「生存せいぞん学がく」の思想しそうと実践じっせん
「障さわ老病ろうびょう異こと」を抱かかえ、人ひとびとがともに生いきて在あることを思考しこうしてきた社会しゃかい学者がくしゃ・立岩たていわ真しん也。「生存せいぞん学がく」を基盤きばんとする、アカデミアと当事とうじ者しゃ、支援しえん者しゃが手てに手てを取とり合あう基盤きばんはどのようにつくられ発展はってんしていったのか。『生なまの技法ぎほう』や『私的してき所有しょゆう論ろん』に始はじまる立岩たついわ自身じしんの、また立岩たていわとの協きょう働はたらけによって練ねり上あげられた仕事しごとを総括そうかつし、またそのバトンを引ひき継つぐための総そう特集とくしゅう。

【目次もくじ】

 

総そう特集とくしゅう＊立岩たていわ真しん也――1960-2023

 

＊学問がくもんと研究けんきゅうに求もとめること
立岩たていわ真しん也　生せいを辿たどり途とを探さがす――身体しんたい×社会しゃかいアーカイブの構築こうちく

＊遡さかのぼり、探さがし、辿たどること
栗原くりはら 彬あきら　はやく、ゆっくりの「唯ただの生せい」
山田やまだ 真しん　立岩たていわさんの思おもい出でつれづれ
大澤おおさわ真幸まさき　私わたしたちは同おなじところをめざしてきた――違ちがう道みちから
川本かわもと隆史たかし　文体ぶんたいの革命かくめいと生存せいぞんの肯定こうてい――立岩たていわ真しん也から〝もらったもの〟
森岡もりおか正博まさひろ　抗こうして生いきる意志いしとしての生存せいぞん学がく――立岩たていわ真しん也を追悼ついとうする
酒井さかい隆史たかし　立岩たていわ真しん也さんのそう多おおくはないおもいで――二に〇〇三さん年ねん―二に〇〇七なな年ねん頃ごろ

＊「正ただしい」とされることを問とうこと
稲葉いなば振一郎しんいちろう　『私的してき所有しょゆう論ろん』再読さいどく
中倉なかくら智徳とものり　私的してき所有しょゆうと相互そうご所有しょゆう
島しま薗その 進すすむ　困難こんなんな生せいから学まなぶいのち尊重そんちょうの洞察どうさつ――立岩たていわ真しん也と日本にっぽんの生命せいめい倫理りんり論ろん
杉田すぎた俊介しゅんすけ　凌駕りょうが不能ふのう的てき自然しぜん、あるいは、他者たしゃにとってもまた私わたし自身じしんにとっても他者たしゃであるような自己じこ
福島ふくしま 智さとし　立岩たていわは、一いち〇〇年ねん後ごも読よまれる
渡邉わたなべ 琢みがく　立岩たていわさんの「他者たしゃ論ろん」と自立じりつ生活せいかつ運動うんどうの課題かだい――『私的してき所有しょゆう論ろん』を軸じくに

＊生せいの技法ぎほうから考かんがえること
岡原おかはら正幸まさゆき　立岩たついわへ、早はやいじゃないか――『生なまの技法ぎほう』という生せいの技法ぎほうを生いきる
尾中おちゅう文ぶん哉　立岩たていわ真しん也を『生なまの技法ぎほう』で語かたることができるのか
島影しまかげ圭けい佑たすく　生せいの技法ぎほうとしてのデザイン、そしてデザインアクティビズムへ

＊書かくこととことばをつくること
小川おがわさやか　立岩たていわ文体ぶんたいの感染かんせん力りょく――生いきて在ある運動うんどうの基盤きばんとして
福嶋ふくしま 聡さとし　立岩たていわ真しん也の、納豆なっとうのような文体ぶんたい
やまだようこ　あの一言ひとことを語かたり直なおす
長見おさみ有人ゆうじん　誰だれの、は本当ほんとうはたいしたことじゃない
髙橋 淳あつし　〈私わたしが〉もらったものについて
天てん畠はたけ大輔だいすけ　お前まえそんなことで悩なやんでんじゃねえよ

＊介助かいじょ／ケアを行おこなうこと、そして働はたらくこと
岡本おかもと晃あきら明あきら　京都きょうとの路地ろじ――透すけゆく声こえと立岩たていわさん
長谷川はせがわ 唯ゆい　人ひとと人ひとの間あいだの日常にちじょうをつないで生存せいぞんの方途ほうとを照てらす
桐原きりはら尚之なおゆき　立岩たていわ真しん也について――京都きょうとでの一いち〇年間ねんかんを振ふり返かえる
葛城かつらぎ貞三ていぞう　志こころざしを継ついで歩あゆみ続つづけます
土屋つちや 葉よう　家族かぞくと愛あいとケアについて
美馬みま達哉たつや　ケアから労働ろうどうをみる――解釈かいしゃく労働ろうどう論ろんのためのメモ
堀田ほった義太郎よしたろう　反はん差別さべつと分配ぶんぱい――『私的してき所有しょゆう論ろん』第だい八はち章しょうによせて

＊生いきて存そんるを学まなぶということ
大谷おおやいづみ　立岩たていわ真しん也さんと生存せいぞん学がくのこと
田島たじま明子あきこ　立岩たていわ真しん也先生せんせいの文章ぶんしょうは残のこり続つづける
勝村かつむら久司ひさし　「優やさしすぎた改革かいかく者しゃ」が変かえようとしていたものは何なにか――立岩たていわ真しん也氏を偲しのぶ　
橋口はしぐち昌治しょうじ＋坂井さかいめぐみ　ありがとうございました。

＊フェミニズム／ジェンダーから問とわれること
安積あさか遊歩ゆうほ　アルコールの魔界まかいにのみこまれ、逝いってしまった君きみへ
山森やまもり 亮あきら  　忘わすれられたフェミニズムの歴史れきしのなかのベーシックインカム
村上むらかみ 潔きよし　立岩たていわ真しん也のフェミニズム批判ひはんは何なにに起因きいんしていたのか――初発しょはつの段階だんかいからの小しょう考こう
吉野よしの 靫うつぼ　立岩たていわ真しん也がそこにいた

＊記録きろくと記憶きおくをつなぎ、手渡てわたすこと
田中たなか恵美子えみこ　立岩たていわ真しん也の仕事しごと――障害しょうがい者しゃ運動うんどうを“つなぎ”、歴史れきしを築きずく。そして人ひとを“育そだてる”
大野おおの光明こうめい　交差こうさと流動りゅうどう——一いち九きゅう六ろく〇・七なな〇年代ねんだいの障害しょうがい者しゃ・病者びょうしゃの運動うんどう史し／運動うんどう論ろんをめぐって
山本やまもと崇たかし記き　差別さべつを論ろんじる現代げんだい史しへ
荒井あらい裕樹ゆうき　運動うんどう史しの損失そんしつ――立岩たていわ真しん也のいない世界せかい
池田いけだ光穂みつほ　しんや君くんとの真夜中まよなかの対話たいわ

＊ともに生いきること、その先さきを生いきること
青木あおき慎まき太朗たろう　情報じょうほう保障ほしょう――立岩たていわ真しん也の／と歩あゆんだ途と
小林こばやし一三かずみ　楽園らくえんづくりの途中とちゅうで
鄭てい喜き慶けい   日にち・韓かん共同きょうどうで世界せかい障害しょうがい学がく大会たいかい開催かいさいを夢見ゆめみていた立岩たていわ真しん也先生せんせい
伊東いとう香純かすみ　アフリカの精神せいしん障害しょうがい者しゃの社会しゃかい運動うんどうを詳くわしく調しらべることの意義いぎ
猪瀬いのせ浩平こうへい　防波堤ぼうはていのなくなった、生せいの溢あふれる世界せかいで――立岩たていわ真しん也さんの死しを悼いたむ