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ASCII.jp:シスコ「Networking Cloud」発表、CatalystやMeraki、ThousandEyesなどを統合運用可能に

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「ネットワークインフラ運用うんよう複雑ふくざつせい克服こくふくしなければならない」。オブザーバビリティ市場いちばにも参入さんにゅう

シスコ「Networking Cloud」発表はっぴょう、CatalystやMeraki、ThousandEyesなどを統合とうごう運用うんよう可能かのう

2023ねん06がつ09にち 0700ふん更新こうしん

ぶん末岡すえおか洋子ようこ 編集へんしゅう大塚おおつか/TECH.ASCII.jp

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 クラウドの時代じだいわせてポートフォリオの刷新さっしんすすめているシスコ。2023ねん6がつ8にちまで米国べいこくラスベガスで開催かいさいした年次ねんじイベント「Cisco Live! 2023」では、あらゆるネットワーク製品せいひん管理かんり一元化いちげんかする「Cisco Networking Cloud」を発表はっぴょうした。

「Cisco Networking Cloud」の概念がいねん。Catalyst、Meraki、ThousandEyesといった製品せいひんぐん管理かんり一元化いちげんかする

 6にち基調きちょう講演こうえんで、ネットワーク事業じぎょう部門ぶもんひきいるジョナサン・デイヴィッドソン(ネットワーク事業じぎょう担当たんとうエグゼクティブバイスプレジデントけんゼネラル マネージャー)は、アプリケーション、セキュリティ、ネットワーク、クラウド、コンピュート、ストレージをわせてされるデジタル体験たいけん課題かだいとして「それぞれがバラバラに管理かんりされているために、統一とういつしたデジタル体験たいけん実現じつげんしていない」とした。

べいシスコ ネットワーキング事業じぎょう担当たんとうEVPけんGMのジョナサン・デイヴィッドソン(Jonathan Davidson)

 シスコは「ユニファイドエクスペリエンス」を合言葉あいことばに、デジタル体験たいけん構成こうせいするこれらのテクノロジーが1つのシステムのように機能きのうする世界せかい提案ていあんしてきた。たとえば「ネットワークでは、支店してん拠点きょてん、キャンパス、データセンター、WANなどがすべてバラバラに管理かんりされている」とデイヴィッドソン指摘してきする。

 「シスコはこれらを統一とういつした体験たいけん提供ていきょうし、管理かんりしゃ仕事しごとをシンプルにする。ネットワークインフラ運用うんよう複雑ふくざつせい克服こくふくしなければならない」(デイヴィッドソン

 ITの変革へんかくはしばしばいたみをともなうものになるが、「変革へんかくなくしてAI、ハイブリッドワークなどのあたらしい技術ぎじゅつれることはできず、攻撃こうげき対象たいしょうひろがり、相互そうご依存いぞんによる予測よそく不可能ふかのう状態じょうたい継続けいぞくするだけだ」とつづけ、変革へんかく必要ひつようせいうったえる。

 そこでCisco Networking Cloudの出番でばんとなる。これは、オンプレミスとクラウドの両方りょうほう運用うんようモデルを統一とういつし、シスコのネットワーク製品せいひん一元いちげんてき管理かんりできるクラウドベースのソフトウェアである。具体ぐたいてきには、Cisco Catalyst、Meraki、ThousandEyesなどを統合とうごうする。

 「シスコはプラットフォームを統合とうごうする作業さぎょうつづけてきた。(Networking Cloudによって)オンプレミスにある管理かんり、ソフトウェア、運用うんようモデル、クラウドベースのものなど、あらゆるシスコ製品せいひんをより簡単かんたん利用りようできるようになる」(デイヴィッドソン

 利用りよう方法ほうほうもシンプルなものにし、Catalystハードウェアとソフトウェア、サポートを単一たんいつのサブスクリプション形式けいしき提供ていきょうするという。オンプレミスのシスコ製品せいひんたいしても、つづ最高さいこう管理かんり自動じどうソリューションを構築こうちくしていくとべた。

 披露ひろうされたライブデモでは、まずシングルサインオンでMeraki、ThousandEyes、Cisco Security Cloudなどにアクセスできること、それらのダッシュボードが共通きょうつうのルック&フィールで統一とういつされていること、などが紹介しょうかいされた。ちなみに、SD-WANの「Meraki MX」デバイスとWebexデバイスで、ThousandEyesの監視かんしエージェント「Vantage Points」をサポートすることも発表はっぴょうしている。

 さらにThousandEyesがイベントを検出けんしゅつすると、その根本こんぽん原因げんいん分析ぶんせきし、その影響えいきょうけたユーザーを特定とくていした。「パブリッククラウドとサービスプロバイダあいだでトラフィックが混雑こんざつしている」という分析ぶんせきから、MerakiのダッシュボードにもどってCatalystの稼働かどう状態じょうたい確認かくにんし、キャンパススイッチの問題もんだい特定とくてい、ポートをさい利用りようすることで問題もんだい解決かいけつした。

複数ふくすう管理かんりツールを使つかってトラブルの原因げんいん調査ちょうさ迅速じんそくおこなうデモ

 こうした運用うんよう操作そうさ土台どだいとなるのが、Networking Cloudの「Navigator」だ。デイヴィッドソンは「一貫いっかんした体験たいけん提供ていきょうするために、UIとUXにおおきな投資とうしをしてきた」とかたる。

Networking Cloudの「Navigator」

「Cisco Full-Stack Observability」でオブザーバビリティ市場いちば参入さんにゅう

 今回こんかいのCisco Live!のもうひとつの目玉めだまが、「Cisco Full-Stack Observability(FSO) Platform」だ。これはOpenTelemetryをベースとしたAPIドリブンなプラットフォームで、ネットワーク、インフラ、アプリケーション、セキュリティ、クラウドなどからメトリクス、イベント、ログ、トレースといったデータを収集しゅうしゅうして、アプリケーションやサービスの観測かんそくせいるものとなる。

 シスコでアプリケーション事業じぎょう担当たんとうEVPけんGMをつとめるリズ・チェントーニによると、FSOはやく1ねんはん開発かいはつ期間きかんをかけて「いちから構築こうちくした」製品せいひんだという。

 「モニタリングのために多数たすうのツールやプロセスがある。IDCの調査ちょうさによると、1組織そしき導入どうにゅうするかん観測かんそくツールのかずは10~100にもおよぶ。こうしたツールの乱立らんりつにより、データの収集しゅうしゅう管理かんり共有きょうゆうすすまず、脅威きょうい検出けんしゅつ対策たいさくおくれをまねいている。サイロしたチームやプロセスは、TCOというめんでも課題かだいだ」(チェントーニ)。

シスコ アプリケーション事業じぎょう担当たんとうEVPけんGMのリズ・チェントーニ(Liz Centoni)

 FSOではAI技術ぎじゅつもちいることで、複雑ふくざつ相関そうかん関係かんけい分析ぶんせきやトラブルの予防よぼう可能かのうにする。さらに、チェントーニはFSOの「オープンせい」も強調きょうちょうした。

 FSOプラットフォームじょうのモジュールとして、シスコからはアプリケーションレベルのコスト分析ぶんせきができる「Cost Insights」、アプリケーションのリソースを最適さいてきする「Application Resource Optimizer」など4種類しゅるい用意よういしたほか、パートナーからも「vSphere Observability and Data Modernization」(CloudFabrix)、「Evolutio Fintech」(Evolutio)、「Kanari Capacity Planner and Forecaster」(Kanari)の3種類しゅるい発表はっぴょうされている。

 チェントーニは、FSOでは「設計せっけいから、プラットフォームを拡張かくちょう可能かのうにしてパートナーエコシステムに開放かいほうすることを重視じゅうししてきた」とかたった。あるパートナーは他社たしゃのオブサーバビリティプラットフォームけに開発かいはつしようとていたところを、シスコのFSOのほうが容易よういだとして計画けいかく変更へんこうしたという。

「Cisco Full-Stack Observability(FSO) Platform」の概要がいよう特徴とくちょう

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