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部落解放運動の過去・現在・未来(5)(インタビュー記録)
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部落ぶらく解放かいほう運動うんどう過去かこ現在げんざい未来みらい(5)――山内やまうち政夫まさお柳原銀行やなぎはらぎんこう記念きねん資料しりょうかん)に

インタビュー記録きろく/ききて山本やまもと たかし


柳原銀行やなぎはらぎんこう記念きねん資料しりょうかん
http://suujin.org/yanagihara/

趣旨しゅし
 これは、現在げんざい柳原銀行やなぎはらぎんこう資料しりょうかん事務じむ局長きょくちょうつとめ、その様々さまざま地元じもと住民じゅうみん運動うんどうやまちづくりにかかわりつづけてきた山内やまうち政夫まさおに、今後こんご部落ぶらく解放かいほう運動うんどう展望てんぼうがどうあるべきかというテーマについて関心かんしん沿いながらったインタビュー記録きろくだい5だんである。

山内やまうち政夫まさお略歴りゃくれき
 1950ねん京都きょうと東九条とうくじょうまれ。小学しょうがく5年生ねんせいときから丁稚でっちとしてはたらす。すえ小学校しょうがっこうすえ中学校ちゅうがっこうそつ。17さいのときに自主じしゅ映画えいが東九条とうくじょう』の制作せいさく監督かんとくとして参加さんか。その直後ちょくご共産党きょうさんとうから除名じょめい工場こうじょうなどではたらきながら、地域ちいき青年せいねんたちとはん差別さべつ運動うんどうりくむ。30だいになってから資格しかく鍼灸しんきゅうとして開業かいぎょう。1984ねん部落ぶらく解放かいほう同盟どうめい加入かにゅう。2003ねん〜2006ねんまで部落ぶらく解放かいほう同盟どうめい京都きょうと協議きょうぎかい議長ぎちょうつとめ、辞任じにん現在げんざいは、柳原銀行やなぎはらぎんこう記念きねん資料しりょうかん地域ちいき部落ぶらく)を丹念たんねんこしながら展示てんじとしてもひろ発信はっしんし、さらに、たかしひとし東九条とうくじょうでまちづくりにたずさわっている。


■はじめに――めまぐるしかったこのいちねん(2009〜2010ねん
山本やまもと
 これまで山内やまうちさんに4かいにわたって「部落ぶらく解放かいほう運動うんどう過去かこ現在げんざい未来みらい」ということでインタビューをさせていただきました。2007ねんからつづけて、今回こんかいは5かいということで、前回ぜんかいすこ時期じきがあったらやりましょうということでわっていますので、その続編ぞくへんというかたちおこないたいとおもっております。このあいだ状況じょうきょう、トピックとしておおきなものは、やはり「京都きょうと同和どうわ行政ぎょうせい終結しゅうけつ行政ぎょうせいかたそう点検てんけん委員いいんかい」(そう点検てんけん委員いいんかい略記りゃっき)の結論けつろんされまして、それをけて「ポスト同和どうわ行政ぎょうせい」というものの可能かのうせいかんがえていくという議論ぎろん運動うんどうかく地区ちくおこなわれている。そのなかでも山内やまうちさんがずっとかかわってこられたたかしじん東九条とうくじょうにやはりあらためて焦点しょうてんをあてて、この1年間ねんかん非常ひじょうにめまぐるしかったとおもうんですけども、かえりながら今後こんごのまちづくりや住民じゅうみん運動うんどうあるいは行政ぎょうせい施策しさく課題かだい方向ほうこうせいについておかんがえをおきしていきたいなというふうにおもっております。どうぞよろしくおねがいします。
山内やまうち
 はい、わかりました。
山本やまもと
 早速さっそくなんですけれども、そう点検てんけん委員いいんかいなかでも唯一ゆいいつ事業じぎょうわってない地域ちいきとして、たかしじん地区ちくとく北部ほくぶだい3・4地区ちく事業じぎょうをどういうふうにすすめていくのかということが非常ひじょうおおきな課題かだいとしてあげられていたとおもいます。そのなか専門せんもん市民しみん参加さんかするかたち設置せっちされたそう点検てんけん委員いいんかいでも報告ほうこくしょなかれられていてたかしじん地区ちくにおける改良かいりょう事業じぎょうは、2009ねん9がつ京都きょうとの「たかしじん地区ちく将来しょうらいビジョン検討けんとう委員いいんかい」(ビジョン検討けんとう委員いいんかい略記りゃっき)というものが具体ぐたいてき設置せっちされ議論ぎろん再開さいかいされました。★1
 2010ねん3がつまでに6かい会議かいぎかさねているということで、コンサルもはいって有識者ゆうしきしゃはいって「報告ほうこくしょ」(素案そあん)をされました。このビジョン検討けんとう委員いいんかい設置せっちかかわる経緯けいいそう点検てんけん委員いいんかい以降いこうたかしじん地区ちく雰囲気ふんいきになります。当初とうしょはコミュニティセンター(コミセン)が廃止はいしされるというか、京都きょうと職員しょくいん撤退てったいするということで、非常ひじょう混乱こんらんするんじゃないかということが去年きょねんふゆからはるにかけて心配しんぱいされたとおもうんですけども、あんまりおおきな混乱こんらんはなかったというふうにもいています。ビジョン検討けんとう委員いいんかい設置せっちまでの去年きょねんはるからなつにかけてたかしじん地区ちくではどういうふうな状況じょうきょうがあり、またこのビジョン検討けんとう委員いいんかいではどんな議論ぎろんがなされていたのかというのをかせていただきたいとおもうんですけども、いかがでしょうか。
山内やまうち
 まず、そのまえ一言ひとことれておきたいことがあるんですが、このあいだ京都きょうと人権じんけん文化ぶんか推進すいしん一緒いっしょになって取組とりくんできた柳原銀行やなぎはらぎんこう記念きねん資料しりょうかん特別とくべつてんだい21かい展示てんじ(「永久えいきゅうなれたかしじん小学校しょうがっこう」)、さらに人権じんけん啓発けいはつということで、講演こうえんかいしゃべらせてもらい、そこでもう一度いちど柳原銀行やなぎはらぎんこうきた経過けいか地域ちいきとのかかわりあいとか学校がっこうかかわりいがかなりあたまなか整理せいりされたんで、とく企業きぎょうたいする啓発けいはつということで、柳原銀行やなぎはらぎんこう活動かつどうたん地区ちくだけをよくするというはなしではなくて、やはり市内しない全体ぜんたいたいする影響えいきょうともな社会しゃかい事業じぎょうだったという側面そくめんっていたということがわかって、かなりあたまなか整理せいりされたということがありました。そのあたり今後こんご運動うんどうかんがえるうえでかなり参考さんこうになっ。以前いぜんにもそういうことにんできた経過けいかはありますけれども、もう一度いちどあたまなか整理せいりすることができたということで、人権じんけん文化ぶんか推進すいしん担当たんとうしゃ方々かたがたにはおれいべたいとこうおもうわけです。
山本やまもと
 つまり今後こんごのまちづくりをかんがえるうえでも柳原銀行やなぎはらぎんこう取組とりくんできた活動かつどうにあらためて参照さんしょうすることで、つぎ指針ししん参考さんこうにもなるような機会きかいをあらためてあたえられたというようなかたちですかね。はい。ホームページでもめるようになっているので、リンクしておきたいとおもいます。★2
山内やまうち
 ぜひおおくのひとんでもらいたいなとおもいます。
山本やまもと
 それから、解放かいほう出版しゅっぱんしゃからている雑誌ざっし部落ぶらく解放かいほう』(→外部がいぶリンク)にも近日きんじつ山内やまうちさんの文章ぶんしょうるということですので、そちらのほうもぜひんでいただきたいとおもいます。


そう点検てんけん委員いいんかい以降いこう――「ポスト同和どうわ行政ぎょうせい」の推移すいい
山内やまうち
 そのあたりはなし前提ぜんていにするということでとくにコミュニティセンターから職員しょくいんがいなくなるということなんですけども、当初とうしょ混乱こんらんきる。なんせ年度ねんどまつの3がつをもって12にん職員しょくいんがいなくなるわけだから、常識じょうしきてきかんがえてもかなり地域ちいきひとこまるとか、多分たぶんそういうことがてくるだろうなとおもいました。しかし、自治じち連合れんごうかい会長かいちょうかく団体だんたいあつめて、ええかわるいかはべつにしても確実かくじつにコミセンには京都きょうと職員しょくいんがいなくなるだろうから、はやいうちに自分じぶんたち準備じゅんびをするようにとびかけ、自分じぶんたちで方向ほうこうせいさだめて自力じりきでやろうというはなしがあったんでね。そういうことが多分たぶん京都きょうとほうにもつたわったんだろうということで、そのてん評価ひょうかされたということもやっぱり事業じぎょう継続けいぞくされて、改良かいりょう事業じぎょう完了かんりょう空地くうち活用かつようのために議論ぎろん再開さいかいされたのだろうとおもいます。
 もちろんそれだけじゃなくてね、3団体だんたいあつまってまちづくりを行政ぎょうせいとのパートナーシップをつうじてすすめておおきな成果せいかげたということも、やっぱり京都きょうと市長しちょうはじめトップのひとがそういうまちづくりやりきろうということだったんでしょう。部落ぶらく解放かいほう運動うんどうつよいとかよわいとかそういうはなしではなくて、そういう運動うんどうとはまったちがじく中心ちゅうしんにしてすすもうとしている。それはたかしじんだけのはなしじゃなくて、東九条とうくじょう地域ちいき再度さいど活性かっせいすることによって部落ぶらく問題もんだい解決かいけつするということが関連かんれんしている。部落ぶらく解放かいほう運動うんどう普遍ふへんせいつうじて運動うんどうをしていくというたかしじんのスタンスでこれでよかったなというふうにおもっています。
山本やまもと
 その過程かていでビジョン検討けんとう委員いいんかいがなかなかはじまらず、多少たしょうおくれもあったというはなしきおよんでいるのですけども、自治じちれん中心ちゅうしんにしながらまわりで解放かいほう団体だんたいがそれをささえながら自立じりつした運動うんどうをしていくという方向ほうこうせいを、自治じちれん会長かいちょうさんがいつも強調きょうちょうされているのが印象いんしょうてきで、行政ぎょうせい依存いぞんではなく、あくまでNPO(たかしじんまちづくりのかい)が中心ちゅうしんで、あるいは、たかしじんまちづくり推進すいしん委員いいんかい中心ちゅうしんでやっていくんだという気概きがいしめされていらっしゃるとおもいます。そのなかでもビジョン検討けんとう委員いいんかいというながれのなかで、どのようにすすんでいこうというふうにしてつどっているのかについておきしたいとおもいます。
山内やまうち
 そう点検てんけん委員いいんかいで、奨学しょうがくきん問題もんだいとか、様々さまざま問題もんだい見直みなおしがされて、普通ふつう市民しみんそれから有識者ゆうしきしゃ行政ぎょうせいからてもその見直みなおしは当然とうぜんこってくるという必然ひつぜんせいなかで、いろんなひとがオープンに議論ぎろんしたということで推移すいいしました。しかしたかしじんにしてもせっかくこのなんねんかでやっているコミセンの職員しょくいん配置はいち間違まちがいないんで、そうかんがえれば、結果けっかてき混乱こんらんしなかったわけだから、結果けっかてきにはオーライかなとおもっています。ただし、そういう結論けつろんいたるまでは混乱こんらんしたし、奨学しょうがくきん問題もんだいなんかでかなりしんどいおもいをしたひと、これからしんどいおもいをするひともある。その問題もんだいかかえながら長期ちょうきにわたる議論ぎろんがあって、人権じんけん文化ぶんか推進すいしん担当たんとうもそのあたりはかなり水面すいめん努力どりょくされたなというかんじはあって、混乱こんらんはあったけども、結果けっかてきたかしじんのまちづくりをもう1かい見直みなおそうということで、三村みつむら浩史こうじ委員いいんちょう先頭せんとうにして、様々さまざま専門せんもんにもはいってもらい議論ぎろんしました。
 最初さいしょたかしじん現状げんじょうのおさらいということで、改良かいりょう事業じぎょうがどのように推移すいいしたのか、あわせて人口じんこう減少げんしょう原因げんいんについてもしめすということもあって、かなり議論ぎろんしました。ただ、そこからえてくるのはやっぱりたかしじんまちづくり推進すいしん委員いいんかいがあってよかったなということです。これがなければどういうまちになっていたかということは、ちょっと想像そうぞうがつかない。組織そしきがあり、住民じゅうみん主導しゅどうけんってやったということは、やっぱりおおきかったな。あらためてこのビジョン検討けんとう委員いいんかい議論ぎろんさい痛感つうかんしました。ビジョン検討けんとう委員いいんかいには地元じもとから役員やくいん2人ふたりほどはいっています。これについてもね、地元じもとでは喧々けんけん諤々がくがく議論ぎろんをした結果けっか、やっぱり会長かいちょう事務じむ局長きょくちょうおくりだそうということで、ただ行政ぎょうせいほうにはこのあいだ経緯けいい丁寧ていねい説明せつめいをしてもらおうということで、しんどかったけども、たかしじんまちづくり推進すいしん委員いいんかい原点げんてんにかえってね、もう一度いちど団結だんけつすることができたという意味いみではおおきかったとおもいます。
山本やまもと
 そう点検てんけん委員いいんかいのときにたかしじんまちづくり推進すいしん委員いいんかい会議かいぎをボイコットしたり、いろいろ批判ひはんてき意見いけんしょしたりと、緊張きんちょうかんたかまりました。行政ぎょうせいすすかたたいしては結構けっこう異議いぎがっており、昨年さくねん3がつ報告ほうこくしょたときはいろいろ大変たいへんだったとおもうんです。それから、あらためてビジョン検討けんとう委員いいんかいという土俵どひょうにのってみて、地域ちいき団結だんけつして、地域ちいき主導しゅどうけんってすすめていくということにてんじれたおおきな要因よういんというのはどんなところにあるのでしょうか。
山内やまうち>  きびしい場面ばめんやから、かんがかたちが団体だんたいあつまっているんだから当然とうぜん意見いけんちがいはあって、抗議こうぎもするし、ものをもうすけども、地元じもととしては最終さいしゅうてきにすることはしましょうと。それをかく役員やくいん自覚じかくもとづいてよくかんがえて旧来きゅうらい運動うんどうのスタイルでこれからのまちづくりに通用つうようするのかどうか、そのあたり冷静れいせいかんがえる時間じかん一方いっぽうではあったということがさいわいしたのかなとおもっています。やっぱりおおきいのは、たかしじんまちづくり推進すいしん委員いいんかいちあがるときに、団体だんたい意見いけん整理せいりして地元じもと意見いけん中心ちゅうしんにして構築こうちくしようとし、この原点げんてんにかえってもう1かい議論ぎろんをするということがおおきかった。ただ、行政ぎょうせいとのパートナーシップということについては、その内実ないじつ本当ほんとうのパートナーシップではなくて、行政ぎょうせいがかなり段取だんどりにうごいていた。そういう現実げんじつたかしじんまちづくり推進すいしん委員いいんかいとしても直面ちょくめんしたことで、より現実げんじつてき対応たいおうをしようということで、結果けっかろんかもしれないけど、やっぱりごくたりまえ自然しぜん結論けつろんになったということだとおもいます。いかめしかったけども、運動うんどうかんがかたにたった利害りがいよりも、地元じもとんでいるひと利害りがいって、市民しみん利害りがいって、もう一度いちどたかしじんのまちづくりをかんがえたということでここまでやってきたと、わたしはおもっていますね。


たかしじん地区ちく将来しょうらいビジョン検討けんとう委員いいんかい
山本やまもと
 ビジョン検討けんとう委員いいんかいが9月にできて報告ほうこくしょ今年ことしの3がつにできるというのは、かなりのハイスピードで、けい6かい議論ぎろんがありましたが、いい意味いみでもその期間きかんというのはある程度ていど地域ちいき原点げんてんもどれる機会きかいになったのかなというかんじでしょうか。それでは、その6かい会議かいぎについて、そう点検てんけん委員いいんかい比較ひかくしてみて、どんな印象いんしょうたれたでしょうか。
山内やまうち
 そう点検てんけん委員いいんかいとはなるもの。そう点検てんけん委員いいんかいはやっぱり戦略せんりゃくがきちっとあって、学識がくしき経験けいけんしゃ意見いけんくということだけども、シナリオが多分たぶんあっただろうとおもう。行政ぎょうせいがわにね。それはやっぱり当然とうぜんでしょう。京都きょうと市内しない全体ぜんたいのことをかんがえるわけだから、幅広はばひろ議論ぎろんしなきゃいけない。このままではいかんだろうし、きびしい財政ざいせい状況じょうきょうなかでやっぱり住宅じゅうたくしつもそうだし、人権じんけん文化ぶんか推進すいしんもそうやけど、部落ぶらく問題もんだいかかわったひとばっかりやから、わるいの区別くべつ相当そうとうにあって、いまいたほう部落ぶらく自律じりつにつながって、こしがすわっていくみたいなかんがかた多分たぶんあっただろうし、それは戦略せんりゃくがあったと、はっきりとね。
 しかし、ビジョン検討けんとう委員いいんかいはむしろそうはなくて、いかわるいかについてかく委員いいんさんにまかせるみたいなところがあってね、かなりはなしがあっちにびこっちにび、ということがあったのは事実じじつだね。しかし、専門せんもんかかわってんやから、当然とうぜんやろう。かく委員いいんさんも地元じもとにはいろいろ使つかわれていたよね、当初とうしょは。あまりはっきりものをわれへんこともあったけど、中盤ちゅうばんから後半こうはんにかけてはね、はっきり地元じもとにものをうということがあって、そのぶん京都きょうととしてはかなりしんどかったやろうとはおもうけども、しかし、はや改良かいりょう事業じぎょう完了かんりょうとできた空地くうちについて、あたらしい事業じぎょうってきてすすめるということで、頑張がんばったのかなともおもいます。
 あとは買収ばいしゅうした土地とち活用かつようはなかなかむずかしいよね。活用かつようするなら、ここらでだいたい市民しみん活用かつようできる、そういうものをってくるとかいくつかあんはあるけどね、それはこれからやね。ただ、だい6かいんだ時点じてんあたらしい概念がいねんとしててきたのは、「エリアマネージメント」ということ言葉ことば。しかし、ようかんがえれば、むかしから地元じもとひと工場こうじょうをつくるとか、そのために土地とちすとか、軍用ぐんようくつをたくさん販売はんばいするとか、銀行ぎんこうつくるとか、おおきな倉庫そうこつくるとか、商品しょうひんかんつくるとか、理容りよういんつくるとか、そういうふうにしてやってきたということからいうと、やっぱり冒頭ぼうとうちょっとはなしたように明石あかし民蔵たみぞう実践じっせんなんかにヒントがあるようにおもう。そんなはなしが、それがこれから6かいんで7かい、8かいと5がつ、6がつぐらいに整理せいりがつくやろうけど、ようやく地元じもとひとちから発揮はっきするようながきたのかなとおもいます。ただ、明治めいじひとなどはしっかりとおかねっていた。いまたかしじんまちづくり推進すいしん委員いいんかいは、やっぱりおかねはあんまりってませんわ。これがおおきなちがいかな。
山本やまもと
 会議かいぎ自体じたいはまだ6かいわりということではなくて、一応いちおう7、8かいつづくのですね。報告ほうこくしょ完成かんせいというか、ビジョン検討けんとう委員いいんかい終了しゅうりょうはどういうめどで予定よていされているのでしょうか。
山内やまうち
 8かいぐらいでわるのかなというかんじ。だからあと2かいぐらい。
山本やまもと
 その8かいのちは、報告ほうこくしょあんがどういうかたちでちょうないなり、市議会しぎかいにあげられていくというふうにかんがえればよいのでしょうか。
山内やまうち
 そうやね、有識者ゆうしきしゃひと委員いいんひと一定いってい結論けつろんして、行政ぎょうせいがそこでの意見いけん調整ちょうせいし、そこでげたものを採決さいけつしてもらうということになるのかなとおもうよ。
山本やまもと
 その報告ほうこくしょ素案そあん、2010ねん4がつ公開こうかい)の評価ひょうかをしていただいたんですけども、一応いちおう報告ほうこくしょのタイトルがタイトルというか、まちづくりのテーマが創造そうぞう交流こうりゅう・にぎわいのまちにん地域ちいきをつなぐまちづくりということになっており、4てんですね。さきほどわれたような北部ほくぶ全体ぜんたい視野しやれた将来しょうらいビジョンをもとに、多様たよう住宅じゅうたく供給きょうきゅう最後さいご改良かいりょう事業じぎょう早期そうき完了かんりょう土地とち区画くかく整備せいび事業じぎょうとの合併がっぺい施行しこうで10年間ねんかんぐらいのスパンですすめていくという骨子こっしになっているようです。そう点検てんけん委員いいんかいでも提起ていきされたような事業じぎょう計画けいかくこころみてもいいんではないかということは、三村みつむらさんなんかや何人なんにんかの委員いいんさんでそういうことを経験けいけんした方々かたがたからも提起ていきされていたようですね。
 議事ぎじろくなどを拝見はいけんすると、たかしじん自治じち連合れんごうかい会長かいちょうもかなり事業じぎょう形態けいたいかたかんしては、いろいろ模索もさくしてご苦労くろうされてきたということですし、行政ぎょうせいほう財源ざいげん問題もんだいをしばしば強調きょうちょうはされていますけれども、「まずはゆめのある」といったですね、計画けいかくしていこうというような雰囲気ふんいきなかで、「クリエイティブシティ」みたいな言葉ことばてきていました。あと話題わだいになるだろう東九条とうくじょうなんかでもきわめて財源ざいげん問題もんだい強調きょうちょうされ、事業じぎょう計画けいかく見直みなおすイメージを制約せいやくしたような印象いんしょうもあるんですけども、そのあたり土地とち区画くかく整備せいび事業じぎょうというのは、改良かいりょう事業じぎょうというおおきな「あしかせ」をえていくものとして現実げんじつあじがあるのかというのはどれくらい可能かのうせいがあるものなのでしょうか。ちょっとなかなか想像そうぞうできないところでもあるんですけども、京都きょうとほうはどういうふうにこれを具体ぐたいしていく戦略せんりゃくとうとしているのか、また、ビジョン検討けんとう委員いいんかい助言じょげんをしているのか。いかがでしょうか。
山内やまうち
 虫食むしくいになっている土地とちを1ヶ所かしょあつめるということは、これはどうやってもかんがえていかなければならないことで、そのたびに京都きょうと職員しょくいん配置はいちをそういうふうにして、その土地とち区画くかく整備せいび事業じぎょうせんもんのね、職員しょくいんをおくということをやっている。かなり本気ほんきでしているというかんじやね。買収ばいしゅうをするときもかなり拍車はくしゃがかかってくるやろうし、ビジョン検討けんとう委員いいんかい結果けっかけてたかしじんまちづくり推進すいしん委員いいんかいでも議論ぎろんしているけれども、その土地とちなに使つかうのやというてんがまだつめきれてない。それではやっぱりあかん。多分たぶん京都きょうとわるいけども、結局けっきょく地元じもとがね、かんがかたしめしていかなあかんのかなということやから、たかしじんまちづくり推進すいしん委員いいんかい足腰あしこし強化きょうかするということにかかっている。
 委員いいんかいをこっちにってきたとしてもそれは周辺しゅうへんまちをひっくるめて、・・・かなりされているんで、そういうことかなと。ただ、そう点検てんけん委員いいんかいわれたように、どうせなら民間みんかん活力かつりょく導入どうにゅうして、おおきなプロジェクトいうことで、京都きょうとえき中心ちゅうしんさい開発かいはつかんがえていく必要ひつようがあるということがビジョン検討けんとう委員いいんかい議論ぎろんされてきてもね、それをえることにはまだなっていない。それについては、やっぱりまだこれまでのかんがかた行政ぎょうせいなかにもあって、そういうハードルはのこされたままですわ。そこは具体ぐたいてき地元じもと行政ぎょうせいも1ねんまえかれたハードルをえていく、これはわたしもひっくるめてやけど、真剣しんけんかんがえなあかんということやろうとおもっています。
山本やまもと
 今後こんご合併がっぺい施行しこうによる改良かいりょう事業じぎょう早期そうき完了かんりょうを10ねん前提ぜんていにするとか、あるいは土地とち活用かつようかんしても20ねん、30ねんぐらいの期間きかんすこしめどにしていくということがかれて報告ほうこくしょ素案そあん)のなかかれていて、行政ぎょうせいほう芸術げいじゅつ産業さんぎょう福祉ふくし文化ぶんか環境かんきょう都市とし計画けいかくといった多方面たほうめんにわたる課題かだい体制たいせい確立かくりつしなきゃいかんという意味いみでは、行政ぎょうせいほうも、旧来きゅうらい責任せきにんしゃがまちづくりの会議かいぎているということは、当然とうぜん各部かくぶしょからているとおもうんですけども、簡単かんたん推進すいしん体制たいせいといっても相当そうとうむずかしいことが予想よそうされます。きゅう民生みんせいきょくなんかでも、あるしゅ調整ちょうせい機関きかんとして機能きのうしており、そう点検てんけん委員いいんかいでも「総合そうごう行政ぎょうせい」として評価ひょうかされていました。しかし、問題もんだいもあったわけで、そのてんえていくような推進すいしん体制たいせいを、いったいどういうふうに構想こうそうするのか。行政ぎょうせいにもすごく知恵ちえもとめられている部分ぶぶんでもあるし、地元じもと先手せんてもとめられているところもあるのでしょうし、そのあたりはいかがでしょうか。
山内やまうち
 一部いちぶには同和どうわ事業じぎょうをするなかでやられたような総合そうごう行政ぎょうせいと、そういう推進すいしん体制たいせい評価ひょうかするひともあるけども、そうではなくて、京都きょうと駅前えきまえちかいというね、この立地りっち条件じょうけんなか産業さんぎょう振興しんこうのために京都きょうと全体ぜんたい活性かっせいするようなことをするための推進すいしん体制たいせいみたいな、そのあたり非常ひじょう勝負しょうぶとなる可能かのうせいがあるのかなとおもっています。そのなか地元じもとがどれだけ存在そんざいかんすことができるかが勝負しょうぶかれね。だからやっぱり明石あかし民蔵たみぞうがやったようにね、地元じもとからおかねあつめてそれを基本きほんにしてね、あたらしい事業じぎょう展開てんかいするということをなくしてはかたれんのちゃうかなとおもっています。
山本やまもと
 そういう意味いみでは、行政ぎょうせいとのパートナーシップを90年代ねんだい後半こうはんから形成けいせいしてきて、まちづくり計画けいかくつくってという評価ひょうかずらうえてくるわけですけれども、さっきのきびしいパートナーシップの現実げんじつ行政ぎょうせい依存いぞんてき体質たいしつえられているかどうかというのは、まだまだきびしい部分ぶぶんもあるというようなことが、報告ほうこくしょ素案そあん)のなかでも「行政ぎょうせい主導しゅどうがた」という言葉ことば総括そうかつされてしまっているてんあらわれているとおもいました。そのに「しん」のパートナーシップがあって、その住民じゅうみん指導しどうがやってくるというイメージですね。そういう意味いみでは、たしかに住民じゅうみん指導しどうであるということがもとめられている段階だんかいなのかなというふうに報告ほうこくしょみました。
 もう1つおきしたいんですけど、いわゆる「クリエイティブシティ」というようなキーワードなんかもてきて、たとえば京都市立芸大きょうといちりつげいだいのサテライトをたかしじん小学校しょうがっこうあとってきてみてはどうかというような芸術げいじゅつ文化ぶんか創造そうぞうするアーティストたちをあつめて創造そうぞうしていくようなあたらしい文化ぶんか創造そうぞうしていけるような可能かのうせい歴史れきしてきにも京都きょうとえき中心ちゅうしんてき地域ちいきちかくということもあって、非常ひじょう可能かのうせいとしてポテンシャルっているということがかれています。そのなか地元じもと産業さんぎょうを「環境かんきょう産業さんぎょう」というようなものにしていく、あるいは「文化ぶんか産業さんぎょう」というものを充実じゅうじつさせていくというようなことがいてはあるんですけども、やっぱりいろんな地域ちいきでも地場じば産業さんぎょうみたいなものがないとなかなか地域ちいき活力かつりょくというのはまれない。そのあたりそとからはいってくる知恵ちえ活力かつりょくかすということも大事だいじですが、地域ちいき元々もともとあった皮革ひかく産業さんぎょう製靴せいかぎょうなどによって地元じもとざいたくわえられて、柳原銀行やなぎはらぎんこう資金しきんげんになったという時代じだいながれと才覚さいかく見直みなおすのなら、ビジョン検討けんとう委員いいんかい報告ほうこくしょ素案そあん)はものらないのではないでしょうか。
 かく都市とし事例じれい紹介しょうかいし、結局けっきょくそとからの活力かつりょくかしてそれを十分じゅうぶん機能きのうさせていくような条件じょうけんをどういうふうにととのえていくのかというようなイメージで提案ていあんされているようなところがあるんですけども、地場じば産業さんぎょうというとちょっとかたいいいかたになるかもしれないんですけど、あるしゅ経済けいざい活動かつどう地域ちいき産業さんぎょうですね。地元じもと高齢こうれいとも関係かんけいしたり、いろいろ商店しょうてんがなかなかたちゆかなくなったりとかいう状況じょうきょうたかしじんでもあるとおもうのですが、、そのあたり資金しきんつくかたざいしたほうをどのように構想こうそうされていくのかというはなしが、ビジョン検討けんとう委員いいんかいなかでは十分じゅうぶんにされたりとかはしたのでしょうか。
山内やまうち
 いや、まだそこまではいってないね。
山本やまもと
 なかなかむずかしいということですね。
山内やまうち
 それはまだこれからのはなしで、それの仔細しさいをになうべくNPO法人ほうじんたかしじんまちづくりのかいがもうすこしいろいろ整理せいりしてからしないと、そういうはなしには多分たぶんなってこないだろう。地場じば産業さんぎょうのこともひっくるめて、様々さまざま可能かのうせいについていま協議きょうぎをしているんだよ。そのなかでより鮮明せんめいになってきているのは、エリアマネージメント、自分じぶんたちがどういうくかということで、しろおおきなかみとマジックペンと線引せんひきがあたえられた。それをどこでどういうせんくかなということだとおもっているのね。マジックとはいかんでも線引せんひきだけぐらいだったらできるとおもっているんだけどね。そのせんさきには東九条とうくじょうとの連携れんけいということもひっくるめておおきなかなあかんやろということを確認かくにんしたぐらいかなというかんじです。
山本やまもと
 ややまつ自治じち連合れんごうかい会長かいちょうさんも委員いいんとなって、積極せっきょくてき発言はつげんされているのが印象いんしょうてきだったのですが、北部ほくぶ地域ちいきのエリアマネージメントというと、いわゆる東山ひがしやまであるとか、下京しもぎょう範囲はんいとなり、東山ひがしやまさんじゅうさんあいだどうまでのエリア、ひとどうせんですよね。そういうひとながれをかせないかというてん北部ほくぶ地区ちく開発かいはつをイメージしています。しかし、もうすで着々ちゃくちゃくすすめられ、そして、歴史れきしてきによりふか関係かんけいにあった東九条とうくじょうとの関係かんけいについては、ビジョン検討けんとう委員いいんかいなかでもそこまで事情じじょうられていないというか、あんまり注目ちゅうもくがされていないというか。北部ほくぶ中心ちゅうしんにするのが大前提だいぜんていですので、当然とうぜんなのですが、じつ南部なんぶにかなりの可能かのうせいてきはじめているし、「うるおいかん」のデイサービスの事業じぎょう委託いたくけているカリタスかいは、東九条とうくじょうたかしひとし松原まつばら島原しまばら展開てんかいしている。また、児童じどうかん保育園ほいくえんでの交流こうりゅうたかしじん東九条とうくじょうではなされていますので、そのてんかされたらいいのかなというふうにおもっているのですが、いかがでしょうか。
山内やまうち
 京都きょうとえきはさんで南北なんぼくはかなりいろんなことが活発かっぱつしているが、ひがし部分ぶぶんだけがただの空白くうはくという状態じょうたいで、それをえて東山ひがしやまほうすこしはながれているという状況じょうきょうから、そこをどうめるかというはなしでそのあたりのエリアについてマネージメントをたかしじんひと計画けいかくあんうえってマジックと線引せんひきをってどういうくのかなと。大学だいがく誘致ゆうちもあらゆる可能かのうせいがあります。それについて地元じもとたかしじん活性かっせいふくめてどうするか。やっぱりじくになるのはひとつはやっぱりNPOだし、それから東九条とうくじょうでも地元じもとがまちづくり会社かいしゃみたいなものをこして、そのあたり行政ぎょうせいくというはなしはそんなものなくて、それはえて、地元じもと同士どうしがね、議論ぎろんしあう必要ひつようがあるのかな。それの準備じゅんびがね、着々ちゃくちゃくとしていると。その理念りねんとかね、方向ほうこうせいについて京都きょうと創造そうぞう交流こうりゅう・にぎわいのまち、ひと地域ちいきをつなぐまちづくりということをっているけど、これはじつ東九条とうくじょうのまちづくりのうごきからから多分たぶんぱくっているというか、まねしているというかね(笑)。そういうレヴェルのものではあります。
山本やまもと
 なるほど。ある程度ていど東九条とうくじょうのことがあたまにあって、たかしじんでもということがあるということですね。そういったなかで、この報告ほうこくしょにもいちヶ所かしょだけれられていたとおもうんですけれども、柳原銀行やなぎはらぎんこう記念きねん資料しりょうかんまえ国道こくどう24号線ごうせんかよっていますが、そのわきにとおりも整備せいびされて、ここを使つかってあらたなみをされようとしているいうふうにいているんですけども、それもさきほども、いまはなし東九条とうくじょうでの自主じしゅてきみの経験けいけんとの交流こうりゅうはかりながら、人的じんてきにも施設しせつてきにも関係かんけいみつにしていこうと、山内やまうちさんが発案はつあんされている計画けいかくがされているということをいているんですけども、すこしそのけんかんしてはどんな準備じゅんびをされているかおきしたいんですけども。
山内やまうち
 たかしじん高齢こうれいしゃ対策たいさくのネットワークのなかではなって、そのあたりじくに「楽市らくいち楽座らくざ」、正式せいしきうとマ字まじで「KYOTO・R24八条坊門はちじょうぼうもん楽市らくいち楽座らくざ」(→外部がいぶリンク)をおこなう。ちょうど、国道こくどうはちじょうのあたりは東九条とうくじょうたかしじん交流こうりゅう地点ちてんでもあって、それがようやく同和どうわ事業じぎょう終結しゅうけつあたらしいまちづくりのはじまりの機運きうんがってきて、自然しぜん発生はっせいてき高齢こうれいしゃネットワークには以前いぜん会長かいちょうさんはじめ、東九条とうくじょう施設しせつである希望きぼういえやうるおいかん、ここらがつながって、これをじく周辺しゅうへんひとにもいろいろかかわってもらってみせしてもらうのをふくめて、おまつりをしようということです。ただ、行政ぎょうせい支援しえんしてもらうというはなしじゃなくて、うちにきて主体しゅたいちあげていまやっているということでね、これからたかしじん東九条とうくじょうのまちづくりの場所ばしょ、そういうまさにエリアを活用かつようする第一歩だいいっぽですわ。それは自然しぜん発生はっせいてき必要ひつようせいがあってそれぞれが主体しゅたいとなって、つながっていく。まとめると、(1)それぞれの人口じんこう減少げんしょうしている。(2)それぞれの地域ちいきがまだまちづくりをしようという情熱じょうねつっている。(3)かつて歴史れきしてきにみてもそれぞれがひとつの地域ちいきであるということからすると、必然ひつぜんせいっているよね。だから、明石あかし民蔵たみぞうがやったように地区ちくとの連携れんけいたすいするのが大事だいじですね。
 そうそういうことなんかでもね、地元じもとからそういう情報じょうほう発信はっしんしてたかしじん地区ちくだけじゃなくてね、やっぱり周辺しゅうへんひとやいろんな社会しゃかいてきなハンディをかかえているひとらとね、むすびあって、そのかくみたいになればいいなと。着々ちゃくちゃくとうまくいってますね。
山本やまもと
 じゃこれはもうぜひこうご期待きたいということで、だれでも参加さんかしてほしいということですね。塩小路しおこうじから京都きょうとえきひがしあるいていけば5ふんから10ふんぐらいでくところなので、ここはぜひ、塩小路しおこうじからたかしじん地区ちくはいっていくところで、6月のにちはまってましたでしょうか。
山内やまうち
 6月13にちです。
山本やまもと
 このは、柳原銀行やなぎはらぎんこう記念きねん資料しりょうかんひらきますか。
山内やまうち
 オープンです。
山本やまもと
 オープンですか。じゃそちらにもぜひご来場らいじょういただいてということで、これがたかしじん小学校しょうがっこう閉校へいこうし、地域ちいきのシンボルである小学校しょうがっこうでこれまでやっていたはるのおまつりなんかもあったとおもうんですけども、そういういろんな情勢じょうせい変化へんかなかたがいの地域ちいき交流こうりゅうとおしておたがいにネットワークをひろげていく。情報じょうほう発信はっしんもしていくということのおおきないちという位置いちづけがあるというかんじでしょうか。
山内やまうち
 はい、そういうことですね。


■コミュニティセンターの転用てんよう
山本やまもと
 ありがとうございます。たかしじん地区ちくのビジョン検討けんとう委員いいんかいについては、だいたい以上いじょうのようなかんじでおはなしかせていただいたんですけども、もう1つはコミュニティセンターの転用てんよう問題もんだいそう点検てんけん委員いいんかいおおきな課題かだいとして提起ていきされていてました。この1年間ねんかんでは、おもらくただ岡崎おかざき吉祥院きっしょういんうえ花田はなたあらためしんという5地区ちくでコミュニティセンター転用てんよう計画けいかく素案そあんて、市民しみん意見いけん募集ぼしゅうして地元じもと説明せつめいかいをするということがおこなわれてきたことは山内やまうちさんもよくごぞんじのことかとおもいますので、おも京都きょうと人権じんけん文化ぶんか担当たんとうして、すすめているわけですけれども、意見いけん募集ぼしゅう結果けっかると、417つう、513けん意見いけんがあったようです。★3
 地元じもとないし市民しみん意見いけんとしてはやはりかしかん業務ぎょうむ継続けいぞくしてほしいというような要望ようぼうであるとか、説明せつめいがもうすこ丁寧ていねいにされるべきではないかとか、いまでもサークルとうかしかん使つかっているのでなくなるとちょっと場所ばしょがないとか、かつての相談そうだん事業じぎょうをなくすのではなく復活ふっかつさせてほしい、図書館としょかん事業じぎょう復活ふっかつさせてほしいというようなこえおおかったようにおもいます。京都きょうととしては、地元じもとにあるみ、吉祥院きっしょういんであったらろくさい念仏ねんぶつであったり、せんほんであれば人権じんけん施設しせつツラッティであったり、そういうものをかしながら近隣きんりん施設しせつ大学だいがくとうのサテライト教室きょうしつであったり、人権じんけん関係かんけいあらたな施設しせつとして転用てんようしていこうという方針ほうしんされはじめていて、のコミセンかんしても今年度こんねんどでコミセン条例じょうれい廃止はいしされるという予定よていになっていますので、めまぐるしい状況じょうきょうになるとおもいます。たかしじんのコミセンにかんしてもけられない課題かだいだとおもうのですが、山内やまうちさんのおかんがえをおかせください。
山内やまうち
 まず、コミセンの問題もんだいわれるのは、運動うんどうなり地元じもといままで蓄積ちくせきしてきたものがいったいなにであったのかということがわれていた。生活せいかつ相談そうだん業務ぎょうむ廃止はいしされたわけだから、しかしかろうじて社会しゃかいてきにしんどい人々ひとびとのために使つかっていくということがすこ丁寧ていねいにあるいは根本こんぽんてきにそういう議論ぎろんもされるなかにあると。やっぱりいまから14、15ねんまえたていのちかんのリム・ボン教授きょうじゅがね、かく地区ちくのまちづくりの診断しんだんをしたときに、かく地区ちくのおかれている状況じょうきょうくわしく分析ぶんせきし、あらためてよい場所ばしょ施設しせつがあるわけだから、周辺しゅうへんひととも一緒いっしょになって使つかえるようにしようということになった。かく地区ちくごとに丁寧ていねいれて、運動うんどう提起ていきしてくれた。
 そのあたり丁寧ていねい運動うんどうがもう一度いちどおもいだして、かく地区ちくでのかんがかたてこないといけない。しかし、全然ぜんぜんやっている形跡けいせきがない。部落ぶらく解放かいほう運動うんどうには普遍ふへんせいがあるとわれてきた。社会しゃかいてきよわひと差別さべつされたひとにとっても重要じゅうよう問題もんだいなんで、その手本てほんみたいなものをつくっていこうということだから、部落ぶらく解放かいほう運動うんどう社会しゃかいてき評価ひょうかされた時代じだいがあって、これはあえてそういう時代じだいがあったというはなしなのね。いまそうはなってないということがもちろん前提ぜんていなのね。としたらいままさにかく地区ちくのコミセンの中身なかみをめぐってね、そういう方針ほうしん方向ほうこうしていくべき。それは運動うんどうにとって全然ぜんぜんわるはなしじゃなくて、地元じもとひとにとってマイナスなはなしじゃなくて、それを感情かんじょうろんだけですすめるとますますきびしい場面ばめんがこれからくる。むしろ結構けっこうなことなんであってね。
山本やまもと
 転用てんようがということでしょうか。
山内やまうち
 そう、転用てんようがね。明石あかし民蔵たみぞうがやったように転用てんよう中身なかみかんしてね、地元じもとなり運動うんどうのリーダーシップをとっていま社会しゃかいてき状況じょうきょうでいうと、たとえば「はん貧困ひんこん」とかね、そのような問題もんだいがあることを自覚じかくしてやるということがない以上いじょうは、これはけや。多分たぶん人権じんけん文化ぶんか推進すいしんほう先手せんてすすめていて、地元じもとからはいろんな意見いけんはあるけど、これからあつめようというね。こういうひとたちが感情かんじょうろんだけじゃなくて、それもまえて、あるいはむしろもっとうと、たかしじん東九条とうくじょうとが経験けいけんしたように、地元じもと運動うんどう社会しゃかいてきにも尊敬そんけいされる関係かんけいきずかないといけない。そうでないとちから関係かんけいでいうと行政ぎょうせいたいしてけやね。そういうことを議論ぎろんしたことをみんなわすれてしまっている。それが、ちょっと不愉快ふゆかいだね。
山本やまもと
 行政ぎょうせい依存いぞんというように行政ぎょうせいから総括そうかつされている一方いっぽう行政ぎょうせいにいろいろなんというのか、責任せきにんらせるということと、一方いっぽう行政ぎょうせい主導しゅどうしすぎることにたいして、地元じもと説明せつめいがやっぱりりないであるとか、やっぱり地元じもとのニーズをきっちり把握はあくしてないということがわれるということなので、だけど行政ぎょうせいほう住民じゅうみん指導しどうしていかない以上いじょう行政ぎょうせいがある程度ていどいてさざるをえないような局面きょくめん当然とうぜん京都きょうと事業じぎょうであれば、どうしても行政ぎょうせい主導しゅどうになってしまうので、そこに行政ぎょうせい責任せきにんなので行政ぎょうせいがでばってくることにかんしては、なんというか住民じゅうみんほうものっかってしまっているところに依存いぞんというふうにわれてしまうような構造こうぞうがあるようなかんじがして、いわゆる行政ぎょうせい主導しゅどう行政ぎょうせい依存いぞんというものがなに全然ぜんぜんあいいれないというわけではないんですけども、ちがうもののようにえながらもじつはこう一種いっしゅ悪循環あくじゅんかんとなってしまっていて、なかなかそこから双方そうほうせない。
 行政ぎょうせい主導しゅどうではなく住民じゅうみん主導しゅどうであり、依存いぞんではなく自立じりつてきにものごとをすすめていくということだとおもうんですけども、なかなかそういうのがコミセンの転用てんようかんしても、行政ぎょうせい主導しゅどうしていかざるをえないような体質たいしつがあって、住民じゅうみんがわがリードできていないという課題かだい地元じもとげかけられているのかなというふうにめたりもしたんですけども、そのたかしじんでは今年ことしコミセンの転用てんようかんしてはおおきく課題かだいになってくるとはおもうんですけども、そのあたりうるおいかんという非常ひじょう素晴すばらしい施設しせつを2007ねんですかね、つくってあらたなさいスタートをったとおもうんですけども、その直後ちょくごにコミセン廃止はいしという方向ほうこうせいそう点検てんけん委員いいんかいされて、いわゆる運動うんどう蓄積ちくせきというのをどうかすのかというのはとくたかしじんであれば本当ほんとうにいいものをつくったばかりなのでわれているとおもうんですけども、どのようににすすめていく、あるいは推移すいいしていくというふうにおかんがえでしょうか。
山内やまうち
 4がつ20日はつか説明せつめいかいがあって、そういう意味いみではむしろ住民じゅうみんなり周囲しゅうい意見いけんくというね、「おきする」といています。それでいまこのインタビューをけている段階だんかいではまだおこなわれていないんですけども。デイサービスや地域ちいき包括ほうかつ支援しえんセンターがあって、それがのこるだけではなくて、周辺しゅうへん施設しせつふくめて昼間ひるま利用りようして、それぞれ個別こべつおうじて支援しえんするということをしているわけだけども、これをどうみるかというのをね、地元じもとからも行政ぎょうせいからも議論ぎろんできておらず、現場げんばではかなりのことやっているわけです。
山本やまもと
 そうですね、なんかすごくいそがしそうにわかひとから行政ぎょうせいひとふくめてですかね、いそがしそうにうごいてはるという印象いんしょうがここにるとあります。
山内やまうち
 だからたかしじん少子しょうし高齢こうれいすすんで、非常ひじょう特殊とくしゅ環境かんきょうなかであるということだけど、これはかなりうるおいと地域ちいき包括ほうかつによってね、かなり対応たいおうできていると。だから生活せいかつ環境かんきょう改善かいぜんし、きゅうのコミセンの一般いっぱん職員しょくいんじゃ対応たいおうできへんことも、専門せんもんてき対応たいおうする職員しょくいん生活せいかつ相談そうだん業務ぎょうむにつなげるということもできているし、なによりもデイサービスセンターでね、かなりたかしじんひとて、そこでひるはんべて風呂ふろはいって、たのしくかなりいわゆるかっこつきやけど、「面倒めんどうをみる」ことができている。介護かいご保険ほけんやけどね。しかしそれはかなり地元じもとのためにやくっていると。これをさらに充実じゅうじつすることがもとめられている。さらにそれは高齢こうれいしゃだけの問題もんだいじゃなくて、相談そうだんっているひと対応たいおうもできるようなということもひっくるめてね。
 それと、たかしじんっているおおきな財産ざいさんとしてはやっぱり歴史れきし。これと柳原銀行やなぎはらぎんこうがあってかなりの資料しりょうがある。これをじく明石あかし民蔵たみぞうとか櫻田さくらだよし兵衛ひょうえなど、運動うんどうのリーダーがうているようにたかしじんにはこういうものがある。こういうものがあるから、おいでませ、おているぐらいで、そのようなエリアマネージメントを行政ぎょうせいたいして意見いけんがあるということをうべきだとおもう。行政ぎょうせい意見いけんうということだけどね、行政ぎょうせいにやってくれはなくて、我々われわれがこうするから行政ぎょうせいはこうしないと、これをわないと、究極きゅうきょくてきにはね、行政ぎょうせいふくむその背後はいごにいる委員いいんさんもふくむ、京都きょうと市民しみんれてそういうひとたいして説得せっとくできるものをね、すべきだとおもう。それはべつあたらしくかんがえても、部落ぶらく解放かいほう運動うんどうなかにずっとはいっていくわけだからね、差別さべつ問題もんだい解消かいしょうするにつけて。それで批判ひはんてき意見いけんだから、そこのところをもう1かいかえせばいいんでね。それはやっぱり今度こんど丁寧ていねい議論ぎろんしましょうと。行政ぎょうせいきびしくってもこれはなんら進展しんてんしない。その主体性しゅたいせいがないからね。世間せけんはあまくないから。
山本やまもと
 山内やまうちさん自身じしんたかしじんのお年寄としよりだけではなくて、いわゆるややまつ菊浜きくはまなど、北部ほくぶ患者かんじゃさんというか、高齢こうれいしゃほうたいする治療ちりょうなんかもされているというふうにいているんですけども、たかしじんのうるおいのデイサービスのくるまが、いわゆるたかしじん地区ちくだけじゃなくて、いろんなところではしっているのをよくかけます。ビジョン検討けんとう委員いいんかいでもたかしじんにはどもがすくないということが危惧きぐされていたようにおもうんですけども、たとえば、おなじようにひがしきゅうじょうであるということやカトリックであるということや文化ぶんか共生きょうせい中心ちゅうしん保育ほいくをしているということなどもあって、いろいろやっぱり入園にゅうえん敬遠けいえんするほうもまだまだいないわけではないというきびしい状況じょうきょうにあるカトリックの保育園ほいくえんが、職員しょくいんがいろんなところに入園にゅうえん募集ぼしゅうのちらしをくばり、100にんちか園児えんじたちがあそこのえんつどっているようです。それをつうじて、また地域ちいきひとはいってきて、そこでらすということもてくると、少子しょうし高齢こうれいにとってもおおきな突破口とっぱこうになるとおもうんですけども、そういう高齢こうれいしゃどもたちを地域ちいきにどんどんきこんでいく可能かのうせいとしては、地区ちく横断おうだんしていくようなみとしてすでにうるおいかんのデイサービスなどで展開てんかいしています。
 コミセンはデイサービスなんかで活用かつようしているということや地域ちいき包括ほうかつ活用かつようしているということがある一方いっぽうで、大変たいへん充実じゅうじつした設備せつび十分じゅうぶん活用かつようれていないという側面そくめんもあるといていますが、そういう側面そくめん今後こんごどういうふうにかしていくようなかたちかんがえられるのか、かせていただけますでしょうか。
山内やまうち
 すくなくとも大学だいがく誘致ゆうち、それから福祉ふくし施設しせつ誘致ゆうちいうこともふくめると、そのような事業じぎょうということをするべきだよね。まずひとつは歴史れきし関係かんけいでいうともうすこ柳原銀行やなぎはらぎんこう記念きねん資料しりょうかんにある資料しりょうかしたい。京都きょうと部落ぶらく資料しりょうもまだまだばらばらなんでそれをちょうど境地きょうち市内しないなかにあるコミセンに集約しゅうやくするということもかんがえられる。もうひとつはやっぱり、いまべたように大学だいがくとの関係かんけいであって、龍谷大りゅうこくだいがくちかくにあるのだから、もっと連携れんけいしてみることがあってもいい。障害しょうがいしゃ自立じりつ支援しえん事業じぎょうそういうことも東九条とうくじょうではかんがえているけど、そういうものがあってもいいやろうしね。だから文化ぶんか共生きょうせいということを前提ぜんていにして魅力みりょくのあるものにせなあかん。それをうまくコーディネートするということが、地元じもともとめられている。もうちょっとさきすすめばね、具体ぐたいしてくるとおもいますわ。


東九条とうくじょう文化ぶんか共生きょうせいのまちづくり(つづけ
山本やまもと
 なるほど。ひと・まち交流こうりゅうかんがすぐきたにあありますが、いつも稼働かどうりつたかくて、本当ほんとうにいっぱいいっぱいで、そこを利用りようできなかったひとたとえばここのうるおいかん使つかえるということがわかれば、コミセンの活用かつようにつながり、市民しみん活動かつどうのセンターのようにもなりるわけですよね。ひと・まち交流こうりゅうかんいつもアクセスがわるくて、きにくいというひとがいるんですけど、それでも本当ほんとうにいつも満室まんしつなんで、そういう意味いみではまだまだコミセンとしても、そういうかん施設しせつ連携れんけいして有効ゆうこう活用かつようしていく可能かのうせいがあるということなんですね。
 それでいくつかこれまでのはなしなかにもてきた東九条とうくじょう地区ちくでのまちづくりにかんしてもおはなしをおきしていきたいんですけども、前回ぜんかいのときには生活せいかつかんといういわゆる部落ぶらくであれば、コミュニティセンターといわれるような機能きのうった施設しせつから職員しょくいんおなじように撤退てったいしていて、そう点検てんけん委員いいんかい影響えいきょうというのは、差別さべつ部落ぶらくではないひがしきゅうじょうにおいても非常ひじょうおおきかった状況じょうきょうがあったとおもいます。ただ、その生活せいかつかんがどういう事業じぎょうをしてきたのかということは、総括そうかつがないなかなにはなくとも職員しょくいん撤退てったいし、年度ねんどまつには廃止はいしされることになっています。そのなか東九条とうくじょうかんしてもまちづくりの一環いっかんとして東九条とうくじょう事業じぎょう計画けいかく見直みなおしということがすすめられ、コンサルもはいってかなりみつ議論ぎろんをされてきたというふうにおもいます。とくにこの2009ねんから2010ねんにかけてですけども、東九条とうくじょうでは具体ぐたいてきにはどういう展開てんかいがあったのか。そのあたりからおはなしかせていただきたいのですが、いかがでしょうか。
山内やまうち
 かく前回ぜんかいのインタビューの最後さいご場面ばめん東九条とうくじょうでのまちづくりの計画けいかくがもうすこすすめばさらなるインタビューをけようということでわりましたね。いまからそのつづきのはなしをしたいとおもいます。前回ぜんかいのインタビューが昨年さくねんの6がつぐらいかな、そのあたりから東九条とうくじょうのまちづくりの見直みなお計画けいかく作成さくせい委託いたくされたコンサルが、8がつ31にち見直みなおあんだいいち稿こうってきた。これが全然ぜんぜんはなしにならない内容ないようかえした。さらに8がつ、9月、10がつぐらいにはなしをつめようということで、すすめてきましたけど、やはり財政ざいせいてき問題もんだい京都きょうとにはあってね、なかなか事業じぎょう計画けいかく見直みなおしも空地くうち活用かつよう土地とち買収ばいしゅう暗礁あんしょうにのりあげてきたという状況じょうきょうでした。しかし、その状況じょうきょうがあったにしてもね、いまさらおかねなんてないんだからということを前提ぜんていにすれば、必要ひつようないものは必要ひつようないということでえば、「東九条とうくじょう文化ぶんか共生きょうせい地域ちいき交流こうりゅうセンター」でできることにしぼんでいく。さらに空地くうちえん活用かつよう仕方しかたについても様々さまざまひとはいってくるような交流こうりゅうのための施設しせつね。それから、とく養老ようろうじんホーム・デイサービス、それから民間みんかん介護かいご保険ほけん会社かいしゃ、それから公的こうてき機関きかんとあるので、そういうひとたちが中心ちゅうしんになって医療いりょうのネットワークをつくるとか、いろいろやれることはある。
 たとえば、公園こうえんをそのようなかんがかたで、知恵ちえすためのワークショップをやろうとなっており、園芸えんげい療法りょうほうなど、認知にんちしょう効果こうかがあるとされているようなかたちを地域ちいき医療いりょう関係かんけいひとというかな、施設しせつ関係かんけいひとあつまってつくれればいいなとかんがえています。さらに、北部ほくぶ空地くうちかんしても、地域ちいき交流こうりゅうセンターと連携れんけいするような活用かつようをしていこうと。この3つぐらいにしぼりつつ、北側きたがわ土地とち大学だいがく誘致ゆうち定期ていき借地しゃくちけんづけ分譲ぶんじょうマンションの建設けんせつ、また、住戸じゅうこ管理かんりなど、これからそういうものを中心ちゅうしんにしてまわりのひとがいろいろあつまってくるような仕掛しかけをね、だからたかしじんからずっときてきゅう東九条とうくじょうわるというはなしではなくて、一体化いったいかしたようなみができればとおもっています。
山本やまもと
 たかしじん南部なんぶ東九条北ひがしくじょうきたは、たしかにエリアとしてはかさなっていますね。もともとはおな行政ぎょうせい下京しもぎょう――1918〜1955ねんまで)でしたし。
山内やまうち
 そういうことができればいいのかなということで、行政ぎょうせいれてきたコンサルにはやをかけとったんだけど、ちょっといすぎた側面そくめんがあってね。
山本やまもと
 いいすぎですか?
山内やまうち
 東九条とうくじょうでもそういう傾向けいこうがあって、なかなか財政ざいせい問題もんだいがあって京都きょうと身動みうごきできなくて、最初さいしょ段階だんかいつまずきつつ、一方いっぽうはたらきかけながら、見直みなおあんをまとめてきたということで、年度ねんどまつむかえることができた。
山本やまもと
 まさにおなじようなペースでたかしじん東九条とうくじょうかんして、まちづくりをめぐるうごきが推移すいいしてきたんですね。東九条とうくじょうだと、昨年さくねんの7がつぐらいに文化ぶんか共生きょうせい事業じぎょう提案ていあん地元じもとから、あらけずりであってもしてみようということで、コンサルや行政ぎょうせいがアクションをこすまえ提起ていきしたこともあったようにおもいますが、そこでの意図いとというものはどのようなものであったのでしょうか。
山内やまうち
 生活せいかつかんがなくなる。それは、やっぱり隣保りんぽ事業じぎょうというわけにはいかへんやろうということで、コミセンがえるのとおなじように。ただちょっとちがうのは、隣保りんぽ事業じぎょうのかなりの部分ぶぶんを「希望きぼういえ」がやってきたということがあって、生活せいかつかん処遇しょぐうかんしてはかなり地区ちくちがうようなことになっていたということがあった。つまり、自分じぶんたちでやっていこうという機運きうんがあった。文化ぶんか共生きょうせい地域ちいき交流こうりゅう事業じぎょうについても、自分じぶんたちでかんがえをしめすべきやと。かなりつめた議論ぎろんをして、それをまとめて京都きょうと提起ていきして、このはるわりからなつにかけて京都きょうとほう事業じぎょう具体ぐたいてき中身なかみについて議論ぎろんするとおもうけども、それはこちらがしたあんもとづいて検討けんとうされるというふうにおもうね。
山本やまもと
 なるほど。やっぱりハードとソフトがけられてしまうみたいなものは、どこでも事業じぎょう形態けいたいとしてかかえる課題かだいとしてあるとおもうんですけども、文化ぶんか共生きょうせいというのはあり方向ほうこうせいだとすると、おもにハードめん担当たんとうしている住宅じゅうたくしつではそのキーワードは、ポスト生活せいかつかんかかわる問題もんだいだということで敬遠けいえんしていた部分ぶぶんもあったとおもうんです。結果けっかてきにそれをじくすすめていくんだというところまで、住民じゅうみんがわみとめさせたというか、っていった部分ぶぶんというのも非常ひじょうおおきな成果せいかなのかなとおもいます。つまりそういう部分ぶぶんでハード・ソフトがきっちり方向ほうこうせい一致いっちさせてすすめられるということを住民じゅうみんがわからかなりプッシュしていたようにおもいますが、そのあたり行政ぎょうせいがわ対応たいおう変化へんかみたいなものに要因よういんなどはあるのでしょうか。
山内やまうち
 京都きょうともやっぱり限界げんかいがあって、限界げんかいというものをきっとこちらが確認かくにんというかはっきり認識にんしきして先回さきまわりしていろいろかんがえだす。それにたいしてやっぱり京都きょうとがやっぱりやるというふうにっていく。それは限界げんかいがあるということをこちらも認識にんしきしておかないとできないから、たらんところはこちらがやるということで、行政ぎょうせいのなかのある部署ぶしょ部署ぶしょをこちらがわむすぶとかね、そのようにすすめることで、わったのかもしれないね。
山本やまもと
 見直みなおあん(のあん)というものがてきたわけなんですけど、2がつてきて地元じもとすこ議論ぎろんをして3がつにまた修正しゅうせいあんてきたということなんですけども、その中身なかみたいする感想かんそうというか、評価ひょうかというのは現時点げんじてんではどんなふうにおもってますでしょうか。
山内やまうち
 そとではいろんなことをね、っているし、まちづくりのすすかたとしてはよくやったんとちゃうかな。よるおそくまで東九条とうくじょう担当たんとうひと仕事しごとしていたという情報じょうほういてるからね、かれている条件じょうけんなかでやっぱりちゃんとやったんとちゃうのかなと。いろいろそれは評価ひょうか批判ひはんしたらきりがないけれど。あの場面ばめんでよくやったんちゃうかな。べつにそんな運動うんどうつよかったわけでもないし、地元じもと団結だんけつするわけでもないんで、そういう意味いみでいうとよくまとめてくれたかなと。事業じぎょう期間きかんも5年間ねんかんいまのスタイルでまちづくりにかかるのもだいたい5ねんぐらいかなということからったら、ようやった。ただ、地元じもとあんすすめるにしても、いま地元じもと運動うんどうというか、地元じもと組織そしきのありようというのはなかなかむずかしいね。専門せんもんてき多面ためんてきに、将来しょうらい見越みこして住民じゅうみんちからわれてくるんだろうね。


ためされる住民じゅうみんちから――ふたつの出来事できごとから
山本やまもと
 その見直みなおあん同時どうじ並行へいこう改良かいりょう住宅じゅうたく工事こうじ本来ほんらいであれば、新年しんねんけて1がつ着工ちゃっこうされるはずだったとおもうんですね。そこまでっていくのに去年きょねん大変たいへん苦労くろうされたとおもうんですけども、それが結局けっきょく2ヶ月かげつあいだおくれてしまって、年度ねんどまつにかけてかなり綱引つなひきがあり、工事こうじ説明せつめいかいが3がつ上旬じょうじゅん生活せいかつかんおこなわれたときも、かなりご苦労くろうされたというふうにいています。そのようなおおきな局面きょくめんをどのようにのりきっていったのかというのも、住民じゅうみんがわがきっちりのぞんでいることをすすめていくんだという気持きもちを表現ひょうげんする機会きかいにもなったというふうにいています。着工ちゃっこう工事こうじ説明せつめいかいおくれなどというものが、新年しんねんけていろいろとあったとおもうのですが、そのてんについておかせいただけますでしょうか。
山内やまうち
 今年ことしの3がつ大変たいへんやった。2つの出来事できごとどっちもやっぱり部外ぶがいしゃ乱入らんにゅうということで、共通きょうつう側面そくめんがあるんやけど、3月11にち工事こうじ説明せつめいかいは、これはやっぱり利権りけん問題もんだいからんでいて、「地元じもと」というかおをしながら、行政ぎょうせいなり、工事こうじ委託いたくされた業者ぎょうしゃたいするプレッシャーかけようということで、ある団体だんたい大挙たいきょして妨害ぼうがいし、着工ちゃっこう阻止そしするという場面ばめんやったね。京都きょうと行政ぎょうせいといいながら、これまた限界げんかいがあるなかでこちらと相談そうだんしながら、むしろ行政ぎょうせい行政ぎょうせい立場たちばでやる。住民じゅうみん住民じゅうみん立場たちば全力ぜんりょくをあげてやらしてもらう。そういうスタイルで今度こんど工事こうじ説明せつめいかいさいに、地元じもと住民じゅうみん我々われわれえのメンバーでくし、段取だんどりをととのえ、部外ぶがいしゃ余地よちあたえなかった。これがやっぱり地元じもとたいする評価ひょうかが、行政ぎょうせいからみるとおおきくわった瞬間しゅんかんだよね。それははだかんじますね。これは行政ぎょうせいだけやったら、あっというにわからんことになってしまっていたかもしれない。しかし、一方いっぽう行政ぎょうせい頑張がんばった。一緒いっしょになってやったことがおおきかったとおもう。
山本やまもと
 行政ぎょうせい見方みかたおおきくわったというのは、具体ぐたいてきにはどのようにわったとおもわれますか。
山内やまうち
 以前いぜんやったらたかしじん東九条とうくじょう全然ぜんぜん対応たいおうがちゃうわね。しかし、実際じっさいにはあんなやって住民じゅうみんのパワーというか、手際てぎわのよさ、戦略せんりゃく戦術せんじゅつしめし、これにたいしてあらためて東九条とうくじょうほうけているめんがあるということで、これやったら安心あんしんして一緒いっしょ仕事しごとができるだろうというふうにわったんとちゃうかな。それまでどっちかいうと運動うんどうてきこえおおきかったのが、文化ぶんか共生きょうせい地域ちいき交流こうりゅう事業じぎょうすすめるうえで住民じゅうみんちから発揮はっきされた場面ばめんだったのかなとおもう。
山本やまもと
 もうひとおおきな修羅場しゅらばというか、外部がいぶからの介入かいにゅうというか、そういうものがあったということなんですけども。
山内やまうち
 これは3がつ28か、平和へいわらしている地域ちいき住民じゅうみんのところに、突如とつじょとして、公園こうえんなか集会しゅうかいして、さわたてて、安全あんぜんみだしたということでね。それが、差別さべつ排外はいがい主義しゅぎてき集団しゅうだんだったということなんだけども、ことはそう単純たんじゅんではなくてね。中身なかみをよっぽど吟味ぎんみして点検てんけんして評価ひょうかして対策たいさくをねらんといけなかった。それはいまから20ねんぐらいまえかな、「たかしじん協議きょうぎかい」が民間みんかん活力かつりょく導入どうにゅう同和どうわ地区ちく指定してい撤廃てっぱいということで、地上じあげや裁判さいばんをやった。それはたん荒唐無稽こうとうむけいなものではなく、あながち間違まちがった主張しゅちょうではなかった。なかなか対応たいおういかめしかった。それをずっとひきずっていたということなんですね。
 3月11にちはまさにそれとの最終さいしゅう対決たいけつ場面ばめんやったわけ。こちらは、対決たいけつったわけやけど、3月28にちかんがえればまずそういう問題もんだいとらかた我々われわれもできていないのかもわからん。単純たんじゅん差別さべつ排外はいがい主義しゅぎということでかたづけるということではまされない要素ようそがあり、おおくの日本人にっぽんじん共感きょうかんしてしまうようなこともありる。そういう出来事できごとを、地元じもと誤解ごかいしょうじないように慎重しんちょうかつ丁寧ていねいつたえていかないといけないということで、くやしさはくやしさ、対応たいおうさく対応たいおうさくを、かんがえてみて、やっぱりこのふたつの出来事できごとおおきかったなとおもいます。
山本やまもと
 そういう意味いみではふたつのおおきな出来事できごと東九条とうくじょうのなかでのりきったことと、着工ちゃっこうが3月18にちにようやくはじまって、計画けいかく見直みなおしがソフトめん、ハードめんである程度ていどすすはじめているというのが現状げんじょうなわけですね。2010年度ねんどの4がつからの議論ぎろん論点ろんてんかんしては、さらにソフトめん文化ぶんか共生きょうせい地域ちいき交流こうりゅう事業じぎょう中身なかみ具体ぐたいしていく過程かていにいよいよはいっていくわけですけども、そういうふたつのおおきな出来事できごとて、どのように今後こんご東九条とうくじょうのまちづくりにそのエネルギーがかされるべきか、あるいはどういうふうにして主体しゅたいをを形成けいせいしていけばいいのかというのは、どのようにおかんがえでしょうか。
山内やまうち
 みっつの問題もんだいがあります。まず、ひとつはやはりたかしじん歴史れきしてき交流こうりゅうがあるわけだから、これはしっかりとふかめていく必要ひつようがある。ふたはやっぱりきちっと柳原銀行やなぎはらぎんこうのように経済けいざいてきにも自立じりつせなあかんやろう。そういう意味いみでは、部落ぶらくとちごうて、東九条とうくじょうほうがやりやすい条件じょうけんっている。みっは、やっぱり文化ぶんか共生きょうせいなんやから、ひとつの集団しゅうだんかたよることなく、すすめなあかん。じつはこれが一番いちばんむずかしいのかもしれんけどね。このみっつを同時どうじっていくということが必要ひつようかな。
山本やまもと
 改良かいりょう住宅じゅうたくえと希望きぼういえ生活せいかつかんごうちく完成かんせいするのは来年らいねんですね。
山内やまうち
 はるなつになるでしょう。
山本やまもと
 なつにかけてですよね。いまのところ。
山内やまうち
 だから、それまでのあいだにどういう運動うんどうをするのか。どういう組織そしきをつくるのかということがわれてくるとおもう。いちは、東九条とうくじょうCANフォーラムのときにいろんなことを経験けいけんしたわけだから、再度さいどそういうことが議論ぎろんできる、そういうチャンスはチャンスかな。冷静れいせいにそういうことについてかんがなお機会きかいにある。
山本やまもと
 それでは、東九条とうくじょうの2010年度ねんどなか一番いちばんおおきな課題かだいになるのは、文化ぶんか共生きょうせい地域ちいき交流こうりゅう事業じぎょうすすめていくうえでの主体しゅたいをどういうふうに準備じゅんびしながら、当面とうめん課題かだい着実ちゃくじつすすめながら、さらに、たかしじん連携れんけいしながら、ということが大事だいじになってくるということですね。
山内やまうち
 最後さいご京都きょうと市内しない部落ぶらく解放かいほう運動うんどう展望てんぼうやけど、これにもれないわけにもいかないでしょう。
山本やまもと
 たしかに「部落ぶらく解放かいほう運動うんどう過去かこ現在げんざい未来みらい」がタイトルなんで、最後さいごにおねがいたします。
山内やまうち
 状況じょうきょうきびしいけども、現在げんざい解放かいほう運動うんどうらしい運動うんどうをつくるチャンスでもあるんで、これもかえしそういうはなしているけれども、組織そしきおおきくするとかではなくて、たけにあうそういうものを展開てんかいしなければならない。それがいちてん運動うんどうがおしなべて対決たいけつすべき連中れんちゅうあたらしいほかにいるあたらしい排外はいがい主義しゅぎもあって、やっぱりもうすこ運動うんどうらしい、とく社会しゃかい正義まさよし世直よなおしのは発想はっそうがないといかん。そのためにはもうてなおす必要ひつようがある。そのためには地域ちいきこまかくても住民じゅうみんいちにんでもかまへんからつなげる、つながる必要ひつようがある。
 やっぱりけているのは歴史れきしであり哲学てつがく祇園ぎおんでちゃらちゃらやっている運動うんどうは、だめ。おしなべてもう一度いちど歴史れきし検証けんしょうして自分じぶんたちがいまどの位置いちっていて、これからどうすすもうとしているのか。これからもう1かい勉強べんきょうしなおす必要ひつようがある。そういう意味いみさいわいね、たかしじんだったら柳原銀行やなぎはらぎんこう記念きねん資料しりょうかんがあるんで、せんほんやったらツラッティがあるわけだし、吉祥院きっしょういんにもろくとき念仏ねんぶつ記念きねんかんがあって、三条さんじょうほう一番いちばんふる差別さべつ部落ぶらくということで歴史れきし見直みなお作業さぎょうはじめているようだし、あらためしんでも歴史れきし研究けんきゅうすぐれている。そういう意味いみでもう一度いちど遠回とおまわりかもしれんけども、柳原銀行やなぎはらぎんこう保存ほぞんする運動うんどうをして、記念きねんかんとしてさい構築こうちくしたように、もう一度いちど京都きょうと部落ぶらく歴史れきしてき見直みなおしていく必要ひつようがある。べつにあわてる必要ひつようはないんでね。行政ぎょうせいのペースがあろうがなかろうが関係かんけいない。そういう感性かんせいがあれば、微力びりょくでもできることはあるので、いろいろこれからも提案ていあんしていきたいとおもっています。部落ぶらくわかひとたちにもそういう問題もんだい提起ていきがあったということで、ともに議論ぎろんしたいとおもっています。
山本やまもと
 はい、ありがとうございました。また、次回じかいもよろしくおねがいします。次回じかいはいつぐらいのタイミングになるでしょうか。ビジョン検討けんとう委員いいんかい結末けつまつ東九条とうくじょうのソフトめん事業じぎょう計画けいかく推移すいい次第しだいといったところでしょうか。
山内やまうち
 そうですね。そうするとはやくてふゆあきからふゆぐらいですかね。またそのときにはよろしくおねがいします。ありがとうございました。

りょう

【註】
★1 「たかしじん地区ちく将来しょうらいビジョン検討けんとう委員いいんかい」にかんする議事ぎじろく報告ほうこくしょ素案そあん)などは、http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/soshiki/9-6-3-0-0_2.html参照さんしょう
★2 どう人権じんけん啓発けいはつ資料しりょうかんしては、http://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000078156.html参照さんしょう
★3 コミュニティセンターの転用てんよう計画けいかくかんしては、差別さべつ部落ぶらくにおいてもはじまっており、そのだい意見いけん募集ぼしゅう結果けっか公表こうひょうされている(たかしじん地区ちくふくむ)。意見いけんすうは141けん意見いけん項目こうもくは283けんである。担当たんとうである人権じんけん文化ぶんか推進すいしん京都きょうと)の基本きほんてきかんがかたとしては、かん機能きのう継続けいぞく利用りようりょう徴収ちょうしゅうといった型通かたどおりであるかんいなめず、有効ゆうこう打開だかいさくはまだえていない。http://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000080898.html参照さんしょう

注記ちゅうき
 ほんインタビューは、2010ねん4がつ15にちったものである。ここにしるされている内容ないよう山内やまうち確認かくにんしていただきご了承りょうしょういただいたうえで、WEBでの公開こうかいおこなっているものである。また、軽微けいび字句じく修正しゅうせいおよ補足ほそく括弧かっこ)、註は山本やまもとくわえた。


作成さくせい山本やまもと たかし
UP: 20100612 REV:
全文ぜんぶん掲載けいさい  ◇地域ちいき社会しゃかいにおけるマイノリティの生活せいかつ実践じっせん動態どうたい政策せいさくてき介入かいにゅう力学りきがくかんする社会しゃかいがく研究けんきゅう
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