過食かしょくやスマートフォンの使つかいすぎから、飲酒いんしゅや喫煙きつえん、果はては依存いぞん性せいのある薬物やくぶつの使用しようまで、一度いちど習慣しゅうかんづいた行動こうどうをやめたくてもやめられずにいる人ひとは多おおい。一方いっぽう私わたしたちは、交通こうつうルールや道具どうぐの使つかい方かた、毎日まいにちのルーチンなどが習慣しゅうかんになっているおかげで、いちいち立たち止どまって考かんがえずに行動こうどうできている。本書ほんしょでは、こうした習慣しゅうかんのありようを最新さいしんの科学かがく的てき知見ちけんに基もとづいて定義ていぎづけ、その詳細しょうさいに立たち入いっていく。全ぜん二に部ぶ構成こうせいの第だい1部ぶでは、習慣しゅうかん的てき行動こうどうの性質せいしつやその形成けいせいメカニズムを脳神経のうしんけい科学かがくや心理しんり学がくに基もとづいて解説かいせつする。第だい2部ぶでは、習慣しゅうかんを変かえるための裏付うらづけある方法ほうほうや、応用おうようの見込みこみのある研究けんきゅう成果せいかを紹介しょうかいする。著者ちょしゃは、再現さいげん性せいと透明とうめい性せいの高たかい科学かがく研究けんきゅうを目指めざす、オープンサイエンス運動うんどうをリードする認知にんち神経しんけい科学かがく者しゃである。科学かがく界かいにおける「再現さいげん性せいの危機きき」の先さきを見据みすえた研究けんきゅうを通とおして綴つづられる、習慣しゅうかんの実像じつぞう。