トライバンドモデル、MLOを採用し最大18.67Gbps(理論値)の高スループット、クラウド型管理も可能
NEC、法人向けWi-Fi 7/6Eアクセスポイント「UNIVERGE QX-W1240」販売開始
2023年06月12日 15時00分更新
文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp
NECは2023年6月12日、Wi-Fi 7/6E対応の法人向け無線LANアクセスポイント「UNIVERGE QX-W1240」の販売活動を開始した。2.4/5/6GHzの3周波数帯(トライバンド)に対応、Wi-Fi 7で追加される「Multi-Link Operation(MLO)」などの新技術も採用し、最大18.67Gbps(理論値)の高スループット/低レイテンシな無線LAN環境を実現するとしている。希望小売価格(税抜)は33万円で、受注開始は9月、出荷開始は10月を予定。
NECが販売開始した、法人向けWi-Fi 7/6E対応無線LANアクセスポイント「UNIVERGE QX-W1240」
UNIVERGE QXシリーズは、有線LAN、無線LAN、統合管理ツールといったNECの法人向けネットワーク製品群。無線LAN製品のQX-Wシリーズは、アクセスポイントとアクセスコントローラー(無線LANコントローラー)で構成される。今回のQX-W1240はシリーズで初めてWi-Fi 6E/7に対応するアクセスポイントとなる。
Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)は、現在IEEEにおいて標準策定中の次世代無線LAN規格であり、2024年の正式リリースが見込まれている(2023年3月にDraft 3.0規格リリース済み)。前世代のWi-Fi 6/6E比で最大4.8倍(理論値)の高スループット、100分の1の低レイテンシ、MLOによる信頼性向上(無線リンクダウンの回避)といった特徴を持つ。Wi-Fi 6Eと同じく、電波の干渉源が少ない6GHz帯を利用するため、特に8K動画やAR/VRなどの大容量/リアルタイム性の高い次世代コンテンツの安定した伝送が期待できる。
Wi-Fi 7の特徴と、Wi-Fi 6(802.11ac)/6E(802.11ax)/Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)の仕様比較
Wi-Fi 7では新たに、1つの通信に複数の周波数帯域を同時利用して、通信の高信頼性や高速性を実現するMLO技術が追加されるが、QX-W1240はこのMLOにも対応する。
MLO(Multi-Link Operation)技術の概要。Wi-Fi 7/MLO対応デバイスとの間で複数帯域で同一のパケットを送信し信頼性を高めたり、異なるパケットを同時送信してスピードを高めたりすることが可能になる
そのほか、幅広い動作環境温度対応(-10~+50℃)、屋内位置情報サービスなどを実現するBLE機能搭載、無線LAN環境の自動最適化技術「Smart Wireless Technology」対応などは、従来のQX-Wシリーズの特徴を受け継いでいる。オンプレミス型の管理ツール「QX Management Center(QMC)」と、NECプラットフォームズ提供のクラウド型管理ツール「NetMeister」のどちらでも管理が可能。
なおQX-W1240ではWi-Fi 6E/7の高速性を生かすため、アップリンクポートに10ギガEthernet(10GBASE-T)を採用している。PoE給電、または別売のACアダプタで動作する(対応するPoE電力クラスについては現在検討中)。
QX-W1240の希望小売価格(税抜)は33万円。NECでは同製品の販売目標を「2025年度までに5万台」としている。