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村上潔「【美の散歩道 46】アート/書物の枠を超えて形成される文化の場」
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散歩道さんぽみち 46】アート/書物しょもつわくえて形成けいせいされる文化ぶんか

村上むらかみ きよし現代げんだい女性じょせい思想しそう運動うんどう研究けんきゅう) 2016/04/00
島田しまだまことほかへん『Gallery SHIMADA & Art Support Center Kobe INFORMATION 2016.4』
ギャラリー島田しまだ/アート・サポート・センター神戸こうべ

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last update: 20160401


 2016ねん1がつ30にち〜2がつ6にちにかけて、ロンドンに調査ちょうさ出張しゅっちょうをしてきました。だいして、「ロンドンにおけるフェミニスト・アーカイブならびにフェミニスト・ジン・シーンの現状げんじょう調査ちょうさ。フェミニスト/クィア・ジンのイベント《WEIRDO ZINE FEST》への参加さんか、〈The Feminist Library〉のアーカイブ状況じょうきょう調査ちょうさ、〈LSE Library〉の「The Women's Library collection」所蔵しょぞう資料しりょう調査ちょうさ、などがしゅたる内容ないようでしたが、あいまに、独立どくりつけい書店しょてんちいさなギャラリーもいくつかまわりました。
 そこでひとつ、不思議ふしぎかんじたことがあります。そこでおとずれた場所ばしょ印象いんしょうに、どこかどおりそこするものがあるのです。滞在たいざいちゅうもそうかんじていましたし、いまおもかえしてもそうです。図書館としょかんも、本屋ほんやも、ギャラリーも、ジン・フェスト会場かいじょうも。どれもちがう空間くうかんで、個性こせいがあるのに、共通きょうつうして一定いっていたかさまでおな成分せいぶんみずまっていて、そこにあしかっているかのような感覚かんかくがあるのです。
 この不思議ふしぎ感覚かんかくなに起因きいんするのか、かんがえてみました。まず、【1】空間くうかん社会しゃかいてき規定きていえて総合そうごうてき文化ぶんかつたえるはばひろさ、という要素ようそがあるのだとおもいます。アートけい書店しょてんにラディカルな思想しそうしょひらみされていたり。ギャラリーの展示てんじが、フェミニズムをもちいた分類ぶんるい構成こうせいされていたり。また、ジンや女性じょせい運動うんどう資料しりょうには、政治せいじてき主張しゅちょう自己じこ表現ひょうげんとアートがざってまっている。だから、上記じょうきの「」は空間くうかんてき別個べっこで、形態けいたいことなっても、どこかでよこにつながっているのです。そして、【2】いずれにも感受かんじゅ思考しこう)のアクティビティと、それへの欲求よっきゅう渦巻うずまいていること。そこでは、作家さっか/キュレーター/店員てんいん[=おくしゅ]と来訪らいほうしゃきゃく[=]が、おな目的もくてき問題もんだい意識いしき共有きょうゆうしている状況じょうきょうがあります。
 追求ついきゅうから、文化ぶんか感受かんじゅ思考しこうできる多様たよう人々ひとびと設定せっていし、活用かつようする。わたしはそうした状況じょうきょう体感たいかんしたのだとおもいます。そしてわたしは、〈ギャラリー島田しまだ〉を神戸こうべ空間くうかん環境かんきょうも、そうした要素ようそ潜在せんざいてきゆうしているはずだ、とかんじています。それがはっきりえてくるることを、っている自分じぶんがいます。

◇ギャラリー島田しまだ http://gallery-shimada.com/
◇アート・サポート・センター神戸こうべ http://gallery-shimada.com/salon/


作成さくせい村上むらかみ きよし
UP: 20160401 REV:
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