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共同連+DPI→厚生大臣・要求書
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要求ようきゅうしょ

共同きょうどうれん+DPI→厚生こうせい大臣だいじん 1997/05/09

last update: 20151221


要求ようきゅうしょ
                            1997ねんがつにち
小泉こいずみ 純一郎じゅんいちろう 厚生こうせい大臣だいじん
                       差別さべつとたたかう共同きょうどうたい全国ぜんこく連合れんごう
                DPI(障害しょうがいしゃインターナショナル)日本にっぽん会議かいぎ

 しょうにおかれましては日頃ひごろより福祉ふくし施策しさく全般ぜんぱん推進すいしんと,また財源ざいげんきびしいなかでも
国民こくみん負担ふたんすこしでも軽減けいげんするようにとのご努力どりょくをされておられることとおもいます。
 しかしながら,消費しょうひぜいが5%にげられ,国民こくみんにしわせがきていることは
たしかです。生活せいかつすべてが3%から5%にげられるのですから,以前いぜんから生活せいかつ
きびしいひとたちにとっては,ますます生活せいかつめつけられることはうまでもあり
ません。また医療いりょう保険ほけんりょうなどのげも予定よていされ,このような社会しゃかい状況じょうきょうなか
で,おおくの障害しょうがいしゃ毎日まいにちきるだけでせいいっぱいといった生活せいかつじょうきょうかれてい
ます。さらには,施設しせつでの生活せいかつおやがかりの生活せいかつで,地域ちいきでの生活せいかつ自立じりつ夢見ゆめみなが
苛酷かこく生活せいかつ条件じょうけんいられているとわねばなりません。
 このあいだ水戸みと滋賀しが和歌山わかやま大和川やまとがわ病院びょういんと,さまざまな知的ちてき障害しょうがいしゃ精神せいしん障害しょうがい
しゃたいする暴力ぼうりょく人権じんけん侵害しんがいによる事件じけん横行おうこうしており,マスコミによりあきらかにさ
れているところです。ここでさえておかなければいけないことは,あくまでもこ
事件じけん氷山ひょうざん一角いっかくでしかないことです。
 きた北海道ほっかいどうからみなみ沖縄おきなわまで,障害しょうがいしゃたいする差別さべつはいろんなかたち発生はっせいしていま
す。あなたたちがつくりあげた施策しさく制度せいどで,わたしたち障害しょうがいしゃ人権じんけん侵害しんがいされ,にん
あいだとしてのいとなみさえもうばわれていることがわからないのが,過去かこ福祉ふくし行政ぎょうせいであり
現在げんざい福祉ふくし行政ぎょうせいでもあるのです。
 前回ぜんかいしょうとのはないのときでさえ,人権じんけん侵害しんがいされたことがありますかとのとい
いに,あなたたちはあいまいなご返事へんじ人権じんけんのとらえかたがまちまちで適切てきせつではあり
ませんでした。人権じんけん意味いみがわからないところでは福祉ふくし行政ぎょうせい役割やくわりはないとかんがえま
す。
 滋賀しがのサングループ事件じけん関連かんれんして,乱暴らんぼうけたという相談そうだんなんかい福祉ふくしの担
とうしゃにあった,あるいは,作業さぎょうしょ周辺しゅうへんひとからもいていたと福祉ふくし関係かんけいしゃからのはつ
げん,しかし放置ほうちされつづけました。これこそがまさしく人権じんけん侵害しんがいだとえます。さわ
がいしゃうことにみみかたむけない,わたしたち障害しょうがいしゃ悲痛ひつうおもいで差別さべつてきあつかいをしい
られた毎日まいにち生活せいかつから,ようやくこえ相談そうだんにと行動こうどうこすのにかなりの決意けつい
じつ効力こうりょくがともないます。にもかかわらず人権じんけん侵害しんがいわたしたちは,絶対ぜったいゆるすことは
できません。
 人権じんけん問題もんだいわたしたちの問題もんだいだけではありません。今後こんごちょう高齢こうれい社会しゃかいにともなって,
すべてのひと問題もんだいとしておおきな主流しゅりゅうになるのは明白めいはくです。上記じょうきのことを充分じゅうぶんまえ,
しょう誠意せいいあるご回答かいとうをおしめください。

 にち とき 1997ねんがつ23にちつき午前ごぜん10〜12
  ところ しょう会議かいぎしつにて

     要求ようきゅうおよ質問しつもん項目こうもく

(1) 水戸みと滋賀しが和歌山わかやま知的ちてき障害しょうがいしゃへの虐待ぎゃくたい暴行ぼうこう年金ねんきん横領おうりょう事件じけんきて
  いるのはご承知しょうちとおりですが,今後こんごこのよう事件じけんこらないための再発さいはつ防止ぼうし
  の対策たいさくについてのおかんがえをおしめください。

(2) 人権じんけん問題もんだい人権じんけん擁護ようごプロジェクトを設置せっちされているとありましたが,そ
  ののち経過けいかをおこたえください。

(3) 障害しょうがいしゃ基本きほんほう権利けんり規定きてい差別さべつ禁止きんし規定きてい明確めいかく明記めいきしてください。

(4) 権利けんり擁護ようご活動かつどう,チェック機関きかん障害しょうがいしゃである当事とうじしゃれ,当事とうじしゃ主体しゅたい
  よる権利けんり擁護ようごシステムをつくるのが不可欠ふかけつです。おかんがええおしめしください。

(5) 障害しょうがいしゃ本人ほんにんのものであるはずの年金ねんきんがどうして他者たしゃ利用りようされるのか,げん
  じょうたいする認識にんしき具体ぐたいてき対策たいさくについておかんがえをおかせください。



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