大江高山

大江高山おおえたかやま、石見いわみ銀山ぎんざん周辺しゅうへんの山やま

７月がつの末すえに、大江高山おおえたかやまを目指めざして出でかけたんだよ。暑あつくてね、登山とざん口こうまで行いったけど止とめて帰かえったことがあるんだよ。もう暑あつさは引ひいただろう、どうかね、行いくかい。
大江高山おおえたかやまがどこにあるかというとね、島根しまね県けんの中央ちゅうおう、石見いわみ銀山ぎんざんの近ちかくにあるんだよ。
７月がつに行いったときは三瓶山さんべさんの麓ふもとから行おこなった、いやぁ、遠とおかった。帰かえりは、江ごうの川かわ沿ぞいに帰かえったんだがね、曲まがり曲まがった道みちなので、この道みちも遠とおいよぉ。
一番いちばん近ちかいのは、高速こうそく浜田はまだ道どうの大朝おおあさインターを下おりて県境けんきょうを越こえる道みち、石見いわみ銀山ぎんざんへ案内あんないする標識ひょうしきに従したがうのが一番いちばんええみたいだよ。

島根しまね県けんに入はいって最初さいしょの町まちが瑞穂みずほ町まち、みずほ銀行ぎんこうが支店してんを出だせばピッタリなんだがなぁ、それはないか。
石見いわみ町まちを過すぎて川本かわもと町まち。ねぇねぇ、江ごうの川かわの両りょう岸きしの家いえはどこも新あたらしいよね、この町まちの住民じゅうみんは豊ゆたかそうに見みえるよねぇ。
どの家いえも同おなじ程度ていどに新あたらしいねぇ、水害すいがいから復旧ふっきゅうして再建さいけんしたのじゃなかろうか。それなら、さぞ辛からかったことだろうね。
江ごうの川かわから離はなれて租式川かわの谷たにをさかのぼって行いくよ。このあたりは７月がつにドライブしたから道みちは覚おぼえているさ。租式という集落しゅうらくまではこのまま進すすんで行いけばええよ。
租式のあたりで、山やまの形かたちが尖とがって見みえてくる、ほら、山やまが異様いように丸まるく盛もり上あがっているだろ。この山々やまやまの南みなみに位置いちするように車くるまを走はしらせるのさ。
ここで、石見いわみ銀山ぎんざんへの案内あんないから離はなれて西にしへの道みちを取とるようにするんだよ。

租式郵便ゆうびん局きょくの前まえを通とおっただろ、これが確認かくにんのポイントなんだよ。周辺しゅうへんは山やまとたんぼの田舎いなかだもの、ロケーション確認かくにんの重要じゅうような決きめ手てなんだよ。
そうねぇ、小泉こいずみ改革かいかくで民営みんえい化かされたらねぇ、この郵便ゆうびん局きょく、どうなるの、廃止はいし統合とうごうの対象たいしょうにならなきゃええんだけどね。
ここの人口じんこう背景はいけいでは、売上うりあげ収益しゅうえきで経費けいひをまかなうのは難むずかしいと思おもうよ。どんぶり勘定かんじょうの官営かんえいだから、今いままで目めこぼししてもらっていたんだろうね。
ということで、確認かくにんポイントが数すう年ねん後ごでも存在そんざいするかどうかは定さだかじゃありません。
大江高山おおえたかやまの麓ふもとの県道けんどうを進すすんで行いくんだがね、ほら、ここ、大江高山おおえたかやま登山とざん口こうの案内あんない板ばんがみえるだろう。このあたりは山田やまだ集落しゅうらくなんだが、この奥おくに飯谷いいたに集落しゅうらくがあって、そこからコースが始はじまっているんだよ。

健脚けんきゃくコースと書かいてあるわね。え、ここはパスするの？道みちが滑すべるから？そう、それは良よかった。
次つぎの集落しゅうらく、ここには山田やまだとバス停ばすていの標識ひょうしきがあるだろ、ここにも登山とざん口こうの看板かんばんがある、ここから入はいって行いくんだよ。
車くるまは入はいるけど、細ほそい道みちね。谷たにの奥おくのふくらみに駐車ちゅうしゃするのね。この先さきへ駐車ちゅうしゃ場じょうと案内あんないがあるのに、どうして下したへ車くるまを止とめるの？
あの急きゅう傾斜けいしゃの坂道さかみちが怖こわいんだよ、タイヤが道みちからはみ出だすかもしれない。ここのふくらみの奥おくは無住むじゅうの廃屋はいおくだもの、置おいても迷惑めいわくにはならんだろう。
坂道さかみちを登のぼって、最後さいごの民家みんかの前まえを通とおって、ここが登山とざん者しゃの駐車ちゅうしゃ場じょうかい。なるほど、駐車ちゅうしゃスペースは確保かくほしてあるんだね。
ここからは山道さんどうなのね、広ひろい道みちだ。大おおきなアンテナがある、テレビアンテナは別べつにあるよね、ふぅん、下したの家いえのひとは無線むせんが趣味しゅみなのね。
道みちはどんどん進すすんで行いく、あれ、どっちだろ、山やまの上うえへの道みちと水平すいへいの道みちとが分岐ぶんきしているよ。踏ふみ跡あとは山やまへの道みちのほうが新あたらしいよね、水平すいへい道どうを行いこうか。

杉すぎの植林しょくりんに入はいっていったのね。尾根おねは山腹さんぷくに吸収きゅうしゅうされて、そのまま山腹さんぷくを横切よこぎって歩あるくのね。イガ線せんが張はってあるがなんのためだろう、ケモノ対策たいさくなのかな、土地とちの境界きょうかいなのかなぁ。
ここからグイと道みちは急きゅう傾斜けいしゃになるのね。細こまかく左右さゆうに切きり返かえしながらジグザグに登のぼらなきゃならないのね。
下したを見みてごらん、ずどんと斜面しゃめんが切きれ込こんでいるよ、帰かえりに同おなじ道どうを通とおるんだが、その時ときが思おもいやられるよ。
植生しょくせいに切きれ目めができて、麓ふもとの展望てんぼうが効きくところに出でてきたよ、休憩きゅうけいしよう。ほう、看板かんばんがある。
ようこそ、ご苦労くろう様さま、のねぎらいの看板かんばんなんだ、へぇ、ここが６合ごう目めなのかい。先さきはまだまだ長ながいね。
岩いわを踏ふむステップの間隔かんかくが大おおきくなったね、補助ほじょロープが設置せっちしてある、あんまり当あてには出来できないがね。おっとっと、滑すべる、滑すべる。

稜線りょうせんの先さきに峰みねが見みえる、あれが大江高山おおえたかやまの本ほん峰みねなんだろうか、それとも前山さきやまの峰みねなんだろうか。峰みねとの高度こうどの差さが縮ちぢんでくるので、やっぱりあれは前山さきやまの峰みねなんだと解わかったよ。
肩かたを越こえたよ、頂いただき上部じょうぶに差さし掛かかったよ。道みちの両方りょうほうは切きれ落おちている。草刈くさかりがしてあって、山腹さんぷくでは草くさに悩なやむことはなかったが、ここでは草くさ刈かる以上いじょうに草くさが伸のびる、草くさを掻かき分わけ掻かき分わけて歩あるかなきゃね。
休憩きゅうけい所しょと看板かんばんの出でているところに出でてきたよ。白骨はっこつの倒木とうぼくがある。
日本海にほんかいが見みえるのねぇ。水平すいへい線せんは雲くもと溶とけ込こんではっきりとはしないわね。後うしろが中国ちゅうごく山脈さんみゃくなのね。
山やまと山やまの間あいだに空間くうかんが見みえるだろ、その空間くうかんが江ごうの川かわなんだよ。奥おくの峰々みねみねが中国ちゅうごく山脈さんみゃくなんだが、前まえの山やまが立派りっぱなので、奥おくの山やまは遮さえぎられて、ジミな姿すがたにしか見みえないねぇ。

この先さきへ歩あるき始はじめて、前山さきやまの頂上ちょうじょうがここ、という表示ひょうじはどこにもないのね。草くさが繁しげっているので身みをかわすのが大変たいへんね。
看板かんばんが見みえた、頂上ちょうじょうまであと１キロ、なんだとぉ、ここが頂上ちょうじょうじゃなかったのかい。
向むこうに大おおきな峰みねが見みえるわよ。あれが大江高山おおえたかやまなんだ。間あいだには大おおきな谷たにがある、下おりてまた登のぼらなきゃならんのかぁ。
直線ちょくせんでは深ふかい谷たになんだがね、左ひだりに大おおきく振ふって、峰みね通どおしの道みちがあるようだよ。
この峰みね通どおしの道みちなんだが、両側りょうがわは深ふかく切きれ落おちているよ。カミソリの上うえを歩あるいているみたい。
また、麓ふもとの展望てんぼうが効きくところに出でたわね。ここにも、麓ふもとのひとのあいさつ看板かんばんがある、自慢じまんの愛着あいちゃく深ふかい山やまなのねぇ。

前山さきやまの傾斜けいしゃが極端きょくたんだったので、ここもそうかと覚悟かくごしていたが、案あんに相違そういして楽々らくらくな道みちだったね。傾斜けいしゃを乗のり切きったぞ、看板かんばんがある、あと１００メートル。
頂上ちょうじょうまで来きたよ、ここがそうなのか。北きたに展望てんぼうを広ひろげる切きり開びらきがあるのね。
あれは何なに？　三瓶山さんべさん、ははぁ、あれがそうなのか。三瓶山さんべさんとは平野へいやに突然とつぜんと湧わき出でした山やまなのね。
三瓶山さんべさんの左ひだりに島しまのようなものが見みえる、絵え看板かんばんによると、島根しまね半島はんとう、日にち御崎おんざき、そうなのか、出雲いずも大社たいしゃもこの方向ほうこうなのね。
北きたには、むくむくと丸まるい山やまがせりあがっているのね。そう、あのあたりに石見いわみ銀山ぎんざんがあったのか。今いまではもう掘ほってないんだよね。

昼食ちゅうしょくがすんだらもう帰かえろうか。山やまの傾斜けいしゃは降おりるときよくわかるね。いやぁ、急きゅうな山やまだわい。
さぁ、降おりたぞ。足あしがちくちくするな。草くさの実みだろうな。
うわ、こいつは何なにだい。５ミリくらいの虫むしがズボンの布地ぬのじにしがみついて引ひっ張ぱっても離はなれない。さては、こいつは葉はダニだよ。
始はじめて出会であったよ。テントウムシのような５角形かくがたなんだが、足あしを踏ふん張ばって食くらいついて離はなれない。やっとむしったぞ。踏ふみ潰つぶそう。
今日きょうは、夏なつのころののような半はんズボンでなくてよかったね。皮膚ひふに食くいつかれたら病気びょうきのもとだものね。

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