距離計測にアドバイスも 対話型ゴルフAIデバイス「BirdieTalk」
2025年04月02日 06時00分更新
文● 中田ボンベ@dcp 編集● ASCII STARTUP
昨今増えているのが、生成AI技術を活用したデバイスやガジェットだ。スポーツ分野でもさまざまな利用が進められているが、「ソースネクスト」では、GPTをゴルフ用デバイスに活用。「BirdieTalk」という、「プレーヤーが対話しながらラウンドができるデバイス」を生み出した。
アドバイスや距離測定、プレー情報の記録が可能
「BirdieTalk」は、GPTを利用したゴルフ用デバイスだ。サイズは33mm×60mm×18mmとコンパクトで、重さも30g。そのため、基本的には帽子のつば部分に装着して使用する形になっている。
「BirdieTalk」の特徴は、本体にあるボタンを押しながら質問するだけで「的確なアドバイスが受けられる」という点だ。
例えば、「ボールがスライスしてしまう」、「深いラフに入ってしまった」といった質問をすると、AIキャディから東京大学ゴルフ部の知識や経験を基にしたアドバイスを受けることが可能。プレー中に状況に応じたアドバイスを受けられるため、効果的な技術の向上が期待される。
また、コースデータ(2243のコースデータを収録)とスマホのGPSを連携させることで、グリーンセンターまでの距離を測定できるのも「BirdieTalk」の機能のひとつ。本体にあるボタンを押すだけで、残りの距離を音声で聞くことができるため、例えばレーザー測定器などで計測する手間を省き、スムーズにラウンドすることができる。
他にも、プレー中にボタンを押しながら利用クラブ、打球結果を「BirdieTalk」に伝えることで、プレー情報をすべて記録できる。記録情報は専用のアプリから見ることができ、番手ごとの飛距離を見直したり、ミスの傾向を分析できるようになっている。
挫折する人を減らしてプレー人口を増やす
「BirdieTalk」を開発した理由について、プロダクト責任者であるソースネクスト 代表取締役社長 兼 COOの小嶋智彰氏は、「ゴルフは挫折してやめてしまう人が多いスポーツです。しかし、生涯スポーツといわれるほど、年齢関係なく長く楽しめるスポーツですから、やめてしまうのはもったいないです。ITの力でゴルフを長く楽しめるサポートをして、結果的に健康寿命を延ばすことにも寄与できればと思い開発しましたゴルフの腕が上達する手助けになるサービスを生み出したかった」と話す。
もともとゴルフは続けることが難しいスポーツだ。「お金が掛かる」という理由もあるが、やはり「うまくなるのに時間がかかる」ため、多くの人が上達する前に楽しさが分からずにやめてしまっている。
小嶋氏によると「1年以内にやめてしまう人は7割といわれている」ほど離脱が多く、例えば、コロナをきっかけゴルフを始める人が増加したが、その多くはすでにやめてしまっているという。
さらに、継続している人でもスコア100切り(18ホールのラウンドを100打未満で終えること)している人はさらに少なくなり、そこで挫折してやめてしまうこともある。「BirdieTalk」はこの「100切りを目指すプレーヤー」をメインターゲットにしており、的確なアドバイスを受けることで、ワンランク上のスコアを目指せるよう設計されている。
「BirdieTalk」は2024年6月20日から先行販売受付が開始され、2024年10月に正式に販売が開始された。ちょうどゴルフのオフシーズンということもあり、本格的な展開は春を迎えてからになるが、すでにユーザーからは「大事な場面で頭が真っ白になっていたが、アドバイスを聞くことで冷静にプレーできた」といった声が届いているという。
今後は「BirdieTalk」の認知度を高めつつ、AIのブラッシュアップのほか、新しいアドバイス機能の追加などを検討しているとのこと。さらに「BirdieTalk」の機能のみを他のデバイスに組み込むなどの横展開も期待される。