柳谷智宣がAdobe Acrobatを使い倒してみた
第121回
月額差200円! Acrobat Pro DCとStandard DC、どっちがお得?
2020年08月31日 09時00分更新
文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水
提供: アドビ
本連載は、Adobe Acrobat DCを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第121回は、Acrobat Pro DCとStandard DCのプランの違いについて解説する。
Acrobat Pro DCのみで利用できる機能はこんなに便利
Acrobat DCはStandardとProの2プランが用意されている。年払いのサブスクリプションなら月当たり1380円(税別)と1580円(税別)となる。価格差は月額200円となり、利用できる機能が異なる。今回は差別化機能をチェックして、どちらがお得かチェックしてみよう。ちなみに、月々払いだとStandardが月額2480円(税別)、Proが月額2680円(税別)と高くなるので、年払いがお得だ。
Acrobat Standard DCにはなく、Pro DCだけで利用できる機能のうち、一般的に活用できそうなものをピックアップしてみる。まずPDFの操作カテゴリーでは、2つのバージョンのPDFを比較し、すべての差分を確認できるのが見逃せない。原稿や契約書が送られてきたとき、以前のバージョンとどこが変わっているかを一目でわかるのが便利だ。人の目でチェックしていると時間がかかるし、何よりミスしてしまう。
複数バージョンの変更点を探す作業を行なうなら、「ファイルを比較」機能は必須だ。(「第88回 賃貸契約書の変更点を見逃さない! Acrobat DCの「ファイルを比較」機能」を参照)
Acrobat Pro DCなら、契約書のどこがどう変更されたのかをわかりやすく表示してくれる
Macbook ProのTouch Barにも対応しており、Acrobat Pro DCの状態に合わせてボタンが変化し、タッチするだけで編集や検索機能などを利用できる。
Touch BarにAcrobat Pro DCを操作するボタンが表示される
PDFの作成カテゴリーでは、アクションウィザード(「第29回 複数のPDFに自動で同じ処理ができる「アクションウィザード」機能」参照)が使える。特定の操作を登録しておき、複数のファイルにまとめて適用できる。
初期設定で「Webとモバイルに最適化」などの項目が用意されている。例えば、「スキャン書類処理」では通し番号を付け、OCRでテキストを認識したら、ページを最適化し、透かしを追加したら暗号化して保存するという作業を自動で行ってくれるのだ。
もちろん、規定のアクションだけでなく、自分で処理を追加して新たに作成することもできる。
アクションウィザードでは設定した複数の処理をまとめて自動化できる
PDFの編集カテゴリーではPDF内の表示されている機密情報を墨消ししたり、PDFにオーディオやビデオ、インタラクティブオブジェクトを追加したりできる。
さらに、モバイル端末のAcrobat ReaderにPro DCのアカウントでサインインすることで、PDFを編集したり画像を追加したりできるようになる。タブレット端末ならさらに、ページの並べ替えや開店、削除なども可能になる。
墨消しは「第63回 PDFの隠したい部分を「墨消し」で完璧に消してみる」、動画の追加は「第94回 Acrobat DCなら動画ファイルのレビュー&コメントもラクラク管理」、モバイルアプリでの編集は「第62回 iPadのAcrobat ReaderアプリでPDFを編集してみる」を参照して欲しい。
墨消し機能では、共有する相手には見せたくない情報を完全に消去できる
動画をPDFに取り込みレビューしたり注釈を付けたりできる
モバイル端末のAcrobat ReaderアプリでもPDFの編集が可能になる。画面はiPad
共有と署名カテゴリーでは、PDFを自動的に最適化してファイルサイズを縮小したり(「第25回 画像が多いPDFのファイルサイズを小さくしてみる」を参照)、ハイエンドな印刷物を制作するためにファイルを準備したりできる。JavaScriptを使ってPDFを拡張することも可能だ。
PDFの最適化機能では画質を落としてファイルサイズを小さくできる
Acrobat DC Proのみで利用できる機能は今回紹介した以外にもたくさんある。筆者にとってのイチオシ機能は、ファイルを比較と動画埋め込み、そしてモバイル端末での編集だ。皆さんにも、どんな使い方ならStandardがお勧め、というより、Acrobatを使う全ユーザーにProをお勧めしたいところだ。