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上野千鶴子・中西正司編『ニーズ中心の福祉社会へ――当事者主権の次世代福祉戦略』
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『ニーズ
中心
ちゅうしん
の
福祉
ふくし
社会
しゃかい
へ――
当事
とうじ
者
しゃ
主権
しゅけん
の
次世代
じせだい
福祉
ふくし
戦略
せんりゃく
』
上野
うえの
千鶴子
ちづこ
・
中西
なかにし
正司
せいじ
編
へん
20081001
医学書院
いがくしょいん
,296p.
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けいゆ
で
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こうにゅう
すると
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きふ
されます
■2009/01/20
書評
しょひょう
セッション
於:
東京
とうきょう
大学
だいがく
(
本郷
ほんごう
)
■
上野
うえの
千鶴子
ちづこ
・
中西
なかにし
正司
せいじ
編
へん
20081001 『ニーズ
中心
ちゅうしん
の
福祉
ふくし
社会
しゃかい
へ――
当事
とうじ
者
しゃ
主権
しゅけん
の
次世代
じせだい
福祉
ふくし
戦略
せんりゃく
』,
医学書院
いがくしょいん
,296p. ISBN-10: 4260006436 ISBN-13: 9784260006439 2310
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/
[kinokuniya]
※ a02 a06 d00
■
医学書院
いがくしょいん
のHP
http://www.igaku-shoin.co.jp/bookPrint.do?book=30101
「
当事
とうじ
者
しゃ
主権
しゅけん
」を
実現
じつげん
するためのデザイン! ビジョン!! アクション!!!
「こうあってほしい」という
構想
こうそう
力
りょく
をもったとき、
人
ひと
はニーズを
知
し
り、
当事
とうじ
者
しゃ
になる。この《
当事
とうじ
者
しゃ
ニーズ》こそが
次世代
じせだい
福祉
ふくし
のキーワードだと
考
かんが
える
研究
けんきゅう
者
しゃ
とアクティビストたちが、
安心
あんしん
して「おひとりさまの
老後
ろうご
」を
迎
むか
えられる
社会
しゃかい
を
目指
めざ
して、
具体
ぐたい
的
てき
シナリオを
提示
ていじ
する。
時代
じだい
は
次
つぎ
の
一
いち
歩
ほ
へ。
■はじめに
誰
だれ
のための、
何
なに
のための
福祉
ふくし
か?
(
全文
ぜんぶん
)
どんなサービスもニーズを
満
み
たすためにつくられる。
制度
せいど
や
政策
せいさく
の
効果
こうか
は
当事
とうじ
者
しゃ
ニーズによって
最終
さいしゅう
的
てき
に
判定
はんてい
されなければならない。そうでない
制度
せいど
や
政策
せいさく
は
無益
むえき
なだけでなく、ムダで
有害
ゆうがい
でさえある。
「
当事
とうじ
者
しゃ
」の「ニーズ」を
満
み
たすことのできる
福祉
ふくし
社会
しゃかい
は
可能
かのう
か?
「ニーズ
中心
ちゅうしん
の
福祉
ふくし
社会
しゃかい
」と、
今
いま
さらのように
言
い
わなければならないのは、
制度
せいど
と
政策
せいさく
とが「
当事
とうじ
者
しゃ
ニーズ」をおきざりにして
進
すす
んでいるように
見
み
えるからである。
共編
きょうへん
者
しゃ
の
上野
うえの
千鶴子
ちづこ
と
中西
なかにし
正司
せいじ
は
二
に
〇〇
三
さん
年
ねん
に
共著
きょうちょ
で『
当事
とうじ
者
しゃ
主権
しゅけん
』(
岩波
いわなみ
新書
しんしょ
)を
著
あらわ
した。それから
五
ご
年
ねん
。わたしたちはその
後
ご
、「
当事
とうじ
者
しゃ
主権
しゅけん
」の
理念
りねん
にもとづく、
次世代
じせだい
型
がた
の
福祉
ふくし
戦略
せんりゃく
を
構想
こうそう
しようとしてきたが、
二
に
〇〇
五
ご
年
ねん
には
障害
しょうがい
者
しゃ
自立
じりつ
支援
しえん
法
ほう
が
成立
せいりつ
し、さらに
二
に
〇〇
三
さん
年
ねん
と
二
に
〇〇
六
ろく
年
ねん
には
介護
かいご
保険
ほけん
法
ほう
の
改定
かいてい
が
行
おこな
われ、
社会
しゃかい
保障
ほしょう
費
ひ
の
総量
そうりょう
抑制
よくせい
の
政策
せいさく
方針
ほうしん
のもとに、
状況
じょうきょう
はその
当時
とうじ
よりもむしろ
悪化
あっか
している。この
流
なが
れを
押
お
し
戻
もど
し、ほんとうに
当事
とうじ
者
しゃ
にとってほしいサービスが
手
て
に
入
はい
る
社会
しゃかい
をつくるために
一
いち
歩
ほ
をすすめることは、
重要
じゅうよう
でかつ
喫緊
きっきん
の
課題
かだい
である。この
福祉
ふくし
社会
しゃかい
への
転換期
てんかんき
をどう
乗
の
り
切
き
るかは、
今後
こんご
三
さん
〇
年間
ねんかん
の
日本
にっぽん
社会
しゃかい
のシナリオを
決
き
めるであろう。すなわち
現在
げんざい
壮年
そうねん
期
き
にあるひとびとが、
高齢
こうれい
期
き
に
入
はい
ったときの、
運命
うんめい
を
決
き
めることになるだろう。
ニーズ
中心
ちゅうしん
の
福祉
ふくし
社会
しゃかい
を、できないと
悲観
ひかん
する
前
まえ
に、わたしたちは、それが
必要
ひつよう
だし
可能
かのう
だと
宣言
せんげん
したい。そしてたんに
希望
きぼう
的
てき
な
観測
かんそく
を
述
の
べるのではなく、どのような
理念
りねん
にもとづいて、
何
なに
を、どうして、どこに
配慮
はいりょ
しながら、どうすれば、
実現
じつげん
できるか、の
道筋
みちすじ
を
示
しめ
そうとした。そのための
理念
りねん
と
制度
せいど
のデザイン、
経験
けいけん
的
てき
エビデンスにもとづく
問題
もんだい
点
てん
と
実行
じっこう
可能
かのう
性
せい
、
実現
じつげん
のためのビジョンとアクションのシナリオを
示
しめ
した。
共著
きょうちょ
者
しゃ
には、そのために
今日
きょう
得
え
られる
最適
さいてき
の
人材
じんざい
を
結集
けっしゅう
した。
本書
ほんしょ
の
共著
きょうちょ
者
しゃ
は、「ニーズ
中心
ちゅうしん
の
福祉
ふくし
社会
しゃかい
」が
必要
ひつよう
であり、かつ
可能
かのう
であることに
共感
きょうかん
した
研究
けんきゅう
者
しゃ
とアクティビストの
集
あつ
まりである。
本書
ほんしょ
は
数
すう
次
じ
にわたるインテンシブな
研究
けんきゅう
会
かい
の
過程
かてい
で、お
互
たが
いのアイディアを
示
しめ
しながら、
相互
そうご
に
批判
ひはん
的
てき
に
検討
けんとう
しあう
生産
せいさん
的
てき
な
過程
かてい
から
生
う
まれた
協
きょう
働
はたらけ
の
産物
さんぶつ
であり、たんなる
依頼
いらい
原稿
げんこう
の
集積
しゅうせき
ではない。
本書
ほんしょ
の
共著
きょうちょ
者
しゃ
は、みずからの
経験
けいけん
的
てき
研究
けんきゅう
と
理論
りろん
的
てき
探究
たんきゅう
の
成果
せいか
をおしみなく
提示
ていじ
し、デザインとビジョンとを
世
よ
に
問
と
おうとした。そのうえで、それを
実現
じつげん
するためのアクションのシナリオも
提示
ていじ
した。
選択肢
せんたくし
はある。それを
選
えら
ぶかどうかは、あなた
次第
しだい
である。
共編
きょうへん
者
しゃ
識す
■
目次
もくじ
はじめに
理念
りねん
第
だい
1
章
しょう
当事
とうじ
者
しゃ
とは
誰
だれ
か?―ニーズ
中心
ちゅうしん
の
福祉
ふくし
社会
しゃかい
のために(
上野
うえの
千鶴子
ちづこ
)
ニーズとサービス
第
だい
2
章
しょう
ケアサービスのシステムと
当事
とうじ
者
しゃ
主権
しゅけん
(
笹谷
ささや
春美
はるみ
)
第
だい
3
章
しょう
高齢
こうれい
者
しゃ
のニーズ
生成
せいせい
のプロセス
―
介護
かいご
保険
ほけん
サービス
利用
りよう
者
しゃ
の
語
かた
りから(
齋藤
さいとう
曉子
あきこ
)
第
だい
4
章
しょう
ニーズはなぜ
潜在
せんざい
化
か
するのか
―
高齢
こうれい
者
しゃ
虐待
ぎゃくたい
問題
もんだい
と
増大
ぞうだい
する「
息子
むすこ
」
加害
かがい
者
しゃ
(
春日
かすが
キスヨ
)
事業
じぎょう
第
だい
5
章
しょう
福祉
ふくし
多元
たげん
社会
しゃかい
における
協
きょう
セクターの
役割
やくわり
(
上野
うえの
千鶴子
ちづこ
)
第
だい
6
章
しょう
福祉
ふくし
事業
じぎょう
における
非
ひ
営利
えいり
・
協同
きょうどう
セクターの
実践
じっせん
―
生活
せいかつ
クラブ
生協
せいきょう
千葉
ちば
の
事例
じれい
から(
池田
いけだ
徹
とおる
)
制度
せいど
第
だい
7
章
しょう
三
みっ
つの
福祉
ふくし
政府
せいふ
体系
たいけい
と
当事
とうじ
者
しゃ
主権
しゅけん
(
大沢
おおさわ
真理
しんり
)
第
だい
8
章
しょう
これからの
社会
しゃかい
保障
ほしょう
政策
せいさく
と
障害
しょうがい
福祉
ふくし
―
高齢
こうれい
者
しゃ
ケアとの
統合
とうごう
を
含
ふく
む
社会
しゃかい
サービスの
可能
かのう
性
せい
を
視野
しや
に(
広井
ひろい
良典
よしのり
)
アクション
第
だい
9
章
しょう
楽観
らっかん
してよいはずだ(
立岩
たていわ
真
ま
也
)
第
だい
10
章
しょう
当事
とうじ
者
しゃ
主権
しゅけん
の
福祉
ふくし
戦略
せんりゃく
―ユーザーユニオンの
結成
けっせい
へ(
中西
なかにし
正司
しょうじ
)
索引
さくいん
あとがき
■
◆
上野
うえの
千鶴子
ちづこ
20081001 「
当事
とうじ
者
しゃ
とは
誰
だれ
か?――ニーズ
中心
ちゅうしん
の
福祉
ふくし
社会
しゃかい
のために」,
上野
うえの
・
中西
なかにし
編
へん
[2008:10-37]
◆
笹谷
ささや
春美
はるみ
20081001 「ケアサービスのシステムと
当事
とうじ
者
しゃ
主権
しゅけん
」,
上野
うえの
・
中西
なかにし
編
へん
[2008:40-68]
◆
齋藤
さいとう
曉子
あきこ
20081001 「
高齢
こうれい
者
しゃ
のニーズ
生成
せいせい
のプロセス――
介護
かいご
保険
ほけん
サービス
利用
りよう
者
しゃ
の
語
かた
りから」,
上野
うえの
・
中西
なかにし
編
へん
[2008:70-90]
◆
春日
しゅんじつ
キスヨ
20081001 「ニーズはなぜ
潜在
せんざい
化
か
するのか――
高齢
こうれい
者
しゃ
虐待
ぎゃくたい
問題
もんだい
と
増大
ぞうだい
する「
息子
むすこ
」
加害
かがい
者
しゃ
」,
上野
うえの
・
中西
なかにし
編
へん
[2008:92-124]
◆
上野
うえの
千鶴子
ちづこ
20081001 「
福祉
ふくし
多元
たげん
社会
しゃかい
における
協
きょう
セクターの
役割
やくわり
」,
上野
うえの
・
中西
なかにし
編
へん
[2008:126-153]
◆
池田
いけだ
徹
とおる
20081001 「
福祉
ふくし
事業
じぎょう
における
非
ひ
営利
えいり
・
協同
きょうどう
セクターの
実践
じっせん
――
生活
せいかつ
クラブ
生協
せいきょう
千葉
ちば
の
事例
じれい
から」,
上野
うえの
・
中西
なかにし
編
へん
[2008:154-175]
◆
大沢
おおさわ
真理
まり
20081001 「
三
みっ
つの
福祉
ふくし
政府
せいふ
体系
たいけい
と
当事
とうじ
者
しゃ
主権
しゅけん
」,
上野
うえの
・
中西
なかにし
編
へん
[2008:178-199]
◆
広井
ひろい
良典
よしのり
20081001 「これからの
社会
しゃかい
保障
ほしょう
政策
せいさく
と
障害
しょうがい
福祉
ふくし
――
高齢
こうれい
者
しゃ
ケアとの
統合
とうごう
を
含
ふく
む
社会
しゃかい
サービスの
可能
かのう
性
せい
を
視野
しや
に」,
上野
うえの
・
中西
なかにし
編
へん
[2008:200-218]
◆
立岩
たていわ
真
しん
也
20081001 「
楽観
らっかん
してよいはずだ」,
上野
うえの
・
中西
なかにし
編
へん
[2008:220-242]
◆
中西
なかにし
正司
せいじ
20081001 「
当事
とうじ
者
しゃ
主権
しゅけん
の
福祉
ふくし
戦略
せんりゃく
――ユーザーユニオンの
結成
けっせい
へ」,
上野
うえの
・
中西
なかにし
編
へん
[2008:244-276]
■
◆
立岩
たていわ
真
しん
也
20081001 「
楽観
らっかん
してよいはずだ」,
上野
うえの
・
中西
なかにし
編
へん
[2008:220-242]
注
ちゅう
・
文献
ぶんけん
等
とう
*
見出
みだ
し(
項
こう
)の
題
だい
は
編集
へんしゅう
者
しゃ
による
1
何
なに
が
起
お
こってきたのか?
高齢
こうれい
者
しゃ
の
制度
せいど
vs.
障害
しょうがい
者
しゃ
の
制度
せいど
2
人
ひと
の
心配
しんぱい
について
「
負担
ふたん
が
増
ふ
える」はほんとうか
人
ひと
は
足
た
りている
3
金
かね
の
心配
しんぱい
について
まずは
累進
るいしん
性
せい
をもとに
戻
もど
す
心配
しんぱい
するより
分配
ぶんぱい
せよ
4
細切
こまぎ
れの
不
ふ
合理
ごうり
不合理
ふごうり
な「
合理
ごうり
化
か
」
「
人
ひと
や
金
きん
を
増
ふ
やす」という
合理
ごうり
化
か
5 「
過小
かしょう
申告
しんこく
」と
家族
かぞく
のこと
家族
かぞく
を
正
ただ
しい
位置
いち
におく
当事
とうじ
者
しゃ
の
権利
けんり
を
擁護
ようご
する
組織
そしき
を
6 「
過大
かだい
申告
しんこく
」と
基準
きじゅん
について
「
最低
さいてい
限度
げんど
」「
人並
ひとな
み」は
自明
じめい
ではない
上限
じょうげん
はおのずと
決
き
まってくる
それでも
基準
きじゅん
が
必要
ひつよう
ならば…
*この
章
しょう
に
記
しる
したこと(のかなりの
部分
ぶぶん
)をより
詳細
しょうさい
に
論
ろん
じたものとして、
立岩
たていわ
『
良
よ
い
死
し
』
(2008、
筑摩書房
ちくましょぼう
)
第
だい
3
章
しょう
「
犠牲
ぎせい
と
不足
ふそく
について」があります。
読
よ
んでいただけたらありがたいです。(
立岩
たていわ
)
■
引用
いんよう
◆はじめに
「
共編
きょうへん
者
しゃ
の
上野
うえの
千鶴子
ちづこ
と
中西
なかにし
正司
せいじ
は
二
に
〇〇
三
さん
年
ねん
に
共著
きょうちょ
で『
当事
とうじ
者
しゃ
主権
しゅけん
』(
岩波
いわなみ
新書
しんしょ
)を
著
あらわ
した。それから
五
ご
年
ねん
。わたしたちはその
後
ご
、「
当事
とうじ
者
しゃ
主権
しゅけん
」の
理念
りねん
にもとづく、
次世代
じせだい
の
福祉
ふくし
戦略
せんりゃく
を
構想
こうそう
しようとしてきたが、
二
に
〇〇
五
ご
年
ねん
には
障害
しょうがい
者
しゃ
自立
じりつ
支援
しえん
法
ほう
が
成立
せいりつ
し、さらに
二
に
〇〇
三
さん
年
ねん
と
二
に
〇〇
六
ろく
年
ねん
には
介護
かいご
保険
ほけん
法
ほう
の
改定
かいてい
が
行
おこな
われ、
社会
しゃかい
保障
ほしょう
費
ひ
の
総量
そうりょう
抑制
よくせい
の
政策
せいさく
方針
ほうしん
のもとに、
状況
じょうきょう
はその
当時
とうじ
よりもむしろ
悪化
あっか
している。この
流
なが
れを
押
お
し
戻
もど
し、ほんとうに
当事
とうじ
者
しゃ
にとってほしいサービスが
手
て
に
入
はい
る
社会
しゃかい
をつくるために
一
いち
歩
ほ
をすすめることは、
重要
じゅうよう
でかつ
喫緊
きっきん
の
課題
かだい
である。」(p.3)
◆
大沢
おおさわ
真理
まり
20081001 「
三
みっ
つの
福祉
ふくし
政府
せいふ
体系
たいけい
と
当事
とうじ
者
しゃ
主権
しゅけん
」,
上野
うえの
・
中西
なかにし
編
へん
[2008:178-199]
「OECD
諸国
しょこく
の
状況
じょうきょう
を
見渡
みわた
すと、
一
いち
九
きゅう
九
きゅう
〇−
二
に
〇〇
二
に
年
ねん
に
一貫
いっかん
して
租税
そぜい
負担
ふたん
率
りつ
が
顕著
けんちょ
に
低下
ていか
したのは、
日本
にっぽん
だけである[…]
その
租税
そぜい
負担
ふたん
率
りつ
の
低下
ていか
はほとんど
国税
こくぜい
で
起
お
こった。
金額
きんがく
では
租税
そぜい
収入
しゅうにゅう
のピークは
一
いち
九
きゅう
九
きゅう
一
いち
年度
ねんど
の
九
きゅう
八
はち
兆
ちょう
二
に
八
はち
〇〇
億
おく
円
えん
であり、それが
二
に
〇〇
三
さん
年度
ねんど
には
八
はち
割
わり
弱
じゃく
の
七
なな
八
はち
兆
ちょう
円
えん
あたりまで
低下
ていか
した。
国税
こくぜい
収入
しゅうにゅう
では、ピークの
九
きゅう
一
いち
年度
ねんど
の
六
ろく
三
さん
兆
ちょう
円
えん
あまりが
二
に
〇〇
三
さん
年度
ねんど
には
四
よん
五
ご
兆
ちょう
三
さん
七
なな
〇〇
億
おく
円
えん
まで
収縮
しゅうしゅく
した(
地方
ちほう
税収
ぜいしゅう
は
三
さん
四
よん
兆
ちょう
円
えん
前後
ぜんこう
で
推移
すいい
、
二
に
〇〇三年度以降国税は
増収
ぞうしゅう
)。[…]
ようするに、
九
きゅう
〇
年代
ねんだい
末
まつ
から
企業
きぎょう
と
高
こう
所得
しょとく
者
しゃ
・
資産
しさん
家
か
への
課税
かぜい
を
軽減
けいげん
することにより、
国税
こくぜい
のなかでも
直接
ちょくせつ
税収
ぜいしゅう
が
削減
さくげん
された。[…]
一
いち
九
きゅう
九
きゅう
〇
年代
ねんだい
なかばの
日本
にっぽん
の
税
ぜい
・
社会
しゃかい
保障
ほしょう
の
再
さい
分配
ぶんぱい
効果
こうか
は、OECD
主要
しゅよう
国
こく
のなかで
際立
きわだ
って
小
ちい
さかった[…]。
[…]
八
はち
〇
年代
ねんだい
およびとくに
九
きゅう
〇
年代
ねんだい
に
税制
ぜいせい
の
再
さい
分配
ぶんぱい
効果
こうか
が
相当
そうとう
に
低下
ていか
した[…]。
最高
さいこう
税率
ぜいりつ
の
引
ひ
き
下
さ
げなど
所得
しょとく
税
ぜい
の
累進
るいしん
性
せい
が
弱
よわ
められたこと、
逆進
ぎゃくしん
性
せい
をもつ
消費
しょうひ
税
ぜい
の
比重
ひじゅう
が
増
ま
したことなどが
背景
はいけい
にある。いまや
国税
こくぜい
収入
しゅうにゅう
を
凌駕
りょうが
する
比重
ひじゅう
をもつにいたった
社会
しゃかい
保障
ほしょう
負担
ふたん
には、
所得
しょとく
比例
ひれい
の
拠出
きょしゅつ
ながら
最上
さいじょう
限
げん
(
雇用
こよう
者
しゃ
社会
しゃかい
負担
ふたん
の
標準
ひょうじゅん
報酬
ほうしゅう
月額
げつがく
)があること、
国民
こくみん
年金
ねんきん
第
だい
一
いち
号
ごう
被
ひ
保険
ほけん
者
しゃ
の
保険
ほけん
料
りょう
や
国民
こくみん
健康
けんこう
保険
ほけん
の
均等
きんとう
割
わり
のように、
所得
しょとく
によらない
定額
ていがく
部分
ぶぶん
があることにより、
逆進
ぎゃくしん
的
てき
になっている。
日本
にっぽん
の
小
ちい
さな
福祉
ふくし
政府
せいふ
のわずかな
所得
しょとく
再
さい
分配
ぶんぱい
機能
きのう
は、
社会
しゃかい
保障
ほしょう
の
給付
きゅうふ
面
めん
に
不釣合
ふつりあい
いなまでに
依存
いぞん
しているのである。」(
大澤
おおさわ
[2008:188-189]、
使
つか
われている
文献
ぶんけん
は
生活
せいかつ
経済
けいざい
研究所
けんきゅうじょ
[2007]、
橘
たちばな
木
き
[2006])
生活
せいかつ
経済
けいざい
研究所
けんきゅうじょ
2007 『
税制
ぜいせい
改革
かいかく
に
向
む
けて――
公平
こうへい
で
税収
ぜいしゅう
調達
ちょうたつ
力
りょく
が
高
たか
い
税制
ぜいせい
をめざして』、
生活
せいかつ
研
けん
ブックス25
橘
たちばな
木
き
俊
しゅん
詔
みことのり
2006 『
格差
かくさ
社会
しゃかい
――
何
なに
が
問題
もんだい
なのか』、
岩波
いわなみ
新書
しんしょ
◆
広井
ひろい
良典
よしのり
20081001 「これからの
社会
しゃかい
保障
ほしょう
政策
せいさく
と
障害
しょうがい
福祉
ふくし
――
高齢
こうれい
者
しゃ
ケアとの
統合
とうごう
を
含
ふく
む
社会
しゃかい
サービスの
可能
かのう
性
せい
を
視野
しや
に」,
上野
うえの
・
中西
なかにし
編
へん
[2008:200-218]
「
基本
きほん
認識
にんしき
として、@
高齢
こうれい
化
か
等
とう
を
背景
はいけい
に
保険
ほけん
原理
げんり
(
拠出
きょしゅつ
と
給付
きゅうふ
の
均衡
きんこう
)が
成
な
り
立
た
ちにくい
層
そう
が
増
ふ
えているという
点
てん
からも、A
社会
しゃかい
保険
ほけん
が
前提
ぜんてい
とする
共同
きょうどう
体
たい
的
てき
基盤
きばん
や
企業
きぎょう
(
雇用
こよう
)・
家族
かぞく
の
画一
かくいつ
性
せい
が
揺
ゆ
らいでいるという
点
てん
からも、
社会
しゃかい
保障
ほしょう
財源
ざいげん
における「
税
ぜい
」の
比重
ひじゅう
を
高
たか
めていかざるを
得
え
ないと
考
かんが
えられる。
実際
じっさい
、ヨーロッパ
諸国
しょこく
においても
社会
しゃかい
保険
ほけん
財源
ざいげん
→
税
ぜい
財源
ざいげん
へのシフトの
傾向
けいこう
が
見
み
られる[…]。
検討
けんとう
されるべき
税
ぜい
財源
ざいげん
としては、
所得
しょとく
税
ぜい
の
累進
るいしん
性
せい
の
強化
きょうか
と
並
なら
び、@
消費
しょうひ
税
ぜい
、A
相続
そうぞく
税
ぜい
、B
環境
かんきょう
税
ぜい
、C
土地
とち
課税
かぜい
等
とう
を
重要
じゅうよう
な
財源
ざいげん
として
議論
ぎろん
し
実現
じつげん
していくべきである。」(
広井
ひろい
[2008:210])
◆
立岩
たていわ
真
しん
也
20081001 「
楽観
らっかん
してよいはずだ」,
上野
うえの
・
中西
なかにし
編
へん
[2008:220-242]
「とりあえずすぐにできることとして
累進
るいしん
課税
かぜい
の
累進
るいしん
性
せい
をもとに
戻
もど
すことがある。
多
おお
くの
人
ひと
は
知
し
らないか
忘
わす
れていることだが、
多
おお
く
受
う
け
取
と
った
人
ひと
からは
多
おお
く(
高
たか
い
割合
わりあい
で)
税
ぜい
をとるというその
度合
どあ
いを
小
ちい
さくして、そのままになってしまっている。だからそれをやめよう、まずは、すくなくとも、もとに
戻
もど
そうということだ。」(
立岩
たていわ
[2008:226])
◆
中西
なかにし
正司
せいじ
20081001 「
当事
とうじ
者
しゃ
主権
しゅけん
の
福祉
ふくし
戦略
せんりゃく
――ユーザーユニオンの
結成
けっせい
へ」,
上野
うえの
・
中西
なかにし
編
へん
[2008:244-276]
「
高額
こうがく
所得
しょとく
者
しゃ
の
累進
るいしん
課税
かぜい
、
企業
きぎょう
税
ぜい
を
一
いち
九
きゅう
九
きゅう
〇
年
ねん
当時
とうじ
に
戻
もど
す。これだけで
二
に
二
に
兆
ちょう
円
えん
が
生
う
まれる。
相続
そうぞく
税
ぜい
、
固定
こてい
資産
しさん
税
ぜい
、
企業
きぎょう
資産
しさん
税
ぜい
とその
所得
しょとく
への
課税
かぜい
を
強化
きょうか
したうえで、
基本
きほん
的
てき
生活
せいかつ
物資
ぶっし
に
課税
かぜい
しない
方向
ほうこう
で
消費
しょうひ
税
ぜい
<0267<を検討する。ちなみに一五〇〇万円を超える金融資産に課税すると課税ベースは一〇〇〇兆円となり、それに三%の税率を課すと三〇兆円がえられる(神野・宮本[2006]でのデータをもとに試算)。」(中西[2008:267-268])
「それではわれわれが
求
もと
めるサービスを
実施
じっし
するのに
必要
ひつよう
な
額
がく
は、いったいいくらなのであろうか。」(
中西
なかにし
[2008:268])
「すべてを
合計
ごうけい
しても
三
さん
兆
ちょう
四
よん
〇〇〇
億
おく
でしかない。われわれの
試算
しさん
では
九
きゅう
〇
年代
ねんだい
税制
ぜいせい
に
戻
もど
すだけで
二
に
二
に
兆
ちょう
円
えん
、
金融
きんゆう
資産
しさん
課税
かぜい
を
税率
ぜいりつ
三
さん
%とすれば
三
さん
〇
兆
ちょう
円
えん
も
生
う
み
出
だ
せた。
四
よん
兆
ちょう
円
えん
というのはその
一
いち
〇
分
ぶん
の
一
いち
にもならないささやかな
額
がく
ではないか。できないはずはない。」(
中西
なかにし
[2008:269])
■
書評
しょひょう
・
紹介
しょうかい
◆2008/10/12
http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/971029ca7abc654ec22840cfc6beae11
◆2008/10/13
http://yaplog.jp/nakanishi-t/archive/69
◆2008/11/30
http://d.hatena.ne.jp/schizophrenic/20081130/1228054404
◆
川口
かわぐち
有美子
ゆみこ
2008/12/31 「
書評
しょひょう
:
上野
うえの
千鶴子
ちづこ
・
中西
なかにし
正司
せいじ
編
へん
『ニーズ
中心
ちゅうしん
の
福祉
ふくし
社会
しゃかい
へ』」
KINOKUNIYA
書評
しょひょう
空間
くうかん
BOOKLOG
http://booklog.kinokuniya.co.jp/kawaguchi/archives/2008/12/31/
◆
立岩
たていわ
真
しん
也 2009/01/25
「『ニーズ
中心
ちゅうしん
の
福祉
ふくし
社会
しゃかい
へ』」
(
医療
いりょう
と
社会
しゃかい
ブックガイド・90),『
看護
かんご
教育
きょういく
』49-(2009-1):-(
医学書院
いがくしょいん
),
◆
立岩
たていわ
真
しん
也 2009/02/25
「『ニーズ
中心
ちゅうしん
の
福祉
ふくし
社会
しゃかい
へ』
続
ぞく
」
(
医療
いりょう
と
社会
しゃかい
ブックガイド・91),『
看護
かんご
教育
きょういく
』49-(2009-2):-(
医学書院
いがくしょいん
),
■
言及
げんきゅう
◆
立岩
たていわ
真
しん
也 2008/09/05
『
良
よ
い
死
し
』
,
筑摩書房
ちくましょぼう
,374p. ISBN-10: 4480867198 ISBN-13: 978-4480867193 2940
[amazon]
/
[kinokuniya]
※ d01. et.,
◆2008/10/13
http://plaza.rakuten.co.jp/ayayamoon/diary/200810310000/
◆
立岩
たていわ
真
しん
也 2008/11/01 「
税制
ぜいせい
について――
家族
かぞく
・
性
せい
・
市場
いちば
38」,『
現代
げんだい
思想
しそう
』36-(2008-11):-
資料
しりょう
◆
立岩
たていわ
真
しん
也 2009/02/01
「
二
に
〇〇
八
はち
年
ねん
読書
どくしょ
アンケート」
,『みすず』51-1(2009-1・2 no.569):-
◆
立岩
たていわ
真
しん
也 2009/03/25
「『
現代
げんだい
思想
しそう
』
特集
とくしゅう
:ケアの
未来
みらい
――
介護
かいご
・
労働
ろうどう
・
市場
いちば
」
(
医療
いりょう
と
社会
しゃかい
ブックガイド・92),『
看護
かんご
教育
きょういく
』49-3(2009-3):-(
医学書院
いがくしょいん
),
◆
立岩
たていわ
真
しん
也 20140825
『
自閉症
じへいしょう
連続
れんぞく
体
たい
の
時代
じだい
』
,みすず
書房
しょぼう
,352p. ISBN-10: 4622078457 ISBN-13: 978-4622078456 3700+
[amazon]
/
[kinokuniya]
※
UP:20080925 REV:20081010,13, 1126, 1213, 15, 1227 20090110, 29,0801, 20140825
◇
上野
うえの
千鶴子
ちづこ
◇
中西
なかにし
正司
せいじ
◇
介助
かいじょ
◇
老
お
い
◇
障害
しょうがい
(
者
しゃ
)・
障害
しょうがい
学
がく
・
関連
かんれん
書籍
しょせき
◇
テキストデータ
入手
にゅうしゅ
可能
かのう
な
本
ほん
◇
身体
しんたい
×
世界
せかい
:
関連
かんれん
書籍
しょせき
◇
BOOK
TOP
HOME (http://www.arsvi.com)
◇