リンクと権利けんり責任せきにん

リンクはだれのもの?

ウェブドキュメントへのリンクは許可きょか必要ひつようかどうかという議論ぎろんがあります。これについて、WWWの発明はつめいしゃであるTim Berners-Leeは、 Links and Law: Myths において、私見しけんことわったうえで、「あるドキュメント(あるいは人物じんぶつやそののこと)に言及げんきゅうすることは、一般いっぱんてきに、言論げんろん自由じゆうという基本きほんてき権利けんりにかかわるものであり、ハイパーテキストでのリンクもそれとなんわることはない」とべています。そして

と、リンクにまつわる危険きけんな「神話しんわ」にたいして警鐘けいしょうらしています。 わたしもこのかんがえに賛成さんせいです。そういうわけで、The Web KANZAKIへのリンクたいして許可きょかもとめていただく必要ひつようはありません。 もちろん、「リンクしました」というおらせはうれしいものですから、だい歓迎かんげいですが :-)

リンクの種類しゅるいについて

おなじくTim Berners-Leeは、ハイパーテキストのリンクには

  1. 通常つうじょうのリンク:HTMLのa要素ようそlink要素ようそによってべつのドキュメントを参照さんしょうするもの
  2. 埋込うめこみリンク:img、object要素ようそ使つかって、画像がぞうのオブジェクトをドキュメントないむもの(<img src="http://www.foo.com/bar.gif" alt="....">のようにして、のサイトのものでもめる)

の2種類しゅるいがあり、「所有しょゆうしゃ」や「責任せきにん」というめん両者りょうしゃおおきくことなるとべています。つまり、

  1. 通常つうじょうのリンク」の場合ばあいは、リンクしているがわたんにインターネットじょうのオブジェクトを参照さんしょうしているだけで、参照さんしょうさき内容ないよう責任せきにんはないし、所有しょゆうけんもない
  2. 埋込うめこみリンク」の場合ばあいは、まれた文書ぶんしょ一部いちぶであるとみなされる。(それにともな責任せきにんもある)

というわけです。ですから、上記じょうきの「リンクの許可きょか不要ふよう」というものも、「通常つうじょうのリンク」にたいしててはまるものであり、「埋込うめこみリンク」ではちょっと意味いみちがうということになります。これにかんする詳細しょうさいLinks and Law参照さんしょう

なお、frame要素ようそタイプを使つかって、そのなかの1つのフレームにのサイトのドキュメントを表示ひょうじするというのは、おおきな問題もんだいをはらんでいることも指摘してきされています。この場合ばあい、フレームの内容ないようべつのサイトのものであることを明示めいじするべきです。もしあたかも自分じぶんのドキュメントの一部いちぶのようにせかけているとすれば、それは利用りようしゃたいする欺瞞ぎまん行為こういともえるでしょう。

上記じょうきとおり、「通常つうじょうのリンク」そのものには内容ないようかんする責任せきにん所有しょゆうけん発生はっせいしませんが、リンクのアンカーとなっている文章ぶんしょうやコメントは、いうまでもなくその作者さくしゃ責任せきにんがあります。ですから、リンク自体じたいによって著作ちょさくけんなどの問題もんだいわれることはないとしても、悪意あくいのあるコメントによるリンクにたいしては、名誉めいよ毀損きそんなどの責任せきにんわれる可能かのうせいがあることは理解りかいしておく必要ひつようがあります。一般いっぱん著作ちょさくぶつにおける「引用いんよう」と対比たいひしてかんがえても、当然とうぜんのことですね。

ぎゃくに、リンクしゅうなどで、たんにたくさんのサイトへの(そのTitleをアンカー文字もじれつとした)リンクだけを列挙れっきょしているものをよくかけますが、これもちょっと味気あじけないとおもいませんか? 利用りようしゃは、なぜそのページにそのリンクが掲載けいさいされているのか、ページの作者さくしゃはそのサイト(リンクさき)をてどのようにかんじ、どう評価ひょうかしているかをりたいはずです。自分じぶんのブックマークならいざらず、せっかくサイトをひと紹介しょうかいしようというのですから、1ぎょうでもコメントがあるといいなと、ついかんがえてしまいます。

違法いほうコンテンツとリンク

2016ねん9がつ8にちにEU司法しほう裁判所さいばんしょが、「著作ちょさくけん侵害しんがいしてウェブに公開こうかいされているコンテンツへのリンクは、商用しょうよう目的もくてきでなくかつ違法いほうせいらなかった場合ばあいは“公衆こうしゅう送信そうしん”には該当がいとうしないが、利益りえき目的もくてきとしたハイパーリンクは、違法いほうせい確認かくにんしなければならない」という判断はんだんしめしました。

The posting of a hyperlink on a website to works protected by copyright and published without the author’s consent on another website does not constitute a ‘communication to the public’ when the person who posts that link does not seek financial gain and acts without knowledge that those works have been published illegally

In contrast, if those hyperlinks are provided for profit, knowledge of the illegality of the publication on the other website must be presumed.

これはPlayboyに掲載けいさい予定よてい写真しゃしん流出りゅうしゅつしたサイトにオランダのメディアサイトがリンクをったことにたいする提訴ていそへの判断はんだんです(たとえばFortune記事きじ)。リンクの自由じゆう責任せきにんというてんで、論争ろんそうんでいます。このけん適宜てきぎフォローする予定よていです。

参考さんこう資料しりょう