは簡単かんたんなことです。
幸さいわいに、この山やま域いきは植生しょくせいが極きょく相しょうに達たっしているから歩あるき易やすい。下生したばえがほとんどないから邪魔じゃまするものがないのだ。
前山さきやまに戻もどり、方向ほうこうを見定みさだめて、地籍ちせきの図ず根ね点てんまで戻もどってきた。
ここからはどんと急きゅう傾斜けいしゃを下くだって、大穴おおあなを眺ながめて想像そうぞうを巡めぐらし、杉林すぎばやしの中なかを通とおって、金網かなあみの扉とびらを通とおって、志賀しが神社じんじゃまで戻もどってきた。
祭神さいじんは、品しな陀和気わき命いのち（ほんだわけのみこと）、誉田ほんだ別命べつめいと呼よぶのが通常つうじょうで、八幡やはたさまのこと、そうか、八幡やはた神社じんじゃなのか。
看板かんばんの由緒ゆいしょを読よむと、元々もともとは、大嶽山おおだけやま(古こ八幡やはた)に鎮座ちんざしていて、麓ふもとに建たてたり、山上さんじょうに建たてたりを繰くり返かえしていたようです。
背後はいごの山やまは、今いまは明光めいこう山さん（みょうこうざん）、この山やまが大嶽山おおだけさんと同おなじ山さんで、神社じんじゃが鎮座ちんざしていたとしたら、納得なっとくできることです。明光めいこう山さん（みょうこうざん）の名前なまえが物語ものがたっているなぁ。
踏切ふみきりから志こころざし和地わじ駅えきを眺ながめると、ほんまにプラットフォームが島しまになっているなぁ。列車れっしゃダイヤを調しらべると、１日にち２回かい、行いき違ちがいに使つかってある。ちゃんと用途ようとを果はたしているのだ。
川地かわちコミュニティセンター前まえまで帰かえってきました。振ふり返かえって山やまを見みたが、見みえているのは前山さきやまで、明光めいこう山さんは前まえの山やまが邪魔じゃまをして見みえてはいないのだなぁ。


川地かわちコミュニティセンター	志こころざし和地わじ駅えき	金網かなあみフェンスがある	杣そま道みち

この背後はいごに大おおきな穴あな	測量そくりょうの図ず根ね点てん	前山さきやまの頂上ちょうじょう	渡わたり尾根おね

古ふるい杣そま道どう	明光めいこう山さん頂上ちょうじょう	志賀しが神社じんじゃ	踏切ふみきりから志こころざし和地わじ駅えきを

詳細しょうさい地図ちず、地図ちず上じょうのどこで撮とった写真しゃしんなのか解わかります

カシミール展望てんぼう図ずをつけました。立体りったい的てきに地形ちけいが浮うき出でて一目いちもくでイメージを把握はあくできます。
轍わだちでも軌跡きせきを示しめしています、高低こうていを示しめす断面だんめん図ずも表示ひょうじできます

	縮尺しゅくしゃくは、右みぎ下かの＋－でお好このみの尺度しゃくどで見みてください
	使つかい方かたは、左上ひだりうえの[基本きほん地図ちず]の　▼　白地図はくちず、航空こうくう写真しゃしん、簡易かんい地形ちけい図ずが選えらべます
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