内容ないよう紹介しょうかい 今いまから約やく1800年ねん前まえのこと。中国ちゅうごくでは魏ぎ、呉ご、蜀しょくの国くにが争あらそっていました。「三国志さんごくし」の舞台ぶたいとなる3つの国くにです。「三国志さんごくし」には大おおきく2つあります。1つは正史せいし『三国志さんごくし』。3世紀せいきに陳ちん寿ひさし(ちんじゅ)が記しるした歴史れきし書しょで、三さん国こくが成立せいりつし、やがて晋すすむに統一とういつされるまでの様子ようすが記しるされ、魏ぎを正統せいとうとしています。もう1つは『三国志さんごくし演義えんぎ』。14世紀せいき頃ごろの中国ちゅうごくの作家さっか羅ら貫中かんちゅう(らかんちゅう)が、正史せいし『三国志さんごくし』をもとに書かいたとされる歴史れきし小説しょうせつで、蜀しょくを正統せいとうとしています。歴史れきし書しょの『三国志さんごくし』と、歴史れきし小説しょうせつの『三国志さんごくし演義えんぎ』。2つの中なかで広ひろく認知にんちされているのは、『三国志さんごくし演義えんぎ』です。そこに描えがかれているのは、戦たたかいに明あけ暮くれる武将ぶしょうたち......ではなく、人ひとに頼たよったり、頼たよられたり、人ひとのせいにしたり、だましたり、ひいきしたり、感情かんじょう的てきになったり、秘密ひみつにしたり、仲良なかよくしたり、好すきになってしまったり......現代げんだいと変かわらない泥どろくさく悩なやましい人間にんげんたちの姿すがた。彼かれらの戦たたかいが「戦場せんじょう」だけでなく「人間にんげん関係かんけい」にあるからこそ、『三国志さんごくし演義えんぎ』が人々ひとびとの共感きょうかんを得えて、長ながく愛あいされ続つづけているのではないでしょうか。この本ほんでは、そんな『三国志さんごくし