日本にっぽんのDXは「成果せいか」に課題かだい、日本にっぽん企業きぎょうを狙ねらう標的ひょうてき型がた攻撃こうげきのトレンド、2024年ねんのESG市場いちばは17％成長せいちょう、ほか

2024年ねん07月がつ01日にち 08時じ00分ふん更新こうしん

文ぶん● 末岡すえおか洋子ようこ　編集へんしゅう● 大塚おおつか／TECH.ASCII.jp

　本ほん連載れんさい「ざっくり知しっておきたいIT業界ぎょうかいデータ」では、過去かこ1週間しゅうかんに調査ちょうさ会社かいしゃなどから発表はっぴょうされたIT市場いちば予測よそくやユーザー動向どうこうなどのデータを、それぞれ3行ぎょうにまとめてお伝つたえします。

　今回こんかい（2024年ねん6月がつ22日にち～6月がつ28日にち）は、日本にっぽん企業きぎょうにおけるDXの取とり組くみの進捗しんちょくと課題かだい、サステナビリティ／ESGサービス国内こくない市場いちば、クラウドネイティブアプリを保護ほごするCNAPP、顧客こきゃくエクスペリエンス（CX）関連かんれん市場いちばの動向どうこう、日本にっぽん企業きぎょう／個人こじんを狙ねらう標的ひょうてき型がた攻撃こうげきのトレンドについてのデータを紹介しょうかいします。

[DX]2023年度ねんどの「日本にっぽんのDX」は2022年度ねんどの米国べいこくと同どうレベル（6月がつ27日にち、IPA／情報処理じょうほうしょり推進すいしん機構きこう）
・2023年度ねんど「DXに取とり組くんだ」国内こくない企業きぎょうは73％、2022年度ねんどの米国べいこくレベルに・「DXの成果せいかが出でている」は64％で、米国べいこくの89％とは大おおきな差さ・「顧客こきゃく起点きてんの価値かち創出そうしゅつによるビジネスモデルの根本こんぽん的てきな変革へんかく」など、一部いちぶ取とり組くみは前年ぜんねんよりも成果せいかが減少げんしょう

　日本にっぽん企業きぎょうにおけるDXの取とり組くみと成果せいかを、戦略せんりゃく・技術ぎじゅつ・人材じんざいの視点してんからまとめた「DX動向どうこう2024」より。2023年度ねんど、DXに取とり組くんだ企業きぎょうは73.7％で、2022年度ねんどの米国べいこくと同どうレベルに。その一方いっぽうで「DXの成果せいかが出でている」としたのは64.3％にとどまり、2022年度ねんどの米国べいこくとは大おおきな差さがついている。取とり組くみを「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」「デジタルトランスフォーメーション（DX）」の3つに分類ぶんるいし、それぞれ取とり組くみ項目こうもくを見みたところ、前年ぜんねんの傾向けいこうから大おおきな変化へんかはなかった。ただし、DXの取とり組くみのうち「顧客こきゃく起点きてんの価値かち創出そうしゅつによるビジネスモデルの根本こんぽん的てきな変革へんかく」「新規しんき製品せいひん・サービスの創出そうしゅつ」などは、「十分じゅうぶんな成果せいかが出でている」とする回答かいとうが前年ぜんねんよりも減少げんしょうした。

DXの取とり組くみ状況じょうきょう。2023年度ねんどには、全社ぜんしゃ的てきにDXに取とり組くむ企業きぎょうが37.5％となった（出典しゅってん：IPA）

DXに取とり組くむ企業きぎょうにおける成果せいかの実態じったい。「成果せいかが出でている」は64.3％にとどまり、2022年度ねんどの米国べいこく（89％）とは大おおきな差さがある（出典しゅってん：IPA）

取とり組くみ項目こうもく別べつのDX成果せいか状況じょうきょう（出典しゅってん：IPA）

[セキュリティ]日本にっぽん企業きぎょう／個人こじんへの標的ひょうてき型がた攻撃こうげき、2023年度ねんどは50％が外部がいぶ公開こうかいアセットを狙ねらう（マクニカ、6月27日にち）
・2023年度ねんどの侵入しんにゅう方法ほうほうの50％は「外部がいぶ公開こうかいアセット」、30％が「スピアフィッシング」
・「USBメモリ」「Wi-Fiアクセスポイント」もそれぞれ10％
・攻撃こうげき対象たいしょう組織そしきは製造せいぞう業ぎょうが新あらたな標的ひょうてきに

　2023年度ねんど、日本にっぽんに“着弾ちゃくだん”した標的ひょうてき型がた攻撃こうげきに関かんする調査ちょうさレポート「標的ひょうてき型がた攻撃こうげきの実態じったいと対策たいさくアプローチ　第だい8版はん」より。攻撃こうげき手法しゅほうの多様たよう化かが進すすんでおり、侵入しんにゅう経路けいろは従来じゅうらいの「スピアフィッシング」（30％）に加くわえて、Webサイトや公開こうかいサーバーといった「外部がいぶ公開こうかいアセットの脆弱ぜいじゃく性せいを突つく攻撃こうげき」（50％）、「USBメモリやWi-Fiアクセスポイントを悪用あくようした物理ぶつり的てき侵入しんにゅう」（それぞれ10％）も確認かくにんされている。攻撃こうげき対象たいしょうの業種ぎょうしゅとしては製造せいぞう業ぎょうが増加ぞうか傾向けいこうにあり、特とくに東ひがしアジアに拠点きょてんを持もつ製造せいぞう業ぎょうにおいて、USBメモリやWi-Fiアクセスポイントの悪用あくようによる侵入しんにゅうが目立めだつという。

アタックサーフェスの割合わりあい、外部がいぶ公開こうかいアセット経路けいろが50％を占しめた（出典しゅってん：マクニカ）

標的ひょうてきとなる業種ぎょうしゅは「メディア」「安全あんぜん保障ほしょう」「外交がいこう関連かんれん」が長ながらくターゲットとされてきたが、「製造せいぞう」が増ふえている（出典しゅってん：マクニカ）

[ESG]サステナビリティ／ESGサービスの国内こくない市場いちば、2024年ねんは前年ぜんねん比ひ17％増ぞうと予測よそく（IDC Japan、6月27日にち）
・2024年ねんの国内こくないサステナビリティ／ESGサービス市場いちば規模きぼは2310億おく円えん
・2028年ねんには3772億おく円えんの市場いちば規模きぼを見込みこむ
・2024～2026年ねんまでの成長せいちょう要因よういんは「GHG（温室おんしつ効果こうかガス）排出はいしゅつ量りょうの算定さんてい」など

　IDC Japanでは初はじめてとなる、国内こくないサステナビリティ／ESGサービス市場いちば予測よそく。2024年ねんの市場いちば規模きぼは、前年ぜんねん比ひ17.8％増ぞうの2310億おく円えん（支出ししゅつ額がくベース）。2024年ねんから2026年ねんにかけて、GHG（温室おんしつ効果こうかガス）排出はいしゅつ量りょうの算定さんていや、欧州おうしゅう連合れんごう（EU）が2026年ねん後半こうはん以降いこうに実施じっし予定よていの「バッテリーパスポート」（カーボンフットプリントに関かかわるEV搭載とうさいバッテリーの情報じょうほう開示かいじの義務ぎむ化か）が成長せいちょう要因よういんになると見みている。2023～2028年ねんの年とし平均へいきん成長せいちょう率りつ（CAGR）は14％で、2028年ねんには3772億おく円えん規模きぼに達たっすると予測よそくしている。

国内こくないサステナビリティ／ESGサービス市場いちば、セグメント別べつの支出ししゅつ額がく予測よそく（出典しゅってん：IDC Japan）

[セキュリティ][CNAPP]クラウドネイティブアプリの保護ほごニーズ高たかまる、2022年度ねんどCNAPP市場いちばは21％成長せいちょう（アイ・ティ・アール、6月25日にち）
・CNAPP市場いちばの2022年度ねんど売上うりあげ金額きんがくは前年度ぜんねんど比ひ21％増ぞうの175億おく8000万まん円えん
・2023年度ねんどは前年度ぜんねんど比ひ15％増ぞう、203億おく円えんを予測よそく
・2022～27年ねんのCAGRは7％を予測よそく

　国内こくないのCNAPP（Cloud Native Application Protection Platform）市場いちば規模きぼ推移すいいおよび予測よそく。企業きぎょうのクラウドシフトが進すすむ中なか、人的じんてき要因よういんによる情報じょうほう漏ろうえいやクラウドインフラを狙ねらったサイバー攻撃こうげきが増加ぞうかしており、クラウドセキュリティの需要じゅようが高たかまっている。CNAPP市場いちばの2022年度ねんどの売上うりあげ金額きんがくは、前年度ぜんねんど比ひ21.8％増ぞうの175億おく8000万まん円えん、2023年度ねんどは同どう15.5％増ぞうの203億おく円えんを予測よそく。2022年ねんから27年ねんまでCAGR7.9％で成長せいちょうし、2027年ねんには257億おく円えんに達たっすると予想よそうしている。

CNAPP市場いちば規模きぼおよび予測よそく（出典しゅってん：ITR）

[CX][CRM]2023年ねんのCRMアプリ含ふくむCX関連かんれんソフト市場いちばは前年ぜんねん比ひ9％増ぞう、CX変革へんかくサービス市場いちばは同どう13％増ぞう（IDC Japan、6月26日にち）
・国内こくないCX関連かんれんソフトは2023年ねん～28年ねんにCAGR8％で成長せいちょう、2028年ねんには1.3兆ちょう円えんへ
・CRMアプリケーション市場いちばは2023年ねんは前年ぜんねん比ひ13％増ぞう、2497.8億おく円えん
・国内こくないCX変革へんかくサービス市場いちばは同期どうき、CAGR7％で成長せいちょう、2028年ねんは7029億おく円えんを見込みこむ

　顧客こきゃくエクスペリエンス（CX）関連かんれんソフトウェア／CRMアプリケーション／CX変革へんかくサービスの国内こくない市場いちば調査ちょうさ。CX関連かんれんソフトウェアは2023年ねん、前年ぜんねん比ひ9.5％増ぞうの7079億おく9800万まん円えんで、そのうちCRMアプリケーションが2497億おく8600万まん円えんを占しめた（前年ぜんねん比ひ13.4％増ぞう）。またCX変革へんかくサービス市場いちばは、前年ぜんねん比ひ9.5％増ぞうの4890億おく円えんだった。CX施策しさくは個々ここの顧客こきゃく接点せってんのデジタル化かから、顧客こきゃく接点せってん全体ぜんたいを通とおしたシームレスな体験たいけん提供ていきょう、業務ぎょうむ効率こうりつ化か、ビジネスモデル変革へんかくへシフトしているという。