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ASCII.jp:ノーコードアプリ基盤のYappli、そのデータ活用拡大を支えるのは「頑丈なtrocco」だった? (1/2)

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社内しゃないけのBIから社外しゃがいけ「Yappli CRM」まで、primeNumber「trocco」採用さいようでビジネスを加速かそく

ノーコードアプリ基盤きばんのYappli、そのデータ活用かつよう拡大かくだいささえるのは「頑丈がんじょうなtrocco」だった?

2023ねん07がつ14にち 0900ふん更新こうしん

ぶん大塚おおつか昭彦あきひこ/TECH.ASCII.jp

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 ノーコードのアプリ開発かいはつ運用うんよう分析ぶんせきプラットフォーム「Yappli」を提供ていきょうするヤプリ。同社どうしゃでは、データウェアハウス(DWH)の「Google BigQuery」やBIツール「Looker/Looker Studio」を使つかって、社内しゃないのビジネスデータや顧客こきゃく企業きぎょうのアプリログデータなどの分析ぶんせき可視かしおこなっている。その裏側うらがわ多様たようなデータソースからのデータ転送てんそう統合とうごう(ETL)をになうのが、primeNumberがSaaSとして提供ていきょうする国産こくさんのデータ統合とうごう自動じどうサービス「trocco(トロッコ)」だ。

 2021ねん初頭しょとう導入どうにゅうされたtroccoは、現在げんざい、ヤプリ社内しゃない幅広はばひろ部門ぶもん活用かつようされるようになっている。さらに、これからあらたなサービスをげていくうえでも「troccoがなければ実現じつげんできないこともおおいのでは」と、その重要じゅうようせいかたる。なぜヤプリではtroccoがそれほどまでに活用かつようされるようになったのか。その経緯けいいについて、ヤプリ プロダクト開発かいはつ本部ほんぶ古屋こや陽介ようすけ阿部あべ昌利まさとしにうかがった。

Yappli、trocco導入事例

旗艦きかん製品せいひんであるアプリプラットフォーム「Yappli」と、Yappliと連携れんけいしてアプリCRM施策しさく実行じっこうする「Yappli CRM」を提供ていきょう画像がぞうヤプリIR資料しりょうより)

Yappli、trocco導入事例

ヤプリ プロダクト開発かいはつ本部ほんぶ 開発かいはつ企画きかく マネージャーの古屋こや陽介ようすけひだり)、プロダクト開発かいはつ本部ほんぶ データサイエンティストの阿部あべ昌利まさとしみぎ

ノーコードアプリ基盤きばんさきにある「データ活用かつようサービス」をかんがえる

 2013ねん4がつ創業そうぎょうしたヤプリは、創業そうぎょう当初とうしょからノーコードのアプリ開発かいはつプラットフォームを提供ていきょうしてきた。2020ねんにはこのプラットフォームを刷新さっしんして、分析ぶんせき機能きのうなども追加ついか。10年間ねんかん導入どうにゅう実績じっせきは600しゃ以上いじょうにのぼり、Yappliで開発かいはつ/リリースされたアプリは795(2023ねん3がつまつ時点じてん)、その累計るいけいダウンロードすうは、2023ねん4がつに1おく5000まんけん突破とっぱしている。

Yappli、trocco導入事例

Yappliの特徴とくちょう画像がぞうヤプリIR資料しりょうより)

 Yappliのプロダクトオーナーであり、データ関連かんれんサービスのげや導入どうにゅう推進すいしんがけるプロダクト開発かいはつ本部ほんぶ 開発かいはつ企画きかく マネージャーの古屋こや陽介ようすけは、ヤプリのミッションは「デジタルを簡単かんたんに、社会しゃかい便利べんりに」という言葉ことば集約しゅうやくされていると説明せつめいする。

 「専門せんもん知識ちしき不要ふようのノーコードの製品せいひん提供ていきょうして、企業きぎょうのデジタル簡単かんたんにし、よりおおくの産業さんぎょう課題かだい解決かいけつしていく。また企業きぎょう生産せいさんせいたかめて、結果けっかてき人々ひとびと生活せいかつ仕事しごと便利べんりになる製品せいひん提供ていきょうする――。これがヤプリのミッションです」(古屋こや

 Yappliはノーコードでのアプリ開発かいはつだけでなく、アプリの運用うんようやログ分析ぶんせき機能きのうそなえるプラットフォームだ。くわえて、アプリとユーザー分析ぶんせき起点きてんに、よりユーザーエンゲージメントをふかめるための施策しさく実行じっこうできるYappli CRMサービスも提供ていきょうしている。いずれにおいても、アプリから取得しゅとくできるさまざまなログデータ(行動こうどうログ、イベントログ、属性ぞくせいデータ)の活用かつようかぎにぎっている。

 2020ねんはる、ほぼどう時期じきにヤプリに入社にゅうしゃした古屋こや阿部あべあたえられた最初さいしょのミッションは、「データ活用かつようのサービスをげること」だったという。

 「たとえば1つのアプリからは、『アプリを起動きどうした』『このコンテンツをた』『プッシュ通知つうち開封かいふうした』『来店らいてんしてチェックインした』など、たくさんのデータが取得しゅとくできます。Yappliにはそうしたデータが蓄積ちくせきされていますから、これをお客様きゃくさま活用かつようできるようにサービスして提供ていきょうする。そうした企画きかくもとめられました」(古屋こや

社内しゃない活用かつよう:ダッシュボード構築こうちくのためにサイロしたデータを統合とうごう

 社外しゃがいけのサービスとして、顧客こきゃく企業きぎょうがユーザーデータを分析ぶんせき可視かしできる機能きのう用意よういすることになった。ここではDWHにBigQueryを、BIツールにLookerを採用さいようすることにした。

 このタイミングで、おなじBigQueryとLookerを使つかい、社内しゃないけのビジネスデータ分析ぶんせき可視かし環境かんきょうについても改善かいぜんはかることになった。社外しゃがいけのデータ活用かつようサービスだけでなく、社内しゃないのデータ活用かつよう推進すいしんやくになっているデータサイエンティストの阿部あべは、「Lookerを導入どうにゅうすることになったので、そのLookerで社内しゃないけのBIも補充ほじゅうしてしまおう、ということになりました」とかえる。

 2020ねんはるごろのヤプリでは、セールスデータとマーケティングデータの統合とうごう課題かだいかかえていた。セールスけいではSalesforce、マーケティングけいではMarketo(当時とうじ)を導入どうにゅうし、データをSalesforceに統合とうごうしたうえで可視かしおこなっていたが、レポートは統合とうごうできておらず、個別こべつにアクセスして必要ひつようがあった。

 「このようなBI環境かんきょうだと、事業じぎょうのKPIを達成たっせいするうえでどこにボトルネックがあるのか、なに課題かだいなのかを発見はっけんしにくいわけです。全社ぜんしゃ横断おうだんてき統合とうごうされた可視かしができていなかったのが一番いちばん課題かだいでした」(阿部あべ

 とく経営けいえいそうは、統合とうごうされたかたちのレポートをもとめていた。そのため当時とうじは、レポートの数日すうじつまえからわせをおこなって準備じゅんびをするなど、「時間じかんをかけて、すごく効率こうりつなやりかた対応たいおうするしかなかった」と古屋こや証言しょうげんする。

 そこで、かくツールからBigQueryにデータを集約しゅうやくし、そのデータマートを使つかってLookerでダッシュボードを構築こうちくするというプランががった。ここでデータ転送てんそう役割やくわりになうことになったのが、primeNumberのtroccoだった。

 「BigQueryにBIようのデータを統合とうごうするだけでなく、データの加工かこう必要ひつようでした。とくにマーケティングけいのデータは複雑ふくざつで、あらかじめきれいにデータを加工かこうしておかないと、うまく一元いちげんてき可視かしすることができませんでした。なので、そのぜん処理しょり必要ひつようでした」(阿部あべ

Yappli、trocco導入事例

社内しゃないデータを統合とうごうしたBIダッシュボード構築こうちくのためにtroccoを活用かつようした(画像がぞう阿部あべ講演こうえん資料しりょうより、あかわく筆者ひっしゃ追記ついき

 troccoの無償むしょうトライアルを活用かつようし、手応てごたえがられたのでそのまま本番ほんばん転用てんようするかたちで、ヤプリ社内しゃないけのBIシステムはおよそ1カ月かげつあいだという短期間たんきかんでカットオーバーできたという。

 ちなみにヤプリ自身じしんでデータ転送てんそう加工かこうのシステムをうちせいすることも可能かのうだったが、古屋こやは「あえてその方針ほうしんらなかった」と説明せつめいする。顧客こきゃくけサービスの開発かいはつ提供ていきょうが“本業ほんぎょう”であり、エンジニアリソースをそちらにくと事業じぎょう成長せいちょうスピードがちてしまうからだ。

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