「質問しつもんの繰くり返かえしでユーザーが理解りかいを深ふかめること」に力点りきてん、最高さいこうビジネス責任せきにん者しゃインタビュー

注目ちゅうもくの生成せいせいAI検索けんさく Perplexity、ビジネスモデルや企業きぎょう向むけサービスの実績じっせきを聞きく

　今年ことし6月がつ、ソフトバンクとの戦略せんりゃく提携ていけいを発表はっぴょうして日本にっぽんへの本格ほんかく上陸じょうりくを開始かいしした、次世代じせだいの検索けんさくエンジン「Perplexity（パープレキシティ）」。生成せいせいAI技術ぎじゅつを活用かつようし、ユーザーの質問しつもんに対たいしてWeb検索けんさくの結果けっかをふまえた自然しぜんな文章ぶんしょうで回答かいとうする、新あたらしい形かたちの検索けんさくサービスだ。海外かいがいでは大手おおて企業きぎょうでの導入どうにゅうも相次あいついでいるという。

　サービスとしての特徴とくちょうはすでにお伝つたえしたが、今回こんかいはあらためて、企業きぎょうとしてのビジョン、従来じゅうらいの検索けんさくエンジンとは異ことなるビジネスモデル、企業きぎょう向むけサービスにおける成果せいかや今後こんごの機能きのう強化きょうか方針ほうしんなどを、CBO（最高さいこうビジネス責任せきにん者しゃ）を務つとめるドミトリー・シェブレンコ氏しに聞きいた。

Perplexity CBO（最高さいこうビジネス責任せきにん者しゃ）のドミトリー・シェブレンコ（Dmitry Shevelenko）氏し

ユーザーに「より多おおくの質問しつもん」を促うながし、理解りかいを深ふかめてもらうことが目標もくひょう

――ソフトバンクとの戦略せんりゃく提携ていけい発表はっぴょう会かいで強つよく印象いんしょうに残のこったのが、「Perplexityは検索けんさくエンジンではなく“アンサーエンジン（回答かいとうエンジン）”だ」というCEOの言葉ことばでした。Perplexityが提供ていきょうする、新あたらしい検索けんさく体験たいけんをよく表あらわしていると思おもいます。

シェブレンコ氏し：ありがとう。ただし「アンサーエンジン」というコンセプトそのものは新あたらしいものではなく、以前いぜんからずっと存在そんざいしていた。たとえば「Ask Jeeves」というQ&Aサイト（キーワードではなく自然しぜん文ぶんでも質問しつもんできる）が人気にんきを集あつめたのを覚おぼえているだろうか？ その回答かいとうは必かならずしも十分じゅうぶんなものではなかったが、あれもアンサーエンジンのひとつだったと言いえる。

　ただし、強力きょうりょくなアンサーエンジンを実現じつげんするうえで真しんのブレイクスルーになったのは、やはりLLM（大だい規模きぼ言語げんごモデル）の登場とうじょうだ。具体ぐたい的てきにはOpenAIの「GPT-3.5」が2022年ねん11月に登場とうじょうしたことで、ユーザーが自然しぜんな言葉ことばで質問しつもんし、自然しぜんな言葉ことばで回答かいとうが得えられるアンサーエンジンが成立せいりつするようになった。

　われわれは2022年ねん8月がつに創業そうぎょうし、その年としの12月にPerplexityのサービスを開始かいしした。テクノロジー企業きぎょうにとってはそうしたタイミングも大切たいせつだ。

Perplexityでの質問しつもん応答おうとう例れい。自然しぜん言語げんごでの質問しつもん、構造こうぞうが整理せいりされた応答おうとう、Web上じょうの情報じょうほうソースの明示めいじなどが特徴とくちょう

――生成せいせいAIを使つかってはいますが、Perplexityの回答かいとうもWeb上じょうの情報じょうほうを基もとにしたものです。従来じゅうらいの検索けんさくエンジンと比くらべた場合ばあいの、Perplexity最大さいだいのメリットは。

シェブレンコ氏し：間違まちがいなくそれは「時間じかんの節約せつやく」だ。従来じゅうらいの検索けんさくエンジンで15分ふん、30分ふんかかってやっと得えられていた情報じょうほうが、わずか15秒びょうで得えられるのはすばらしい体験たいけんだ。

　従来じゅうらいの検索けんさくエンジンでは、何なにかの疑問ぎもんがあれば適切てきせつなキーワードを並ならべて検索けんさくしなければならず、検索けんさく結果けっかも（具体ぐたい的てきに回答かいとうする文章ぶんしょうではなく）外部がいぶのWebページのリンクが並ならぶだけだった。その背景はいけいには、彼かれらのビジネスモデルがユーザーのクリック数すう（広告こうこくのクリック数すう）に依存いぞんしているという事実じじつがある。彼かれらはユーザーに「より多おおくクリックしてほしい」のだ。

　一方いっぽうでPerplexityは、そうした過去かこの検索けんさくエンジンとはまるで違ちがう。Perplexityでは、好奇心こうきしんと探究たんきゅう心しんを持もったユーザーに「より多おおくの質問しつもんをしてほしい」と考かんがえている。より多おおくの質問しつもんをして、より良よい情報じょうほうを得えてもらうことが目標もくひょうだ。

　たとえばPerplexityで何なにか質問しつもんをすると、回答かいとう文ぶんの最後さいごには「探索たんさくを続つづける」として、いくつかの関連かんれん質問しつもんがリスト表示ひょうじされるようになっている。ここから質問しつもんを繰くり返かえすことで、ユーザーは自然しぜんと理解りかいを深ふかめることができるわけだ。

――たしかに、Perplexityを使つかっていると「探索たんさくを続つづける」に出でてくる質問しつもんを自然しぜんとクリックしてしまいますね。最初さいしょに自分じぶんが持もっていた疑問ぎもんを解決かいけつするだけでなく、もっと深ふかい理解りかいにつながっていくという実感じっかんがあります。

Perplexityの回答かいとうの最後さいごには、必かならず関連かんれんする質問しつもん案あんのリストが表示ひょうじされる。ここから質問しつもんを繰くり返かえすことでユーザーの理解りかいが深ふかまるという仕掛しかけだ