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視労協編『障害の地平』No.83
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障害しょうがい地平ちへい』No.83

視覚しかく障害しょうがいしゃ労働ろうどう問題もんだい協議きょうぎかい へん 19950627 SSK通巻つうかんだい564ごう身体しんたい障害しょうがいしゃ定期ていき刊行かんこうぶつ協会きょうかい,24p.

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last update: 20210528



視覚しかく障害しょうがいしゃ労働ろうどう問題もんだい協議きょうぎかい へん 19950627 『障害しょうがい地平ちへいだい83ごう,SSK通巻つうかんだい564ごう身体しんたい障害しょうがいしゃ定期ていき刊行かんこうぶつ協会きょうかい,24p. ds. v01

全文ぜんぶん

表紙ひょうし
 SSK増刊ぞうかん障害しょうがいしゃ開放かいほう運動うんどう理論りろんてき実践じっせんてき飛躍ひやくのためにー
 子宮しきゅうから墓場はかばまでノーマライゼーション!
 ー労協ろうきょう

 障害しょうがい地平ちへい No.83
 「やさしいえき」にタッチセンサーしき券売けんばい同上どうじょう
 視覚しかく障害しょうがいしゃ労働ろうどう問題もんだい協議きょうぎかい
 いちきゅうなないちねんろくがつじゅうななにちだい三種さんしゅ郵便ゆうびんぶつ許可きょか毎月まいつきろくかい ・0の発行はっこう
 いちきゅうきゅうねんろくがつななにち発行はっこうSSK増刊ぞうかん通巻つうかんろくよんごう

 目次もくじ
 労協ろうきょうてき気分きぶん
 市町村しちょうそん障害しょうがいしゃ計画けいかく視覚しかく障害しょうがいしゃこえを 奥山おくやま さいわいひろし・・・・1
 だい11かい労協ろうきょう大会たいかい報告ほうこく 事務じむきょく・・・・・・・・3
 盲学校もうがっこう現状げんじょう将来しょうらいのありかたについて 鳥山とりやま 由子ゆうこ・・・・・・4
 視覚しかく障害しょうがい母親ははおや子育こそだて 佐々木ささき 貞子さだこ・・・・10
 「はたらくことの分科ぶんかかい報告ほうこく みや 昭夫あきお・・・・・・・・12
 教育きょういく分科ぶんかかい参加さんかして ちゅう王子おうじ みのり・・14
 JB(ジョイフル・ビギン) Nо4
 緊急きんきゅう特集とくしゅう 障害しょうがいしゃと「阪神はんしん淡路あわじ大震災だいしんさい」・・・・・・・・・・・15
 点字てんじブロックはつなわたり?? もり のぼり美江みえ・・・・・・16
 べ、べ、視覚しかく障害しょうがいしゃ(その4) 加藤かとう けんじ・・・・20
 おわびと訂正ていせい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
 〈資料しりょう〉「点字てんじジャーナル」への抗議こうぎぶん・・・・・・・・・・・・・・23
 カンパのおねがい・編集へんしゅう後記こうき

p1
 労協ろうきょうてき気分きぶん
 市町村しちょうそん障害しょうがいしゃ計画けいかく視覚しかく障害しょうがいしゃこえ
 奥山おくやま さいわいひろし
 本年ほんねん5がつ11にち総理府そうりふ障害しょうがいしゃ対策たいさく推進すいしん本部ほんぶは、「市町村しちょうそん障害しょうがいしゃ計画けいかく策定さくてい指針ししん」を全国ぜんこく都道府県とどうふけん通知つうちした。これは一昨年いっさくねん成立せいりつした「障害しょうがいしゃ基本きほんほう」において、市町村しちょうそん障害しょうがいしゃ計画けいかく策定さくてい努力どりょく義務ぎむとなったことをけての方策ほうさくである。推進すいしん本部ほんぶによれば、「基本きほんほうにおいてこうした努力どりょく義務ぎむせられた背景はいけいとして、@国際こくさい障害しょうがいしゃねん国連こくれん障害しょうがいしゃの10ねんつうじて、ノーマライゼーションの理念りねん定着ていちゃくし、障害しょうがいしゃ地域ちいき社会しゃかいなからしていくこと課題かだいとなり、そのための市町村しちょうそん役割やくわり増大ぞうだいした。A高齢こうれいしゃ施策しさくとして老人ろうじん保健ほけん福祉ふくし計画けいかく策定さくてい市町村しちょうそんにおいて義務付ぎむづけられ、とりくみがすすめられてきた。」などとしている。さらに「ほうでは努力どりょく義務ぎむとなっているが、それはつくってもつくらなくてもいいということではなく、都道府県とどうふけん市町村しちょうそん自発じはつてきつくってもらいたいというのが立法りっぽう趣旨しゅしである。調査ちょうさによれば、1わり程度ていど自治体じちたいしか策定さくていしておらず、くにとしてガイドラインをしめすなど支援しえんさくこうずるべきだとのこえがあり、関係かんけい省庁しょうちょう協力きょうりょく指針ししんをとりまとめた」ともべている。
 この指針ししんつぎの3つから構成こうせいされている。(1)、計画けいかく策定さくてい意義いぎ。(2)、策定さくていにあたって検討けんとうすることおよび留意りゅういてん。(3)、計画けいかくむことがのぞましい事項じこうおよ留意りゅういてん計画けいかく策定さくていさい重要じゅうようになる、(3)ではつぎの5つのはしらてがしめされている。
 だい1 基本きほんてきかんがかただい2 現状げんじょう問題もんだいてん把握はあくだい3 施策しさく体系たいけい相互そうご連携れんけいだい4 各種かくしゅ施策しさく課題かだい目標もくひょう具体ぐたいてき方策ほうさくだい5 計画けいかく実施じっしじょうきょうのフォロー体制たいせい
 だい4 施策しさく課題かだい目標もくひょう具体ぐたいてき方策ほうさく雇用こよう就業しゅうぎょう分野ぶんやれいにとると、つぎ

p2
よう項目こうもくになっている。
 (1)職業しょくぎょうてき自立じりつ促進そくしんとして、@職安しょくあん実施じっしする特別とくべつ相談そうだんへの積極せっきょくてき参加さんか。A福祉ふくし部門ぶもん雇用こよう部門ぶもんのネットワーク授産じゅさん施設しせつ入所にゅうしょしゃ一般いっぱん雇用こよう促進そくしん。(2)雇用こよう機会きかい拡大かくだいとして、@市町村しちょうそん職員しょくいん採用さいようについて、特別とくべつわく障害しょうがいしゃ雇用こよう雇用こようりつ目標もくひょう設定せってい。A民間みんかん企業きぎょう活力かつりょくとノウハウをかし・重度じゅうど精神せいしん薄弱はくじゃくしゃ雇用こよう拡大かくだい。(3)雇用こよう促進そくしん支援しえんとして障害しょうがいしゃ雇用こよう支援しえんセンターへの自主じしゅてき協力きょうりょく。(4)職安しょくあんなどへの紹介しょうかい促進そくしん
 こうした内容ないようふくんだ「指針ししん」について、5月30にち、DPI日本にっぽん会議かいぎ全国ぜんこく自立じりつ生活せいかつセンター協議きょうぎかい障害しょうがいしゃ総合そうごう情報じょうほうネットワークの3しゃ推進すいしん本部ほんぶ担当たんとうしゃより説明せつめいけ、そのさい以下いか意見いけんしょ提出ていしゅつした。
 1.「すで計画けいかく策定さくていしている自治体じちたいあらためて作成さくせいする必要ひつようはない」とされているが、これらの計画けいかく策定さくていには当事とうじしゃこえ反映はんえいされておらず、その参加さんかした作成さくせいすべきである。
 2.計画けいかく期間きかんを10ねんとしているが、状況じょうきょう変化へんかいちじるしい現代げんだいにおいては5ねん程度ていど見直みなおしをかさねていくこと必要ひつよう
 3.「平成へいせい8年度ねんどちゅう策定さくていのぞましい」としているが、ニーズの把握はあくとう十分じゅうぶんおこな必要ひつようがあり、徹底てっていした準備じゅんび検討けんとう明確めいかくにすべきである。
 4.全体ぜんたいとして新鮮味しんせんみがなく不十分ふじゅうぶんてんおおい。「教育きょういく」や「精神せいしん障害しょうがいしゃ施策しさく」では現状げんじょうから後退こうたいしかねない問題もんだいもある。
また、当日とうじつ意見いけんとして、「相変あいかわらず障害しょうがいしゃ保護ほごしゃ対象たいしょうしゃとしての位置付いちづけとなっており、自立じりつ主体性しゅたいせいといった方向ほうこうしめされていない」、「早期そうき発見はっけん早期そうき療育りょういく特殊とくしゅ教育きょういく充実じゅうじつとうともき、ともまな方向ほうこうせいまったしめされていない。」などがべられた。
 自分じぶんんでいるまちに「計画けいかく」があるのかどうかを確認かくにんし、当事とうじしゃとして計画けいかく策定さくてい積極せっきょくてきかかわる必要ひつようがある。雇用こよう拡大かくだいやガイドヘルパーの充実じゅうじつ点字てんじとう情報じょうほう提供ていきょうサービスの充実じゅうじつ安心あんしんしてあるけるまちづくりなど、視覚しかく障害しょうがいしゃ課題かだい全国ぜんこく計画けいかくなかませていくとりくみが必要ひつようである。らないうちに計画けいかくができてしまったというようなことがないように、地域ちいきのネットワークをひろわたしたちこえ行政ぎょうせいにあげていこう。

p3
 だい11かい労協ろうきょう大会たいかい報告ほうこく
 事務じむきょく
 少々しょうしょう時間じかん経過けいかしてしまいましたが、る3月4にち、5にちの2日間にちかん東京とうきょう障害しょうがいしゃ総合そうごうスポーツセンターにおいて、だい11かい交流こうりゅう大会たいかい開催かいさいしました。大雪おおゆきになるかもしれないとの予報よほうがあり心配しんぱいしていましたが、なにとかあめになり予定よていどおりの進行しんこうができました。大阪おおさか兵庫ひょうご福島ふくしま静岡しずおか京都きょうとからの参加さんかふくめて70めいえる人達ひとたちあつまり、学生がくせい中心ちゅうしんわかひとおおかったこともあって、にぎやかで熱心ねっしん討論とうろん繰広くりひろげられました。今回こんかい施設しせつ改修かいしゅう工事こうじ関係かんけい宿泊しゅくはく分散ぶんさんになったり、会議かいぎしつ確保かくほができず、「生活せいかつ分科ぶんかかい」はレストランの一角いっかくおこなうといった具合ぐあいで、参加さんかされたみなさんには不便ふべんとご迷惑めいわくをおかけしました。
 4にち午後ごごの「どうなる視覚しかく障害しょうがいしゃの21世紀せいき」とだいするフリートーキングのなかでは、「地域ちいきなかでソフトな隔離かくり進行しんこうしているのではないか」という発言はつげん印象いんしょうのこりました。
 5にち総会そうかいでは、活動かつどう方針ほうしん予算よさんとう確認かくにんのち込山こみやま代表だいひょうをはじめぜん役員やくいん再任さいにんされました。また、ほり利和としかずまいり議員ぎいん議員ぎいんつづ顧問こもん就任しゅうにんし、挨拶あいさつなか間近まぢかせまった2挑戦ちょうせんけて決意けつい表明ひょうめいしました。
 ぜんさわれんさわきょうれん障害しょうがいれん、ネットワーク、職労しょくろう民生みんせいきょく支部しぶからの連帯れんたい挨拶あいさつありがとうございました。また、じゃくといけんくにリハあはきのかい東京とうきょうユニオン、大谷おおやつよし先生せんせいからメッセージをいただきました。
 障害しょうがいしゃ総合そうごう情報じょうほうネットワーク事務じむきょく大賀おおが重太郎しげたろうさんによる記念きねん講演こうえんでは、震災しんさい直後ちょくごからの現地げんち状況じょうきょう冷静れいせいかつ客観きゃっかんてきに、そして行政ぎょうせいやマスコミヘのいかりもめたおもいがかたられ、参加さんかしゃむねちました。
 分科ぶんかかいは「生活せいかつ」、「教育きょういく」、「労働ろうどう」の3つをおこないましたが、これについては、それぞれの問題もんだい提起ていき感想かんそう掲載けいさいしましたので、そちらをんでください。
 テーマであった、「20ねんう、差別さべつ人権じんけん自立じりつ」を今後こんご検証けんしょうしながら、運動うんどうすすめていきます。

p4
 盲学校もうがっこう現状げんじょう将来しょうらいのありかたについて
 鳥山とりやま 由子ゆうこ
 (筑波大学つくばだいがく附属ふぞく盲学校もうがっこう教員きょういん)
 〈自己じこ紹介しょうかい
 筑波大学つくばだいがく附属ふぞく盲学校もうがっこう理科りか教員きょういんです。ひろしれんきょう(全国ぜんこく盲学校もうがっこう普通ふつう教育きょういく連絡れんらく協議きょうぎかい)の事務じむ局長きょくちょうをしています。盲学校もうがっこう生徒せいと大学だいがく受験じゅけんについてはそれぞれの学校がっこう進路しんろ指導しどう担当たんとうしていますが、全国ぜんこくてき状況じょうきょうのとりまとめや、入試にゅうしセンターとの交渉こうしょうなどは、盲学校もうがっこうちょうかいというかたちおこな必要ひつようがあり、わたしは、全国ぜんこく盲学校もうがっこうちょうかい大学だいがく進学しんがく対策たいさく委員いいんかい事務じむ局長きょくちょうとして、その仕事しごとをしています。また筑波大学つくばだいがくなか附属ふぞく学校がっこうあいだのプロジェクト研究けんきゅうがあり、そのひとつである統合とうごう教育きょういくのプロジェクト研究けんきゅう参加さんかしています。
 〈盲学校もうがっこう現状げんじょう
 盲学校もうがっこう全体ぜんたい状況じょうきょうとしては、まずどものかず非常ひじょうっています。高等こうとう普通ふつう卒業生そつぎょうせいひとつの学校がっこう一人ひとりとかにんとかいう学校がっこうが(たとえば茨城いばらき青森あおもりなど)沢山だくさんあります。7〜8にん以上いじょう卒業生そつぎょうせいがあるのは大都市だいとしのわずかな学校がっこうだけです。高等こうとうがこういう状況じょうきょうだということは、したにいけばいくほどどものかずっており、今年度こんねんど山梨やまなし盲学校もうがっこうはついに小学しょうがく子供こどもがゼロになったといています。
 附属ふぞく盲学校もうがっこうではそれほどっていませんが、これはかく盲学校もうがっこう重複じゅうふく障害しょうがいえてきて、単純たんじゅん障害しょうがい人達ひとたち以前いぜんにもして附属ふぞく集中しゅうちゅうしてきているということです。いかえると視覚しかく障害しょうがいだけのどもは一般いっぱん盲学校もうがっこうなか益々ますますっているということです。このような状況じょうきょうをふまえて、つい最近さいきん附属ふぞく盲学校もうがっこうでは教官きょうかん会議かいぎで「本校ほんこう将来しょうらい計画けいかく」として、普通ふつう教育きょういく部門ぶもん将来しょうらいぞうとしての「視覚しかく障害しょうがい教育きょういくセンターの基本きほん構想こうそう」をまとめました。普通ふつうではながあいだはなってきたことですが、あらためてこの1がつ学校がっこう全体ぜんたいのとりくみとして確認かくにんしたわけです。

p5
 〈視覚しかく障害しょうがい教育きょういくセンターとは〉
 ひとつの役割やくわり統合とうごう教育きょういく支援しえんすることです。また、付属ふぞく学校がっこう併設へいせつしていくことになっています。ただし、附属ふぞく学校がっこう形態けいたい規模きぼについては具体ぐたいてきにははなっていません。その図書館としょかん博物館はくぶつかん機能きのう教材きょうざいセンターをふくんだものを構想こうそうしています。
 なぜこうした構想こうそうてきたかとうと、附属ふぞく盲学校もうがっこう生徒せいとのほとんどが統合とうごう教育きょういくいちはやってきています。幼稚園ようちえんふくめると90%をしているとおもわれます。弱視じゃくし場合ばあい小学校しょうがっこう段階だんかいまではほとんど統合とうごう教育きょういくけてきています。ここ最近さいきん中学ちゅうがく1ねん担任たんにんを2やりましたが、1度目どめは11にんちゅう6にんが(1人ひとり弱視じゃくし学級がっきゅう)、2度目どめでは10にんちゅう5にん一般いっぱん学校がっこうからていました。附属ふぞく盲学校もうがっこうではこういう実状じつじょうにあります。統合とうごう教育きょういくというのは、わたし個人こじんかんがかたとしては、「基本きほんてき人権じんけん」みたいなものではないかとおもっています。つまり近所きんじょ友達ともだち一緒いっしょ学校がっこうきたいとおもうのは当然とうぜんねがいであり、「なぜそうおもうのか」とほうがおかしいとおもいます。しかし、一方いっぽうでは「えない」、「えにくい」ということにたいして、それなりにある年齢ねんれいでやっておかなければならない色々いろいろことがありますし、現在げんざい普通ふつうこうではそれほど配慮はいりょがないことに危機ききかんかんじて盲学校もうがっこうえらんできているということだとおもいます。
 こうした現状げんじょうをみますと、あるいは現在げんざいつうきゅう」というものがあり、統合とうごう教育きょういくけているしゅうに1〜2かい盲学校もうがっこうかよってきて指導しどうけるという制度せいどがありますがその生徒せいとをみますと、やはり統合とうごう教育きょういくなかなんらかのかたち盲学校もうがっこう教師きょうしのような経験けいけんのある人達ひとたちかかわっていくこと必要ひつようだとおもいます。「えなくてもこういうことができる」ということがわかっている人達ひとたち・できないとされていることを、「こうすればできるんだ」というノウハウがわかっている人達ひとたちかかわっていかないと、「えないからできないだろう」と大事だいじ時期じきいっしていることがあります。ともすればおなごとをやらせようとして、できないからやらせないということがおおくあります。このように、統合とうごう教育きょういく盲学校もうがっこうかかわることが大切たいせつだとおもっていましたが、附属ふぞく盲学校もうがっこうではこれまでも個々ここ統合とうごう教育きょういく方々かたがた依頼いらいけながらできる範囲はんいでのことはやってきました。しかし、統合とうごう教育きょういくそくが、盲学校もうがっこうのノウハウをることをどれだけ大切たいせつだとおもっているかは疑問ぎもんです。たとえば東京とうきょう教育きょういく委員いいんかいからの依頼いらい都立とりつ高校こうこう入試にゅうし点訳てんやくおこない、入学にゅうがくについても、いつでもいろいろなかたち応援おうえんするからということ校長こうちょうつうじて公式こうしき教委きょういもうれましたがなに

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相談そうだんがありませんでした。そのうち、高校こうこうから「教材きょうざいをつくるボランティアを紹介しょうかいしてしい」との電話でんわがありました。こちらが「紹介しょうかいするのはいいが、どういう教材きょうざい用意よういしていくかということ大事だいじだから一回いっかいはないをしましょう」とったら連絡れんらくえてしまいました。その校長こうちょうふくめて高校こうこう具体ぐたいてきにどのような状況じょうきょうになっているかをき、「盲学校もうがっこうに、いただければいろいろなノウハウをアドバイスできます」とったら、高校こうこう管理かんりしょくほうから「先生せんせいかた大変たいへんなので、盲学校もうがっこう授業じゅぎょうけとはえない」との返事へんじがありました。このような状況じょうきょうでは、統合とうごう教育きょういくがうまくいくわけがありません。わたしたちめくらがどこの学校がっこうってもそれなりにやれなければいけないとおもっていますし、盲学校もうがっこう在籍ざいせきだけでなく統合とうごう教育きょういくけているについてもできるかぎり援助えんじょをしなければいけないとかんがえています。これは個人こじんかんがかたでなく本校ほんこう普通ふつうとしての合意ごういでもあります。けれども、現在げんざいのシステムでは、統合とうごう教育きょういく学校がっこうから具体ぐたいてき相談そうだんがないまま、こちらがていってあれこれわけにもいきません。そこで正式せいしきに「センター」というシステムをつくり、統合とうごう教育きょういくへの支援しえんができればとかんがえたわけです。この構想こうそうは、現時点げんじてんでは教官きょうかん会議かいぎのレベルで確認かくにんしただけで、実現じつげんのためには大学だいがくげていってみとめてもらわなければいけません。
 〈巡回じゅんかい教師きょうし
 統合とうごう教育きょういく支援しえんする方法ほうほうとして、具体ぐたいてき内容ないようはまだこれからという段階だんかいですが、ひとつは巡回じゅんかい教師きょうしという制度せいどがあるとおもいます。盲学校もうがっこう教員きょういん巡回じゅんかい教師きょうしとして統合とうごう教育きょういく学校がっこう訪問ほうもんし、授業じゅぎょうたり先生せんせい相談そうだんしたりして、教材きょうざいづくりなど具体ぐたいてき対応たいおうをする制度せいどです。一昨年いっさくねんアメリカのオハイオしゅう巡回じゅんかい教師きょうしとともにいくつかの学校がっこうまわり、昨年さくねんはカルフォルニアの一般いっぱん高校こうこうで、統合とうごう教育きょういく高校生こうこうせいってたまたま巡回じゅんかい教師きょうし一緒いっしょたのではなしを機会きかいがありました。オハイオとカルフォルニアしかていませんがアメリカの巡回じゅんかい教師きょうしのシステムは、わたしおもっていた巡回じゅんかい教師きょうしとは随分ずいぶんちがっていました。たとえば日本にっぽんではしゅう1〜2かい巡回じゅんかい教師きょうし学校がっこうをまわるというイメージがあるのですが、アメリカの巡回じゅんかい教師きょうし一人ひとり子供こどもたいして一時いちじあいだ程度ていどですが、毎日まいにち全部ぜんぶ学校がっこうまわります。オハイオでった巡回じゅんかい教師きょうしは、5にん子供こども担当たんとうして、それぞれの小学校しょうがっこう午前ごぜんちゅうしゃまわる、そして午後ごご教材きょうざいについての色々いろいろことをやるという方法ほうほうです。資格しかくはおそらく指導しどう主事しゅじきゅうというか普通ふつう学校がっこう先生せんせい指導しどうできるというひとだとおもいます。ただし、小学校しょうがっこうでした

p7
ので子供こども障害しょうがいはいろいろでした。5にん子供こどものうち1にん視覚しかく障害しょうがいでしたが巡回じゅんかい教師きょうし視覚しかく障害しょうがい専門せんもんではありませんでした。カルフォルニアでったのは高校こうこうだったのでめくら教育きょういくせんもんひとでした。いくつかの高校こうこう点在てんざいする、視覚しかく障害しょうがい生徒せいとすうめい担当たんとうしているそうです。やはりひとつの学校がっこう毎日まいにちいちあいだ訪問ほうもんするということでした。一時いちじあいだ訪問ほうもん有効ゆうこうせい検討けんとうしなければなりませんし、日本にっぽんではどうなのかということかんがえなければなりませんが、巡回じゅんかい教師きょうし基本きほんてき毎日まいにち学校がっこう訪問ほうもんするということ認識にんしきしておく必要ひつようがあります。
 〈特別とくべつ教師きょうし
 統合とうごう教育きょういくのもうひとつの支援しえんかたちは、学級がっきゅう担任たんにんほか教師きょうし一人ひとりくという「特別とくべつ教師きょうし」の方法ほうほうで、とくに小学校しょうがっこうてい学年がくねんなどでは必要ひつようだとおもいます。日本にっぽんでも弱視じゃくし学級がっきゅう先生せんせい弱視じゃくし学級がっきゅう指導しどうすると同時どうじ一般いっぱん教室きょうしつ授業じゅぎょうける場合ばあいにはその先生せんせいっていくこともしています。昨年さくねん、イタリアの統合とうごう教育きょういく機会きかいがありました。イタリアでは全面ぜんめんてき統合とうごう教育きょういくで、特殊とくしゅ学校がっこうはないのですが、この「特別とくべつ教師きょうし」という制度せいど採用さいようしていました。いち学級がっきゅう人数にんずう元々もともと25にんですが、障害しょうがいがいると学級がっきゅう人数にんずうは20にんになり、担当たんとう教師きょうし以外いがいにもう一人ひとりつくというかたちです。ただ、日本にっぽんではこの制度せいどれるとき問題もんだいは、ひとつは教員きょういんしつ問題もんだいがあります。「特別とくべつ教師きょうし」が特別とくべつ役割やくわりたせるひとでないとだめです。盲学校もうがっこう経験けいけんがあるようなひとなら多分たぶんいいだろうとおもいます。現状げんじょうでは東京とうきょう都内とない統合とうごう教育きょういくけている小学校しょうがっこう子供こどもたちには介助かいじょいん補助ほじょいんがついている場合ばあいがありますが、資質ししつにばらつきがありじゅうふん機能きのうしているとはえません。もうひとつは日本にっぽん学校がっこう閉鎖へいさせいというか、授業じゅぎょうなかひとはいってくることをいやがる雰囲気ふんいき一般いっぱんてきにはあります。めくらかかえることによって、たとえば巡回じゅんかい教師きょうし毎日まいにち授業じゅぎょうにくるということになると、かなりの抵抗ていこうがあるとおもいます。イタリアの統合とうごう教育きょういく全体ぜんたい教育きょういく改革かいかくひとつとしてており、もうひとつのはしらはチーム・ティーチングです。そのことを重要じゅうようこととしてし、一般いっぱん小学校しょうがっこうでも体育たいいく美術びじゅつ理科りかなどでてい学年がくねんのうちからせん先生せんせいはいっています。せんまかせるのではなく、専任せんにん学級がっきゅう担任たんにん一緒いっしょ授業じゅぎょうをするというかたちをとっています。イタリアは先進せんしん諸国しょこくなかではまずしいくにだとおもいますが、教育きょういくかんしては先進せんしんてきひと配置はいちあつくにだとおもいました。二人ふたりで25にんるというかたち障害しょうがいがいる、いないにかかわらずあちこちでやっています。チーム・ティーチン

p8
グという土台どだいのない日本にっぽんでは現場げんば教師きょうしつよ反発はんぱつ予想よそうされます。
 〈統合とうごう教育きょういくめくら教育きょういくのノウハウを〉
 現在げんざい文部省もんぶしょうとしては統合とうごう教育きょういくについて暗黙あんもく了解りょうかいをしていますが、制度せいどじょうは、統合とうごう教育きょういくはないことになっています。特殊とくしゅ教育きょういく資料しりょうても、何人なんにん統合とうごう教育きょういくけているということは一切いっさいしていません。公式こうしき統計とうけい一切いっさいありません。法律ほうりつはんしているものはあるはずがないという立場たちばです。そのなかでいつなん、「盲学校もうがっこう子供こどもすくなくなりましたから一般いっぱん小学校しょうがっこう中学校ちゅうがっこう併設へいせつしましょう」というはなしがでてこないともかぎりません。とき突然とつぜんではないかとおもいます・それにそなえて、自分じぶんたちがわから、どこにいても必要ひつようなケアが保障ほしょうされる体制たいせいづくりをしておかなければならないとおもいます。これはかなりの努力どりょくようするとおもいます。
 筑波大学つくばだいがく附属ふぞく学校がっこうあいだ統合とうごう教育きょういくについてのプロジェクト研究けんきゅうがあり、わたしはそれに参加さんかしています。筑波大学つくばだいがく普通ふつう付属ふぞく障害しょうがい学校がっこう全部ぜんぶっているので、意味いみのある研究けんきゅうだとおもっています。附属ふぞく高校こうこう中学ちゅうがく先生せんせいかたとおたがいの授業じゅぎょう参観さんかんをしようとけているのですが、なかには「非常ひじょうにいいことだからやりましょう」とってくれる先生せんせいもいますが、ぎゃくに「こんないそがしいとき余分よぶんなことはやれない」というひともいるような状況じょうきょうです。盲学校もうがっこうからは、本人ほんにんのぞおや了解りょうかいしているなら、盲学校もうがっこうがわ支援しえんしながら附属ふぞく高校こうこう中学ちゅうがく一定いってい期間きかん授業じゅぎょうかよわせてみるといったこころみをしたいともうていますが、先程さきほど閉鎖へいさせいといったこともあって、まだ実現じつげんしていません。
 統合とうごう教育きょういくはいいとかわるいとかの問題もんだいではなく、歴史れきしてきにみてもそういう方向ほうこうすすむものとおもいます。近所きんじょ子供こどもたちおな学校がっこうきたいというのは当然とうぜんのことです。ただ、それが不十分ふじゅうぶんなのでちからをつける時期じきに、相当そうとう決心けっしんをして盲学校もうがっこうているというのが実情じつじょうだとおもいます。統合とうごう教育きょういく内容ないよう保障ほしょうされたり、はいることに抵抗ていこうがなくなってくれば必然ひつぜんてき統合とうごう教育きょういくになるとおもいます。ただ、その場合ばあい盲学校もうがっこうというかたちでなくともいいが、視覚しかく障害しょうがいのある子供こどもたち同志どうし一緒いっしょまな必要ひつようだとおもいます。たとえばサマースクールといった方法ほうほうです。アメリカでは育児いくじのためのサマースクールがあって、そこでパソコンなどをにつけたというはなしいています。歩行ほこう訓練くんれん点字てんじなどを習得しゅうとくするために普通ふつうこうせききながら、盲学校もうがっこう一定いってい期間きかん教育きょういくけるという制度せいど必要ひつようだとおもいます。なんとうかのかたちでのめくら教育きょういくのスクーリングが必要ひつようおもえます。えないひとえる世界せかい無理矢理むりやり適応てきおうさせられるとい

p9
現状げんじょうもあるので、一方いっぽうでは、環境かんきょうととのえておも存分ぞんぶんやってみる場所ばしょ必要ひつようです。少数しょうすうしゃとしてのつら立場たちばをざっくばらんにはなえる仲間なかま自分じぶんたち環境かんきょうとも改善かいぜんしていく仲間なかまこと必要ひつようです。盲学校もうがっこう過渡かとには盲学校もうがっこう統合とうごう教育きょういく支援しえんとを併立てきすすめられるとおもいますが、しだいに盲学校もうがっこうとしての役割やくわりちいさくなってきたときには、統合とうごう教育きょういくせききながら盲学校もうがっこうでのスクーリングをけるといったようなシステムを具体ぐたいてきかんがえていく必要ひつようがあるとおもっています。わたし化学かがく教師きょうしで、えなくても化学かがく実験じっけんをやれるとおもっているし、やっていますが、そういうノウハウは全部ぜんぶ生徒せいととのフィードバックでつくってきたものです。それがなければ具体ぐたいてき援助えんじょはできないとおもいます。教師きょうしがわしつ向上こうじょうのためにもそうしたスクーリングの必要ひつようです。これまでげてきためくら教育きょういくのノウハウをなにとかひきついでいかないと統合とうごう教育きょういくでの弱点じゃくてんになるとおもいます。
 附属ふぞく盲学校もうがっこうではそういう将来しょうらい計画けいかくについて中身なかみ議論ぎろんしたり、実践じっせんしようとしていますが、全国ぜんこく盲学校もうがっこう状況じょうきょう大変たいへんきびしいものがあります。教員きょういんがくるくるかわっている現状げんじょうであり、点字てんじ能力のうりょくやそのしょくかんがえても、附属ふぞくふくめてプロとしてのしっかりした研修けんしゅうおこなっていかないと、「支援しえんする」とってもその主体しゅたいかわっていかなければ現実げんじつには困難こんなんだということになりかねません。相当そうとう努力どりょく必要ひつようだとおもいます。

 (編集へんしゅう註ーこの文章ぶんしょうは3がつにち労協ろうきょう大会たいかい教育きょういく分科ぶんかかい」での問題もんだい提起ていきをまとめたものに鳥山とりやまさんから加筆かひつ修正しゅうせいしていただいたものです)
 (校正こうせいしゃちゅう挿絵さしえ省略しょうりゃく)

p10
 『視覚しかく障害しょうがい母親ははおや子育こそだて』
 佐々木ささき 貞子さだこ(かるがものかい)
 わたし生活せいかつ分科ぶんかかいで、視覚しかく障害しょうがい母親ははおや子育こそだてにかかわる問題もんだいについて発言はつげんしました。勿論もちろん子育こそだては母親ははおやだけがするものではありませんが、現状げんじょう子育こそだての中心ちゅうしんてきにな母親ははおや大半たいはんであることをふまえ、視覚しかくにハンディを母親ははおや子供こどもそだてていくときにぶつかる問題もんだいと、解決かいけつ糸口いとぐちもとめようとする自発じはつてきうごきについて紹介しょうかいしたいとおもいます。
 わたしいま、“かるがものかい"の代表だいひょうをしています。“かるがものかい”とは、1991ねん結成けっせいされた視覚しかく障害しょうがいおや家族かぞくかいです。視覚しかく障害しょうがい母親ははおやならではのなやみや育児いくじ工夫くふうを、当事とうじしゃ同士どうしはない、孤独こどく母親ははおやをなくそうと情報じょうほう交換こうかん交流こうりゅう目的もくてきにしてスタートしました。友人ゆうじん同士どうしのネットワークやマスコミの紹介しょうかい結果けっか結成けっせい当初とうしょ7家族かぞくであったかいは、現在げんざい東北とうほくから九州きゅうしゅうまでやく80の会員かいいんゆうするまでのきゅう成長せいちょうげることになりました。これはこのようなかいがいかにおおくの人達ひとたちもとめられていたかというあかしであると、わたしたちはかんがえています。
 かいおも活動かつどうは、隔月かくげつ会報かいほう発行はっこう(点字てんじぼく、テープ)、学習がくしゅうかい交流こうりゅうかい開催かいさい、レクリエーションおよ旅行りょこうなど、2〜3ケ月かげつに1会員かいいんつどえるもうけています。また昨年さくねん10がつには肢体したい障害しょうがい母親ははおや中心ちゅうしんとなっている、“ラブリーペアレント"と交流こうりゅうかいち、ハンディをちながらの子育こそだての問題もんだいについて共通きょうつう理解りかいふかめました。
 ひろ地域ちいき分布ぶんぷしている会員かいいんたちが、ちいさいかかあつまること容易よういではありません。が、子育こそだてに多忙たぼうだからこそ仲間なかまあつまりかたうことによって、リフレッシュして家庭かていもどり、日々ひび生活せいかつ充実じゅうじつさせたいというのがみんなのねがいです。
 しかし、かいとして課題かだいもあります。会合かいごう東京とうきょう近辺きんぺんひらかれることおおいため、地方ちほう会員かいいん参加さんかをどうしていくのか、また旅行りょこう会合かいごうとき、ガイドヘルパーや子守こもりをしてもらうマンパワーをどう確保かくほし、どのように協力きょうりょくしていってもらうかは、直面ちょくめんしている問題もんだいです。みんなのおもいがむすいようやくまれた“かるがものかい"です。

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発達はったつ課題かだいあせらずたゆまず、はないながらすこしづつ解決かいけつしながら成長せいちょうしていくものとかんがえています。
 以上いじょう、“かるがものかい”の紹介しょうかいでしたが、つぎ会員かいいんこえわたし自身じしん経験けいけんから、視覚しかく障害しょうがい母親ははおや問題もんだい解決かいけつへの方向ほうこう私見しけんとしておはなしします。
 全盲ぜんもうであっても家庭かていない育児いくじは、工夫くふう努力どりょくでそれほど大変たいへんことではありません。ただ、育児いくじ折々おりおり場面ばめんえるひと援助えんじょ必要ひつようになります。視力しりょくによる健康けんこうチェック、つめりやみみのそうじなどはそのれいです。また、病院びょういんがよいやそとあそびのきそいなどはなか大変たいへんです。そして、精神せいしんてき負担ふたんっているのは、障害しょうがいしゃへの無知むちから派生はせいする近隣きんりんとの人間にんげん関係かんけいです。
 わたしはこれらの解決かいけつのためには、(1)地域ちいき福祉ふくしのシステムの充実じゅうじつ。(2)障害しょうがいおやについての啓発けいはつ。(3)当事とうじしゃ同士どうし連帯れんたい必要ひつようだとかんがえています。
 (1)はガイドヘルプやホームヘルプサービスの充実じゅうじつと、一般いっぱんてきおこなわれている保健所ほけんじょ母性ぼせい指導しどうでの対応たいおう強化きょうかがあげられます。ヘルパーについては、居住きょじゅうする行政ぎょうせい福祉ふくし先進せんしんによって差異さいがあり、保健ほけん指導しどうでは担当たんとうした保健ほけん熱意ねついによって母親ははおやけるサービスはかなりちがっています。また、公的こうてき福祉ふくしより融通ゆうずうせい即応そくおうせいのある近隣きんりんのボランティアやたよりになる友人ゆうじん関係かんけいのネットワークをひろげること大事だいじです。この場合ばあい当事とうじしゃ人間にんげんせい積極せっきょくせいおおきくかかわってくることでしょう。
 (2)についてえば、障害しょうがいしゃおやになることたいし、一般いっぱん理解りかい不十分ふじゅうぶんで、その反応はんのうしん自身じしんきずつき、自分じぶんなりの子育こそだてに自信じしんてなくなってしまうというめんがあります。しかし、おや障害しょうがいけっして子育こそだてのうえでマイナスにはなりません。おや自身じしんほこりをち、必要ひつよう援助えんじょがサポートされていれば、子供こどもおやとおして多様たよう価値かちまなび、自立じりつてき成長せいちょうしてゆきます。障害しょうがいにたいする啓発けいはつ障害しょうがいしゃうちそと両面りょうめん必要ひつようことだとおもっています。
 (1)と(2)をすすめる運動うんどうのためにも、当事とうじしゃ同士どうし交流こうりゅう連帯れんたい必須ひっすです。かるがものかい来年らいねん5さいになります。子育こそだてについての現状げんじょうや、“かい”にたいしての意見いけんをアンケート調査ちょうさしようといううごきもています。有効ゆうこうなセルフヘルプグループとして、大切たいせつそだててゆきたいとおもっています。

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 『はたらくことの分科ぶんかかい報告ほうこく
 みや 昭夫あきお
 視覚しかく障害しょうがいしゃにとっての労働ろうどう問題もんだいというのは、おおきくってふたつにけられる。伝統でんとうてき視覚しかく障害しょうがいしゃ職業しょくぎょうである“あんま・はり・きゅう(あはき)”にかんする問題もんだいと、それ以外いがいの「一般いっぱん雇用こよう(あるいはしん職業しょくぎょう)」にかんする問題もんだいとである。労協ろうきょう交流こうりゅう大会たいかいでも、いつもはこのふたつの分野ぶんやはそれぞれべつ分科ぶんかかい議論ぎろんされてきたが、今回こんかい部屋へや都合つごうそのもあって、「はたらくこと」というひとつの分科ぶんかかいとして討議とうぎすることとなった。
 分科ぶんかかい参加さんかしゃは17めいとまずまず予想よそうどおりだったが、そのうち実際じっさいにあはきの仕事しごとかかわっているひとが9めい半数はんすうえ、それに療科の教員きょういん学生がくせいくわえると、なんらかのかたちであはきにかかわっているひとが17めいちゅう11にんめるという比率ひりつで、これはある意味いみで、予想よそうがい結果けっかだった。あはきかんがかり以外いがいでは、一般いっぱん教科きょうか教員きょういん3にん自治体じちたい公務員こうむいんふたり、民間みんかん障害しょうがいしゃ施設しせつ職員しょくいん大学生だいがくせい各々おのおのひとりということだった。若干じゃっかん司会しかいしゃにとってはむずかしい状況じょうきょうだったとえるかもれない。
 最初さいしょ問題もんだい提起ていき品川しながわ区立くりつ城南しろみなみだい小学校しょうがっこう大里おおさと先生せんせいほうから、視覚しかく障害しょうがい人工じんこう透析とうせきというきびしい状況じょうきょうなか休職きゅうしょく復帰ふっき・その、の3年間ねんかんおよぶ「よう配慮はいりょ教員きょういん」という不安定ふあんていで(差別さべつてきでもある)身分みぶんなか様々さまざまこころみや、たたかいのレポートがあった。この3年間ねんかん退職たいしょく盲学校もうがっこうへの転任てんにんかげにちらっかせる当局とうきょくたいし、大里おおさと先生せんせい図書としょかせやつうきゅう学級がっきゅうでの研修けんしゅう音楽おんがくせんへの移行いこうなどまよいや試行錯誤しこうさくごともないつつも、あくまで現職げんしょくみとどまろうとする気持きもちで頑張がんばつづけてきた。大里おおさと先生せんせいのそうしたがんばりと、労協ろうきょうふくめてそれをささえてきたおおくの仲間なかまたちの努力どりょくによって、95年度ねんどから大里おおさと先生せんせい定数ていすうないもどり、通常つうじょう勤務きんむ復帰ふっきすることになった。しかし実際じっさいには問題もんだいはこれからだとえる。同僚どうりょうとの関係かんけい大里おおさと先生せんせい復帰ふっきをサポートするために(実際じっさいには管理かんりするために)派遣はけんされる非常勤ひじょうきん職員しょくいんとの関係かんけい、ボランティアの校内こうないへの導入どうにゅう

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など様々さまざま不安ふあんかかえてのスタートであることが率直そっちょく報告ほうこくされた。
 つづいての問題もんだい提起ていきは、横浜よこはま市立しりつ盲学校もうがっこう神崎かんざき先生せんせいほうから入学にゅうがく進路しんろという、いわば「入口いりくち出口でぐち」からみた盲学校もうがっこう生徒せいと雇用こよう問題もんだいについて、報告ほうこく提起ていきがあった。具体ぐたいてきには、1.あはき国家こっか試験しけん合格ごうかくがむずかしいとおもわれるような生徒せいと入学にゅうがくれるかどうか?(はたらくことと自立じりつすることを直接ちょくせつむすびつけることへのいかけもふくんで)。2.免許めんきょがとれた生徒せいと就職しゅうしょく研修けんしゅうについて、学校がっこう卒業生そつぎょうせいとの関係かんけい強化きょうか必要ひつようせい。3.視覚しかく障害しょうがいしゃ全体ぜんたいなかで、益々ますます中途ちゅうと失明しつめいしゃ割合わりあいたかくなっていることに対応たいおうし、「はたらきつづける」ことを保障ほしょうするための制度せいどや、人間にんげん関係かんけい必要ひつようせい。4.めまぐるしくわる社会しゃかい要求ようきゅうわせて次々つぎつぎ登場とうじょうするあたらしい職種しょくしゅなかから、視覚しかく障害しょうがいしゃてきした文字通もじどおりの「しん職業しょくぎょう」をつけ必要ひつようせいなどが、具体ぐたいてき実例じつれいまじえて提起ていきされた。
 その大橋おおはしから、視覚しかく障害しょうがいしゃ雇用こよう問題もんだい研究けんきゅうかいおこなったアンケートについても報告ほうこくされ、視覚しかく障害しょうがいしゃはたらうえでのアシスタントの意味いみ重要じゅうようせいについて提起ていきがあった。
 最初さいしょにもれたように、あはき関係かんけいしゃ教員きょういん自治体じちたい職員しょくいんといった参加さんかしゃ構成こうせいから討論とうろんがかみうことは簡単かんたんではなかったが、ワークアシスタントの問題もんだいなにとか問題もんだいむすびつけるかぎとなったとえるかもれない。ともかく現在げんざい民間みんかん企業きぎょう事務じむてき職種しょくしゅはたら視覚しかく障害しょうがいしゃだけみとめられている、いわゆる「ワークアシスタント」を公務員こうむいんやあはきかんがかりではたらく視覚しかく障害しょうがいしゃにもみとめさせていくことが必要ひつようだというてん意見いけん一致いっちした。
 わたし自身じしん感想かんそうえば、同僚どうりょうやアシスタントやボランティアなどと、「ともはたらく」とうことの意味いみあらためてかんがえさせられた。もっとえば、はたらくことそのものの意味いみひさしぶりにかんがえさせられたがする。たとえば、「はたらくこと」と「自立じりつ」の関係かんけい、「自己じこ実現じつげんとしての労働ろうどう」と社会しゃかいてき有用ゆうよう労働ろうどうや、商品しょうひん価値かちす「雇用こよう労働ろうどう」の関係かんけいなど。わたしたちがはたらくためには、地域ちいきで、職場しょくばで、仲間なかま同士どうしでいろんなかたち、いろんなネットワークが必要ひつようこととう

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 教育きょういく分科ぶんかかい参加さんかして
 ちゅう王子おうじみのり
 昨年さくねんつづき、教育きょういく分科ぶんかかい参加さんかしました。3にんほうのおはなしは、いまわたしもっと興味きょうみっていること関係かんけいしたものだったので、たいへん興味深きょうみぶかかせていただきました。ただ、分科ぶんかかいそのものがパネリストの発表はっぴょうだけにわってしまったことが、残念ざんねんでなりません。それぞれの発表はっぴょうたいして、ひとたちのった感想かんそう意見いけんとう交換こうかん出来できたら、もっと有意義ゆういぎかいになったのではないでしょうか。2あいだほどでは、あれ以上いじょうこと出来できなくてもしかたがないのかなあともおもうのですが、「分科ぶんかかい」というにふさわしくするために、なにか工夫くふうするだてはないものでしょうか。
 ところで、わたしは「障害しょうがいどもの教育きょういく」について興味きょうみっています。とくに、障害しょうがいっているどもが、障害しょうがいっていないどもとともまなぶという教育きょういくシステム(統合とうごう教育きょういく)に関心かんしんがあり、それにかんする新聞しんぶん記事きじ文献ぶんけんんでいます。
 わたし浪人ろうにん生活せいかつふくめて13年間ねんかん盲学校もうがっこう教育きょういくけてました。13年間ねんかんおな学校がっこうにいたのではありませんが、大学だいがくはいるまでは健常けんじょうしゃとのつきあいはほとんどありませんでした。健常けんじょうしゃとのつきあいが「まったかった」とかないのは、高校生こうこうせいころ通学つうがく途中とちゅう健常けんじょうしゃ高校生こうこうせいっているからです。しかしその関係かんけいは、とう下校げこうとき会話かいわわす程度ていどのもので、それ以上いじょうしたしい関係かんけいにはいたりませんでした。片道かたみち2あいだあまりの通学つうがく時間じかんをふりかえると、たのしさやうれしさより、くやしさやかなしみをかんじたことのほうがおおかったようにおもいます。しかしそれらの経験けいけんはかけがえのないものだったとおもっています。あの体験たいけんいことのほうが、わたしにとってはマイナスだったとおもいます。なぜならだいがくにくまでに、すこしではあっても、健常けんじょうしゃへのはたらきかけをにつけることが出来できたからです。
 障害しょうがい種類しゅるいわず障害しょうがいしゃ自立じりつした生活せいかついとなむには、まわりの人々ひとびと(おおくは健常けんじょうしゃ)とのかかわりは不可欠ふかけつです。昨年さくねん労協ろうきょう交流こうりゅうかいときも、盲学校もうがっこうがい健常けんじょうしゃたいしてどうこえをかけたらいかからなくて苦労くろうしているというような、はなしました。長年ながねん盲学校もうがっこうにいた視覚しかく障害しょうがいしゃ盲学校もうがっこう卒業そつぎょうにぶつかる最初さいしょのハードルは、対人たいじん関係かんけいです。おおくの盲学校もうがっこう生徒せいとすう減少げんしょう傾向けいこうにあり、盲学校もうがっこう生活せいかつ社会しゃかい生活せいかつことなるてんがたくさんります。そのひとつに、生徒せいとすう減少げんしょうによるひととのかかわりかたがあげられるでしょう。学校がっこう時代じだいとは、まわりにいるひとかず立場たちばも、あまりにことなってきます。そのために、なかなかなじめなくて、程度ていど性格せいかくちがいはあれ、なやんでしまうのではないでしょうか。
 このような理由りゆうから、障害しょうがい(しゃ)が社会しゃかいときすみやかに適応てきおう出来でき

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ための学校がっこう教育きょういくはどうあることがのぞましいかを、かんがはじめています。

 阪神はんしん淡路あわじ大震災だいしんさい(校正こうせいしゃちゅう:「阪神はんしん淡路あわじ大震災だいしんさいしろ文字もじ背景はいけいくろ四角よつかどかこみ)
 障害しょうがいしゃ自身じしんによるがりとささいに注目ちゅうもく支援しえん
 障害しょうがい当事とうじしゃからの情報じょうほう発信はっしん研究けんきゅう
 JB[ジョイフル・ビギン]No.4
 緊急きんきゅう特集とくしゅう
 障害しょうがいしゃと「阪神はんしん淡路あわじ大震災だいしんさい」(校正こうせいしゃちゅう:「障害しょうがいしゃ大震災だいしんさい」」大文字おおもじ)
 定価ていか 1,500えん(送料そうりょうこみ1,600えん)

 目次もくじから
 なんでこんなになみだもろく、なんでこんなに腹立はらだたしい!/“福祉ふくし”や“行政ぎょうせい”がえてきた/阪神はんしん大震災だいしんさいのあのから/なにがあったんや…/いいこともたくさんあった/ゆすられてもこわれない地域ちいき生活せいかつ確立かくりつを/くさパソコン通信つうしんもう役割やくわり/障害しょうがいべつみ/シンポジウム「阪神はんしん淡路あわじ大震災だいしんさい」と障害しょうがいしゃ(ほり利和としかず富岡とみおかさとる杉本すぎもとあきら福永ふくながみのるひさくすのき敏雄としお)/阪神はんしん大震災だいしんさい実物じつぶつだい体験たいけん(樋口ひぐち恵子けいこ)/はだかにされた“まずしい福祉ふくし”(泰洋やすひろいち)/情報じょうほう共有きょうゆうのネットワーク(金子かねこいくよう)/くさ救援きゅうえん活動かつどうささえた情報じょうほうネットワーク(尾上おがみ浩二こうじ)/「阪神はんしん大震災だいしんさい」と障害しょうがいしゃ生活せいかつづくり(大谷おおやつよし)

 既刊きかん
 特集とくしゅうテーマ
 1ごう/まちづくり
 2ごう/自分じぶんでつくる自分じぶん生活せいかつ
 3ごう/はたらく
 
 ご注文ちゅうもんは…
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 東京とうきょう新宿しんじゅく山吹やまぶきまち354番地ばんちトライポート101 〒162
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 ※点字てんじばん・テープばん提供ていきょうできます。おわせください。

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 点字てんじブロックはつなわたり??
 (2.12.労協ろうきょうシンポジウム)
 事務じむ局員きょくいんもり登美江とみえ

 今年ことし労協ろうきょうにとって結成けっせい20周年しゅうねんという、おおきな節目ふしめとしとしてスタートしました。結成けっせい当初とうしょからみれば障害しょうがいしゃ運動うんどうのありかたもおおきくわり、労協ろうきょう活動かつどう会員かいいん意識いしきなども様々さまざま変化へんかしてきたとおもわれます。
 このすうねん労協ろうきょうにおいては、障害しょうがいしゃ団体だんたいとの連係れんけいをなおいっそうふかめる意味いみでの活発かっぱつ活動かつどうがなされてきました。それを、さらにすすめるには、視覚しかく障害しょうがいしゃとしてかかえている問題もんだいをより具体ぐたいてきあきらかにする必要ひつようがうまれてきました。わたしたち自由じゆう安全あんぜん移動いどうもとめて交通こうつう問題もんだいとまちづくりに焦点しょうてんしぼり、昨年さくねんあきのアンケートにつづいてこの2がつ12にちシンポジウムを開催かいさいしました。
 当日とうじつはシンポジストとして笹川ささかわ吉彦よしひこさん(東京とうきょう盲人もうじん福祉ふくし協会きょうかいめくらきょうふく会長かいちょう、やさしいまち東京とうきょう構想こうそう懇談こんだんかい委員いいん)と山城やましろ完治かんじさん(東京とうきょう視力しりょく障害しょうがいしゃ生活せいかつ権利けんりまもかいひがしきょう事務じむ局長きょくちょう)のお二人ふたりをおまねきし、労協ろうきょうからは事務じむ局員きょくいんもりがアンケートの結果けっか発表はっぴょうしました。さらに、特別とくべつゲストとして、有限ゆうげん会社かいしゃコスモいち(階段かいだんてすりやえき点字てんじシール、しゅうちんひょう案内あんないなど製作せいさく)の社員しゃいん方々かたがた各種かくしゅ見本みほんをおいただいてご参加さんかをおねがいしました。
 以下いかはその簡単かんたん報告ほうこくです。

 ●参加さんかしゃ29めい(自己じこ紹介しょうかい段階だんかい)
 まず、「東京とうきょう福祉ふくしのまちづくり条例じょうれい制定せいていけての「やさしいまち東京とうきょう構想こうそう懇談こんだんかい」に視覚しかく障害しょうがいしゃ立場たちばでかかわってこられた笹川ささかわさんにおはなししていただきました。
 1.懇談こんだんかい委員いいん30めいちゅう障害しょうがいしゃが3めい(視覚しかく肢体したい車椅子くるまいす)だけであるのに抗議こうぎおおくの障害しょうがいしゃ高齢こうれいしゃこえ反映はんえいさせるため今後こんご姿勢しせいつよ要請ようせい。また、委員いいん顔触かおぶれをみても実態じったい把握はあくしているかどうか疑問ぎもんであった。

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さらに、学識がくしき経験けいけんしゃ中心ちゅうしんとした9めい構成こうせいされるしょう委員いいんかいにも3めい出席しゅっせきし、当事とうじしゃとしての要求ようきゅうした。
 2.法律ほうりつ規定きていされていないものは条例じょうれいことができないため、条例じょうれいあんは、はなはだ不十分ふじゅうぶんなものとなっている。今後こんご検討けんとうされる施行しこう規則きそくにおいて具体ぐたいされていくので、建設省けんせつしょう建築けんちく基準きじゅんふくめてはっきりした要求ようきゅうしていく必要ひつようがある。それには、視覚しかく障害しょうがいしゃとしての基準きじゅん一致いっちした見解けんかいとして早急そうきゅうにまとめることもとめられる。
 3.中途ちゅうと失明しつめいだが我流がりゅう単独たんどく歩行ほこうをしており、ホームからの転落てんらく工事こうじ現場げんばかわへの転落てんらくなど危険きけん経験けいけんおお状況じょうきょうである。
 つづいて、ひがしきょう山城やましろさんからアンケート調査ちょうさった経過けいかをはじめ画期的かっきてき活動かつどう報告ほうこくいただきました。
 1.ひがしきょう方針ほうしん みっつの不自由ふじゆうみっつのおく
 不自由ふじゆう@移動いどう歩行ほこう不自由ふじゆうAき(情報じょうほう入手にゅうしゅ発信はっしん)の不自由ふじゆう B就労しゅうろう不自由ふじゆう、 おくれ@障害しょうがいをカバーすべくある社会しゃかい福祉ふくし社会しゃかいえらおくれA視覚しかく障害しょうがいしゃ啓蒙けいもうおくれB人権じんけん民主みんしゅ主義しゅぎおくれ。
 2.しょう委員いいんかいでの参考さんこうじん発言はつげんとその傍聴ぼうちょうなどから、きゅうピッチですすめられている条例じょうれいあんづくりに疑問ぎもん実態じったい調査ちょうさ研究けんきゅうおこなわれていないのをり、早急そうきゅうにアンケート実施じっし。その結果けっかってしょう委員いいんかいちゅうあいだ報告ほうこくあわ記者きしゃ会見かいけん
 3.また、視覚しかく障害しょうがいしゃがかかえている各種かくしゅ問題もんだいについて、マスコミや議会ぎかいつうじてはたらきかけ、活動かつどう展開てんかいしている。
 4.快適かいてき自由じゆう安全あんぜんという保障ほしょううえつもの。アンケート結果けっかから危険きけんえきホームじょうだけではなく、まちのあらゆるところ存在そんざいしていること確認かくにんされた。(たとえば、工事こうじ現場げんば放置ほうち自転車じてんしゃなど)
 3番目ばんめ労協ろうきょうからアンケート結果けっか簡単かんたんにまとめて報告ほうこくしました。結果けっかについては「障害しょうがい地平ちへい」82ごう掲載けいさいしてありますので省略しょうりゃくします。
 つぎに、社員しゃいん7めい方々かたがた参加さんかしてくださったコスモの千葉ちばさんと技術ぎじゅつ指導しどう小暮こぐれさんから発言はつげんいただきました。
 1. 5・6ねんまえから点字てんじ表示ひょうじなどについてんでいる。
 2.現在げんざい製作せいさくされている商品しょうひん階段かいだん・てすり、エレベーターの表示ひょうじ総合そうごうさわばん、トイレさわばん旅館りょかん・ホテルの非常口ひじょうぐち案内あんないばん新幹線しんかんせん座席ざせき案内あんない

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 3.利用りようしゃとともに開発かいはつしていく姿勢しせいってすすめている。
 4.ステンレスせい破損はそんしにくいものを採用さいようし、JRのかく階段かいだん・てすりに順次じゅんじける予定よてい既存きそん表示ひょうじばん修理しゅうりすすめていく。さらに、トイレさわ案内あんないばん普及ふきゅう予定よてい音声おんせい誘導ゆうどうシステムも研究けんきゅうちゅう
 現在げんざいつくられている製品せいひん直接ちょくせつみせていただ自由じゆうにそれぞれさわりながら意見いけん交換こうかん。その休憩きゅうけいはいりました。

 フロアーからの意見いけん質問しつもんけるまえにシンポジストからの補足ほそくとして労協ろうきょうから、アンケートにたいする意見いけんせてしい。
 山城やましろさんから、つくられてしまったものはしかたがないとあきらめずに「使つかいにくいからやりなおせ」と積極せっきょくてきにいってくべきだ。
 笹川ささかわさんから、めくらきょう現在げんざいんでいることとして、送信そうしん使用しよう音声おんせい誘導ゆうどうシステムの開発かいはつ紹介しょうかいされました。93年度ねんどから東京とうきょうでは送信そうしんふくめた器具きぐ日常にちじょう生活せいかつ用具ようぐとして給付きゅうふしているとのことです。
 フロアーからの意見いけん
 1.極論きょくろんではあるが、点字てんじブロックはいらないのではないか。
 2.点字てんじブロックだらけで、まよってしまう。
 3.点字てんじ表示ひょうじはそのにいってれないかぎり意味いみいので、音声おんせい案内あんない普及ふきゅうさせるほうがよい。
 4.いつでも駅員えきいん誘導ゆうどうもとめられる環境かんきょうのぞましい。
 5.事前じぜん電話でんわするなどして利用りようするえき予備よび知識ちしき努力どりょく必要ひつよう

 今回こんかいのシンポジウムとアンケートの結果けっかからつぎのような課題かだいあきらかになったとおもいます。
 1.確実かくじつ有効ゆうこう点字てんじブロックの敷設ふせつ@カラータイルなどにまどわされないかりやすいいろAゆかめんとの判別はんべつ容易ようい材質ざいしつ B誘導ゆうどうブロックと位置いちブロックが容易ようい区別くべつ出来できかたち Cどのような情報じょうほうしめすブロックなのか目的もくてきあきらかな敷設ふせつのしかた。
 2.ホームドア方式ほうしき検討けんとう
 3.正確せいかく情報じょうほう内容ないよう点字てんじ案内あんない表示ひょうじ

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 4.有効ゆうこう正確せいかく内容ないよう音声おんせい案内あんない
 5.必要ひつよう情報じょうほうがいつでも必要ひつようおうじてられる音声おんせい案内あんない
 6.音声おんせい振動しんどうなどによる視覚しかく障害しょうがいしゃ誘導ゆうどうシステムについての検討けんとう
 @技術ぎじゅつ開発かいはつたいする協力きょうりょく Aチャンスがあれば積極せっきょくてきにそれらを体験たいけん使つかいやすさを追求ついきゅうする
 [このシステムについて「障害しょうがい地平ちへい」78ごう宮林みやばやしさんが「ほんとうに安全あんぜんなのだろうか」と経験けいけんからのこえせられています。点字てんじブロックやしろつえから一足いっそくびにもちかえられるものではないようながします(筆者ひっしゃ私見しけん)]
 7.まち各所かくしょ点字てんじ表示ひょうじを。むのがおっくうだったり、めないひとのばあいにはボタンをおせば音声おんせいらせるという方法ほうほうではどうか。
 8.えき係員かかりいん公共こうきょう建物たてものない職員しょくいんをはじめ人的じんてき援助えんじょけられる環境かんきょうづくり。
 9.一人ひとりでもおおくの視覚しかく障害しょうがいしゃあつまって意見いけんって、共通きょうつう部分ぶぶんから一定いってい方向ほうこう確認かくにんしてく。
 この1・2ねん点字てんじブロックや点字てんじ表示ひょうじ音声おんせい案内あんない誘導ゆうどうチャイムなどずいぶんえてきています。利用りようしゃこえ事前じぜんいたのだろうかとか、どんな基準きじゅん設置せっちされていくのだろうかとか、情報じょうほうれて実際じっさい利用りようしやすい環境かんきょうにしていきたいものです。なかには、あまり意味いみがないようにおもわれるものや、かえって余計よけいかりにくくうごきにくいところもあるようです。
 そのようななかにあって、視覚しかく障害しょうがいしゃとしての具体ぐたいてき行動こうどうつくられようとしています。積極せっきょくてき参加さんかしてみやすいまちづくり、環境かんきょうづくりにんでいきたいものです。
 まった私的してき報告ほうこくになってしまいましたが、読者どくしゃのみなさまからのご意見いけんをおちしています。

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 べ、視覚しかく障害しょうがいしゃ(その4)
 加藤かとうけんじ
 〈視覚しかく障害しょうがいしゃはカラオケがおき〉
 4がつ2にちAM2すうにんっぱらいたちがカラオケボックスで、のどをうならせていた。そのなか1人ひとり、Kが長淵ながぶちつよしの「とんぼ」をうたいだした。しかし、それはただしい「とんぼ」のうたではなかった。最後さいご部分ぶぶんをかえうたにしているのだ。
 「ああ、不幸ふしあわせな***よ。どこへ、おまえはどこへんでゆく。ああ、不幸ふしあわせな***が、ホラ、つえをついて、わらってら。」
 だい爆笑ばくしょううずこり、みんなが合唱がっしょうをはじめる。こんなことをしているグループが、もし晴眼せいがんしゃたちであれば、問題もんだいになるところだろう。ちなみにKとは、もちろんわたし自身じしんであり、のメンバーもわたし仲間なかまたちすなわ視覚しかく障害しょうがいしゃ仲間なかまと、それとともきようという意志いしった仲間なかまである。こんなうたってよろこんでいるわたしとその仲間なかまたしてしあわせなのか、それとも不幸ふしあわせなのか。わたしとしては、そういううたうたうとたのしいから、うたっているわけだから。きっとしあわせなのだろう。しあわせな視覚しかく障害しょうがいしゃというわけだ。そこで、「じゃあ不幸ふしあわせな視覚しかく障害しょうがいしゃってどんな視覚しかく障害しょうがいしゃなの?」という疑問ぎもんがわいてる。
 むかしわたしたち、視覚しかく障害しょうがいしゃだい先輩せんぱいに、えらいじじいがいて、「まことめあきは不自由ふじゆうじゃのう。」と・ったそうだが、この言葉ことば裏返うらがえしてみれば、「まことに視覚しかく障害しょうがいしゃ自由じゆうである。」という宣言せんげんではないか。こんなことを大見おおみさかえきってえるのは、きっとこのじじいも、しあわせな視覚しかく障害しょうがいしゃだったのだろう。
 〈ホーキング青山せいざん
 去年きょねんはなしになるが、94ねん12月、ホーキング青山せいざんという素人しろうと漫才まんざいのドキュメントがテレビで放映ほうえいされた。かれ車椅子くるまいすまわす、バリバリの障害しょうがいしゃだ。新聞しんぶんに「ネタは自分じぶん障害しょうがい」などとかれることに激怒げきどするかれのスタンスはとても興味深きょうみぶかいところだ。実際じっさいのネタは自分じぶん車椅子くるまいすでアダルトビデオをりにときはなしなど、自分じぶんまわりでこる様々さまざま話題わだいげている。

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 「障害しょうがいがネタなんてわれたら、おれから障害しょうがいったらなににものこらないみたいじゃないか。ふざけるな。」
 かれ目指めざすところは、障害しょうがいしゃ健常けんじょうしゃわくっぱらうごとだという。今後こんごかれ活躍かつやく期待きたいしたいものだ。
 かれは、いいところに着目ちゃくもくしている、もし障害しょうがいのぞいたら、なにのこらないような人生じんせいきている障害しょうがいしゃがいたら、それは不幸ふこうである。そして健常けんじょうしゃ社会しゃかいのシステムには、そういう不幸ふこう障害しょうがいしゃ生産せいさんしようとする方向ほうこうせいがあるのではないだろうか。
 これは障害しょうがいしゃかぎられたことではない。いち市民しみんとして、一般いっぱんされた人間にんげん社会しゃかいなかはたらくロボットを生産せいさんしようとする作用さよう社会しゃかいにははたらいている。能力のうりょく主義しゅぎ点数てんすうせい教育きょういくは、そのいちれいである。
 
 〈症状しょうじょう肯定こうてい技法ぎほう
 ヒーリングテクニックのひとつに症状しょうじょう肯定こうてい技法ぎほうがある。赤面せきめん恐怖きょうふひとに、「もっと、あかくなってせなさい」とうと、あがらなくなったり、あせっかきのひとに、「もっと、あせをかいてやろうとおもいなさい」とうとあまあせをかきすぎなくなるというものだ。
 社会しゃかいたいしてアプローチしていく必要ひつようせい重大じゅうだいだ。そしてもうひと重要じゅうようなことがある。それはわたしたち自身じしんにアプローチしていくことだ。ヒーリングは、その方法ほうほうおしえてくれるものだ。症状しょうじょう肯定こうてい技法ぎほう使つかえば「もっと障害しょうがいたのしんでごらんなさい。」という処方しょほうみちびされるのである。もしわたしたち障害しょうがいしゃが「わたしたち自由じゆうなのだが健常けんじょうしゃおおくが不自由ふじゆうため摩擦まさつしょうじる。」という観点かんてんで、運動うんどう構築こうちくしはじめたら、あらたな地平ちへいえるようにおもえるのだ。

 〈ヒーリングとしての労協ろうきょう運動うんどう
 ヒーリングというと、タカツカヒカルちょう能力のうりょくしゅかざしをイメージされるほうおお今日きょうこのころである。しかし、かれのヒーリングは、ヒーリングのほんの一部分いちぶぶんぎないのだ。ヒーリングというのは「いやし」にかんする技術ぎじゅつ全般ぜんぱん言葉ことばで、鍼治療ちりょうやマッサージ治療ちりょうふくまれるのである。そういう観点かんてんから、労協ろうきょう運動うんどうかんがえれば、視覚しかく障害しょうがいしゃ社会しゃかいてきなヒーリングを目指めざしているともえる。そして、わたしさらにそれをいちすすめてかんがえたいとおもっている。視覚しかく障害しょうがいしゃ社会しゃかいてきなヒーリングは、現代げんだい社会しゃかいのあるいは人類じんるい全体ぜんたいたい

p22
するヒーリングでもあるということだ。これは、わたしねがいでもあると同時どうじに、この文章ぶんしょうかせている原動力げんどうりょくである。
 自由じゆう視覚しかく障害しょうがいしゃ自由じゆう晴眼せいがんしゃ一緒いっしょぶ。そして解放かいほういやしをあじわう。それがわたしのビジョンである。
 スローガンは「べ、べ、視覚しかく障害しょうがいしゃ。」

 〈おわりに〉
 今回こんかいわたしは、この文章ぶんしょうなか差別さべつ用語ようご使用しよう原稿げんこういたのであるが、編集へんしゅうからの、助言じょげんて、若干じゃっかんなおしをおこなうことになった。どうしてもえられない部分ぶぶんかんしては、ふせとさせていただくことにした。
 今回こんかいわたし差別さべつ用語ようごもちいた理由りゆうは、つぎの3つの理由りゆうである。
 1.わたし生活せいかつきた現実げんじつつたえるには、差別さべつ用語ようごてきしていると判断はんだんした。
 2.この文章ぶんしょう視覚しかく障害しょうがいに、あくまでこだわり、徹底的てっていてきこだわるためいているものであり、その性質せいしつから、差別さべつ用語ようごもちいてみたということ。
 3.自分じぶん自身じしん、あるいは読者どくしゃみなさんの、抑圧よくあつこうである、差別さべつ意識いしき直接ちょくせつはたらきかけるには、差別さべつ用語ようご適当てきとうであると判断はんだんしたこと。
 なおわたしには、けっして、差別さべつ助長じょちょうして、おもしろがるような気持きもちはないことを、了解りょうかいしていただきたい。
 差別さべつ用語ようご使用しようかんしては様々さまざまおもいがあるとかんがえられる。わたしのこれからのテーマのひとつとして、今後こんごふか思索しさく研究けんきゅうつづけていきたいとおもう。視覚しかく障害しょうがいしゃみなさんのあたたかい見守みまもっていてしい。
 
 ーおわびと訂正ていせい
障害しょうがい地平ちへい』82ごうなかの、「盲人もうじん教師きょうし盲学校もうがっこうへ」の文中ぶんちゅう社会しゃかい人事じんじかんして、「点字てんじ使用しようしゃ採用さいようする方針ほうしん」とありますが、これは「方向ほうこう人事じんじすすんでいる」ということを報告ほうこくしゃ(佐藤さとう)がきまちがえたもので、社会しゃかいではそのような「方針ほうしん」をしていないということですので、ここに訂正ていせいいたします。

p23
 〈資料しりょう
 『点字てんじジャーナル』編集へんしゅうちょう殿どの
 1995ねん4がつ5にち
 視覚しかく障害しょうがいしゃ労働ろうどう問題もんだい協議きょうぎかい
 代表だいひょう 込山こみやま 光広みつひろ

 抗議こうぎぶん
 『点字てんじジャーナル』3がつごう掲載けいさいされた「しんバズーカー評論ひょうろんほり参議院さんぎいん議員ぎいんとはなにだったのか?」の記事きじちゅう見過みすごしにできない事実無根じじつむこん労協ろうきょう(視覚しかく障害しょうがいしゃ労働ろうどう問題もんだい協議きょうぎかい)を誹謗ひぼう中傷ちゅうしょうしたとしかおもえない箇所かしょがありますので、わたしたちはこれにたいつよ抗議こうぎします。編集へんしゅうたいし、『点字てんじジャーナル』誌上しじょう謝罪しゃざいするとともに訂正ていせい記事きじかかげることもとめるものです。
 わたしたち労協ろうきょうは、視覚しかく障害しょうがいしゃ労働ろうどうけん保障ほしょう(職業しょくぎょう選択せんたく自由じゆう)すること視覚しかく障害しょうがいしゃ利益りえきそくしてさん療業を発展はってんさせること、すべての障害しょうがいしゃ差別さべつ隔離かくりから解放かいほうされたノーマライゼーションの社会しゃかい実現じつげんすること、などを目的もくてき運動うんどうすすめています。これまでに、東京とうきょうをはじめとするかく自治体じちたいにおける職員しょくいんならびに教員きょういん採用さいよう点字てんじ試験しけん実施じっし視覚しかく障害しょうがいしゃ職場しょくば確保かくほ、サウナや病院びょういんマッサージ解雇かいこ撤回てっかいたたかい、障害しょうがいしゃ団体だんたい共闘きょうとうしての交通こうつうアクセス行動こうどうや、福祉ふくしのまちづくり運動うんどうなどで一定いってい成果せいか獲得かくとくしてきました。これらの成果せいかは、本年ほんねん10がつ、20ねんむかえる労協ろうきょう地道じみちにしてねばづよ運動うんどう結果けっかであると自負じふしています。
 さて、「しんバズーカ評論ひょうろん」で小久保こくぼは、ほり議員ぎいん活動かつどうについて「まった成果せいかがなかった」という結論けつろんみちびきだすために、かれ視覚しかく障害しょうがいしゃとしてたしてきた役割やくわり成果せいか(たとえば障害しょうがいしゃ基本きほんほう成立せいりつ障害しょうがい基礎きそ年金ねんきん改善かいぜん国家こっか公務員こうむいん点字てんじ採用さいよう試験しけん実施じっし、あはき関連かんれん国会こっかい質問しつもんなど)を意識いしきてき無視むししています。筆者ひっしゃ独断どくだん主観しゅかんもとづくきわめて公平こうへいあくらつな記事きじとなっています。筆者ひっしゃみずからの勉強べんきょう不足ふそく棚上たなあげにしており、わたしたちはこれを「ためにする」評論ひょうろんだんぜざるをません。そのうち、わたしたち労協ろうきょうかんする部分ぶぶんについて指摘してきし、編集へんしゅうがどのような編集へんしゅう方針ほうしんで、いかなる意図いとって、このような評論ひょうろんせたのかについておたずねします。
 1.労協ろうきょうを、「くちわるものはトロツキスト集団しゅうだんなどとう」として、あた

p24
かも労協ろうきょうが「トロツキスト」集団しゅうだん類似るいじ組織そしきであり、過激かげきなんでもゴリ押ごりおしするような印象いんしょうあたえようとしています。わたしたちは、「うべきことう。要求ようきゅうすべきことはきちんと要求ようきゅうする」というすじとおしながら、障害しょうがいしゃの「完全かんぜん参加さんか平等びょうどう」にけて、問題もんだい現実げんじつてき解決かいけつする運動うんどうおこなっています。まったくの誹謗ひぼう中傷ちゅうしょうえます。
 2.ほり議員ぎいんとの関係かんけいについて、「労協ろうきょうとトラブルがしょうじ、以後いご関係かんけいっている」としていますが、労協ろうきょうほり議員ぎいんとのあいだにトラブルがしょうじたという事実じじつはなく、いまでも良好りょうこう関係かんけいたもっています。げん今年度こんねんど総会そうかいにおいても、ほり議員ぎいん労協ろうきょう顧問こもんとして選任せんにんされています。事実無根じじつむこんです。
 以上いじょうことにつき、4がつ15にちまでに誠意せいいって回答かいとうされること要求ようきゅうします。

 労協ろうきょう代表だいひょう
 込山こみやま 光広みつひろ殿どの
 1995ねん4がつ13にち
 点字てんじジャーナル編集へんしゅうちょう 阿佐あさ ひろし
 
 拝復はいふく
 平素へいそより「点字てんじジャーナル」を愛読あいどくいただきありがとうございます。
 組織そしきからの「抗議こうぎぶん」、たしかに受領じゅりょういたしました。指摘してきとおり、本誌ほんし3がつごうにおいては不正ふせいかく不穏当ふおんとう記述きじゅつによって、組織そしきならびにほり議員ぎいんたい多大ただい迷惑めいわくをおかけいたしました。ここにふかくおわびもうげます。
 問題もんだいのバズーカ評論ひょうろんは、本誌ほんし読者どくしゃ有志ゆうし執筆しっぴつ依頼いらいして掲載けいさいしていたものです。筆者ひっしゃふで尊重そんちょうするあまり、ぜん編集へんしゅうちょう修正しゅうせいのまま掲載けいさいしたものとおもわれますが、発行はっこう部内ぶないにおいても批判ひはん相次あいつぎ、4がつごう編集へんしゅうちょう交替こうたい記事きじちゅう発行はっこうじん井口いぐち じゅん謝罪しゃざい表明ひょうめいしました。
 なお本誌ほんし5がつごうにも謝罪しゃざいぶん掲載けいさいいたします。
 ふかくおわびするとともに、今後こんごとも本誌ほんし発展はってん協力きょうりょく支援しえんくださいますことをおねがいし、簡単かんたんながらお返事へんじとさせていただきます。

 (事務じむきょく註ー「点字てんじジャーナル」3がつ、4がつ、5がつごうんでいただければ、全体ぜんたい経過けいかがわかるとおもいます。なお、この問題もんだいについて労協ろうきょうとしては、一定いってい決着けっちゃくはかられたものとかんがえています。)

裏表紙うらびょうしうら
 〈夏期かきいちきんカンパのおねがい〉
 労協ろうきょうは、全盲ぜんもう弱視じゃくしわず、また雇用こよう就労しゅうろうかぎらず視覚しかく障害しょうがいしゃかかわる様々さまざま課題かだいにとりくんでいます。さらにDPI(障害しょうがいしゃインターナショナル)日本にっぽん会議かいぎ障害しょうがいしゃ総合そうごう情報じょうほうネットワークをつうじて、おおくの障害しょうがいしゃ団体だんたいとの連携れんけいつくげてきています。こうした幅広はばひろ活動かつどう推進すいしんするためには、事務じむきょく努力どりょく熱意ねつい当然とうぜんこととして、それをささえる財政ざいせいじょう裏付うらづけが不可欠ふかけつです。視覚しかく障害しょうがいしゃをはじめ障害しょうがいしゃ連動れんどうのネットワークづくりにけたとりくみを、一層いっそう強化きょうかしていきたいとかんがえています。皆様みなさまかた絶大ぜつだいなる支援しえんをおねがいたします。
 郵便ゆうびん振替ふりかえ口座こうざ 00180ー6ー92981
 加入かにゅうしゃめい 視覚しかく障害しょうがいしゃ労働ろうどう問題もんだい協議きょうぎかい
 (郵便ゆうびんきょくにある用紙ようし利用りようください)

 <被災ひさい障害しょうがいしゃへの支援しえん継続けいぞく
 郵便ゆうびん振替ふりかえ 00900ー7ー39055
 加入かにゅうしゃ 障害しょうがいしゃ救援きゅうえん本部ほんぶ
 ※現地げんちでは、ところ介護かいご問題もんだいなどおおくの困難こんなんさをかかえています。長期ちょうきてき支援しえんをよろしく。
 ―編集へんしゅう後記こうき
 被災ひさいした障害しょうがいしゃたちのきびしい状況じょうきょうつたえられるなかはばなにかとさわがしく、むなしい出来事できごと連続れんぞくである。「共生きょうせいのための政治せいじ」はやみなかまちあるけばおなよう口調くちょうでじゃれ人々ひとびとぐん。こんな「時代じだい」をチャンス到来とうらいうにはいささかエネルギー不足ふそくかな。 (おく)

裏表紙うらびょうし奥付おくづけ
 1995ねん6がつ27にち
 定価ていか 200えん
 編集へんしゅうじん 視覚しかく障害しょうがいしゃ労働ろうどう問題もんだい協議きょうぎかい
 〒239 横須賀よこすか長沢ながそ115グリーンハイツ2ー7ー405
 奥山おくやま さいわいひろし気付きつけ
 発行はっこうじん 身体しんたい障害しょうがいしゃ団体だんたい定期ていき刊行かんこうぶつ協会きょうかい
 世田谷せたがやきぬた6〜26〜21
 視覚しかく障害しょうがいしゃ労働ろうどう問題もんだい協議きょうぎかい


引用いんよう



書評しょひょう紹介しょうかい



言及げんきゅう





作成さくせい仲尾なかお 謙二けんじ
UP: 20210528 REV:
障害しょうがいがく 視覚しかく障害しょうがい  ◇身体しんたい×世界せかい関連かんれん書籍しょせき  ◇障害しょうがい地平ちへい  ◇雑誌ざっし  ◇BOOK  ◇全文ぜんぶん掲載けいさい
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