男鹿山女鹿山３

自転車じてんしゃで女鹿山めじかやまの麓ふもとを走はしったことがあるんですよ。
2009年ねん9月がつ13日にち、2009年ねん10月がつ16日にち、それぞれ自転車じてんしゃのテーマを掲かかげて走はしったんですよ。
その時とき、女鹿山めじかやまの麓ふもとで、登山とざん案内あんないの標識ひょうしきを見みた。いつか登のぼってやるぞ、と予定よていに挙あげていたが、よし、今日きょう行いこう。
台風たいふうが通とおり過すぎて、次つぎの台風たいふうが接近せっきんしているから、明日あした、明後日みょうごにちは雨あめなんだそうな。今日きょう登のぼるしかないよねぇ。
府中ふちゅう市し上下じょうげの町まちから進すすむのだが、旧きゅう町まち役場やくば・市役所しやくしょ支所ししょの前まえを通とおって、矢野やの温泉おんせんまで進すすんで行いこう。
矢野やの温泉おんせんの交差点こうさてんには、矢野やのの神山かみやま・女鹿山めじかやま・男鹿山おじかやまハイキング案内あんないの看板かんばんがあります。ここで看板かんばんをよぅく見みて覚おぼえておいてね。
看板かんばんの背後はいごに山やまが見みえる。左ひだりのべったりとした山やまが女鹿山めじかやまということは解わかっている。右みぎの山やまで、鉄塔てっとうがある山やまは何なにか、ということなのだ。
盛もり上あがった形かたちは男鹿山おじかやまに似にている。しかし、男鹿山おじかやまに通信つうしん鉄塔てっとうはないから違ちがう山やまなのだ。それを探さがしに行いこう、というわけなんだよ。

山麓さんろくに見みえる道みちに沿そって、麓ふもとの農家のうかの前まえまで進すすむ。
ここに駐車ちゅうしゃしてまずいだろう。ちょっと下さがったところに、大おおきな道みちの膨ふくらみがあった。そこに駐車ちゅうしゃしよう。
案内あんない看板かんばんがある。神山かみやまへ、高鉢山たかはちやまへ、矢印やじるしがそれぞれ別べつを示しめしているから、道みちが違ちがうということなんだろうな。
すみません、神山かみやまへはどう行いくのでしょうか。
右みぎの民家みんかに沿そった道みちを登のぼるんですよ。草くさが繁しげっとるじゃろうのぅ。この前まえに、１０人にんばかり登のぼったけぇのぅ。草くさは踏ふんどるじゃろうてぇのぅ。
ちょうどうまい具合ぐあいに地元じもとの人ひとと出会であったもんだよ。安心あんしんして取とり掛かかれるというもんだよ。
分岐ぶんきのブロック石垣いしがきに「登山とざん口こう、新市しんいち山岳さんがく会かい」のプレートが打うち付つけてある。ますます安心あんしん。
坂道さかみちを登のぼって行いって、最後さいごの民家みんかの脇わきに、神山かみやま登山とざん口こうと標識ひょうしきがある。中ちゅう電でん巡視じゅんし路ろの案内あんないもある。中ちゅう電でん巡視じゅんし路ろと重かさなっているなら、じゅうぶんに手入ていれが行いき届とどいた道みちだろうさ。

思おもった通とおり、伸のびた枝えだは払はらってあるし、草くさも刈かりこんであって、実じつに歩あるきやすい道みちだよ。
ところどころ、どうしようか、と考かんがえる分岐ぶんきがあるが、考かんがえなくてよろしい、道みちのまんまに進すすめばよろしい。
尾根おねに出でて、中ちゅう電でん道どうは右みぎへ行いく、左ひだりへ進すすむ道みちもあって、高鉢山たかはちやまを案内あんないしている。中ちゅう電でん道どうは神山かみやまに誘導ゆうどうしてくれるようだよ。
尾根おね道どうをゆるゆると登のぼって、頂上ちょうじょうに到着とうちゃくした。
トタン板ばんの看板かんばんがあるが、倒木とうぼくに打うたれてゆがんでしまっている。矢野やの神山かみやまと山名やまな表示ひょうじしている。
妻つま籠こめる矢野やのの神山かみやま露霜つゆじもににほひそめたり散ちらまくおしも
柿本人麻呂かきのもとのひとまろの和歌わかなんですよ。万葉集まんようしゅうに収録しゅうろくされている。
石見いわみに赴任ふにんするとき、ここで詠よんだ歌うただというのだが、神山かみやまをめぐって、備後びんご国こく甲奴こうぬ郡ぐん矢野やの・伊豫いよ国こく喜多きた郡ぐん矢野やの・出雲いずも国こく神門ごうど郡ぐん八野はちの・伊勢いせ国こく度合どあい郡ぐん矢野やの、これだけ候補こうほ地ちがあるのですよ。

この山やまは、高こう竃かまど（たかおがみ）神社じんじゃの山やまで、加美山かみやま、亀山かめやま、神山かみやまと名前なまえを改あらためた、と看板かんばんにある。高こう竃かまど（たかおがみ）神社じんじゃは雨乞あまごいの神かみさまなんですよ。
石いしの祠ほこらがあって、大だい仙宮せんきゅうと刻きざんである、牛馬ぎゅうばの神かみさまなんですよ。頂上ちょうじょうからちょっと進すすんだ先さきにも祠ほこらがあるが、摩耗まもうしていてどうしても読よめない。
三角さんかく点てんがある、地図ちず上じょうでの△590.8のことなのだよ。
手入ていれされた道みちがこの先さきに延のびている。どこまで続つづく道みちなんだろう。この道みちを行おこなってみよう。
送電そうでん線せんの鉄塔てっとうに出でた。ははぁ、中ちゅう電でんの巡視じゅんし道どうだったのか。それなら安心あんしん、さらに先さきへと進すすんでみよう。
舗装ほそう路ろに出でた。アスファルト道どうではなくセメント道どうだから、これは林道りんどう仕様しようだね。地図ちずには収録しゅうろくされていない道みちだよ。
集落しゅうらくが見みえてきた。近ちかづいて行いくと、「かたくりの花はな咲さく里さと上下じょうげ町まち宇根うねかたくりの会かい」と看板かんばんが出でている。地図ちずと照合しょうごうして、ははぁ、今いまここにいるのか。
集落しゅうらくを左折させつして、県道けんどうを歩あるいているんですよ、県道けんどうの道幅みちはばが狭せまくなってくる、三次みつぎ市しの境界きょうかい看板かんばんがある、その先さきには煙突えんとつのあるゴミ焼却しょうきゃく場じょうがある。

地図ちずを見みると、三次みつぎ市しの境界きょうかいぎりぎりではあるが、運搬うんぱんルートは上下じょうげ町まちの道みちを進すすむしかない。
こんな乱暴らんぼうな立地りっちはない。そう思おもったが、もともと合併がっぺい前まえは甲奴こうぬ郡ぐん内ないで自治体じちたい同士どうしなかよくやっていたのだ。ゴミの共同きょうどう事業じぎょうだったのだろうね。
合併がっぺい先さきが別々べつべつになったからこのように異様いような姿すがたにみえるのだよね。合併がっぺいしても共同きょうどう事業じぎょうをやっているのか、解消かいしょうしたのか、どうなんだろうね。
狭せまい県道けんどうを進すすんで、世羅せら町まちの境界きょうかい看板かんばんが出でてくる。三次みつぎ市しの区域くいきを歩あるくのはわずかな部分ぶぶんでしかないのだよ。
男鹿山おじかやまの北きた登山とざん口こうに到着とうちゃく、ここから男鹿山おじかやまへ登のぼって行いくのだよ。
山やまは小ちいさいのに、傾斜けいしゃはけっこうキツイのだよ。昨日きのうは台風たいふうの雨あめだったので、道みちが濡ぬれていて滑すべるところを踏ふん張ばりながら登のぼって行いく。
金網かなあみフェンスで囲かこまれた区域くいきがあって、そこにスズランが保護ほごされているのだよ。南限なんげん地ちということで、県けんの天然記念物てんねんきねんぶつに指定していされている。
今いまの時期じきでは、どれがスズランなのやら、区別くべつできない。

男鹿山おじかやまの頂上ちょうじょうはさらに手入ていれが進すすんでいる。南面なんめんも伐採ばっさいされていて、女鹿山めじかやまが見みえている。
北きたの山々やまやまは見みえてはいるのだが、明あきらかなのは勝光山しょうこうざん、その背後はいごの山やまが吾妻山あづまやま、比婆ひば山さんなのだが、確定かくていしにくい。
さて、降おりますか。
降おりるときも踏ふん張ばりながら降おりて行いくのだよ。降おりたところが東口ひがしぐち登山とざん口こう。
山麓さんろくまで降おりて、円満寺えんまんじという寺てらがある。その寺てらの右みぎ端はし、墓地ぼちのところから道みちがあります。
振ふり返かえると男鹿山おじかやま、男鹿山おじかやまはどこから見みてもそれと判わかるが、女鹿山めじかやまはのっぺりしていて見分みわけにくいのだよ。
2005年ねんにこの道みちを歩あるいたときには谷たにのたんぼは健在けんざいだった。2010年ねんに歩あるいたときには耕作こうさく放棄ほうきしてあった。今いまは草くさに埋うずもれて凄すごいことになっている。
道みち沿ぞいにイノシシシカ避さけの鉄格子てつごうしが続つづいている。

道みちを遮断しゃだんして続つづいているので、ありゃりゃ、困こまったなと思おもったが、鉄格子てつごうしは針金はりがねで縛しばってはなく、フリーになっていて、開あけ閉しめできるようになっている。
ここが峠とうげ、女鹿山めじかやまへはここで右折うせつするのだよ。
伐採ばっさいした箇所かしょがあるので、そこだけ草くさが猛烈もうれつに繁しげっている。そこ以外いがいは、草くさが繁しげるでもなく、安定あんていした道みちになっている。
伐採ばっさい箇所かしょから矢野やの温泉おんせんが見みえている。送電そうでん線せん鉄塔てっとうのある山やまが神山かみやま、あの山やまを登のぼったのだよ。
矢野やの温泉おんせんの背後はいごに鉄塔てっとうのある山やまが見みえるが、この近辺きんぺんで鉄塔てっとうの山やまというと、龍王山りゅうおうさんだろう。上下じょうげの町まちの翁おぎな山さんの背後はいごに怪異かいいな山やまが見みえるが、地形ちけい図ずに名前なまえはない。
名前なまえはあるんですよ、森もりのくまさんに名前なまえを教おしえてもらったが、ログの底そこに埋うずもれて、名前なまえが解わからなくなった。
女鹿山めじかやまは植林しょくりんの中なかにある。

このまま真まっ直すぐ行いけば南みなみ麓ふもとのジェラート工房こうぼうドナへ出でるらしいのだが、ネットの記事きじは一いち篇へんしかない。行いけるかどうか、南みなみへの道みちは次回じかいの宿題しゅくだいにしようね。
峠とうげまで戻もどって、峠とうげから東ひがしに向むかう。
草くさに覆おおわれた道みちで、たんぼの直前ちょくぜんで草くさの下したがぬかるみになっている。ずっぽりと靴くつが埋うまってしまった。ここは通とおりたくないね。
ぬかるみを抜ぬけ出だすと、あとはたんぼの脇わきの農道のうどうを行いく。
途中とちゅうで、高鉢山たかはちやま女鹿山めじかやまの標識ひょうしきを見みたが、高鉢山たかはちやまにはテープでＸとバッテンがある。高鉢山たかはちやまへ行いく道みちは途絶とぜつしているみたい。
農道のうどうは出発しゅっぱつ地ちまで戻もどってきました。朝あさに見みた、神山かみやまへ、高鉢山たかはちやまへ、の標識ひょうしきのある地点ちてんなんですよ。
帰かえってきました。いやぁ、ひとまわりしたなぁ。
帰かえる途中とちゅうで、矢野やの温泉おんせんのハイキング案内あんないの看板かんばんをもう一度いちど眺ながめてみた。

モデルコースがあって、登山とざん口こう→神山かみやま→高鉢山たかはちやま→女鹿山めじかやま→円満寺えんまんじ→男鹿山おじかやま→宇根うね→(省略しょうりゃく)→矢野やの、ふむふむ。
高鉢山たかはちやまは通とおらなかったが、ほぼ要よう所要しょよう所しょは押おさえながらコースを歩あるいたことになるよねぇ。

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