五輪ごりんボクサー性別せいべつ騒動そうどうにトランプ氏し側がわが便乗びんじょう「ハリスの主張しゅちょうが行いき着つく世界せかいだ」

　パリ五輪ごりんのボクシング競技きょうぎを巡めぐり論争ろんそうが巻まき起おこっている。ここにトランプ前ぜんアメリカ大統領だいとうりょうが殴なぐり込こみ、さらに騒動そうどうが拡大かくだいしている。
　
　欧州おうしゅうメディア記者きしゃが解説かいせつする。

「事ことの発端ほったんは2023年ねんの世界せかい選手権せんしゅけん。DNA検査けんさを用もちいた性別せいべつ適格てきかく性せい検査けんさで“テストステロン（男性だんせいホルモン）の基準きじゅん値ちが高たかい”“男性だんせいのXY染色せんしょく体たいをもっている”として、アルジェリアのケリフ選手せんしゅは出場しゅつじょう取とり消けしとなっていた。そのケリフ選手せんしゅが、IOCの許可きょかのもと8月がつ1日にちにおこなわれた女子じょし66㌔級きゅうボクシング2回戦かいせんに登場とうじょう、イタリアのアンジェラ・カリニと対戦たいせんした。カリニ選手せんしゅは19年ねんの世界せかい選手権せんしゅけんで銀ぎんメダルを獲得かくとくしていて今回こんかいも金きんメダル候補こうほとして名ながあがっていた強豪きょうごうのひとりだ」　　　　　　　

　しかしカリニ選手せんしゅは開始かいし46秒びょうでケリフ選手せんしゅから鼻はなを殴なぐられた後のち、そのパンチ力りょくに違和感いわかんをおぼえコーチに「もう戦たたかえない」と相談そうだん、泣ないて棄権きけんしたことから騒動そうどうとなった。その報道ほうどうに急遽きゅうきょ反応はんのうしたのがトランプ前ぜん大統領だいとうりょうだ。通信つうしん社しゃ記者きしゃが言いう。　

「トランプ氏しは1日にち、自身じしんのソーシャルメディアに『私わたしは男性だんせいを女性じょせいスポーツから排除はいじょする』と投稿とうこう。トランプ氏しは、アルジェリア選手せんしゅの名前なまえこそ出だしていないがケリフ選手せんしゅを『男性だんせい』と決きめつけ、『トランスジェンダー』の女性じょせいスポーツ参加さんかへの反対はんたい論ろんを強つよく訴うったえたのです」　　　　　　　　

　トランプ氏しから副ふく大統領だいとうりょう候補こうほとして指名しめいされているバンス上院じょういん議員ぎいんも、これに即そく反応はんのうしXに「成長せいちょうした男性だんせいが女性じょせいをボクシングで打うちのめす。これがハリス氏しのジェンダーに関かんする考かんがえ方かたが行いき着つく先さきだ」と主張しゅちょうした。前出ぜんしゅつ・通信つうしん社しゃ記者きしゃが明あかす。　　　　　　　　

「バンス氏しはハリス副ふく大統領だいとうりょうが男性だんせいの女性じょせいスポーツへの参加さんかを支持しじしていると根拠こんきょのない主張しゅちょうを展開てんかいしてハリス批判ひはんの材料ざいりょうにしているのです」　　　　　

　今回こんかいの問題もんだいで出場しゅつじょうを許可きょかしたIOCは《すべての人ひとは差別さべつなくスポーツをする権利けんりがある。2人ふたりの選手せんしゅは東京とうきょうオリンピックなど国際こくさい的てきな大会たいかいに長年ながねん、女性じょせいのカテゴリーで出場しゅつじょうしてきた》と説明せつめいしている。いずれにしてもこの問題もんだい、大統領だいとうりょう選せんまで巻まき込こみ波乱はらんぶくみの様相ようそうだ。

(田村たむら建けん光こう)