国内こくないPC出荷しゅっかは4分ぶんの1がAI PC、個人こじん向むけPCも復調ふくちょう／AIデータセンターでイーサネットが伸のびる／特権とっけんID管理かんり市場いちば、ほか

2025年ねん04月がつ21日にち 08時じ00分ふん更新こうしん

文ぶん● 末岡すえおか洋子ようこ　編集へんしゅう● 大塚おおつか／TECH.ASCII.jp

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　本ほん連載れんさい「ざっくり知しっておきたいIT業界ぎょうかいデータ」では、過去かこ1週間しゅうかんに調査ちょうさ会社かいしゃなどから発表はっぴょうされたIT市場いちば予測よそくやユーザー動向どうこうなどのデータを、それぞれ3行ぎょうにまとめてお伝つたえします。

　今回こんかい（2025年ねん4月がつ11日にち～4月がつ18日にち）は、生成せいせいAI向むけも含ふくむ国内こくないのITインフラ投資とうし動向どうこう、セキュリティやコンプライアンス目的もくてきで伸のびる特権とっけんID市場いちば、AIエージェントの導入どうにゅう動向どうこう、AIデータセンターのネットワーク、復調ふくちょうした国内こくないPC市場いちばについてのデータを紹介しょうかいします。

[ITインフラ] ITインフラ投資とうし動向どうこう、75％が「仮想かそう化か環境かんきょうの変更へんこうを検討けんとう」（IDC Japan、4月がつ15日にち）
・ITインフラ利用りよう意向いこう、生成せいせいAIの学習がくしゅうでは70％が「パブリッククラウド」を選択せんたく
・ファインチューニング、推論すいろん用途ようとでは「専有せんゆう型がたITインフラ」や「エッジ」も
・仮想かそう化か環境かんきょうについて75.5％が「何なんらかの変更へんこうを検討けんとう」

　国内こくない企業きぎょう／組織そしきのITインフラ導入どうにゅうに関与かんよする548人にんを対象たいしょうに実施じっしした、ITインフラ支出ししゅつ動向どうこう調査ちょうさより。ITインフラ投資とうしに期待きたいするビジネス成果せいかのトップ3、「生産せいさん性せい向上こうじょう」「コスト削減さくげん」「事業じぎょう効率こうりつ化か」は2024年ねんと変かわらず。ただし、不ふ確実かくじつ性せいの高たかまりから「ビジネスリスクの軽減けいげん」「ビジネスレジリエンシーの改善かいぜん」を重視じゅうしする割合わりあいが高たかくなった。生成せいせいAIインフラでは、用途ようと（学習がくしゅう／ファインチューニング／推論すいろん）に応おうじてプラットフォームを選えらび分わける傾向けいこうが見みられる。

　⇒ 同どう調査ちょうさでは、仮想かそう化か環境かんきょうの今後こんごの方針ほうしんについても聞きいています。4分ぶんの3（75.5％）の企業きぎょうが「何なんらかの変更へんこうを検討けんとう」としており、“脱だつVMware”のトレンドが続つづくと言いえるでしょう。なお、2024年ねんの調査ちょうさと比較ひかくすると、「パブリッククラウドへ移行いこう予定よてい」という回答かいとうが減少げんしょうした一方いっぽうで、「ハイパーバイザ変更へんこうの計画けいかくを有ゆうする」割合わりあいが高たかまったそうです。

生成せいせいAIに専有せんゆう型がたITインフラやエッジを利用りようする理由りゆう（出典しゅってん：IDC Japan）

[特権とっけんID][セキュリティ] 特権とっけんID管理かんり市場いちばは20％の伸のび、セキュリティやコンプライアンスが後押あとおし（アイ・ティ・アール、4月がつ15日にち）
・2023年度ねんどの国内こくない特権とっけんID管理かんり市場いちばは前年度ぜんねんど比ひ20％増ぞうの127億おく6000万まん円えん
・引ひき続つづき2024年度ねんども22％増ぞう、155億おく7000万まん円えんを予測よそく
・セキュリティ対策たいさく、規制きせい遵守じゅんしゅなどのニーズが市場いちばの拡大かくだいを後押あとおし

　システムの管理かんり権限けんげんなど強つよい権限けんげんを持もつ特権とっけんIDは、サイバー攻撃こうげきや内部ないぶ不正ふせいに悪用あくようされることがあるため、特権とっけんID管理かんりへの需要じゅようが高たかまっている。金融きんゆう情報じょうほうシステムセンター（FISC）、クレジットカードのPCI DSSなどのセキュリティガイドラインでも「特権とっけんIDの適切てきせつな管理かんり／運用うんよう」が求もとめられており、「セキュリティ対策たいさく」と「コンプライアンス」の両面りょうめんで導入どうにゅうへの後押あとおしとなっているという。

　⇒ ITRでは「クラウドサービスが利用りようされるオープンなゼロトラスト環境かんきょうにおいては、特権とっけんIDへの攻撃こうげきのリスクが増大ぞうだいしている」とも指摘してきしており、今後こんごも継続けいぞく的てきに高たかい伸のびとなることを予測よそくしています。

特権とっけんID管理かんり市場いちばの規模きぼ推移すいいおよび予測よそく（出典しゅってん：ITR）

[AIエージェント] 過半数かはんすうの企業きぎょうがAIエージェントの導入どうにゅうを開始かいし（Claudera、4月がつ17日にち）
・世界せかいでは57％が「過去かこ2年間ねんかんでAIエージェントを導入どうにゅう済ずみ」
・日本にっぽん企業きぎょうの91％が今後こんご12ヶ月かげつ以内いないにAIエージェント活用かつようを拡大かくだい予定よてい
・日本にっぽん企業きぎょうの100％が「AIエージェントはわかりにくく、使つかいにくい」回答かいとう

　世界せかい14カ国かこく／約やく1500人にんのITリーダーを対象たいしょうに、AIエージェントの導入どうにゅう動向どうこうや意識いしきを調査ちょうさした。導入どうにゅうはすでに始はじまっており、57％が「過去かこ2年間ねんかんでAIエージェントを導入どうにゅう済ずみ」と回答かいとう。具体ぐたい的てきには、66％が「自社じしゃのAIインフラ基盤きばん上じょうに構築こうちく」、60％が「既存きそんのアプリケーションに組くみ込こまれたものを活用かつよう」しており、こうしたハイブリッドなアプローチは「拡張かくちょう性せい、セキュリティ、データとの近接きんせつさを重視じゅうししている」ためだと分析ぶんせきする。

　⇒ 日本にっぽんの回答かいとうに絞しぼって見みると、91％が「今後こんご12ヶ月かげつで活用かつようを拡大かくだいする計画けいかく」、96％が「自社じしゃの競争きょうそう優位ゆうい性せいの維持いじに重要じゅうよう」との認識にんしき。ただし、調査ちょうさ対象たいしょうとなった日本にっぽん企業きぎょうの100％（！）が、「AIエージェントは分わかりにくく、使つかいにくい」という認識にんしきが、導入どうにゅうの本格ほんかく化かを妨さまたげていると回答かいとうしたとのこと。今後こんごは“分わかりやすさ”が鍵かぎとなりそうです。

[データ] AIデータセンターのネットワーク技術ぎじゅつ、主役しゅやくはInfiniBandからイーサネットへ？（IDC Japan、4月がつ14日にち）
・AI学習がくしゅうインフラのバックエンドネットワークはInfiniBandが中心ちゅうしん
・ただしイーサネットによる構築こうちくも現実げんじつ的てきな選択肢せんたくしになりつつある
・AI DC向むけイーサネットスイッチ国内こくない市場いちばは、年間ねんかん平均へいきん成長せいちょう率りつ（CAGR）42％を予測よそく

　GPUサーバーやストレージの間あいだを広帯域こうたいいき／低てい遅延ちえんで結むすぶ、AIデータセンターネットワークとセグメンテーションに関かんする分析ぶんせき。従来じゅうらいのサーバーネットワークとは要件ようけんが異ことなるため、現在げんざいはInfiniBandが中心ちゅうしん的てき役割やくわりを担になっているが、イーサネットも現実げんじつ的てきな選択肢せんたくしになっているため、国内こくない市場いちばの規模きぼを初はじめて算出さんしゅつした。2024～2029年ねんはCAGR 42％の成長せいちょうを見みせ、2029年ねんの市場いちば規模きぼは489億おく円えんを予測よそく。ただしAIは、市場いちば変化へんかが極きわめて速はやく、不透明ふとうめいな要素ようそも多おおいため、この予測よそくを下回したまわることも想定そうていされるという。

　⇒ なおセグメンテーション（マイクロセグメンテーション）については、目新めあたらしいソリューション／技術ぎじゅつではないものの、サイバー攻撃こうげきのラテラルムーブメント（侵入しんにゅう後ごの攻撃こうげき者しゃがネットワーク内ないに行動こうどうを拡大かくだいすること）を防ふせぐ目的もくてきで、あらためて関心かんしんが集あつまっているそうです。

国内こくないAIデータセンター向むけイーサネットスイッチ市場いちば　支出ししゅつ額がく予測よそく 2023～2029年ねん（出典しゅってん：IDC Japan）

[PC] 国内こくないPC市場いちば、2025年ねんは5年ねんぶりに個人こじん向むけが増加ぞうかへ ― Windows 10終了しゅうりょうなどの影響えいきょう（NIQ/GfK Japan、4月がつ17日にち）
・2025年ねんの国内こくないPC市場いちば、出荷しゅっか台数だいすうは前年ぜんねん比ひ14％増ぞうの1560万まん台だいを見込みこむ
・2024年ねんの出荷しゅっかPCのうち「AI PC」は25％、前年ぜんねん比ひで3ポイント増ぞう
・「Copilot＋ PC」は市場いちばの1％程度ていどながら拡大かくだい傾向けいこう

　2025年ねんの国内こくないPC市場いちばは好調こうちょうとする予測よそく。主おもな成長せいちょう要因よういんは「Windows 10のサポート終了しゅうりょう（EOS）」と「コロナ特需とくじゅ（2020年ねん）で購入こうにゅうされたPCの買かい替かえ需要じゅよう」。法人ほうじん向むけは前年ぜんねん比ひ16％増ぞうの1240万まん台だい、個人こじん向むけは同どう 6％増ぞうの320万まん台だいと予想よそうされている。個人こじん向むけは5年ねんぶりの成長せいちょう予想よそうとなる。出荷しゅっかPCに占しめるAI PCのシェアを見みると、2024年ねんは25％、2025年ねん（1～2月がつ）は27％と拡大かくだい傾向けいこうにある。また2024年ねん6月がつに登場とうじょうした「Copilot＋ PC」も、数量すうりょうベースでは1％程度ていどに過すぎないものの、月つきを追おうごとに拡大かくだいしているという。