業務ぎょうむを変かえるkintoneユーザー事例じれい 第だい131回かい

今年ことしもやってきたkintone hive！　福岡ふくおか1本ほん目めは保育園ほいくえんの情報じょうほう共有きょうゆうがテーマ

kintoneで保育園ほいくえんシステムを構築こうちく！生うまれた余裕よゆうで大学院だいがくいんの修士しゅうし論文ろんぶんを執筆しっぴつ

　サイボウズの「kintone hive 2022」の第だい1弾だんがZepp福岡ふくおかで開催かいさいされた。kintone hiveはkintoneのユーザー事例じれいを共有きょうゆうしあうイベントで、優勝ゆうしょうした企業きぎょうはCybozu Daysで開催かいさいされる「kintone AWARD」に進出しんしゅつする。今回こんかいは久ひさしぶりのリアル開催かいさいで、盛もり上あがった。

　トップバッターは沖縄おきなわ県けん沖縄おきなわ市しにある共同きょうどう福祉ふくし会かい たんぽぽ保育園ほいくえんの嘉陽かよう暁美あけみ（かよう あけみ）氏し。法人ほうじん理事りじで副ふく園長えんちょうである嘉陽かよう氏しは運営うんえいの統括とうかつをしている。日々ひび忙いそがしい最中さいちゅう、なんと大学院だいがくいんを先日せんじつ卒業そつぎょうしたそう。

共同きょうどう福祉ふくし会かい たんぽぽ保育園ほいくえん 法人ほうじん理事りじ・副ふく園長えんちょう 嘉陽かよう暁美あけみ氏し

多岐たきにわたる保育園ほいくえんの運営うんえい業務ぎょうむのICT化かを求もとめ、kintoneに出会であった

　保育園ほいくえんが超ちょうハードワークということは、ニュースなどで目めにすることも多おおいので周知しゅうちのことだろう。保育ほいく士し達たちは、子供こどもひとりひとりと丁寧ていねいに関かかわりたい、保護ほご者しゃと一緒いっしょに寄より添そいたいと思おもっていても、1年ねんの通とおして行事ぎょうじのスケジュールに追おいかけられたり、日々ひびの書類しょるい業務ぎょうむに埋うずもれて落おち着つくことがないという。

　もちろん、保育園ほいくえんの運営うんえい業務ぎょうむも大変たいへんだ。会計かいけい管理かんりや請求せいきゅう管理かんり、理事りじ会かい運営うんえいに加くわえ、補助ほじょ金きんで運営うんえいしている認可にんか保育園ほいくえんなので、説明せつめい責任せきにんを果はたさなければならず、行政ぎょうせいに提出ていしゅつする書類しょるいがとても多おおい。

「矢継やつぎ早ばやに押おし寄よせてくる実績じっせき報告ほうこく、申請しんせい、概算がいさん請求せいきゅうなどのExcelと紙かみの波状はじょう攻撃こうげきを受うけていて、疲弊ひへいしてしまいます」と嘉陽かよう氏し。

保育ほいく業務ぎょうむは多岐たきにわたり、とても忙いそがしい

　保育園ほいくえんは対人たいじん援助えんじょ職しょくなのでリモートワークは無理むり。嘉陽かよう氏しはICT化かすればいいのではないか、と考かんがえて保育ほいくシステムを探さがし始はじめた。一般いっぱん的てきな保育ほいくシステムには登降とうこう園えんシステムが搭載とうさいされてる。タッチパネルなどに子供こどもの名前なまえを表示ひょうじしてタッチしてもらったり、タイムカードのように子供こどもの登とう園えん時間じかんを打だ刻こくする仕組しくみだ。

　しかし、たんぽぽ保育園ほいくえんで送おくり迎むかえをするのは、高齢こうれい者しゃのお爺じいちゃん、お婆ばあちゃんたちだそう。事故じこ防止ぼうしのために確実かくじつな対面たいめん引ひき渡わたしをするには、そのような登降とうこう園えんシステムだとリスクがあると考かんがえ、登降とうこう園えんシステムのない保育ほいくシステムを探さがしたところ、望のぞむシステムが見みつからなかった。

「求もとめているのは、多様たよう・多た世代せだいの子育こそだてを支ささえること。デジタルが苦手にがてなど、配慮はいりょを必要ひつようとする人ひとたちへの寄より添そいです。そこで、パソコン保守ほしゅをしている株式会社かぶしきがいしゃオフィスシステムプロダクトさん（以下いかOSP）に相談そうだんして、ついにkintoneと出会であえました。しかし、導入どうにゅうの課題かだいもありました」（嘉陽かよう氏し）

望のぞむ保育ほいくシステムを探さがし続つづけ、ついにkintoneと出会であう

まず先さきに「子育こそだて支援しえんの可視かし化か・共有きょうゆう化か・一本いっぽん化か」というコンセプト

　嘉陽かよう氏しが調しらべてみると、kintoneは何なにでもできる、誰だれでも使つかえる魔法まほうのようなツール……ではなかった。kintoneを入いれるだけで、魔法まほうのように業務ぎょうむ改善かいぜんできるわけではない。

　そこで嘉陽かよう氏しは自分じぶんが何なにをしたいのか考かんがえた。まずは、やりたいことをすべて洗あらい出だす作業さぎょうに取とりかかったのだが、リストが膨大ぼうだいで泥沼どろぬまにはまり、全体ぜんたい像ぞうが見みえなくなったそう。しかも、その時ときは新園しんぞの舎しゃ建設けんせつ事業じぎょうも同時どうじに進すすんでおり、とても忙いそがしい時期じきだった。さらには、新型しんがたコロナウイルスの感染かんせん拡大かくだいにより、毎日まいにち、消毒しょうどくに追おわれてピリピリした状態じょうたいだったという。

　kintoneの導入どうにゅうはパートナー企業きぎょうと一緒いっしょに取とり組くんだ。嘉陽かよう氏しの頭あたまの中なかにある全体ぜんたい像ぞうをパートナー企業きぎょうに理解りかいしてもらうため、徹底的てっていてきな話はなし合あいを重かさねた。そして、アプリを作つくってエラーが起おきたら修正しゅうせいし、また作つくっていくという繰くり返かえしで課題かだいをクリアしていった。

あれもやりたい、これもやりたい、とkintoneの構想こうそうが膨ふくらむ

「OSPさんとたんぽぽ保育園ほいくえんという枠わくを越こえて、チームで保育ほいく業務ぎょうむ改善かいぜんを進すすめました。そして、子育こそだて支援しえんを可視かし化か・共有きょうゆう化か・一本いっぽん化かという業務ぎょうむ改善かいぜんのコンセプトが誕生たんじょうしました」（嘉陽かよう氏し）

　チームでkintoneの開発かいはつに当あたり、嘉陽かよう氏しの脳のう内ないにあったイメージが実現じつげんした。園児えんじスペースでは、園児えんじの名簿めいぼと保護ほご者しゃの名簿めいぼがアプリとなって紐ひも付ついている。会計かいけいスペースでは、園児えんじの名簿めいぼと保護ほご者しゃの名簿めいぼがアプリとなって紐ひも付ついて請求せいきゅう管理かんりを行おこなう。職員しょくいんのスペースでは職員しょくいんマスタと超勤ちょうきん申請しんせいや研修けんしゅう記録きろくなど色々いろいろなアプリが紐ひも付つく。他たに、子育こそだて支援しえんセンターや図書としょのスペースも作つくった。

脳のう内ないイメージをkintoneで実現じつげんし、望のぞんでいた保育ほいく士しシステムを構築こうちくした