Copilot for Microsoft 365のISMAP取得しゅとくも間あいだもなく、AX（AI変革へんかく）も本格ほんかく推進すいしんへ

行政ぎょうせい機関きかんで加速かそくする内うち製せい化か・働はたらき方かた改革かいかく・生成せいせいAI活用かつよう、マイクロソフトが最新さいしん事例じれい紹介しょうかい

2024年ねん06月がつ11日にち 15時じ15分ふん更新こうしん

文ぶん● 福澤ふくさわ陽介ようすけ／TECH.ASCII.jp

　日本にっぽんマイクロソフトは、2024年ねん5月がつ30日にち、政府せいふ、地方自治体ちほうじちたい分野ぶんやにおける最新さいしんの取とり組くみに関かんする記者きしゃ説明せつめい会かいを開催かいさいした。

　行政ぎょうせい機関きかんに向むけた取とり組くみの3本ほん柱ばしらである「モダナイズ化かと内うち製せい化か」「DXの基盤きばんとなる組織そしき風土ふうどのトランスフォーメーション」「AIトランスフォーメーション（AX）の加速かそく」のそれぞれで、最新さいしんの施策しさくや実際じっさいの政府せいふや自治体じちたいの事例じれいを紹介しょうかいした。

　これらの取とり組くみは、同社どうしゃのパブリックセクター事業じぎょう本部ほんぶが掲かかげる「誰だれ一人ひとり取とり残のこされない日本にっぽんのデジタル社会しゃかいの実現じつげんを通つうじ、より豊ゆたかな未来みらいにつながる“かけはし”となる」というミッションのもとで進すすめられる。

　日本にっぽんマイクロソフトの執行しっこう役員やくいん常務じょうむパブリックセクター事業じぎょう本部ほんぶ長ちょうである佐藤さとう亮太りょうた氏しは、「未来みらいのあるべき姿すがたを、正ただしい設計せっけい図ずで作つくり上あげることも重要じゅうようだが、既存きそんの資産しさんや枠組わくぐみ、制約せいやくがある中なかで、正ただしい未来みらいに進すすむための“橋渡はしわたし”をすることは、実じつは一番いちばん難むずかしい」と説明せつめいする。

日本にっぽんマイクロソフト執行しっこう役員やくいん常務じょうむパブリックセクター事業じぎょう本部ほんぶ長ちょう佐藤さとう亮太りょうた氏し

モダナイズ化かと内うち製せい化か：大阪おおさか市しは最大さいだい規模きぼのクラウド共通きょうつう基盤きばんにシステムを移行いこう中ちゅう

　ひとつ目めの柱はしらは、「モダナイズ化かと内うち製せい化か」だ。マイクロソフトの強つよみである、クラウド基盤きばんからノーコードまでを網羅もうら的てきするテクノロジーポートフォリオの広ひろさを活いかして、レガシーやオンプレミス資産しさんが残のこる行政ぎょうせい機関きかんに、課題かだいに合あわせたDXを提案ていあんしていく。

　「ガバメントクラウド」にMicrosoft Azureが採択さいたくされて以降いこう、同社どうしゃでは行政ぎょうせい機関きかんに対たいするクラウド基盤きばんの構築こうちくやローコードツールの活用かつようを推進すいしんしてきた。その結果けっか、2022年ねんからの2年間ねんかんで、行政ぎょうせい機関きかんのマイクロソフトのクラウド利用りようは“3倍ばい”に、ローコードツール利用りようは“2倍ばい”に拡大かくだいした。

　大阪おおさか市しでは、Azure上じょうに構築こうちくしたクラウド共通きょうつう基盤きばんに50以上いじょうのシステムを移行いこう中ちゅうであり、「Azureでのモダナイズ化か、クラウド基盤きばんの構築こうちくという観点かんてんでは、日本にっぽんの自治体じちたいで最大さいだい規模きぼ」と佐藤さとう氏し。Microsoft 365も組くみ合あわせ、約やく2万まん5000人にんの職員しょくいんの働はたらき方かたを支ささえる基盤きばんとしても稼働かどうする。

　山梨やまなし県けんでは、ローコードツールのPower Platformを活用かつようして、庁ちょう内ない開発かいはつと人材じんざい育成いくせいを進すすめている。全ぜん職員しょくいんに研修けんしゅうを施ほどこし、庁ちょう内ないでの開発かいはつコミュニティを創出そうしゅつ、既すでに作成さくせいされた多おおくのアプリケーションが稼働かどうしているという。

大阪おおさか市しの共通きょうつうクラウド基盤きばん構築こうちくの事例じれい

山梨やまなし県けんのローコードツールでの庁ちょう内ない開発かいはつの事例じれい

　行政ぎょうせい機関きかんのDXを支ささえるパートナー企業きぎょうとの連携れんけいも深ふかめている。2023年ねんには、地方自治体ちほうじちたいのDX促進そくしんを支援しえんするための協定きょうていを、NTT西日本にしにほんと締結ていけつ。NTT西日本にしにほん内ないでのクラウド技術ぎじゅつ力りょくの向上こうじょう支援しえんによって、NTT西日本にしにほんのAzureの資格しかく保有ほゆう者しゃは、約やく1年ねんで2倍ばいとなる約やく1600名めいに達たっしており、得えられたAzureの知見ちけんを活用かつようして、自治体じちたいのクラウド移行いこう支援しえんを加速かそくさせていく予定よていだ。

NTT西日本にしにほんとの連携れんけい

DXの基盤きばんとなる組織そしき風土ふうどのトランスフォーメーション：事務じむ職員しょくいんがDXを先導せんどうするアンバサダー活動かつどうを展開てんかい

　続つづいての取とり組くみは、「DXの基盤きばんとなる組織そしき風土ふうどのトランスフォーメーション」、い換いかえれば働はたらき方かた改革かいかくの支援しえんだ。「テクノロジーだけでは解決かいけつできないことがあることは明あきらか。DXを組織そしきとして進すすめる上うえで、構造こうぞう的てきな課題かだいに対たいして目めを向むけ、企業きぎょうカルチャーの変革へんかくや人材じんざい育成いくせいというアナログな部分ぶぶんを含ふくめたノウハウを提供ていきょうする」と佐藤さとう氏し。

　ここは自社じしゃ実践じっせんも含ふくめてノウハウを蓄積ちくせきし、セキュリティ強化きょうかやモダンワークソリューションの提供ていきょう、組織そしき変革へんかくの支援しえんなど、日本にっぽんマイクロソフトが多角たかく的てきに取とり組くんできた領域りょういきである。たとえば2022年ねんから2024年ねんの2年間ねんかんで、行政ぎょうせい機関きかんにおけるTeams利用りようは2倍ばいに増加ぞうかしたという。

　東京とうきょう都ととは2023年ねんに連携れんけい協定きょうていを締結ていけつして、DX研修けんしゅうを展開てんかいしている。都庁とちょうの職員しょくいんを同社どうしゃに受うけ入いれ、新あたらしい働はたらき方かたを体験たいけんしてもらうなど、区く市町村しちょうそんも含ふくむ局長きょくちょうレベルから現場げんばの職員しょくいんに対たいして、年間ねんかん約やく30回かいの研修けんしゅうを実施じっししてきた。既すでにオンライン会議かいぎが2.5倍ばいに増ふえ、紙かみ利用りようが70%削減さくげんされる（2016年ねん比ひ）といった成果せいかに結むすびついているという。

　防衛ぼうえい省しょうの働はたらき方かた改革かいかくも支援しえんしており、トレーニングの提供ていきょうの他ほか、クラウド版ばんのモダンワークサービスの導入どうにゅうも決定けってい。今後こんごは生成せいせいAIの活用かつようも検討けんとうしているという。「機微きび情報じょうほうをあつかうため、防衛ぼうえい省しょうは（クラウドやAIの活用かつように）非常ひじょうに慎重しんちょうなスタンス。セキュリティなどの信頼しんらい面めんを評価ひょうかいただいたことが採用さいようにつながった」と佐藤さとう氏し。

東京とうきょう都とのDX研修けんしゅうの事例じれい

防衛ぼうえい省しょうの働はたらき方かた改革かいかく推進すいしんの事例じれい

　また、人事院じんじいんの長谷川はせがわ一也かずや氏しがオンライン登壇とうだんし、同どう機関きかんにおけるDXを中心ちゅうしんとした働はたらき方かた改革かいかくについて披露ひろうされた。

人事院じんじいん事務じむ総局そうきょくサイバーセキュリティ・情報じょうほう化か審議しんぎ官かん事務じむ総局そうきょく公文書こうぶんしょ監理かんり官かん (併) 長谷川はせがわ一也かずや氏し

　人事院じんじいんでは、2022年度ねんどのネットワークシステムの更新こうしんにあわせて、デジタル庁ちょうが運用うんようするガバメントソリューションサービス（GSS）に、ファーストユーザーとして移行いこう。加くわえて、2025年度ねんどの庁舎ちょうしゃ移転いてんを念頭ねんとうにおいた、DX推進すいしん計画けいかくを策定さくていした。

　DX推進すいしんは、職員しょくいんのデジタルリテラシーの向上こうじょう、GSSを活用かつようした業務ぎょうむ改善かいぜん、そして新あたらしい働はたらき方かたに適用てきようするオフィスの構築こうちくの3段階だんかいで計画けいかくされ、日本にっぽんマイクロソフトの支援しえんも得えながら進すすめられた。

　特とくにDXを浸透しんとうさせるために、トップダウンとボトムアップの双方そうほうからのアプローチをとったほか、アーリーアダプターを養成ようせいする「DXアンバサダー」の活動かつどうを推進すいしん。2022年度ねんどには64名めい、2023年度ねんどには55名めいが参加さんかし、先行せんこうトレーニングなどに加くわえて、GSSを利用りようした「業務ぎょうむ改革かいかくアイデアソン」も実施じっしした。成果せいかのひとつとして「超過ちょうか勤務きんむ処理しょりの自動じどう化か」が挙あげられ、超過ちょうか勤務きんむ入力にゅうりょくシートの作成さくせいを自動じどう化かして、毎月まいつきの作業さぎょう時間じかんを約やく164時じ間あいだ削減さくげんしたという。

人事院じんじいんのDXアンバサダー活動かつどう

業務ぎょうむ改革かいかくアイデアソンの成果せいか（超過ちょうか勤務きんむ処理しょりの自動じどう化か）

　人事院じんじいん内部ないぶにとどまらない国家こっか公務員こうむいん全体ぜんたいのDXにも取とり組くんでいる。従来じゅうらい、電話でんわやメールで対応たいおうし、制度せいどごとに管理かんりしていた人事じんじ制度せいどの照会しょうかい対応たいおう業務ぎょうむを抜本ばっぽん的てきに見直みなおし、「国家こっか公務員こうむいん制度せいどナレッジベース（SEDO）」を構築こうちく。地方ちほう機関きかんを含ふくめた全ぜん府ふ省しょうへの接続せつぞくを進すすめている。代表だいひょう的てきな事項じこうはFAQ化かし、問とい合あわせはポータルサイトを通つうじて受うけ付つけ、対応たいおう状じょう況きょうのステータスも可視かし化かされる。「デジタルを活用かつようした業務ぎょうむ見直みなおしのビジョンを描えがけるようになった成果せいか」と長谷川はせがわ氏しは強調きょうちょうした。