日本にっぽんでの年次ねんじイベント開催かいさいにあわせて会長かいちょう兼けんCEOのチャールズ・ジャンカルロ氏しが来日らいにち

ピュア・ストレージCEO、「as-a-Service」強化きょうかやサステナビリティ支援しえんを語かたる

2022年ねん08月がつ26日にち 15時じ00分ふん更新こうしん

文ぶん● 末岡すえおか洋子ようこ　編集へんしゅう● 大塚おおつか／TECH.ASCII.jp

　ピュア・ストレージ・ジャパンは2022年ねん8月がつ25日にち、都内とないで年次ねんじイベント「Pure//Accelerate Japan」を開催かいさいした。イベントに合あわせて来日らいにちした米べいPure Storageの会長かいちょう兼けんCEO、Charles Giancarlo（チャールズ・ジャンカルロ）氏しが記者きしゃ発表はっぴょう会かいを開ひらき、好調こうちょうな業績ぎょうせきや今後こんごの方向ほうこう性せいについて話はなした。

米べいPure Storageの会長かいちょう兼けんCEO、チャールズ・ジャンカルロ（Charles Giancarlo）氏し

Q1の売上うりあげ高だかは前年ぜんねん同期どうき比ひ50％増ぞう、今年度こんねんどの業績ぎょうせき予測よそくを上方かみがた修正しゅうせい

　ジャンカルロ氏しはまず、業績ぎょうせきを中心ちゅうしんとしてPure Storageの現状げんじょうについて話はなした。2022会計かいけい年度ねんどの売上うりあげ高だかは21億おく8000万まんドルで、前年度ぜんねんど比ひ29％の増加ぞうかとなった。直近ちょっきんの四半期しはんき（2023会計かいけい年ねん第だい1四半期しはんき、2022年ねん2月がつ～4月がつ期き）は前年ぜんねん同期どうき比ひ50％増ぞうの6億おく2000万まんドルを売うり上あげている。

　中なかでもジャンカルロ氏しが強調きょうちょうしたのが、サブスクリプションの年間ねんかん経常けいじょう収支しゅうしを示しめすARRの数字すうじだ。同どう四半期しはんきのARRは、前年ぜんねん同期どうき比ひで29％増ぞうの9億おくドルに達たっした。

　また顧客こきゃく満足まんぞく度どを示しめすNPS（ネットプロモータースコア）も「85.2」と高たかいスコアで、これはB2B企業きぎょうの上位じょうい1％に含ふくまれるという。

ジャンカルロ氏しは好調こうちょうな業績ぎょうせきをアピールした

　好調こうちょうに終おわった第だい1四半期しはんきの決算けっさんを受うけて、Pure Storageでは2023年度ねんどの売うり上あげ予測よそくを上方かみがた修正しゅうせいしている。ジャンカルロ氏しは「売上うりあげ高だかは前年ぜんねん比ひ22％増ぞうの26億おくドル以上いじょう、営業えいぎょう利益りえきも12％増ぞうと予想よそうしている」と述のべた。

　ストレージ市場いちばにおける競合きょうごうについては、調査ちょうさ会社かいしゃのデータを示しめしながら「Pure Storageが成長せいちょうしているのに対たいし、他たの大手おおてストレージベンダーは概がいしてマイナス成長せいちょう」だと強調きょうちょうした。「われわれの市場いちばシェアは伸のびている。これは、製品せいひんの信頼しんらい度どとシンプルさ、ストレージ業界ぎょうかいに持もち込こんだイノベーションが評価ひょうかされた結果けっかだ」（ジャンカルロ氏し）。

　IDCの調査ちょうさによると、2021年ねんのエンタープライズストレージシステム市場いちば全体ぜんたいは前年ぜんねん比ひで17.2％縮小しゅくしょうしたが、Pure Storageは同どう50.8％の成長せいちょうを遂とげている。

大手おおてストレージベンダーにおける過去かこ8年間ねんかんの純じゅん利益りえき増減ぞうげん率りつの推移すいい、エンタープライズストレージ市場いちば全体ぜんたいとの成長せいちょう比較ひかく（いずれもIDC調査ちょうさ）

「Evergreenアーキテクチャ」をベースに3つの調達ちょうたつモデルを展開てんかい

　「モダン・データ・エクスペリエンス」というキーワードを掲かかげてきた同社どうしゃだが、最近さいきんでは「あらゆる場所ばしょでas-a-Serviceで（サービスとして）利用りようできるようにすること」にフォーカスしている。と言いっても、これは新あたらしい戦略せんりゃくというわけではなく、2009年ねんの創業そうぎょう後ごまもなく導入どうにゅうした「Evergreenアーキテクチャ」の進化しんか系けいとなる。

　Evergreenは、導入どうにゅうしたPure Storage製品せいひんをモジュール単位たんいで最新さいしんの技術ぎじゅつと交換こうかん可能かのうにすることで「10年ねん前まえに購入こうにゅうした製品せいひんでも、買かったばかりのような最新さいしん技術ぎじゅつを利用りようできるという考かんがえ方かた」だとジャンカルロ氏しは説明せつめいする。ハードウェア、ソフトウェア共どもに、サービスを停止ていしすることなく利用りようできる。

同社どうしゃの戦略せんりゃくのベースには最新さいしん技術ぎじゅつを無む停止ていしで追加ついかできる「Evergreenアーキテクチャ」がある

　同社どうしゃでは、ストレージ調達ちょうたつに対たいする幅広はばひろい顧客こきゃくニーズに合あわせて「Evergreen//Forever」「Evergreen//Flex」「Evergreen//One」という3つのモデルを用意よういしている。Evergreen//Foreverは従来じゅうらい型がたのハードウェア購入こうにゅう、Evergreen//Flexはハードウェア購入こうにゅうと使用しよう量りょうベースのサービスサブスクリプションの組くみ合あわせ、そしてEvergreen//Oneはハードウェアを購入こうにゅうすることなく必要ひつような量りょうだけストレージを利用りようできる“Storage-as-a-Service”となる。

顧客こきゃくニーズに合あわせて3種類しゅるいの調達ちょうたつモデルを用意ようい

　また、ストレージ運用うんようで“Infrastructure-as-Code（IaC）”を実現じつげんするのが「Pure Fusion」だ。ジャンカルロ氏しは「これまで数すう週間しゅうかんから数カ月すうかげつかかっていたストレージのプロビジョニング作業さぎょうが、セルフサービス型がたで数すう分ふんで完了かんりょうする」と述のべる。さらにニーズに合あわせてスケールアウトできる拡張かくちょう性せい、AIによるワークロードの配置はいち・調整ちょうせいができるインテリジェンスといった特徴とくちょうも紹介しょうかいした。これまで人手ひとでがかかっていた作業さぎょうを自動じどう化かできることから「人ひとという“ミドルウェア”を撤廃てっぱいできる」とたとえる。

　製品せいひん面めんでは、2020年ねんに買収ばいしゅうしたPortworxにつも触ふれた。PortworxはKubernetes向むけのデータサービスプラットフォームで、永続えいぞくストレージ、データ保護ほご、ディザスタリカバリなどの機能きのうを備そなえる。買収ばいしゅう後ご、PortworxはPure Storageの事業じぎょう部門ぶもんとなっており、製品せいひんエンジニアリング、マーケティングなどは独立どくりつして動うごいているという。Pure Storage以外いがいの技術ぎじゅつを活用かつようできるように独立どくりつ性せいを保たもっており、ビジネスも順調じゅんちょうに伸のびていると語かたった。

最大さいだい80％の消費しょうひ電力でんりょく削減さくげんが可能かのう――サステナビリティの実現じつげんも強調きょうちょう

　ジャンカルロ氏しは最後さいごに、昨今さっこん企業きぎょうの注目ちゅうもくが高たかまっているサステナビリティにも触ふれた。

　「1年ねん前まえまでは『PureStorageのストレージ製品せいひんは省しょうエネ、省しょうスペース、効率こうりつの良よい運用うんようができる』と顧客こきゃくに伝つたえても、あまり関心かんしんを示しめされなかった。しかし現在げんざい、多おおくの顧客こきゃくが消費しょうひ電力でんりょく、廃棄はいき物ぶつなどの削減さくげんに高たかい関心かんしんを持もっている」（ジャンカルロ氏し）

　Pure Storageでは先さきごろ、同社どうしゃで初はじめてのESGレポートを公開こうかいした。第三者だいさんしゃ機関きかんによる審査しんさと評価ひょうかでは「Pure Storageのストレージ製品せいひんを使つかうことで、直接ちょくせつ消費しょうひする電力でんりょくを最大さいだい80％削減さくげんできる」「6年ねん前まえに購入こうにゅうしたPure Storageアレイの97％以上いじょうが現役げんえきで使つかわれている」と言いったことがわかったという。

　なお廃棄はいき物ぶつ削減さくげんについては「設計せっけい段階だんかいから考慮こうりょし、他社たしゃよりも使用しよう部品ぶひんが少すくない」と説明せつめいした。Evergreenプログラムによるハードウェアの長期ちょうき使用しようの実現じつげんとあわせて、Pure Storageは電子でんし廃棄はいき物ぶつを削減さくげんできていると胸むねを張はった。