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ASCII.jp:ヨガインストラクターから開発担当に kintoneはチャレンジの機会をくれるツール

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業務ぎょうむえるkintoneユーザー事例じれい だい224かい

多角たかく経営けいえい乱立らんりつしたシステムをキラーアプリでつないだ高橋たかはし

ヨガインストラクターから開発かいはつ担当たんとうに kintoneはチャレンジの機会きかいをくれるツール

2024ねん06がつ11にち 0900ふん更新こうしん

ぶん福澤ふくさわ陽介ようすけ/TECH.ASCII.jp  写真しゃしん●サイボウズ

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 2024ねん5がつ21にち、kintoneユーザーによる事例じれい・ノウハウの共有きょうゆうイベント「kintone hive 2024 fukuoka」が開催かいさいされた。福岡ふくおかでのどうイベントの開催かいさいじつに9かい今回こんかいは6くみ登壇とうだんしゃちゅう、5くみがペアでの登壇とうだんとなり、バラエティゆたかな成功せいこう事例じれい披露ひろうされた。

 ほん記事きじでは、トップバッターをつとめた高橋たかはし大江おおえすずかによるプレゼン「ヨガで身体しんたいをととのえる仕事しごとからkintoneで会社かいしゃをととのえる仕事しごとへ」のレポートを紹介しょうかいする。

会場かいじょう今年ことしもZepp Fukuoka、過去かこ最大さいだいとなるやく300めいのkintoneユーザーがあつまり、受付うけつけ開始かいしまえから行列ぎょうれつ出来できていたほどだ

ヨガインストラクターからkintone担当たんとうへ、ちふさがるのは乱立らんりつした社内しゃないシステム

 高橋たかはしは、繊維せんいぎょうからスタートした、創業そうぎょう87ねんなが歴史れきし企業きぎょうだ。いまでは、スポーツクラブやアミューズメント施設しせつ運営うんえい飲食いんしょく農業のうぎょう不動産ふどうさんなど、福岡ふくおか中心ちゅうしんとして地域ちいき根差ねざした多角たかくてき事業じぎょう展開てんかいする。

 アクティブなことがきな大江おおえは、kintoneの開発かいはつ担当たんとうするまえは、同社どうしゃでヨガのインストラクターとしてはたらいていた。「インストラクターの仕事しごと大好だいすきでしたが、あさはやくて、よるおそく、公私こうしのバランスがとりつら仕事しごとでした。結婚けっこんをするにあたり、今後こんごのキャリアについてなやんでいました」とかえる。

高橋たかはし グループマーケティングしつ 大江おおえすずか

 一方いっぽうで、高橋たかはし自体じたいなやみをかかえていた。多角たかくてき事業じぎょう展開てんかいするにつれ、かく業種ぎょうしゅ業務ぎょうむプロセスが個別こべつ進化しんかし、膨大ぼうだい情報じょうほう散在さんざいしている状態じょうたいだった。「kintoneのCMのように、だれがつくったかわからない、なにただしいかわからないファイルが数多かずおお存在そんざいしていました。グループ全体ぜんたい地域ちいきげたいのに、そのための仕組しくみがボトルネックになっていました」(大江おおえ

 このなやみを解消かいしょうすべく、業務ぎょうむプラットフォームの開発かいはつプロジェクトががる。「これならはたらかたうかも」という気持きもちで、大江おおえ社内しゃない公募こうぼ参加さんか大江おおえをはじめとするプロジェクトチームにちはだかったのは、多角たかく経営けいえいならではの乱立らんりつした社内しゃないシステムだ。

多角たかく経営けいえいだからこそバラバラなシステムが課題かだい

 ボーリングではスコアリングのシステム、スポーツクラブでは会員かいいんやクラス管理かんり予約よやくのシステム、カフェではレジや決済けっさいのシステムといったかたち多様たようなシステムが混在こんざいくわえて、情報じょうほうるにはかくシステムに都度つどログインする必要ひつようがあり、現場げんばにとっておおきな負担ふたんになっていた。同社どうしゃはシステムのさい構築こうちく決定けっていし、統合とうごうプラットフォームとしてkintoneを採用さいよう大江おおえ自身じしんもkintoneと出会であった。

かなられるキラーアプリ作成さくせいへ、開発かいはつ経験けいけんのなさはツールのわせでカバー

 kintoneでのさい構築こうちくのコンセプトは、「kintoneをけばすべての業務ぎょうむがわかる」こと。そして、従業じゅうぎょういんにとっての“メリットかん”を意識いしきした。「ビジネスや業務ぎょうむ変化へんかはげしく、迅速じんそくかく業種ぎょうしゅ浸透しんとうさせたいものの、強制きょうせいしてもサラリーマンは“やったふり”をしてしまう。社員しゃいんにとってのメリットかん、つまりらくになったね、便利べんりになったねとかんじてもらうことを重視じゅうししました」と大江おおえ

強制きょうせいすると「やったふり」をしてしまうため「メリットかん」を重視じゅうしした

 優先ゆうせんてきんだのが「キラーアプリ」の作成さくせいだ。これがないと業務ぎょうむができない、すべての従業じゅうぎょういんかなられるアプリとして、ワークフローアプリからけることに。

 同社どうしゃのワークフローは、もともとガバナンスを意識いしきしており、かく申請しんせいたいして起案きあんしゃから決済けっさいしゃまで、こまかく設定せっていされていた。くわえて、申請しんせいフォームは39種類しゅるい存在そんざいするなど複雑ふくざつで、採用さいよう手続てつづきなどもふくまれるため、正確せいかくせいもとめられる。

 正確せいかくせい維持いじしながら効率こうりつできるアプリを模索もさくしていたが、チームのメンバーはすくなく、開発かいはつのノウハウもない。「どうやらkintoneアプリはjavascriptで使つかいやすくできるらしいというのはわかりましたが、けないし、めないし、メンテナンスできない。いちからつくらずになにとかできないかというかんがえにきました」(大江おおえ

 kintoneをまなんでいくなかで、公式こうしきサイトの「kintoneのあるかたでは、活用かつよう方法ほうほうがわかりやすく紹介しょうかいされていた。アルゴリズムをノーコードでつくれるアールスリーインスティテュートの「gusuku Customine」もつけた。kintoneのエコシステムじょうにあるツールを“わせて”、必要ひつようとなる機能きのう実装じっそうすることにした。

kintoneのさまざまな活用かつよう方法ほうほうまなべる「kintoneのあるかた

ワークフローアプリは、1にち2000かいアクセスされる社内しゃないで“たりまえ”の仕組しくみに

 たとえば、gusuku Customineを利用りようして、雇用こよう契約けいやくしょ自動じどう出力しゅつりょくできるようにし、契約けいやくしょでの入力にゅうりょくミスをなくせるようにした。自動じどうルールの「Zepier」を利用りようして、Google Formsとkintoneをつなぎ、kintoneのアカウントをっていない応募おうぼしゃのエントリーをkintoneに統合とうごうできるようにした。

 このように、39種類しゅるいのワークフローを、ひとつひとつのプロセスをかんがえながら設計せっけい。「ここまでてやっぱり業務ぎょうむとシステムはイコールなんだと実感じっかんしました」と大江おおえ

 くわえて、とにかくはやいリリースを目指めざすために、現場げんばからの文句もんく依頼いらい)をうながし、アジャイルてきかんがえで、改善かいぜん機能きのう追加ついかかえした。ポータル画面がめんにて、「業務ぎょうむ依頼いらい」という“オープンに文句もんくをいえる”アプリを設置せっちとどいた依頼いらいはステータスごとに分類ぶんるいされ、完了かんりょうした依頼いらいはポータルじょうでアップデート表示ひょうじすることで、現場げんば意見いけん反映はんえいしていることをアピールした。

業務ぎょうむ依頼いらいのアプリにたかった改善かいぜん依頼いらい

 苦労くろうして完成かんせいしたワークフローアプリは、社員しゃいんすうやく100めいなかで、おおいときには1にちに2000けんアクセスされ、社内しゃないで“たりまえに”利用りようされるアプリとなった。

 情報じょうほう容易ようい把握はあくできるようになっただけではなく、想定そうていがい効果こうかられた。現場げんば情報じょうほう入力にゅうりょくされたタイミングで、総務そうむ経理けいりなどが確認かくにんできるようになり、専門せんもん知識ちしきのない現場げんばのスタッフの安心あんしんかん向上こうじょうにもつながったという。

 これまでは、会社かいしゃよこくしにつなげるアプリを中心ちゅうしん作成さくせいしてきたが、今後こんごは、グループ全体ぜんたいでプロセスを標準ひょうじゅんしつつ、かく業種ぎょうしゅのオリジナリティがるアプリを作成さくせいして、kintoneをさらに浸透しんとうさせていく予定よていだ。

ワークフローアプリはたりまえ利用りようされるアプリに

 「もともとわたしはヨガインスター。わたしにとってkintoneは、さまざまな立場たちばひとにチャレンジできる機会きかいあたえてくれるツール。今回こんかいのプロジェクトをとおして、自信じしんられ、キャリアもひろがりました。まだまだみちなかばですが、これからもたのしくkintoneの開発かいはつをしていきたい」と大江おおえめくくった。

kintone開発かいはつでもきた、ヨガインストラクターの経験けいけん

 プレゼンにはサイボウズ 九州きゅうしゅう営業えいぎょうグループ福岡ふくおかオフィスの大南おおみなみともほまれから質問しつもんんだ。

大南おおみなみCustomineやZepierなどをつなげるなど、kintoneのエコシステムを活用かつようすることで業務ぎょうむはばひろがったのでしょうか?

大江おおえひろがりました。やはりkintoneの標準ひょうじゅん機能きのうだけではこたえられない機能きのう追加ついか業務ぎょうむ改善かいぜん依頼いらいがってきますので、そこをエコシステムでおぎなえました。

プレゼンのアフタートークの様子ようす

大南おおみなみ非常ひじょういなとおもったのが、“キラーアプリ”や“文句もんくえる場所ばしょ”、“安心あんしんかん”などの視点してんです。ヨガインストラクターの現場げんばはたらいていたからこそてきた視点してんかとおもいましたが、いかがでしょうか?

大江おおえ現場げんばはたらいていたときに、採用さいようなどの専門せんもん知識ちしき必要ひつよう業務ぎょうむも、不安ふあんもありながらたくさんんでいました。kintoneの開発かいはつ担当たんとうになって、それらを現場げんば意見いけんとして反映はんえいできたのはかったとおもいます。

 

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