AI／データ分析ぶんせきワークロードを「効率こうりつ的てきに」処理しょりできる第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー

2023年ねん06月がつ05日にち 11時じ00分ふん更新こうしん

文ぶん● 大塚おおつか昭彦あきひこ／TECH.ASCII.jp

提供ていきょう: インテル

最新さいしんのデータセンター向むけCPU「第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー」

　あらゆる企業きぎょうがDX（デジタルトランスフォーメーション）実現じつげんに向むけた取とり組くみを進すすめる現在げんざい。そのDXの中核ちゅうかくをなすのが「データ活用かつよう」だ。リアルタイムなデータの分析ぶんせきと可視かし化かによるデータドリブン経営けいえい、IoTデータを利用りようした業務ぎょうむの効率こうりつ化か／自動じどう化か、さらには各種かくしゅAI技術ぎじゅつを取とり込こんだ新しんサービスの開発かいはつなど、データ活用かつようは現在げんざいのビジネス変革へんかくにおけるキードライバーとなっている。

　ただし、データ活用かつようが拡大かくだいすることで、データを高速こうそく処理しょりできるITインフラの必要ひつよう性せいも高たかまる。たとえば、従来じゅうらいの業務ぎょうむアプリケーションとは比くらべものにならないほどの大量たいりょうデータをリアルタイムに分析ぶんせき処理しょりするとなると、企業きぎょうはデータセンター／サーバーインフラそのものを考かんがえ直なおさなければならない。

　インテルでは最新さいしんのデータセンター向むけCPU「第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー」（第だい4世代せだいインテル® Xeon® SP）において“ワークロード特とく化か型がた”という新あらたなアプローチを取とり、高たかいパフォーマンスと効率こうりつ性せいを実現じつげんしている。データ分析ぶんせきであれば前ぜん世代せだい比ひで「最大さいだい3倍ばい」、AIであれば「最大さいだい10倍ばい」という、大幅おおはばなパフォーマンス向上こうじょうだ^{※注ちゅう}。どのようにしてそれが可能かのうになったのか、本ほん記事きじではその技術ぎじゅつ背景はいけいや、導入どうにゅう企業きぎょうにおけるメリットについて詳くわしく見みていこう。

※注ちゅう：インテル実施じっしのベンチマークテストに基もとづく（以下いか、本文ほんぶん中ちゅうのテスト結果けっかはすべて同様どうよう）。

第だい4世代せだいインテル® Xeon® SPで“基礎きそ体力たいりょく”が1.5倍ばいに向上こうじょう

　第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーは、2023年ねん1月がつに国内こくない発表はっぴょうされた最新さいしんのデータセンター向むけCPUシリーズだ。すでに主要しゅようサーバーメーカー各社かくしゃからは、この最新さいしんCPUを搭載とうさいしたサーバー製品せいひんが多数たすう発売はつばいされている。

　最新さいしんアーキテクチャを採用さいようしたことで、第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーでは、汎用はんようワークロードにおけるパフォーマンスそのものが向上こうじょうしている。

　たとえば、1ソケットあたりのコア数すうが最大さいだい60コアと拡大かくだいされたことに加くわえ、1クロック当あたりの命令めいれい数すうを増加ぞうかさせるマイクロアーキテクチャの改良かいりょう、L2/L3キャッシュの拡大かくだいなどによって、CPUコアあたりのパフォーマンスが強化きょうかされた。CPUコア以外いがいのプラットフォーム部分ぶぶんでも、PCIe Gen5、CXL（Compute Express Link）1.1、UPI（Ultra Path Interconnect）2.0といった新しん世代せだいの高速こうそくインタフェースの採用さいよう、DDR5やHBM（High Bandwidth Memory）2eメモリへの対応たいおうといった強化きょうかがなされている。

　インテルが前ぜん世代せだいプロセッサーと比較ひかくするベンチマークテストを行おこなった結果けっか、第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーでは平均へいきん53％ものパフォーマンス向上こうじょうが見みられた。いわば“基礎きそ体力たいりょく”が1.5倍ばいに向上こうじょうしているわけだ。

第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーが備そなえる特徴とくちょう的てきな技術ぎじゅつ。新しんアーキテクチャを採用さいようしてノード単体たんたい性能せいのうを向上こうじょうしたほか、サーバーとしてデータセンターに組くみ込こまれた際さいの運用うんよう性能せいのう、セキュリティも強化きょうかしている

インテルが重視じゅうしする「実じつ環境かんきょうのワークロード性能せいのう」とは？

　ただし、第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーの最大さいだいの特徴とくちょうはそこではない。今回こんかいの発表はっぴょうにおいてインテルは、「実じつ環境かんきょうのワークロード性能せいのうを優先ゆうせんさせたアーキテクチャー」を採用さいようしたことを強調きょうちょうしている。さて、この「実じつ環境かんきょうのワークロード性能せいのうを優先ゆうせんさせた」とは、一体いったいどういう意味いみだろうか。

　パブリッククラウドの利用りようが普及ふきゅうした結果けっか、オンプレミスとクラウドのハイブリッド環境かんきょうを“適材適所てきざいてきしょ”で利用りようしたいというニーズが高たかまっている。その結果けっか、オンプレミスシステムは特定とくていのワークロード処理しょりを目的もくてきに構築こうちくされるケースが増ふえた。ここで、それぞれのワークロード特性とくせいに最適さいてき化かされたシステムが構築こうちくできれば、システムの導入どうにゅう価値かちはさらに高たかまる。

　その他たの一般いっぱん的てきなワークロードと比較ひかくして、データ分析ぶんせきのワークロードにはどんな特性とくせいがあるだろうか。分析ぶんせきワークロードでは、データベースやデータレイクに蓄積ちくせきされた大量たいりょうのデータを収集しゅうしゅうし、選別せんべつ／整形せいけいしたうえで分析ぶんせき処理しょりを実行じっこうする。その際さいには、CPUとストレージの間あいだで大量たいりょうのI/Oが発生はっせいする。最近さいきんでは超ちょう高速こうそくなインメモリデータベースも普及ふきゅうしているが、その場合ばあいはCPUとメモリの間あいだのI/Oが膨大ぼうだいな量りょうになる。

　AIワークロードを考かんがえてみても、AIモデルを作成さくせい（学習がくしゅう）するステップではトレーニングデータの収集しゅうしゅうや選別せんべつ／整形せいけいを行おこなうため、データ分析ぶんせきと同様どうように大量たいりょうのストレージI/OやメモリI/Oが発生はっせいする。それに加くわえて、CPUから処理しょりをオフロードするGPUやFPGAとの高速こうそくなインタフェースも欠かかせない。

　このように、ワークロードごとに処理しょりの特性とくせいは異ことなるため、一般いっぱん的てきな汎用はんようワークロード性能せいのうだけを考かんがえても見みえてこない「実じつ環境かんきょうのワークロード性能せいのう」こそ、重要じゅうよう視しすべきものになっているのだ。

新あらたな一いち手ては特定とくていの処理しょりを効率こうりつ化かする「アクセラレーター」の搭載とうさい

　前述ぜんじゅつしたとおり、最新さいしんの第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーはCPUコア性能せいのうを高たかめ、広帯域こうたいいきなストレージI/OやメモリI/Oを備そなえており、PCIe Gen5、CXLといった次世代じせだいのGPU/FPGA接続せつぞくインタフェースにも対応たいおうしている。

　先さきほどはこうした基本きほん性能せいのうを“基礎きそ体力たいりょく”と表現ひょうげんしたが、CPU設計せっけい技術ぎじゅつが極限きょくげんまで高度こうど化かしている現在げんざい、いきなり基礎きそ体力たいりょくを数すう倍ばい伸のばすことは難むずかしい。だが、特定とくていのワークロードにおいて、その“基礎きそ体力たいりょく”をより効率こうりつ良よく使つかう“技術ぎじゅつ”を身みにつければ、まだ大幅おおはばに高速こうそく化かできる余地よちがある。最新さいしんプロセッサーへのこの“技術ぎじゅつ”の搭載とうさいこそが、インテルが考かんがえた新あらたな一いち手てである。

　具体ぐたい的てきに言いえば、第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーでは、CPUパッケージの中なかに特定とくていの処理しょりを効率こうりつ化かするアクセラレーターエンジンが複数ふくすう内蔵ないぞうされている。これらを活用かつようすることで、データ分析ぶんせきやAI、ネットワーク／5G RAN、HPCなど、性能せいのう要件ようけんの特とくに厳きびしいワークロードにおける処理しょりを効率こうりつ化かし、高速こうそく化かするわけだ。

第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーでは、特定とくていのワークロード／目的もくてきに応おうじたアクセラレーターを搭載とうさいして、より効率こうりつ的てきな処理しょりを可能かのうにしている

　たとえばデータ分析ぶんせきのワークロード向むけには、「インテル® Analytics Engines」と総称そうしょうされるアクセラレーターやテクノロジーを搭載とうさいしている。それぞれ次じのような役割やくわりを持もつ。

●インテル® IAA（In-Memory Analytics Accelerator）：データベースと分析ぶんせきのワークロードを高速こうそく化かするアクセラレーター。
●インテル® DSA（Data Streaming Accelerator）：ストリーミングデータの移動いどう／変換へんかん処理しょりを高速こうそく化かするアクセラレーター。
●インテル® QAT（Quick Assist Technology）：データベースやビッグデータの圧縮あっしゅく、暗号あんごう化かを高速こうそく化かするテクノロジー。

　これと同おなじように、AIワークロード向むけには「インテル® AI Engines」のテクノロジー群ぐんが搭載とうさいされている。

●インテル® AMX（Advanced Matrix Extention）：行列ぎょうれつ計算けいさん処理しょりを効率こうりつ化かし、ディープラーニングの学習がくしゅうや推論すいろんを高速こうそく化かする命令めいれいセット。
●インテル® AVX-512（Advanced Vector Extention 512）：機械きかい学習がくしゅうなど、演算えんざん負荷ふかの高たかいワークロードを高速こうそく化かする新あらたな命令めいれいセット。

AIワークロードで10倍ばい、データベース処理しょりで2.9倍ばいの大おおきな性能せいのう向上こうじょう

　さて、こうしたアクセラレーターエンジンやテクノロジーを採用さいようしたことで、インテルが重視じゅうしする「実じつ環境かんきょうのワークロード性能せいのう」はどのくらい向上こうじょうするのだろうか。

　インテルが実施じっししたベンチマークテストによると、AIワークロードでは、PyTorchのトレーニングとリアルタイム推論すいろんの処理しょりをインテルAMXが効率こうりつ化かすることで、前ぜん世代せだい比ひ最大さいだい10倍ばいのパフォーマンス向上こうじょうが実現じつげんする。そのほか、自然しぜん言語げんご処理しょりモデルBERTのトレーニングで最大さいだい4倍ばい、BERTによるリアルタイム推論すいろんで最大さいだい2.6倍ばい、顔かお認識にんしきで最大さいだい2.6倍ばいなどの性能せいのうも確認かくにんされている。

　データ分析ぶんせきワークロードの一部いちぶであるデータベース処理しょりでも、インテルIAAによってRocks DBのパフォーマンスは最大さいだい2.1倍ばい向上こうじょうする。インテルDSAなどそのほかのテクノロジーの効果こうかも含ふくめ、Rocks DBの総合そうごうパフォーマンスは前ぜん世代せだい比ひ2.9倍ばいに向上こうじょうしている。

第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーのベンチマークテスト結果けっか（前ぜん世代せだい比ひの性能せいのう倍率ばいりつ）

　ESG経営けいえいなどの動うごきもあり、近年きんねんでは環境かんきょう負荷ふかの少すくないグリーンITの取とり組くみが盛さかんになっている。第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーでは、搭載とうさいしたアクセラレーターが処理しょりを効率こうりつ化かするため、エネルギー効率こうりつ（消費しょうひ電力でんりょくあたりの処理しょり性能せいのう）の向上こうじょうにもつながっている。前ぜん世代せだいプロセッサーと同おなじワークロードを、より少すくないサーバー台数だいすうでまかなうことができるのだ。

　インテルの試算しさんによると、たとえばデータベース処理しょり（Rocks DB）の場合ばあい、前ぜん世代せだいプロセッサー搭載とうさいサーバーでは50台だいが必要ひつようだった処理しょりを、第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー搭載とうさいサーバーではわずか18台だいでまかなうことができる。これにより消費しょうひ電力でんりょくが大おおきく削減さくげんされ、4年間ねんかんで366トンのCO2排出はいしゅつ量りょうを抑おさえられる。電力でんりょく料金りょうきんも含ふくめたTCOでは120万まんドル、52％の削減さくげん効果こうかだ。AIワークロードも同様どうようであり、アクセラレーターが絶大ぜつだいな効果こうかを発揮はっきする。

アクセラレーターを使用しようした場合ばあいのエネルギー効率こうりつ（アクセラレーターを使用しようしない場合ばあいとの比較ひかく）

　第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーは、すでに多おおくの企業きぎょうや研究けんきゅう機関きかんから注目ちゅうもくされ、採用さいようが進すすんでいる。たとえばビッグデータを用もちいたデータ化学かがくやAIの研究けんきゅうに⽤いる新しんシステムや、インメモリ／メニーコアで性能せいのうがリニアにスケールするRDBの開発かいはつに取とり組くむ企業きぎょうなど、第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーにより高たかい性能せいのうが発揮はっきされることが期待きたいされている。

＊　＊　＊

　今回こんかいの記事きじでは、最新さいしんの第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを導入どうにゅうすることで、データ分析ぶんせきやAIのワークロードがいかに効率こうりつ良よく、高速こうそくに処理しょりできるようになるのかを見みてきた。

　ビジネスにおけるデータ活用かつようがDX実現じつげんの鍵かぎを握にぎると言いわれるようになって久ひさしいが、ITインフラを選択せんたくする視点してんはその変化へんかに追おいついているだろうか。これからのインフラ構築こうちくには、プロセッサー分野ぶんやにおけるこうした新あたらしい動うごきも理解りかいしたうえで取とり組くんでいただきたい。その際さいにはきっと、第だい4世代せだいインテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーが有力ゆうりょくな候補こうほとして上あがるはずだ。

6月19日にち、20日はつか
技術ぎじゅつとビジネスをつなぐ「Intel Connection 2023」開催かいさい！
参加さんか登録とうろく（無料むりょう）受付うけつけ中ちゅう

　「技術ぎじゅつとビジネスをつないで新あたらしいことを始はじめよう」をメインテーマに、業界ぎょうかいの垣根かきねや技術ぎじゅつ者しゃ／経営けいえい者しゃの枠わくを超こえ、企業きぎょう間あいだの連携れんけいを高たかめてDcXをさらに推進すいしんし、日本にっぽんの次世代じせだいを育そだて、未来みらいを創つくるカンファレンスイベントです。

　2日間にちかん、4つの基調きちょう講演こうえんと8テーマの分科ぶんか会かい（AI、DX、サステナビリティー、教育きょういく、自治体じちたいの取とり組くみ、デバイスソリューション、データ＆インフラストラクチャー、イノベーション）、ソリューション紹介しょうかい展示てんじを行おこないます。ぜひご来場らいじょういただき、新あらたなビジネスを創出そうしゅつする場ばとしてご活用かつようください。

・開催かいさい日時にちじ：2023年ねん6月がつ19日にち（月つき）、20日はつか（火ひ）09:30～17:30
・会場かいじょう：東京とうきょうミッドタウンホール A＋B（東京とうきょう・六本木ろっぽんぎ）
・主催しゅさい：インテル株式会社かぶしきがいしゃ
・入場にゅうじょう料りょう：無料むりょう（事前じぜん登録とうろく制せい）