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ASCII.jp:なぜポケモンは「ピカチュウトーク」を作ったのか

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ピカチュウのごえだけで100種類しゅるい以上いじょう

なぜポケモンは「ピカチュウトーク」をつくったのか

2017ねん11がつ10日とおか 0700ふん更新こうしん

ぶん盛田もりた りょう(Ryo Morita)

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 先日せんじつスマートスピーカーでどもがたのしそうにあそんでいる海外かいがい動画どうがかけました。

 今年ことしのクリスマスから日本にっぽんでもそんな光景こうけいえてくるのかなとおもいつつ、実際じっさいそんなにあそべるサービスはまだ市場いちばにないのでは? とかんじていましたが、ポケモンしゃが8にち発表はっぴょうしたスマートスピーカーアプリ「ピカチュウトーク」は1つのキラーサービスになりそうです。

 ピカチュウトークは、Google Home、Amazon Echoで、ポケットモンスターに登場とうじょうするキャラクター・ピカチュウとおしゃべりできるサービスです。Google Homeなら「OK Google」、Amazon Echoなら「Alexa」とびかけたあと、「ピカチュウとはなしたい」というとピカチュウを召喚しょうかんしてくれます。スマートフォンのアプリとちがい、ダウンロードやインストールは必要ひつようありません。電話でんわで「117」をすと時報じほうながれるような感覚かんかくですね。

 ピカチュウは基本きほん「ピカ~」「ピカチュウ」というごえしかしませんが、ごえのパターンは様々さまざまです。「ピカチュウ、10まんボルトだ!」とはなしかけると「ピィ~~……カチュウゥゥゥ!!」とさけんだり、「今日きょう誕生たんじょうなんだ」とはなしかけると「ピッカ(ハッピ)ピーカー(バースデー)ピーカー(トゥーユー)♪」とふしをつけてうたってくれたり。かずひゃく種類しゅるいびかけに、100種類しゅるい以上いじょう音声おんせいかえします。今後こんごアップデートもあるそうです。ゲームばんポケモンのプレイヤーならおもわずうれしくなってしまうようなサプライズも用意よういしているということ。色々いろいろためしたくなりますね。

 グーグルが9にち開催かいさいした「Actions on Google」(Google Homeけサービス開発かいはつ環境かんきょう説明せつめいかいにはポケモンしゃ新藤しんどう貴行たかゆき小川おがわとし登場とうじょうし、なぜピカチュウトークを開発かいはつしたのかをかたりました。ポケモンしゃ社是しゃぜは「ポケモンという存在そんざいとおして現実げんじつ世界せかい仮装かそう世界せかい両方りょうほうゆたかにすること」。スマートスピーカーはポケモンしゃがめざす2つの方針ほうしんにマッチしていたそうです。

ポケモンしゃ新藤しんどう貴行たかゆき

 2つの方針ほうしんとは、「最新さいしん技術ぎじゅつあたらしいエンタメをす」「間口まぐちひろく、奥行おくゆきをふかくとる」。スマートスピーカーという最新さいしん技術ぎじゅつ使つか世界中せかいじゅうのさまざまなひとにポケモンのコンテンツをたのしんでもらいたいとかんがえ、ピカチュウトークを開発かいはつしたそうです。開発かいはつこころがけたのは「こえ真剣しんけん勝負しょうぶ」。簡単かんたん使つかえる一方いっぽう、「ピカ」と「チュウ」の音声おんせいだけでどこまで世界せかいかん奥行おくゆきをせるかにこだわり、面白おもしろ法人ほうじんカヤックと、アニメばんポケモンテーマソング作詞さくし戸田とだ昭吾しょうごさんの協力きょうりょくて、サービスを開発かいはつしていったということ。

ポケモンしゃがグーグルにした企画きかくしょ(1)ピカチュウをぶと「ピカ!」といます

ポケモンしゃがグーグルにした企画きかくしょ(2)「ただいま」というと「ピカチュ!」といます

ポケモンしゃがグーグルにした企画きかくしょ(3)「誕生たんじょうおめでとう」というと「ピカピイ~カチュウ~~♪」といます

 ようするにポケモンはブランドプロモーションのためにピカチュウトークをつくったということですが、他社たしゃはどうなのでしょうか。ピカチュウトークのようにGoogle HomeからせるActions on Googleサービスは、Ameba、SUUMO、べログ、ホットペッパーグルメ、楽天らくてんレシピなどが提供ていきょうちゅう。たとえば料理りょうりのレシピがりたければ楽天らくてんレシピをして使つかうといったかたちです。グーグルをかいして自社じしゃサービスを使つかってもらう情報じょうほうポータルてき意味合いみあいがきょうそうですね。

 Actions on GoogleはGoogle Playとちがって、サービスじょう有料ゆうりょうアイテムを販売はんばいしたり、広告こうこくれて収入しゅうにゅうたりといったお金儲かねもうけはできません。冒頭ぼうとう時報じほうといいましたが、通信つうしん料金りょうきんさえはらえばだれでも利用りようできる無料むりょうサービスです。一方いっぽう時報じほうなら「117」というように、どんなしコマンドでどんな機能きのうがあるかは、ユーザーがどこかでさがさないとつかりません。ディスプレイがないスピーカーでどうやって目当めあてのコマンドを使つかってもらうかは今後こんご課題かだいになりそうです。

 こうしてActions on Google対応たいおうサービスをていくと、ピカチュウトークは本当ほんとうによくできたサービスだなとかんじました。なぜかといえば「ピカチュウとはなしができる」以外いがいなにもできないからです。

 最初さいしょはユーザーの位置いち情報じょうほうにもとづいてピカチュウが天気てんき予報よほうおしえる機能きのうをもたせるアイデアもあったそうですが、それではピカチュウではなく機能きのう主役しゅやくになってしまいます。「10まんボルト」でスマートスピーカー対応たいおうライトをひからせるアイデアもありましたが、やはり実装じっそう見送みおくり。気持きもちよくピカチュウと会話かいわする方法ほうほう徹底的てっていてき追求ついきゅうしてできたのがピカチュウトークです。

 あたらしい技術ぎじゅつでこんなこともできるとわれるとそちらにけがちです。しかし実際じっさいスマートスピーカーにはなしかけたいとかんじるのはピカチュウとはなすのがたのしいからで、それ以外いがい要素ようそはいるとむしろ邪魔じゃまになってしまいます。どもをはじめとする利用りようしゃたのしんでもらうことだけをかんがえて、こえという本質ほんしつだけを追求ついきゅうしたのはさすがだなとかんじました。

 機能きのうてきにはたとえばAmazon Echoユーザー限定げんてい音楽おんがく放題ほうだい月額げつがく980えんから月額げつがく380えんがるというのも魅力みりょくてきなのですが、AIやロボットはむしろ便利べんりさや機能きのうせいといった概念がいねんからはなれたところ、あい価値かちがあるとかんじます。とくにスピーカーにできることは音声おんせいすことだけなので、ピカチュウトークはスマートスピーカーの価値かち最大限さいだいげんすサービスではないかともかんじました。

 実際じっさいどもがたのしんでくれるかどうかはわからないのですが、とりあえずわたしはサプライズをさがすべく、いまから候補こうほリストの準備じゅんびをはじめています。

ところでピカチュウがおとこおんなかはしっぽのかたちかるってってましたか(※初出しょしゅつ「しっぽのき」としていましたがかたちあやまりでした)


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