だい25かい ユーザックシステムのRPAで実現じつげんした業務ぎょうむ自動じどう事例じれい

2024ねん1がつせま宥恕ゆうじょ期限切きげんぎ

でんちょうほう対応たいおうでやることがえた! 人手ひとでをかけずに効率こうりつした4しゃ事例じれい

ぶん指田さしだ昌夫まさお 編集へんしゅうMOVIEW 清水しみず

提供ていきょう: ユーザックシステム

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 改正かいせいでんちょうほうによる電子でんしデータ保存ほぞん宥恕ゆうじょ期間きかん終了しゅうりょうまで、あと1ねんあまりとなった9月、ユーザックシステムとコクヨがオンラインセミナーを共同きょうどう開催かいさい両社りょうしゃのエキスパートが、企業きぎょうあつか帳票ちょうひょうるい電子でんしデータ保存ほぞんについて、対応たいおう方法ほうほう自動じどう指針ししん説明せつめいした。ほん記事きじでは、そのなかからユーザックシステムの講演こうえん内容ないよう報告ほうこくする。

取引とりひきデータの電子でんし保存ほぞん宥恕ゆうじょ期間きかん終了しゅうりょうまで、やく1ねん

 2021ねん3がつ改正かいせいされた電子でんし帳簿ちょうぼ保存ほぞんほうでんちょうほう)では、国税こくぜいにかかわる電子でんし取引とりひき書類しょるい電子でんしデータの保存ほぞん義務付ぎむづけられた。ただし、当初とうしょ施行しこう予定よていの2022ねん1がつではわない企業きぎょうおおいと想定そうていされ、2年間ねんかん宥恕ゆうじょ(ゆうじょ)期限きげん(=電子でんし猶予ゆうよ期限きげん)が設定せっていされた。その宥恕ゆうじょ期限きげんも2023ねん12がついっぱいでれ、2024ねん1がつからは取引とりひきかんするすべての書類しょるい帳簿ちょうぼ請求せいきゅうしょ領収りょうしゅうしょなど)を電子でんしデータで保存ほぞんしなければならない。

 宥恕ゆうじょ期限きげんやく1ねんせまり、企業きぎょう対応たいおういそがれるが、おくれが目立めだっている。ユーザックシステム RPAカスタマーサクセス渡辺わたなべ大輔だいすけは、「企業きぎょうからは、『対応たいおう準備じゅんびはしているが、本当ほんとう実現じつげん可能かのうなのか』『対応たいおう業務ぎょうむはどんなながれになるか』といったこえをいただく」という。渡辺わたなべほん講演こうえんで、でんちょうほう対応たいおうをどうやってスタートさせるべきか、また業務ぎょうむ改善かいぜんのステップ、導入どうにゅう業務ぎょうむのイメージはどうなるかを、事例じれいとともに紹介しょうかいした。

 渡辺わたなべ最初さいしょに、改正かいせいされた電子でんし帳簿ちょうぼ保存ほぞんほう内容ないよう説明せつめいした。2022ねん1がつ改正かいせいされたどうほうでは、帳簿ちょうぼ保存ほぞんのための条件じょうけん緩和かんわされた要件ようけんと、強化きょうかされた要件ようけんがある。要件ようけん緩和かんわでは、電子でんし帳簿ちょうぼ保存ほぞんについて税務署ぜいむしょちょうなどの承認しょうにん制度せいどがなくなることで、会計かいけいソフトなどでの保存ほぞん可能かのうになり、かみ書類しょるいのスキャナ保存ほぞんさいにタイムスタンプの付与ふよ必要ひつようなくなった。これらの改正かいせいは2022ねん1がつからすでに施行しこうされている。

 一方いっぽう外部がいぶからメール添付てんぷなどでおくられてきた電子でんし取引とりひき書類しょるい保存ほぞん要件ようけん強化きょうかされる。従来じゅうらい可能かのうだったプリントアウトしたかみ保存ほぞんはできなくなり、電子でんしデータのまま、保存ほぞん管理かんりすることがもとめられる。ここが2024ねん1がつまでの宥恕ゆうじょ期間きかんもうけられている項目こうもくである。

 取引とりひきデータの電子でんし保存ほぞんには、ふたつの強化きょうかポイントがある。1てんは「真実しんじつせい要件ようけん」で、保存ほぞんしたデータのかいざんや削除さくじょができない仕組しくみをほどこ必要ひつようがある。「真実しんじつせいは、タイムスタンプの付与ふよができるなど、一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじん日本にっぽんタ通信たつうしん協会きょうかい(JIIMA)の認証にんしょうけたシステムを使つかえば要件ようけんたすことができる」(渡辺わたなべ

 2てんは「可視かしせい要件ようけん」で、税務署ぜいむしょなどのもとめにおうじて、取引とりひき取引とりひきさき金額きんがく検索けんさくができることが義務ぎむされる。金額きんがく範囲はんい指定していができること、また、ふた以上いじょう任意にんい項目こうもくわせて検索けんさくできることが条件じょうけんだ。「ここがすこしやっかいで、どうすればほう改正かいせい対応たいおうできるのかわからない企業きぎょうおおい」(渡辺わたなべ

電子でんし取引とりひきのデータ保存ほぞん強化きょうかされた要件ようけん

いくら法律ほうりつ対応たいおうでも業務ぎょうむ追加ついかけたい

 電子でんし取引とりひきかんする書類しょるいとは、金額きんがくかれている書類しょるい電子でんしてきにやりとりされているものはすべてが該当がいとうする。そのため非常ひじょう種類しゅるいおおく、やりとりの方法ほうほう保存ほぞん場所ばしょ多岐たきにわたる。国税庁こくぜいちょうのホームページに記載きさいされているいちもんいちとうれいでは、電子でんし取引とりひきデータについて保存ほぞん場所ばしょ管理かんり方法ほうほうかいざん防止ぼうし措置そち複数ふくすう混在こんざいしてもそれ自体じたい問題もんだいないとされている。

 ただし、電子でんし取引とりひきデータをかれた場所ばしょ保存ほぞんしても、必要ひつようおうじて検索けんさくできるようにしておくことが必要ひつようである。「実態じったいとしては複数ふくすう保存ほぞん方法ほうほうにならざるをないケースがほとんどだ。このれいをはじめ国税庁こくぜいちょうのホームページは内容ないよう充実じゅうじつしているので一度いちどてみてほしい」(渡辺わたなべ

 改正かいせいでんちょうほう対応たいおうするために、企業きぎょう現場げんば直面ちょくめんするおおきな課題かだいひとつが、この検索けんさくせい確保かくほである。たとえば日々ひび取引とりひきさきから取引とりひきデータをPDFにして、請求せいきゅうしょ見積みつもりしょなどに分類ぶんるいして保存ほぞんするさいに、検索けんさく条件じょうけんをどうやって設定せっていするかが問題もんだいだ。保存ほぞんするデータのひとつひとつに、検索けんさくキーを付加ふかしたり、保存ほぞんするフォルダをけたりする作業さぎょう人手ひとでおこなうのは、非常ひじょう負担ふたんおおきいからだ。法律ほうりつ対応たいおうとはいえ、でんちょうほう対応たいおうするためだけにあらたな作業さぎょう追加ついかするのは勘弁かんべんしてほしいというのが、現場げんば本音ほんねだろう。

 そこで、いかに現場げんば負担ふたんらして、業務ぎょうむ効率こうりつはかりながら法律ほうりつへの対応たいおう実現じつげんするかがわれている。渡辺わたなべは、同社どうしゃ開発かいはつしたRPA製品せいひん使つかったでんちょうほう対応たいおう業務ぎょうむ自動じどう事例じれいを4けん紹介しょうかいした。

改正かいせいでんちょうほうへの対応たいおうのためにえる作業さぎょうをどのように効率こうりつするかが重要じゅうよう

RPAででんちょうほう対応たいおう業務ぎょうむ自動じどうした企業きぎょう事例じれい

 高田機工たかだきこうは、電子でんしデータの保存ほぞん課題かだいかかえていた。銀行ぎんこうとの取引とりひきかんして、ファームバンキングのデータ、手数料てすうりょう明細めいさいのデータなどがあり、従来じゅうらいそれらをかみ出力しゅつりょくして保存ほぞんしていた。また取引とりひきさきへの支払しはらい通知つうちは、支払しはらい通知つうちしょをファイル添付てんぷしてメールで送信そうしんすることで業務ぎょうむ終了しゅうりょうしていた。でんちょうほう対応たいおうするため、それらの記録きろく電子でんしデータで保存ほぞんなおすのは、非常ひじょう手間てまがかかることが予想よそうされた。「そこで同社どうしゃは、いきなり全部ぜんぶ電子でんしするのでなく、部分ぶぶんてき自動じどうして、成果せいか確認かくにんしながらすすめていった」(渡辺わたなべ

 まず銀行ぎんこうとのやりとりでは、データをダウンロードして保存ほぞんする業務ぎょうむにユーザックシステムのRPA「Autoジョブ名人めいじん」を導入どうにゅう取引とりひき情報じょうほう文書ぶんしょ管理かんりシステムへ自動的じどうてきにアップロードする仕組しくみをつくった。また支払しはらい通知つうちしょ送付そうふは、都度つどメールを手動しゅどうおくるのではなく、送信そうしんようのフォルダにアップロードすることで、RPAが自動的じどうてきにメールを送信そうしんおくった情報じょうほう文書ぶんしょ管理かんりシステムに保存ほぞんするようにした。一部いちぶ業務ぎょうむ集中しゅうちゅうしたことで、業務ぎょうむ自動じどうのコツをつかみ、同時どうじ課題かだいあきらかになった。その結果けっかよこ展開てんかいがしやすくなったという。

 つぎ事例じれいであるダイワボウ情報システムだいわぼうじょうほうしすてむでは、取引とりひきのほとんどをEDIでおこなっていたが、メール添付てんぷによるやりとりなどアナログな処理しょりのこされていた。とはいえ、1にちすうじゅうけん分量ぶんりょうなので、マニュアル作業さぎょうでんちょうほう対応たいおうさせるためには負担ふたんおおきかった。

 そこで同社どうしゃはユーザックシステムの「Autoメール名人めいじん」をもちいて自動じどう着手ちゃくしゅした。「一般いっぱんてきなRPAではメールの自動じどうむずかしいが、Autoメール名人めいじんはメール業務ぎょうむとくしている製品せいひんくわえて導入どうにゅうにあたっては、当社とうしゃでTo-Doリストを作成さくせいし、伴走ばんそうするかたち導入どうにゅう支援しえんおこなった」(渡辺わたなべ

 開発かいはつはスピーディにすすみ、プロジェクト開始かいしからわずか2ヵ月かげつの2022ねん1がつ本番ほんばん稼働かどう開始かいしした。その時点じてんでメールの自動じどうがうまくいかない取引とりひきさき数社すうしゃ存在そんざいしたが、つけるたびに修正しゅうせいほどこした。ファイルめい変更へんこうやフォルダへの保存ほぞんといった業務ぎょうむひとたよると、どうしても間違まちがいがきるが、RPAによって手作業てさぎょう排除はいじょし、ミスを回避かいひすることに成功せいこうした。

「メールデータの自動じどう処理しょりは、でんちょうほうへの対応たいおうだけでなく、業務ぎょうむとしてファイルを検索けんさくするさいにもやくっていると評価ひょうかいただいている」(渡辺わたなべ)。同社どうしゃでは、でんちょうほう対応たいおう自動じどう成功せいこうをうけて、営業えいぎょう部門ぶもんなど部署ぶしょでの自動じどう検討けんとう開始かいししている。同社どうしゃ事例じれいは、でんちょうほう対応たいおうのための業務ぎょうむ自動じどうすることで、通常つうじょう業務ぎょうむ効率こうりつ精度せいど向上こうじょう実現じつげんした好例こうれいである。

 ユーザックシステムでは、コロナでオンラインの利用りようたかまり、メール業務ぎょうむ自動じどうはますます重要じゅうようになると認識にんしきしている。また、Autoメール名人めいじんによるでんちょうほう対応たいおう業務ぎょうむ自動じどう伴走ばんそう支援しえんする「でんちょうほう対応たいおうパック」も提供ていきょうし、伴走ばんそうがた支援しえん体制たいせいととのえている。

 つぎ食品しょくひん卸売おろしうりぎょう企業きぎょうのケースで、すでにユーザックシステムのRPAを導入どうにゅうしていたが、それを経理けいり部門ぶもんでんちょうほう対応たいおうにも利用りようしたれいだ。

 月末げつまつ大量たいりょう発生はっせいするメールでの電子でんし取引とりひきデータの保存ほぞん利用りようしている。請求せいきゅうしょ処理しょり業務ぎょうむりょうは、つき平均へいきんかんがえても意味いみがない。時間じかん直前ちょくぜん集中しゅうちゅうする大量たいりょう取引とりひきメールを、かぎられた人員じんいん期日きじつまでにフォルダけするのはおおきな負担ふたんだった。そこで同社どうしゃ経理けいり部門ぶもんでは、Autoメール名人めいじんのパックを利用りようし、2022ねん5がつから開発かいはつ開始かいしした。現状げんじょう分析ぶんせきから導入どうにゅうまで、4ヵ月かげつあいだ完了かんりょうする見込みこみである。

 最後さいごは、ユーザックシステム自身じしん事例じれいである。同社どうしゃでは、請求せいきゅうしょったあと、その内容ないよう会計かいけいシステムに入力にゅうりょくする業務ぎょうむをRPAで自動じどうしていた。だが、保存ほぞんするファイルめい変更へんこうなどは手作業てさぎょうおこなっていた。「顧客こきゃくにはAutoメール名人めいじん自動じどうする提案ていあんをしていながら、社内しゃない運用うんよう手作業てさぎょう指示しじしていた。これではいけないとおもい、スモールスタートで自動じどう開始かいしした」(渡辺わたなべ)。

 まず、メールの中身なかみ確認かくにん担当たんとうしゃおこなはん自動じどう方式ほうしきからスタートし、現在げんざい請求せいきゅうしょ受信じゅしん専用せんようのメールアドレスによるぜん自動じどうすすめている。

はん自動じどうからスタートし、ぜん自動じどうすすんだユーザックシステムの事例じれい

電子でんし取引とりひき自動じどうは「手段しゅだん」で整理せいりする

 ユーザックシステムは、でんちょうほう対応たいおう業務ぎょうむのうち、「ける」取引とりひきについて包括ほうかつてき自動じどうサービスを提供ていきょうしている。メール、EDI、EC、FAXなど取引とりひき手段しゅだんべつ自動じどうソリューションを用意よういしており、それらを補完ほかんする各種かくしゅクラウドサービスもそろえる。

 同社どうしゃ提供ていきょうするRPAのうち、でんちょうほう対応たいおうとく重要じゅうようなのは、メール処理しょり自動じどうする「Autoメール名人めいじん」だ。企業きぎょうには請求せいきゅうしょをはじめ発注はっちゅうしょ見積みつもりしょなど、さまざまなファイルがメールの添付てんぷファイルとしてとどく。それらを件名けんめいやメールアドレスをがかりにして自動的じどうてき分類ぶんるいし、それぞれのフォルダに保存ほぞんするのがAutoメール名人めいじん主要しゅよう機能きのうだ。添付てんぷファイルの保存ほぞん同時どうじに、必要ひつようなら返信へんしん転送てんそう処理しょり完了かんりょうのメール通知つうちなどを実行じっこうする。また、PDFファイルを保存ほぞんするさいに、検索けんさくキーになる文字もじをファイルめい付加ふかすることもできる。

 また、WebEDIで登録とうろくするデータの自動じどう処理しょりになうのが、「Autoジョブ名人めいじん」だ。こちらもでんちょうほう対応たいおう支援しえんするサポートパックがあることにくわえ、ユーザックシステムが運営うんえいするWebEDIの標準ひょうじゅんライブラリ「名人めいじんマーケット」からスクリプトをダウンロードすることで、すぐに自動じどう実行じっこうすることができる。

でんちょうほう対応たいおう効率こうりつよく推進すいしんするためには「手段しゅだん」で整理せいりする

 電子でんし取引とりひきデータは企業きぎょうない散在さんざいしている。それらのデータにはいろいろなひととシステムがからみあっており、どうやってまとめていけばいいかわからない企業きぎょうもある。

自動じどう方針ほうしんをきめるとき、『手段しゅだん』で整理せいりすることをおすすめしている。たとえば最初さいしょに『メール取引とりひき請求せいきゅうしょ』を自動じどうしたら、つぎはメール取引とりひきちゅう文書ぶんしょ見積みつもりしょ…というかたち対応たいおう範囲はんいひろげていく。WebEDI、ECなどの手段しゅだんについても、同様どうようひとつずつ自動じどう拡大かくだいしていけばいい」と、渡辺わたなべ自動じどう方針ほうしんをアドバイスした。

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