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平成15年9月26日午前4時50分、北海道十勝沖(北緯41.47度、東経144.05度)を震源とするM8.0の地震が発生した。震源の深さは約42Km。震源域は1952年の十勝沖地震とほぼ同じ場所。北米プレートにもぐりこむ太平洋プレートとの境界で発生したものと思われる。この地震で広い地域で強い横揺れを感じた。北海道新冠町、静内町、鹿追町、幕別町、豊頃町、釧路町、厚岸町、忠類町で震度6弱を記録し、その1時間後にもM7の地震が起き、再度震度6の弱を記録するなど余震は今も続いている。地震により広い範囲で停電、断水し、一時は約38万世帯が被害を受け、約4万人が避難した。(地震と被害の概要)
地震発生6分後、気象庁は北海道、青森、岩手など太平洋沿岸の広い範囲に津波警報、津波注意報を発令。津波は、5寺40分、根室市で90cm。6時24分浦河町で130cm。9時3分、釧路市で120cmなどを観測したと気象庁は発表した。地震発生の25分から30分後から数時間にわたって繰り返し沿岸を襲い、港で漁船などに被害が出たほか、十勝港などで漁業関係者の車両数十台が流され、釣り人二人が行方不明となっている。津波警報は13時間後に解除された。しかし、実際には襟裳岬で4m以上の津波が襲ったと発表されるなど、気象庁の津波高さ発表方法に課題を残した。
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地震により2輌めが脱線した特急まりも(音別町) |
各所で道路が損壊(豊頃町)し、交通網寸断 |
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行方不明者2名の捜索(広尾町十勝河口付近) |
十勝川堤防に各所で亀裂(広尾町)二次災害の恐れ |
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幣舞(ぬさまい)橋・橋脚に残された津波水位(釧路港) |
厳島神社の大鳥居倒壊(釧路市) |
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苫小牧で原油タンク炎上
地震発生直後(午前4時52分消防覚知)、苫小牧市にある出光興産北海道製油所の原油タンクから火災が発生炎上。(26日の火災概要)
3万トンタンクと他のタンクをつなぐ継ぎ手から油が漏れて発火したものと見られている。100mも立ち上る黒煙は、津波と余震に怯える市民を一層不安に陥れた。
28日再び同製油所で別のタンク炎上
26日に出火したタンクは約8時間後に鎮火したが、28日になって他のタンクから再び炎上した。このタンクは約26000klのナフサを貯蔵している。前回炎上したタンクから200mしか離れていない。消防車両約30台や、出光自衛消防隊、緊急消防援助隊などが、泡消火薬剤を大量注入し、30日午前6時55分、44時間ぶりに鎮火。その間、強風にあおられた黒煙と泡消火剤が市街地に降り注ぎ、異臭が街を覆った。
炎上したタンクは高さ24m、直径42mの円柱形。上部の鉄製浮き蓋が地震で傾き、ナフサが内側に漏れ出したと推測されている。
(28日の火災概要)
甘い危機管理
この製油所には約105基のタンクがあるが、地震後にそのうち6基のタンクで内容物がふたの上に漏れ、そのうちの4基から油が外部に漏れ出したと消防本部に届けたが、今回出火した2基のタンクは報告されていない。「異臭がする」という苦情で、消防が問い合わせたところ、「ナフサ漏れだが危険はない」と回答していた。幸い死傷者は無かったものの、通報義務違反、危機管理の甘さなどが指摘されている。これまでに度々同製油所の火災もあり、今後出火原因究明と責任が追及される。また、ほかに30基のタンク破損が発見され、当分の間業務停止となるため、燃料供給バランスにに支障が出る可能性もある。 |
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