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「紹介『セルフマネジドケアハンドブック』」
* この文章は以前書いた以下の紹介とその内容はほとんど同じです。
立岩 真也 20000625 「紹介:『セルフマネジドケアハンドブック』」
『季刊福祉労働』(現代書館)
字数指定のため少し短くなっています(上記は400字×3枚、この文は2.5枚)。それだけの違いです。御了承ください。
三冊を一冊にしたような、三〇〇頁・B五版の厚い本の第一篇が「セルフマネジドケア・ハンドブック」、とくに介助を使って生活していく時にそれを自分で管理していくための技術が、「募集」「契約」「トレーニング」「対人関係づくり」「トラブル処理」等、具体的に紹介されている。だからこれは、生活する一人一人が役立てるものだし、次に、そうした人たちを支援する側も使える。
第二篇は「東京都版障害者ケアマネージャー養成テキスト」。第一篇は基本的に本人用だが、これは本人の生活を支援する人のためのテキスト。介護保険の導入も絡み、国の方で障害者福祉の分野でも「ケアマネジメント」を導入するから各都道府県で検討し試行するようにということになって、東京都でも委員会が開催され、一九九九年度にはヒューマンケア協会他で試行事業が行なわれ、ヒューマンケア協会が作成した「テキスト」が委員会に提出された。それがこの第二篇。必要でないとも言えないが、しかし場合によってはおせっかいで危険なものでもありうるこの「ケアマネジメント」をどうするか。一つには自分で管理するつもりのある人にはそれも選べ、支援の側としてもその方に促す内容を含むものにすること(第一篇と第二篇はこうしてつながる)、一つにはこの支援する仕事に当事者が参画すること。このテキストはこの二つの必要性を強く打ち出している。
第三篇は「海外における障害者介助サービスの現状と課題」。スウェーデンのラツカ氏の講演「直接給付および個人介助サービスの協同組合モデル」。ウィリー氏の講演「カナダにおける自己管理型直接給付型介助サービス」。イギリスのフィンケルシュタイン氏がWHOの「ケアの見直し会議」に提出した「すべての人に平等な機会を与える地域ケアの再考」。そして「日本における障害者介助サービスの現状と課題――自薦登録ヘルパー制度の実態調査を中心に」。
ヒューマンケア協会が日本財団の研究助成を得て行なってきた三年間のプロジェクトの最終報告書にあたるこの本は、既刊の二冊以上に、新しい重要な動きにふれ、同時に実用的な本である。(ホームページhttp://www.arsvi.com→「立岩真也」→この紹介文からこの本の目次などの情報につながります。二〇〇〇円。ヒューマンケア協会・電話〇四二六−四六−四八七七、ファックス四八七六。http://Humancare21.tripod.co.jp/からも注文可。)