富山とやま県けんで３例れい目めのALSで重度じゅうど訪問ほうもん介護かいご２４時じ間あいだ介護かいご事例じれい

 

富山とやま県けんは２０１５年ねんに県けん東部とうぶの黒部くろべ市しでALS患者かんじゃ（全国ぜんこく広域こういき協会きょうかいで自薦じせんヘルパー利用りよう）に２４時じ間あいだ介護かいご保障ほしょう事例じれいが出でるまでは、２４時じ間あいだの重度じゅうど訪問ほうもん介護かいご利用りよう者しゃがいませんでした。

それまでは、４７都道府県とどうふけんで最後さいごに残のこった空白くうはく地帯ちたいの３県けんでした。しかし、その後ご、遅おくれを巻まき返かえす動うごきが始はじまっています。

 

１例れい目めの黒部くろべ市し記事きじは

http://www.kaigoseido.net/topics/17/20170629-als-jirei.htm

 

その後ご、県けんの中央ちゅうおうの富山とやま市しでもＡＬＳ患者かんじゃの２４時じ間あいだ重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごが始はじまり、２例れい目めとなりました。（東京とうきょうの障害しょうがい者しゃ団体だんたいの事業じぎょう所しょに自薦じせん登録とうろく後ご、みずから最さい重度じゅうど障害しょうがい者しゃを支援しえんする重度じゅうど訪問ほうもんヘルパー事業じぎょう所しょを立たち上あげ）

そして、２０１９年ねん、県けん西部せいぶの高岡たかおか市しでも、ALS患者かんじゃが３例れい目めの重度じゅうど訪問ほうもん介護かいご２４時じ間あいだ利用りようを開始かいししました。（全国ぜんこく広域こういき協会きょうかいで自薦じせんヘルパー利用りよう）

 

高岡たかおか市しの２４時じ間あいだ介護かいご利用りようをしているALS患者かんじゃ田中たなか俊行としゆきさん。その自薦じせんヘルパーのコーディネーターを娘むすめの田中たなか茜あかねさんが行おこなっています。

経緯けいいを書かいていただいました。

 

 

 

富山とやま県けん高岡たかおか市し　田中たなか俊行としゆき　63歳男としおとこ性せい　ALS　

（筆者ひっしゃは長女ちょうじょの田中たなか茜あかね）

2016年とし8月つき右足みぎあしの上あがりづらさを感かんじ、2017年とし10月つきにALSと診断しんだんを受うけた。日ひごとに体からだの動うごかせないところが増ふえた。必要ひつような介護かいごは母ははとできる限かぎり行いっていた。誤あやま嚥えんが増ふえ、呼吸こきゅう苦くあり2018年とし9月つきに入院にゅういん。咽頭いんとう分離ぶんり術じゅつを受うけて人工じんこう呼吸こきゅう器きを装着そうちゃくした。約やく半年はんとしの入院にゅういんでＡＤＬは全ぜん介助かいじょとなり吸引きゅういんは昼夜ちゅうや関係かんけいなく1時間じかんおきに必要ひつようとなった。入院にゅういん時じから、状態じょうたいが落おち着ついたらまた自宅じたく退院たいいんすると医療いりょう関係かんけい者しゃに伝つたえていた。しかし医師いしからは、吸引きゅういん回数かいすうが多おおいから自宅じたくでの介護かいごは難むずかしく転院てんいんするしかないと言いわれ、地域ちいき連携れんけい室しつの担当たんとう者しゃが転院てんいん先さきを探さがし始はじめた。家族かぞくとしては、痰たんが多おおくても自宅じたくに帰かえって療養りょうようする方法ほうほうを教おしえて欲ほしかった。なぜなら父ちちは家いえで生活せいかつしたいのだ。そこで、ＡＬＳ協会きょうかい富山とやま県けん支部しぶへ連絡れんらくをとって、ＡＬＳで約やく15年とし自宅じたく療養りょうようされている方ほうのお宅たく訪問ほうもんをさせてもらった。見学けんがく後ご、教おしえていただいた持続じぞく吸引きゅういんのできるダブルサクションカニューレを病院びょういんで取とり寄よせてもらって試ためしたいこと、痰たんが落おち着つけば自宅じたく退院たいいんしたいことを医師いしに伝つたえた。カニューレサイズの適合てきごうと機械きかいの操作そうさ方法ほうほうを取得しゅとくするのに時間じかんはかかったが、結果けっかとして吸引きゅういん回数かいすうを減へらすことができ、2019年とし2月つきに自宅じたく退院たいいんできた。退院たいいんしてからは家族かぞくの負担ふたんは確たしかに大おおきかった。地域ちいきで使つかえるサービスを使つかったが、吸痰が必要ひつようなときは家族かぞくがその都度つど呼よばれた。また、発声はっせいできないのでコミュニケーションが取とれないときも呼よばれ、家族かぞくは休やすまる時間じかんがなかった。毎日まいにち育児いくじと介護かいごで一いち日にちがあっという間まに過すぎた。その隙間すきま時間じかんに、全国ぜんこくでは24時間じかん喀痰かくたん吸引きゅういん、胃いろうからの栄養えいよう注入ちゅうにゅうができるヘルパーに介護かいごしてもらっている人ひとがいるという情報じょうほうを得えた。

2019年とし5月つき、全国ぜんこく広域こういき協会きょうかいのホームページを見みつけ、自薦じせんヘルパーについて相談そうだんした。その都度つど明確めいかくなアドバイスを受うけることができ、各かく関係かんけい者しゃに相談そうだんしながら市しへ提出ていしゅつする交渉こうしょう資料しりょうの準備じゅんびを進すすめた。7月つきに申請しんせい書しょを提出ていしゅつし、10月つき上旬じょうじゅんにようやく希望きぼう通どおり866時間じかんの認定にんていを受うけることができた。

 

自薦じせんヘルパーの面接めんせつ・採用さいようをして、常勤じょうきん3名な、非常勤ひじょうきん1名なのヘルパーで24時間じかん介護かいごをしてもらっているが、現在げんざい求人きゅうじん募集ぼしゅう中ちゅうである。

週しゅうの介護かいごシフト一いち例れい

 

コミュニケーションは主おもに視線しせん入力にゅうりょくでのパソコンで意思いし疎通そつうを図はかる。パソコンが使つかえない場面ばめんでは透明とうめい文ぶん字じ盤ばんも使つかう。

毎日まいにちお昼ひるから車椅子くるまいすに乗のって、コーヒーを飲のむ。天気てんきの良よい日ひは外そとで日向ひなたぼっこをする。

ヘルパー2人体じんたい制せいで3年としぶりに行いくことができた初詣はつもうで。

　　　　　

週しゅう2回かい訪問ほうもん入浴にゅうよくに加くわえて週しゅう1回かいはベッド上じょうでシャンプーをしてもらっている。

父ちちがALSを患わずらってから介護かいご度どは日ひごとに増まし、家族かぞくだけで介護かいごをするには限界げんかいがきていた。入院にゅういん中ちゅうでも行政ぎょうせいに対たいして重度じゅうど訪問ほうもん時間じかん数すうを求もとめられることは後ごから知しった。ALSを患わずらって人工じんこう呼吸こきゅう器きを装着そうちゃくしても、サポート体制たいせいがあれば自分じぶんの住すんできた家いえで自分じぶんらしい生活せいかつを送おくることができるということ、そして病気びょうきになって障害しょうがいを抱かかえても家いえで当あたり前まえに暮くらせるような社会しゃかいになるよう、地域ちいきにも情報じょうほうを伝つたえていく必要ひつようがあると感かんじた。

 

この経験けいけんから、近隣きんりん地域ちいきで同おなじような問題もんだいを抱かかえた方ほうがいれば相談そうだんを受うけ付つけています。

田中たなか茜あかねメールアドレス

psw313aka@yahoo.co.jp

 

（全国ぜんこく広域こういき協会きょうかいより：富山とやま・石川いしかわ地域ちいきで同おなじようにやってみたい最さい重度じゅうど障害しょうがいや難病なんびょう患者かんじゃの方々かたがたに、２４時じ間あいだ重度じゅうど訪問ほうもん介護かいごでの在宅ざいたく生活せいかつができるように様々さまざまな支援しえんを行おこなうことになりました。また全国ぜんこく広域こういき協会きょうかい直営ちょくえいの重度じゅうど訪問ほうもん介護かいご事業じぎょう所しょを高岡たかおか市しに設置せっちし、２４時じ間あいだの介助かいじょサービスも行おこないます。ぜひご相談そうだんください）