(Translated by https://www.hiragana.jp/)
障害者の介護保障の確立を求める要望書                              1998ねんがつ10にち
HOME > 全文ぜんぶん掲載けいさい >

障害しょうがいしゃ介護かいご保障ほしょう確立かくりつもとめる要望ようぼうしょ


last update: 20151221



厚生こうせい大臣だいじん
  宮下みやげ 創平そうへい 殿しんがり

2000ねん障害しょうがいしゃ介護かいご保障ほしょう確立かくりつ全国ぜんこく行動こうどう委員いいんかい

         びかけ団体だんたい  DPI(障害しょうがいしゃインターナショナル)日本にっぽん会議かいぎ
                 全国ぜんこく自立じりつ生活せいかつセンター協議きょうぎかい
                 全国ぜんこく障害しょうがいしゃ介護かいご保障ほしょう協議きょうぎかい
         びかけにん代表だいひょう DPI日本にっぽん会議かいぎ
                 議長ぎちょう 山田やまだ 昭義あきよし

障害しょうがいしゃ介護かいご保障ほしょう確立かくりつもとめる要望ようぼうしょ

 厚生省こうせいしょうにおかれては、日頃ひごろより障害しょうがいしゃ福祉ふくし増進ぞうしんにむけてご努力どりょくされておられる
ことと拝察はいさつもうげます。
 2000ねん介護かいご保険ほけん制度せいど実施じっしまえに、各種かくしゅ準備じゅんび作業さぎょうおこなわれていることと
ぞんじますが、わたしたち障害しょうがい当事とうじしゃとしても介護かいご保険ほけん制度せいど実施じっしかんしては、きわめておも
だい関心かんしんをもって見守みまもっているところであります。わたしたちは、基本きほんてき今回こんかい介護かいご
保険ほけん制度せいどは、きわめて不完全ふかんぜん不十分ふじゅうぶん制度せいどであると認識にんしきしております。この制度せいど
検討けんとうされてきた初期しょき段階だんかいかたられていた、制度せいど利用りようしゃ自立じりつ生活せいかつゆたかさを
追求ついきゅうするものという性格せいかくはどこにもあたらず、家族かぞくのもとでらすたきり高齢こうれい
もの痴呆ちほうせい高齢こうれいしゃ家族かぞく介護かいご補完ほかん以上いじょうのものではないと認識にんしきしております。
 現行げんこうでは2000ねん制度せいど開始かいし時期じきには、若年じゃくねん障害しょうがいしゃ制度せいど給付きゅうふ対象たいしょうがい
なっております。障害しょうがいしゃ介助かいじょ体制たいせい整備せいびかんしては、「障害しょうがいしゃプランにもとづき、こう
よわいしゃ遜色そんしょくのないサービスをおこなう。」、「介護かいご保険ほけんによるサービスと同等どうとうのサービ
スを保障ほしょうする」とうという見解けんかいがこれまで厚生省こうせいしょうよりされておりますが、障害しょうがいしゃ
ランでは、「2002ねんまでに障害しょうがいしゃけのホームヘルパーを4まんせんにん増加ぞうかする
」ということしかれられておらず、具体ぐたいてき障害しょうがいしゃ介助かいじょをどこまで保障ほしょうするこ
とになるのかは明確めいかくになりておりません。また、現在げんざい論議ろんぎされている介護かいご保険ほけん
同等どうとうのサービス内容ないようでは、介助かいじょ必要ひつようとする若年じゃくねん障害しょうがいしゃ自立じりつした生活せいかつ社会しゃかいてき
活動かつどう円滑えんかつおこなうことは困難こんなんであります。

 一方いっぽう若年じゃくねんから継続けいぞくてき介助かいじょとうのサービスを利用りようして生活せいかつつくげてきたさわ
がいしゃも、65さいになった時点じてん介護かいご保険ほけん制度せいど対象たいしょうれられ、従来じゅうらい障害しょうがいしゃ
施策しさくもとづくサービスから介護かいご保険ほけんによるサービスにわるものとされており
ます。しかし、わたしたちはそのことによってサービスの水準すいじゅん低下ていかし、従来じゅうらい生活せいかつ
継続けいぞくすることが出来できなくなるのではないか、というつよ不安ふあんっております。こ
のことにかんして過日かじつおこなわれた参議院さんぎいんにおける国会こっかい質疑しつぎにおいて、厚生こうせい大臣だいじんは「介護かいご
保険ほけん導入どうにゅうすることによって障害しょうがいしゃのサービスが出来できないとうようなことはない
ように最大限さいだいげん配慮はいりょをしなければならないし、努力どりょくをしなければならない。」との
見解けんかいあきらかにされておられます。
 わたしたちは、最高さいこう介助かいじょニーズをひとには毎日まいにち24あいだ介助かいじょ全国ぜんこくてき保障ほしょう
れるべきであるとかんがえるものであります。また、今回こんかい介護かいご保険ほけん実施じっしたって
は、若年じゃくねんからの障害しょうがいしゃが65さいになっても従来じゅうらいからの生活せいかつ安心あんしんしてつづけること
出来できるようにするため、さらに厚生こうせい大臣だいじん国会こっかいでの答弁とうべん具体ぐたいてきかたちとしてあきら
かにするため、今回こんかい制度せいど以下いか諸点しょてんまれるよう要望ようぼうするものでありま
す。
                  

1,2000ねん実施じっし予定よていされている介護かいご保険ほけん制度せいどは、活動かつどうにあり、自立じりつ生活せいかつ
 いとな障害しょうがいしゃ、あるいはそれを目指めざそうとする障害しょうがいしゃたいしてはきわめて不適切ふてきせつ
 ものであるので、若年じゃくねん障害しょうがいしゃをこの制度せいどれるのではなく、利用りようしゃけん
 主体性しゅたいせいまもられる障害しょうがいしゃ介護かいご保障ほしょう制度せいど確立かくりつはかること。

2,障害しょうがいしゃ自立じりつ社会しゃかい参加さんか目的もくてきとした介護かいご施策しさくとして、精神せいしん障害しょうがい知的ちてき障害しょうがい
 身体しんたい障害しょうがいすべての障害しょうがい対象たいしょうにして、特別とくべつ介護かいごニーズに対応たいおうする自薦じせん登録とうろく方式ほうしき
 の介護かいご制度せいど創設そうせつすること。

3,全国ぜんこくてきなレベルで障害しょうがいしゃ介助かいじょ保障ほしょう充実じゅうじつさせていくため、どこの地域ちいきでもかい
 まもる保険ほけん基準きじゅんがく下回したまわらない介助かいじょサービスを保障ほしょうすること。

4,若年じゃくねん障害しょうがいしゃが65さいになったさいには、介護かいご保険ほけんのサービスの利用りようくわえて、
 従来じゅうらいから適用てきようされているサービスの上乗うわのせをみとめ、ホームヘルプサービスにおい
 てこくは2ぶんの1の補助ほじょおこなうこと。

5,介護かいご保険ほけん対象たいしょうしゃのうち、訪問ほうもん介護かいご以外いがいのサービス(ショート・ステイとう)をもち
 まないものにたいしては、介護かいご保険ほけん限度げんどがくすべてを訪問ほうもん介護かいご使つかえるようにすること。

6.介助かいじょサービスの決定けっていにあたっては、本人ほんにんのニーズにもとづき「セルフマネジメント」を基本きほんとすること。

 ※全国ぜんこく障害しょうがいしゃ介護かいご制度せいど情報じょうほう1998ねんがつごうより転載てんさい



TOP HOME (http://www.arsvi.com)