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「(声)「感動した」で終わらないで」
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「(こえ)「感動かんどうした」でわらないで」

朝日新聞あさひしんぶん大阪おおさか朝刊ちょうかん:22 20101203
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last update:20101206

 大学院生だいがくいんせい 安田やすだ真之まさゆき京都きょうと中京ちゅうきょう 24)
 3にちから「障害しょうがいしゃ週間しゅうかん」。まれつき視覚しかく障害しょうがいのあるわたしは、大学だいがく福祉ふくし関係かんけい授業じゅぎょうなどで「ごろかんじていることをはなしてほしい」とたのまれることがある。
 そこでは、障害しょうがいしゃとして生活せいかつするなかでの困難こんなんや、その困難こんなんはなぜまれるのかといったはなしをする。そのうえで、わたしはボランティアのひとたすけられたりパソコンを活用かつようしたりしてなんとか対応たいおうしてきた、と説明せつめいする。すると「かた素晴すばらしい」「感動かんどうした」といった感想かんそうをいただく。だがわたしは、そのたびに複雑ふくざつ心境しんきょうになる。
 称賛しょうさんされるだけでは、わたしつたえたいごろの生活せいかつじょうくるしみや社会しゃかいたいするおもい、聴衆ちょうしゅういちにんひとりへの期待きたいといったことに、けられるとはおもえないからである。かりに感動かんどうしたのであれば、その背景はいけいにはかたをそこまで懸命けんめいにさせる社会しゃかいてき状況じょうきょうがあるはずである。「感動かんどうした」でわらせず、そうした社会しゃかいのありかたにこそけていただきたいのだ。
 障害しょうがいしゃきづらくしている現状げんじょう社会しゃかい全体ぜんたい関心かんしんをもち、ではどうえていくべきかをかんがえてほしい。そのことが障害しょうがいしゃ週間しゅうかん趣旨しゅしである、だれもがたがいに人格じんかく個性こせい尊重そんちょうし、ささう「共生きょうせい社会しゃかい実現じつげんへの第一歩だいいっぽになるとおもう。


作成さくせい安田やすだ 真之まさゆき
UP: 20101206 REV:
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