(Translated by https://www.hiragana.jp/)
スバルBRZ S(FR/6MT)【試乗記】 “スバリスト”も大満足 - webCG クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック
【スペック】全長ぜんちょう×全幅ぜんぷく×全高ぜんこう=4240×1775×1300mm/ホイールベース=2570mm/くるまじゅう=1230kg/駆動くどう方式ほうしき=FR/2リッター水平すいへい対向たいこう4DOHC16バルブ(200ps/7000rpm、20.9kgm/6400-6600rpm)/価格かかく=279まん3000えん(テストしゃ=286まん6500えん/レザー&アルカンターラパッケージ=7まん3500えん

スバルBRZ S(FR/6MT)【試乗しじょう

“スバリスト”もだい満足まんぞく 2012.04.12 試乗しじょう 下野しもの 康史やすし スバルBRZ S(FR/6MT)
……286まん6500えん

トヨタとのタッグで開発かいはつされた、スバルの新型しんがたスポーツカー「BRZ」。その仕上しあがりを、最上級さいじょうきゅうグレード「S」のMTモデルでためした。
【webCG】クルマをたか手軽てがるりたいですか? くるま一括いっかつ査定さていサービスのおすすめランキングを紹介しょうかい

たましいはエンジンに宿やど

トヨタと富士重工ふじじゅうこうの、いわば“資本しほん提携ていけい記念きねん共同きょうどう開発かいはつしゃ”が「86(ハチロク)」と「BRZ」だ。共同きょうどうとはいえ、どっちがなにをやったかをついついさぐりたくなるが、間違まちがいないのは、デザインとパッケージングがトヨタ、エンジンは富士重工ふじじゅうこうだ。
しかし、スバル水平すいへい対向たいこうはつちょく噴化には、トヨタの“D4”技術ぎじゅつ使つかわれている。生産せいさん全量ぜんりょう富士重工ふじじゅうこうで、ハチロクも群馬ぐんまけん太田おおた本社ほんしゃ工場こうじょうもと「サンバー」のラインがあった場所ばしょつくられる。

試乗しじょうしたBRZは、「S」の6だんMT。トルセンLSDや17インチホイールを標準ひょうじゅん装備そうびする最上級さいじょうきゅうグレードで、ハチロクだと「GT“リミテッド”」に相当そうとうする。両者りょうしゃとも若者わかものあついラブコールをおくるクルマだが、スタンスはあくまで“大人おとなのスポーツカー”だ。上々じょうじょう初期しょき受注じゅちゅう一番いちばんたかいグレードに人気にんき集中しゅうちゅうしているという。

スバルの試乗しじょうしゃだから、当然とうぜん新宿しんじゅくのスバルビルにある広報こうほうでクルマをり、地下ちか駐車ちゅうしゃじょうからはしりだす。すると「これはスバルだ!」と即座そくざかんじた。じつはつい数日すうじつまえ試乗しじょうかいったハチロクにはいまひとつピンとこなかったのだ。
なぜなのか、理由りゆうをずっとかんがえていたのが、そのときわかったのである。エンジンの“芸風げいふう”がトヨタてきではなかったのだ。

ロータス・エリーゼのたましいは、あの軽量けいりょうアルミフレームに宿やどるが、ハチロク兄弟きょうだいたましいはエンジンに宿やどっている。ってみると、エンジンがいちばん支配しはいてきなクルマだということがわかる。とすると、この新型しんがたFRスポーツカーはスバルとしてったほうがわかりやすいし、しっくりくる。


スバルBRZ S(FR/6MT)【試乗記】の画像 拡大かくだい
シートは、サイドサポートのおおきなスポーツタイプ。地上ちじょう400mmのひくいヒップポイントがとられる。レザー(一部いちぶ合成ごうせい皮革ひかく)とアルカンターラからなるテストしゃ表皮ひょうひはオプション。
シートは、サイドサポートの大きなスポーツタイプ。地上400mmの低いヒップポイントがとられる。レザー(一部合成皮革)とアルカンターラからなるテスト車の表皮はオプション。 拡大かくだい
「スバルBRZ」のグレードは、全部ぜんぶで3種類しゅるい装備そうび充実じゅうじつのテストしゃ「S」を筆頭ひっとうに、標準ひょうじゅんてきな「R」とモータースポーツでの使用しようやドレスアップを前提ぜんていとしたシンプルなグレード「RA」がラインナップする。
「スバルBRZ」のグレードは、全部で3種類。装備充実のテスト車「S」を筆頭に、標準的な「R」とモータースポーツでの使用やドレスアップを前提としたシンプルなグレード「RA」がラインナップする。 拡大かくだい
スバル BRZ の中古ちゅうこしゃwebCG中古ちゅうこしゃ検索けんさく

豆腐とうふでいうなら「木綿もめんあじ

ちょく噴2リッター水平すいへい対向たいこう4気筒きとうは200ps。リッター100psを実現じつげんしたハイチューンユニットは、自然しぜん吸気きゅうきのスバル・ボクサーユニットとしては、もっとこう回転かいてんこのむ。7000rpmをすと、計器けいきばんあか警告けいこくとうがつき、7500rpm手前てまえでリミッターにたってやや唐突とうとつ頭打あたまうちになる。

とはいえ、シュンシュンかるまわるタイプではない。たとえば、「ホンダ・シビック タイプR」の2リッターツインカムのような“け”のよさはない。まわして使つかうよりも、したからのトルクにせてはしったほうがたのしいし、ハマる。

100km/hとき回転かいてんすうは、6そくトップで2600rpm。そこからアクセルをめば、十分じゅうぶん力強ちからづよ加速かそくられるが、そんなてい回転かいてんでもけっしてモーターのようになめらかではなく、ちょっとざわざわした回転かいてんフィールをつたえる。豆腐とうふなら、きぬごしじゃなくて、木綿こわた豆腐とうふだ。でも、そうしたキャラクターはスバルのフラット4そのものである。“サウンドクリエーター”によって演出えんしゅつされた低音ていおん排気はいきおんも、進化しんかによってかきされてしまったあのボクサーサウンドをほうふつさせる。

パッケージングにおける最大さいだいのうたい文句もんくは「てい重心じゅうしん」だ。しかし、それよりもむしろワイドトレッドかんのほうが印象いんしょうてきだ。ボディー全幅ぜんぷくは1775mmだが、ステアリングをにぎっていると、もっとワイドなシャシーで路面ろめんをつかんでいるかんじがする。まさにそれがてい重心じゅうしん成果せいかなのかもしれないが。

サスペンションはハチロクとおなじだが、チューニングは微妙びみょうことなる。BRZはフロントがかため、ハチロクはぎゃくにリアがかためといわれる。

「インプレッサ」とはことなるボア×ストローク(86×86mm)の「フラット4」。トヨタのちょく噴システムとのわせで、2リッターの排気はいきりょうから200psを発生はっせいする。
「インプレッサ」とは異なるボア×ストローク(86×86mm)の「フラット4」。トヨタの直噴システムとの組み合わせで、2リッターの排気量から200psを発生する。 拡大かくだい
計器けいきのレイアウトは回転かいてんけい中心ちゅうしんとなる。
計器のレイアウトは回転計が中心となる。 拡大かくだい
シフトノブは、ステアリングホイールに近付ちかづくようにたかめにレイアウト。なめらかなギアチェンジのために、1〜3そくにはトリプルコーンシンクロが採用さいようされている。
シフトノブは、ステアリングホイールに近付くように高めにレイアウト。滑らかなギアチェンジのために、1〜3速にはトリプルコーンシンクロが採用されている。 拡大かくだい
しつは、車体しゃたいはしのトランクリッドのみがひらくタイプ。こうせきたおすことで、収納しゅうのうスペースを拡大かくだいすることができる。
写真しゃしんをクリックすると、トランクリッド開閉かいへい様子ようすられます)
荷室は、車体後端のトランクリッドのみが開くタイプ。後席を倒すことで、収納スペースを拡大することができる。(写真をクリックすると、トランクリッド開閉の様子が見られます) 拡大かくだい

たのしめて、使つかえる

シャシーの性格せいかくは、ハチロクのほうがよりテールハッピーである。トラクションコントロールをフルにかせていても、ハチロクはズルッとながれて、ギュッとまる。けっこう派手はであそばせてくれる。それにくらべると、BRZはより安定あんてい志向しこうで、ハチロクほどおしりながれない。

とはいえ、これだってワインディングロードでのたのしさは一級いっきゅうだ。おなじFRでも、オン・ザ・レールで安定あんていした「BMW 120iスポーツ」あたりとくらべれば、はるかに自由じゆうたかいFRドライビングがあじわえる。

ハッチバックではない完全かんぜんなる2ドアクーペ。そのせいもあってか、ボディー剛性ごうせいきわめてたかい。ワインディングロードではこれだけあそべるクルマでも、「大人おとなのスポーツカー」たりているのは、ボディーにこう品質ひんしつ剛性ごうせいかんがあるからだとおもう。

リアシートは2+2以上いじょうひろさをもつ。一方いっぽうこうせきもたれをまえたおしてトランクと貫通かんつうさせると、外観がいかんからは想像そうぞうできないほどひろゆか面積めんせきしつまれる。ロードバイク(自転車じてんしゃ)なら1だいめそうだ。こまかいところだと、全開ぜんかいまで途中とちゅう2段階だんかいのノッチがつけられたドアは、親切しんせつ使つかいやすかった。

スバルはトヨタのグループにぞくする会社かいしゃだが、ハチロク/BRZブラザーズというクルマのなかで、スバルの存在そんざいかんはとてもおおきい。かつて「AE86」をたのしんだひとたちがあたらしいハチロクにったら戸惑とまどうかもしれないが、スバリストはBRZをすんなりれて、おそらく拍手はくしゅ喝采かっさいおくるだろう。

「i-MiEV」や「リーフ」が現実げんじつのクルマになったいま、こんなにビートかんのあるエンジンしゃてきたことを素直すなおよろこびたい。

ぶん下野しもの康史やすし写真しゃしん高橋たかはし信宏のぶひろ


スバルBRZ S(FR/6MT)【試乗記】の画像 拡大かくだい
ホイールは、グレードにより16インチまたは17インチ(写真しゃしん)が用意よういされる。
ホイールは、グレードにより16インチまたは17インチ(写真)が用意される。 拡大かくだい
大人おとな2めいが“いざというときに”すわれるという、こうせきたおせば、たて136cm×よこ107cm(ホイールハウスあいだ実測じっそく)のフルフラットなしつひろがる。(写真しゃしんをクリックすると、シートをたおした様子ようすられます)
大人2名が“いざというときに”座れるという、後席。倒せば、縦136cm×横107cm(ホイールハウス間:実測値)のフルフラットな荷室が広がる。(写真をクリックすると、シートを倒した様子が見られます) 拡大かくだい
スバルBRZ S(FR/6MT)【試乗記】の画像 拡大かくだい
下野 康史

下野しもの 康史やすし

自動車じどうしゃライター。「クルマが自動じどう運転うんてんになったらいいなあ」なんておもったことはいちもないのに、なんでこうなるの!? とおもっている自動車じどうしゃライター。近著きんちょに『とうげり』(八重洲出版やえすしゅっぱん)、『ポルシェよりフェラーリよりロードバイクがき』(講談社こうだんしゃ文庫ぶんこ)。

試乗しじょう新着しんちゃく記事きじ
  • レクサスRX450h+“バージョンL”(4WD/CVT)【試乗しじょう 2025.6.3 「レクサスRX450h+“バージョンL”」はさき改良かいりょうによって全体ぜんたいあらい練度れんどがグッとアップ。プレミアムブランドのSUVとして完成かんせいがさらにたかまっている。ただし、そうするとまたつぎ課題かだいえてしまうから、人間にんげんというのはまことにぜいたくなものである。
  • レンジローバー・スポーツSVエディションツー(4WD/8AT)【試乗しじょう 2025.6.2 「レンジローバー・スポーツSVエディションツー」をドライブ。強力きょうりょくなV8エンジンや専用せんようあしまわりで武装ぶそうし、サーキット走行そうこうまで見据みすえたハイパフォーマンスモデルだ。“レンジローバー史上しじょう最速さいそく”の実力じつりょく一般いっぱんどう高速こうそく道路どうろあじわってみた。
  • ボルボXC90ウルトラB5 AWD(4WD/8AT)【試乗しじょう 2025.5.31 モデルライフがついに10ねん突破とっぱした、ボルボの最上級さいじょうきゅうSUV「XC90」。ボルボはまだこのモデルに頑張がんばってもらうつもりのようだが、その商品しょうひんりょく今日きょうでも通用つうようするレベルにあるのか? マイナーチェンジをけた最新さいしんモデルに試乗しじょうしてたしかめた。
  • MINIジョンクーパーワークスE/MINIジョンクーパーワークス エースマンE【海外かいがい試乗しじょう 2025.5.28 電気でんき自動車じどうしゃ(BEV)けたみちをひたはしるMINIは高性能こうせいのうバージョン「ジョンクーパーワークス(JCW)」にもきちんとBEVばん用意よういしている。「JCW E」(3ドア)と「JCWエースマンE」の仕上しあがりをリポートする。
  • フォルクスワーゲン・パサートTDI 4MOTION Rライン(4WD/7AT)【試乗しじょう 2025.5.27 いさぎよくセダンを廃止はいしし、ステーションワゴン一本いっぽん勝負しょうぶする新型しんがた「フォルクスワーゲン・パサート」。最新さいしんの「MQB evo」プラットフォームを採用さいようしてひとまわりおおきくなったボディーと、ディーゼルエンジン「TDI」のりなすフラッグシップモデルのはしりを、ロングドライブでたしかめた。
試乗しじょう記事きじをもっとみる
クルマにかかわる仕事しごとがしたい
スバル BRZ の中古ちゅうこしゃwebCG中古ちゅうこしゃ検索けんさく
関連かんれんキーワード
関連かんれんサービス(価格かかく.com)
新着しんちゃく記事きじ
新着しんちゃく記事きじをもっとみる
車買取・中古車査定 - 価格.com

メルマガでしかめないコラムや更新こうしん情報じょうほう次週じしゅう予告よこくなどをる。

登録とうろくいただいた情報じょうほうは、メールマガジン配信はいしんのほか、『webCG』のサービス向上こうじょうやプロモーション活動かつどうなどに使つかい、その利用りようおこないません。

登録とうろくありがとうございました。

webCGの最新さいしん記事きじ通知つうちりませんか?

くわしくはこちら

表示ひょうじされたおらせの「許可きょか」または「はい」ボタンをしてください。