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ASCII.jp:AIよりまずは信頼されるブランドを LINE WORKSが事業戦略を披露

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あたらしい「Wアイコン」にめられた3つの方向ほうこうせいとは?

AIよりまずは信頼しんらいされるブランドを LINE WORKSが事業じぎょう戦略せんりゃく披露ひろう

2024ねん03がつ13にち 0900ふん更新こうしん

ぶん大谷おおやイビサ 編集へんしゅう●ASCII

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 2024ねん3がつ12にち、LINE WORKSは事業じぎょう戦略せんりゃく説明せつめいかい開催かいさい。LINE WORKSの今後こんご方向ほうこうせいはもちろん、2024ねん1がつ社名しゃめい変更へんこうやそれにともなうリブランディング、LINE AIの事業じぎょう統合とうごうによる製品せいひん戦略せんりゃくなどを披露ひろう。また、信頼しんらいされるブランドを目指めざし、セキュリティやデータプライバシーのみにかんしても説明せつめいされた。

LINE WORKS 代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょう けん マーケティング本部ほんぶちょう 増田ますだ隆一りゅういち

ノンデスクユーザーのモバイルツール 導入どうにゅうは46まんしゃ突破とっぱ

 LINEとつながるビジネスチャット「LINE WORKS」。LINEの使つかかた踏襲とうしゅうした「法人ほうじんけグループウェア」をうたっており、1つのアプリにトーク、掲示板けいじばん、カレンダー、タスク、アンケート、アドレスちょうなどさまざまな機能きのう統合とうごう。ノンデスクワーカーを前提ぜんていにしたモバイルでの使つか勝手がってつよみをつ。事業じぎょう戦略せんりゃく説明せつめいかい登壇とうだんしたLINE WORKS 代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょう けん マーケティング本部ほんぶちょう増田ますだ隆一りゅういちは、「他社たしゃくらべられるが、われわれはUI/UXの会社かいしゃだとおもっている。PCを使つかわないノンデスクユーザーが、モバイルで使つかえるよう最適さいてきしている」とアピールする。

 LINE WORKSの最新さいしん導入どうにゅうしゃすうは46まんしゃ利用りようユーザーは500まんにんえた。導入どうにゅうしゃすう拡大かくだいけ、社内しゃないのみならず、社外しゃがいのLINE WORKSユーザーとつながるB2Bの外部がいぶ連携れんけいえ、およそ130まんにんがLINE WORKS同士どうしでつながっているという。また、顧客こきゃくのLINEとつながるB2Cの連携れんけい拡大かくだいしており、ぜんLINEユーザーのおよそ1/3にあたるやく2700まんにんがLINE WORKSとつながっている。さらに連携れんけいソリューションもえ、現在げんざい安否あんぴ確認かくにん営業えいぎょう顧客こきゃく支援しえん来客らいきゃく受付うけつけ出退勤しゅつたいきん管理かんり、Web電話でんわちょう、AIチャットなど170ものサービスとの連携れんけい可能かのうになっている。

拡大かくだいするLINE WORKSの導入どうにゅう企業きぎょうとユーザーすう

 現在げんざいLINE WORKSは30にんまで使つかえるフリープラン、ユーザーすう制限せいげん、1TBのストレージ容量ようりょう利用りようできる月額げつがく450えんのスタンダードプラン、100TBのストレージ、メールとDriveまで利用りようできる月額げつがく800えんのアドバンストプランが提供ていきょうされている。「マクドナルドのビッグマック単品たんぴん価格かかくでスタンダードプラン、セットの価格かかくでアドバンストプランが利用りようできる」と増田ますだはアピールする。

 LINE WORKSの組織そしきについても説明せつめいされた。まず運営うんえい会社かいしゃであるワークスモバイルジャパンは、2024ねん1がつにLINE WORKSへと社名しゃめい変更へんこう。これは親会社おやがいしゃである韓国かんこくのワークスモバイルがNAVERグループのB2B事業じぎょうになうNAVER Cloudに統合とうごうされたのをけたものだという。現在げんざい、LINE WORKSの資本しほん構成こうせいはNAVER Cloudが78%、LINEヤフーが22%という割合わりあいになっている。

 また、昨年さくねんはLINEのAI事業じぎょうであるLINE CLOVAが吸収きゅうしゅう分割ぶんかつ事業じぎょう統合とうごう。LINE WORKS単品たんぴん提供ていきょうする企業きぎょうから、OCRやチャットボット、画像がぞう認識にんしきなどのAI製品せいひんふく複数ふくすうプロダクトを展開てんかいする企業きぎょうとなっている。

複数ふくすうプロダクトを前提ぜんていとした基盤きばん構築こうちくとAIの

 社名しゃめい変更へんこう組織そしき・サービスの変更へんこうて、LINE WORKSでは昨年さくねんから今年ことしにかけていくつかのみをすすめている。この1つがリブランディングだ。

 社名しゃめいがLINE WORKSになったことで、同社どうしゃ現在げんざい1つのブランドでコーポレートブランドとプロダクトブランドを使つかける必要ひつようてきた。そのため、両者りょうしゃのメッセージはこれまでわらないものの、プロダクトブランドにかんしては、5月のバージョンアップをに「Wアイコン」があらたに追加ついかされることになる。

プロダクトブランドにはあたらしいWアイコンが

 このWアイコンは、従来じゅうらいから提供ていきょうしてきたコミュニケーション&コラボレーションを意味いみする「CONNECT」のみどりくわえ、AI活用かつようによる生産せいさんせい向上こうじょう意味いみする「BOOST」のむらさき、これらを安全あんぜん提供ていきょうする「TRUST」のあおという3つのパーツからつ。ロゴの形状けいじょうもCONNECTとBOOSTをTRUSTがささえるかたちで「W」が構成こうせいされている。発表はっぴょうかいでは、この3つの構成こうせい要素ようそしたがって今後こんご事業じぎょう戦略せんりゃくあきらかにされた。

 まずCONNECTが提供ていきょうするLINE WORKSにかんしては、複数ふくすう機能きのう統合とうごうした従来じゅうらい単一たんいつアプリをコンポーネント。マルチプロダクトを前提ぜんていとした共通きょうつう基盤きばん統合とうごうログイン環境かんきょう整備せいびしつつ、将来しょうらいてきにはビデオ会議かいぎやDriveなどをべつアプリで提供ていきょうしていく予定よてい。また、コンポーネントによって技術ぎじゅつ革新かくしんいちじるしいAI領域りょういき個別こべつ進化しんかさせることが可能かのうになるという。

複数ふくすうアプリケーションを前提ぜんていとした共通きょうつう基盤きばんとログイン環境かんきょう整備せいび

 BOOSTを実現じつげんするAIにかんしては、昨年さくねんLINE WORKSの操作そうさをサジェストしてくれる「AI秘書ひしょ」を発表はっぴょうしていたが、現在げんざい開発かいはつすすんでいる。「どうすればおきゃくさまのやくつのか、正直しょうじき見極みきわめられていない。この状態じょうたいでいたずらにAIを実装じっそうするのはリスクがある」(増田ますだ)とのことで、もなく発表はっぴょうされるとわれているAIにかんする政府せいふ方針ほうしんにのっとった実装じっそうすすめるという。

 具体ぐたいてきには複数ふくすうのLLMを選択せんたくできるマルチLLMを前提ぜんていに、AI秘書ひしょのような汎用はんようAI機能きのう、そして業務ぎょうむとくしたAIソリューションを開発かいはつしていく。また、ノーコードでLLMアプリケーションをLINE WORKSに展開てんかいできるようにするCoWorks Projectも展開てんかい。さらに、5月のバージョンアップでは、ビジネスチャットでは解決かいけつできない現場げんば課題かだい対応たいおうすべく、トークと音声おんせい同期どうきさせることでハンズフリー・アイズフリーのコミュニケーション手段しゅだん導入どうにゅうする予定よてい。こうしたLINE WORKS自体じたい機能きのう強化きょうかともに、おもに定型ていけい業務ぎょうむ分野ぶんやでパートナーとの協業きょうぎょうすすめ、「はたらくすべてのひとにとってのビジネス基盤きばん」を目指めざすという。

マルチLLMを前提ぜんていしたソリューションを提供ていきょうする

 昨年さくねん統合とうごうされたLINE AIのプロダクトについても説明せつめいされた。LINE AIは画像がぞう文字もじ認識にんしきなど世界せかい最高さいこう水準すいじゅん認識にんしき精度せいど実現じつげんしている分野ぶんやおおく、現在げんざい音声おんせいボット、OCR、画像がぞう認識にんしきの3つのプロダクトとして展開てんかいされている。自然しぜん対話たいわ応答おうとう実現じつげんするLINE WORKS AiCallは、ヤマト運輸やまとうんゆ集荷しゅうか受付うけつけ導入どうにゅうされており、つき100まんけん入電にゅうでんやく8わりをAIが対応たいおうしている。また、認識にんしき精度せいどたかさをりにするLINE WORKS OCRは、インボイス制度せいどでの業務ぎょうむ負荷ふか増加ぞうか対応たいおうする弥生やよいのスマート証憑しょうひょう管理かんり採用さいようされており、請求せいきゅうしょ領収りょうしゅうしょ、レシートなどにOCRをとくさせることでたか効率こうりつ実現じつげんしたという。

信頼しんらい犠牲ぎせいにしてまで、あたらしい技術ぎじゅつれるのか?

 そして、とく重視じゅうしするのは安心あんしん安全あんぜんなサービスを提供ていきょうするためのTRUSTの分野ぶんやだ。法人ほうじんユーザーが利用りようするサービスには、やはり信頼しんらいせいやセキュリティ、データプライバシーなどが重要じゅうようになる。これらを対外たいがいてき明示めいじするため、第三者だいさんしゃ機関きかんによる認証にんしょうやセキュリティのみを対外たいがいてきにアピールしていくという。

 LINE WORKSではすでにSOC2/3、ISO/IEC 27001、27017、27018、27701などの認証にんしょう取得しゅとくしているが、2024ねんには越境えっきょうプライバシールールであるAPEC CBPRの取得しゅとく予定よていする。また、4がつにはセキュリティホワイトペーパーを発刊はっかん。100ページをえるどうホワイトペーパーでは、導入どうにゅうにユーザーが確認かくにんしたい要点ようてん網羅もうらし、理解りかい納得なっとく醸成じょうせいする。「SaaSは相手あいて信頼しんらいできないと使つかってもらえない。だから、むしろこちらからあゆり、みなさんに理解りかいしてもらうつもり」と増田ますだかたる。

導入どうにゅう確認かくにんしたいポイントを網羅もうらしたセキュリティホワイトペーパーを発刊はっかん

 前述ぜんじゅつしたCONNECTとBOOSTをささえるこのTRUSTの分野ぶんやは、AIの実装じっそうより優先ゆうせんたかみになるという。「信頼しんらい犠牲ぎせいにしてまで、あたらしい技術ぎじゅつれるべきなのか? わたしはそうとはおもっていない。『LINE WORKSなら信頼しんらいできそうだ』というブランドを醸成じょうせいしていきたい」と増田ますだおもいをかたる。

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