G-Master Hydro X670A Extremeをレビュー

Ryzen 9 7950X＆RTX 3080 Tiのダブル水冷すいれいPCはファン11基きでも静しずか!?

　性能せいのう競争きょうそうはPC市場いちばの活性かっせい化かには欠かかせない要素ようそだ。最新さいしんCPUでは、第だい13世代せだいインテルCoreプロセッサーとAMDのRyzen 7000シリーズがしのぎを削けずっている。世代せだいによって戦たたかい方かたも様々さまざまなのだが、今回こんかいは両者りょうしゃのスタンスが真ま逆ぎゃくになっており、なかなかに興味深きょうみぶかい様相ようそうを呈ていしている。

　従来じゅうらいのRyzenシリーズは内部ないぶのアーキテクチャーやインターフェースが進化しんかしても、CPUソケットは「Socket AM4」を頑かたくなに変かえなかった。それは従来じゅうらいのマザーボードでも使つかえるという互換ごかん性せいの高たかさを、同社どうしゃのウリの1つとしていたからだ。

　しかし、いくらCPUが進化しんかしても、ソケットが古ふるいままではいずれ最新さいしん規格きかくに対応たいおうできなくなる。実際じっさい、インテルCoreプロセッサーでは1つ前まえの第だい12世代せだいでDDR5メモリーに対応たいおうしたのに、Ryzen 5000シリーズではDDR4止とまりだった点てんも、ソケット形状けいじょうが遠因えんいんになっていると思おもわれる。

　そこで、最新さいしんのRyzen 7000シリーズでは、ついに「Socket AM5」に刷新さっしん。DDR5メモリーやPCI Express 5.0などの最新さいしん規格きかくをサポートし、一気いっきに近代きんだい化かした印象いんしょうだ。従来じゅうらいプラットフォームとの互換ごかん性せいはなくなってしまったが、ソケット側がわにピンが並ならぶ「LGA」（Land Grid Array）形状けいじょうに変更へんこうしたことで、「すっぽん事故じこ」が起おこらない安全あんぜんな仕様しように進化しんかしている。

　一方いっぽうで、インテルサイドは前ぜん世代せだいと同様どうよう、LGA1700プラットフォームで勝負しょうぶ。すなわち、AMDのウリだった「互換ごかん性せいの高たかさ」が魅力みりょくになっている。この逆転ぎゃくてん現象げんしょうがまたおもしろいところだ。

Ryzen 7000シリーズはヒートスプレッダーの形状けいじょうも従来じゅうらいから変更へんこうしている

　ソケット変更へんこうのメリットは供給きょうきゅう電力でんりょくにもある。142Wから230W（TDPは105Wから170W）に引ひき上あがっているので、今いままで以上いじょうにハイパワーなCPUを搭載とうさいできるようになった。しかし、電力でんりょくが増ふえればそのぶん発熱はつねつも増加ぞうかするため、当然とうぜん強力きょうりょくなCPUクーラーも必要ひつようになる。

　Ryzen 7000シリーズのTDPを見みてみると、「Ryzen 5 7600X」（6コア/12スレッド、最大さいだい5.3GHz）と「Ryzen 7 7700X」（8コア/16スレッド、最大さいだい5.4GHz）では105W。「Ryzen 9 7900X」（12コア/24スレッド、最大さいだい5.6GHz）と「Ryzen 9 7950X」（16コア/32スレッド、最大さいだい5.7GHz）では170Wだった。

　従来じゅうらいのハイエンドの「Ryzen 9 5950X」が105Wだったということを考慮こうりょすると、Ryzen 7000シリーズを使つかうなら、240mm以上いじょうのラジエーターを備そなえた水冷すいれいクーラーを組くみ合あわせたいところだ。

　今回こんかい紹介しょうかいするサイコムの「G-Master Hydro X670A Extreme」は、高性能こうせいのうなRyzen 7000シリーズをしっかりと冷却れいきゃくできる360mmラジエーターの簡易かんい水冷すいれいクーラー、Fractal Design「Celsius S36」を採用さいよう。ビデオカードも独自どくじに水冷すいれい化かしている、デュアル水冷すいれいゲーミングPCだ。

サイコムのデュアル水冷すいれいゲーミングPC「G-Master Hydro X670A Extreme」。標準ひょうじゅん構成こうせいの直販ちょくはん価格かかくは36万まん8720円えん～（配送はいそう料りょう込こみ）だが、現在げんざいはキャンペーン適用てきようで1万まん円えん引びきとなる35万まん8720円えん～になっている（2023年ねん1月がつ9日にちまで）