進化しんか心理しんり学がくの巨人きょじんダンバーが描えがく、人類じんるいと信仰しんこうの20万まん年ねん。仏教ぶっきょう、キリスト教きょう、ヒンドゥー教きょう、神道しんとう......世界せかいの主要しゅような宗教しゅうきょうは、なぜ同おなじ時期じきに同おなじ気候きこう帯たいで誕生たんじょうしたのか?カルト宗教しゅうきょうはなぜ次々つぎつぎと生うまれ、人々ひとびとを惹ひきつけるのか?科学かがくが隆盛りゅうせいを極きわめる現代げんだいにおいても、宗教しゅうきょうは衰おとろえるどころかますます影響えいきょう力りょくを強つよめている。ときに国家こっか間あいだの戦争せんそうを引ひき起おこすほど人々ひとびとの心しんに深ふかく根差ねざした信仰しんこう心しんは、なぜ生うまれたのか?そして、いかにして私わたしたちが今日きょう知しる世界せかい宗教しゅうきょうへと進化しんかしたのか?「ダンバー数すう」で世界せかい的てきに知しられ、人類じんるい学がくのノーベル賞しょう「トマス・ハクスリー記念きねん賞しょう」を受賞じゅしょうした著者ちょしゃが、人類じんるい学がく、心理しんり学がく、神経しんけい科学かがくなど多彩たさいな視点してんから「宗教しゅうきょうとは何なにか」という根源こんげん的てきな問といに迫せまった、かつてないスケールの大著たいちょ。待望たいぼうの邦訳ほうやく刊行かんこう。■ ■ ■集団しゅうだん内ないに協力きょうりょく行動こうどうを生うみだす信仰しんこう心しんも、集団しゅうだんの外そとに対たいしては反はん社会しゃかい的てき行動こうどうの原動力げんどうりょくとなる。宗教しゅうきょう的てきアイデンティティが国家こっかに利用りようされるとき、悲劇ひげきは起おこる。――フィナンシャル・タイムズ紙し宗教しゅうきょうと人間にんげんの生活せいかつのあり方かたは、かくも複雑ふくざつなのである。本書ほんしょは、その両方りょうほうを進化しんか的てきないきさつから説明せつめいしようと、真しんに大おおきな考察こうさつを展開てんかいしようと試こころみる大作たいさくである。――長谷川はせがわ眞理子まりこ(進化しんか生物せいぶつ学者がくしゃ、総合研究大学院大学そうごうけんきゅうだいがくいんだいがく名誉めいよ教授きょうじゅ/「解説かいせつ」より)■ ■ ■