仕事に差がつく!阿久津良和「Office 365のスゴ技」
第92回
非Office 365ユーザーでもファイルをセキュアに共有できる
外部との仕事がはかどるOneDrive for Businessの「ファイル要求」
2020年02月13日 09時00分更新
文● 文●阿久津良和 編集●大谷イビサ
本連載は、マイクロソフトのSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション(以下、アプリ)「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。
Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。今回はOneDrive for Businessの「ファイル要求」に注目する。
外部ユーザーも安全にファイルにアクセスできる
昨今のビジネスは内製にとどまらず、プロジェクト単位で外部協力者の手を借りることが多い。しかし、ファイル共有の場面はいまだに煩雑な場面に遭遇する。企業が採用するクラウドストレージがアカウントの払い出しに対応していれば、期間を区切って外部協力者に提供すれば済む。だが、未対応の場合はリンクを知るユーザーなら参照可能な共有フォルダーを用意しなければならない。誰でもプロジェクト関連ファイルに参照できるのであれば、コンプライアンスの問題が発生するのは火を見るより明らかだ。そこで活用したいのが、OneDrive for Businessが2019年12月から提供開始した「ファイル要求」機能だ。
Microsoft Ignite 2019で発表したファイル要求は、Office 365アカウントを所有していない組織外のユーザーに対して、ファイルのアップロードを求める機能である。ただし、そのままでは使用できず、SharePoint管理センターで「リンクを知っているユーザー」に対するアクセス許可を付与する必要がある。まずはアップロードフォルダーの準備から手順を紹介しよう。
事前設定を行わずにファイル要求を行なうとエラーが発生する
SharePoint管理センターの「ポリシー」で「リンクを知っているユーザー」を選択し、ファイルおよびフォルダーのアクセス許可を「表示と編集」「表示、編集、アップロード」に変更する
アップロード用フォルダー作成後に選択し、メニューもしくは上部から「ファイルを要求する」を選択する
次にアップロードするユーザーに向けたメッセージを入力し、「次へ」ボタンを押す。内容はプロジェクト名など分かりやすいものがよい
共有時と同じく、リンクのコピーやリンクをメールで送信できる。汎用性を踏まえると、プロジェクト参加者用メーリングリストへの直接投稿や、「リンクのコピー」ボタンでURLをメールで共有するとよい
これでファイル要求の準備は完了した
次は外部協力者側に回ってファイルのアップロードを行う。Office 365アカウントを所有している場合、氏名は自動挿入されるが、未サインイン時は名前入力が必要になるため注意してほしい。
URLを任意のWebブラウザーで開くと、メッセージと共にファイルのアップロードをうながされる。「ファイルの選択」ボタンを押して、必要なファイルをアップロードすればよい
続いて自身の名前を入力し、「アップロード」ボタンを押す。複数のファイルをアップロードする場合は、「その他のファイルを追加」から選択すればよい
これでアップロード完了だ。作業を終える場合はWebページを閉じる
アップロードしたファイル名は「名前_名字_元のファイル名」という形にリネームされる。これで自社のファイルが外部にさらすことなく、外部協力者からのファイルの受取場所を確保できた。
アップロードが完了するとアップロード用フォルダーのオーナーにメールによる通知が届く
また、アップロード用フォルダーのアクティビティからもアップロード履歴を確認できる
なお、プロジェクト完了後は以下の手順でファイルの要求を停止すれば、通常のフォルダーとなる。
対象フォルダーを選択し、メニューから「アクセス許可の管理」を選択する
リンクの右側にある「…」ボタン→「×」ボタンと順に押して、確認をうながすメッセージの「リンクの削除」を押す