仕事しごとに差さがつく！阿久津あくつ良和よしかず「Office 365のスゴ技わざ」 第だい7回かい

会議かいぎ時間じかん、メール処理しょり時間じかんを可視かし化かしてAIがアドバイスをくれる

AIが“働はたらき方かたの改善かいぜん提案ていあん”をしてくれる「MyAnalytics」を活用かつようしよう

　Office 365を使つかいこなして仕事しごとを早はやく終おわらせたい皆様みなさまにお届とどけする本ほん連載れんさい。第だい7回かいは、AIが仕事しごとの時間じかん配分はいぶんを再考さいこうする気きづきを与あたえてくれる「MyAnalytics」を取とり上あげる。

　従業じゅうぎょう員いんの労働ろうどう時間じかんや業務ぎょうむ内容ないようを把握はあくするために、タイムカードや日報にっぽうを課かしている企業きぎょうは今いまでも珍めずらしくない。プロジェクト管理かんりのために細こまかく稼働かどう時間じかんを集計しゅうけいしているケースもあるだろう。一方いっぽうで、自分じぶん自身じしんのために、仕事しごとごとの時間じかん配分はいぶんなどを記録きろくして日々ひびの働はたらき方かたを見直みなおしてしる方かたはどのくらいいるだろうか。

　MyAnalyticsは、Office 365を通つうじて行おこなう作業さぎょう（会議かいぎ・メール・集中しゅうちゅう時間じかん・残業ざんぎょう時間じかん）を自動じどうで可視かし化かしてくれる機能きのうだ。Office 365 Enterprise/Education/Nonprofit E5プランで提供ていきょうしている（Office 365 Enterprise E1/E3プランおよびOffice 365 Education/E3プランはアドオン購入こうにゅうが可能かのう）。

　MyAnalyticsは、もともと、組織そしき内ないの効果こうか的てきな共同きょうどう作業さぎょうをうながすために、誰だれがどの業務ぎょうむに時間じかんを費ついやしているか、どの人ひとが誰だれと連携れんけいしているかを可視かし化かする「Delve Analytics」の名称めいしょうて提供ていきょうされていたサービスを改称かいしょうしたものだ（その名残なごりからOffice 365ホームページには、"Delve"の文字もじが見みえ隠かくれしている）。“MyAnalytics”の新しん名称めいしょうからもわかるように、会社かいしゃが従業じゅうぎょう員いんの働はたらき方かたを管理かんりするための機能きのうではなく、自分じぶん自身じしんのために自分じぶんの業務ぎょうむ時間じかんを把握はあくするためのサービスと位置付いちづけられている。

とあるユーザーの作業さぎょう時間じかんを可視かし化かした状態じょうたい。この情報じょうほうを分析ぶんせきしてAIが行動こうどうを提案ていあんする（画像がぞうはすべて日本にっぽんマイクロソフト提供ていきょう）

　以前いぜん筆者ひっしゃがMyAnalyticsについて日本にっぽんマイクロソフトに取材しゅざいした際さい、担当たんとう者しゃは「会議かいぎ時間じかんに28.5時じ間あいだ/週しゅうも費ついやしていた。自分じぶんを含ふくめた関係かんけい者しゃとの会議かいぎ状態じょうたいを可視かし化かし、定例ていれい会議かいぎの見直みなおしや事前じぜんの情報じょうほう共有きょうゆうで（会議かいぎ時間じかんを）削減さくげんできる」と述のべていた。世間せけんでは“働はたらき方かた改革かいかく”が叫さけばれているものの、その提案ていあんを行おこなうための会議かいぎを重かさねるという、落語らくごのオチにもならない話はなしを耳みみにしたことがある。仕事しごと上じょう、会議かいぎによる関係かんけい者しゃの意思いし疎通そつうは重要じゅうようだが、労働ろうどう時間じかんに占しめる会議かいぎ時間じかんの割合わりあいがあまりにも高たかいという数字すうじを突つき付つけられれば、会議かいぎ室しつに束縛そくばくされないオンライン会議かいぎに切きり替かえたり、メールやチャットツールでの打うち合あわせに変更へんこうしたり、といったアクションを起おこしたくなる。

より詳細しょうさいな可視かし化か情報じょうほう。会議かいぎ時間じかん1つ取とっても組織そしきの平均へいきん時間じかんや自身じしんのスケジューリングと実際じっさいの結果けっかの差異さいが一目いちもくで分わかる

メール着信ちゃくしんから開ひらいた時間じかんまでも検出けんしゅつ。これはメール確認かくにんによる集中しゅうちゅう力りょくの欠如けつじょを回避かいひするための提案ていあんだ

　MyAnalyticsは、業務ぎょうむ時間じかんを可視かし化かするだけでなく、AIが業務ぎょうむの“改善かいぜん提案ていあん”をしてくれる。上うえ図ずではメール閲覧えつらん時間じかんについてのAIの提案ていあんが示しめされている。

　これはOffice 365メールボックスからデータを収集しゅうしゅうし、個人こじんと会社かいしゃのメール作成さくせい・閲覧えつらんに費ついやした時間じかんに基もとづいて行おこなう（PCに限かぎらず、スマートフォンから送信そうしん・閲覧えつらんしたメールも対象たいしょうだ）。既定きていルールでは、作成さくせいメールの送信そうしんに対たいして5分ふん、受信じゅしんメール閲覧えつらん時じに2.5分ふんを割わり当あてており、画面がめんの例れいでは合計ごうけい時間じかんが12.1時じ間あいだとなる。メールヘッダーのタイムスタンプを元もとに閲覧えつらんタイミングも記録きろくしているため、上うえ図ずのようにAIが「もっとゆっくりで良よいんですよ」と提案ていあんしているのだろう。

　さらに就業しゅうぎょう時間じかん内外ないがいや、送信そうしんメールが読よまれた件数けんすうや自身じしんが読よんだ割合わりあいなどもデータとして蓄積ちくせきされるため、「この人ひとをCCに含ふくめる必要ひつようがあるのか」、「本来ほんらいのそのメールは送おくるべきか」といった洞察どうさつも与あたえてくれる。

AIから「会議かいぎ中ちゅうにメールの送受信そうじゅしんが多おおい」との提案ていあんを受うけて、会議かいぎ時間じかんの見直みなおしをMyAnalyticsから関係かんけい者しゃに送信そうしんできる

個人こじんの統計とうけい情報じょうほうをチーム内ないで共有きょうゆうし、より効率こうりつ的てきな時間じかんの使つかい方かたを見直みなおす契機けいきになる

　毎日まいにち、一定いっていの“メール処理しょり時間じかん”を確保かくほしている方ほうは多おおいと思おもうが、移動いどう中ちゅうにスマートフォンで対応たいおうしたメールの数かずや、夜間やかんに急いそぎの対応たいおうをしたメールの量りょうまでは把握はあくしきれていないだろう。ましてや、メールを送おくった先さきの人ひとがそのメールをいつ処理しょりしているのかはツールがなければ知しる由よしもないし、その改善かいぜん策さくはAIに指摘してきされなければ思おもいつかない。

　MyAnalyticsのライセンスを割わり当あてられたユーザーの場合ばあい、自動的じどうてきに「Microsoft MyAnalytics Outlookアドイン」が有効ゆうこうになる。上うえ図ずのとおり、MyAnalyticsからもメール送信そうしんは可能かのうだが、使つかい慣なれたツールと連携れんけいした方ほうが便利べんりなはず。ただし、本ほんアドインでは送信そうしんメールに対たいする閲覧えつらん・転送てんそう・返信へんしんした人数にんずうやアクティビティは示しめされるものの、5人にん以上いじょうに送信そうしんしたメールは統計とうけい情報じょうほうのみとなる。