小型こがた軽量けいりょうで手てブレ補正ほせい内蔵ないぞうなのに4020万まん画素がそです!

大人気だいにんきのAPS-Cミラーレスカメラ=富士ふじフイルムXの最新さいしんモデル「X-T50」実機じっきレビュー

2024年ねん06月がつ11日にち 10時じ00分ふん更新こうしん

文ぶん● 写真しゃしん岡田おかだ清孝きよたか＋編集へんしゅう● ASCII PowerReview軍団ぐんだん

　富士ふじフイルムがAPS-Cミラーレスの中級ちゅうきゅうモデル「X-T50」を発表はっぴょう、6月28日にちに発売はつばいとなる。前ぜんモデル「X-T30Ⅱ」は既すでに生産せいさんが終了しゅうりょうしているので、このシリーズはこのままフェードアウトかと思おもっていたところ、良よい意味いみで予想よそうを裏切うらぎっての再さい登場とうじょうだ。

　撮像さつぞう素子そしや画像がぞう処理しょりエンジンなどは2022年ねん発売はつばいの上位じょういモデル「X-T5」と同等どうとう、それでいてボディーは小型こがた軽量けいりょうということでライトユーザーはもちろん、軽快けいかいなお散歩さんぽカメラとしても人気にんきになりそうな予感よかんだ。富士ふじフイルムから試用しよう機きを借用しゃくようしたので、レビュー記事きじをお送おくりする。

6月28日にち発売はつばい予定よていで量販りょうはん店てん価格かかくはボディーのみ24万まん6400円えん、「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」とのレンズキットは26万まん4000円えん。ボディーカラーはブラックとシルバーの2色しょく。

スリム＆コンパクトデザイン
アナログ操作そうさも魅力みりょく

　外観がいかんは両りょう肩かたが少すこし丸まるみ帯おびたが「X-T」シリーズを踏襲とうしゅうしたクラシカルなデザイン。手てにしてみると見みた目め以上いじょうに小ちいさく感かんじる。グリップも小振こぶりだがボディーがスリムなこともありコンパクトなレンズなら長時間ちょうじかん構かまえていて苦くにならない。

123.8（W）×84（H）48.8（D）mmで撮影さつえい時じ重量じゅうりょうは438g。「X-T5」が129.5（W）×91（H）63.8（D）mm、557gなので比くらべると結構けっこう小柄こがらだ。

構かまえやすいスリムなボディー。「X-T5」譲ゆずりのアナログな操作そうさ系けいはマニア受うけしそう。

　シャッタースピードや露出ろしゅつ補正ほせいのダイヤル、昔むかしながらのケーブルレリーズも使用しようできるネジ穴あなを切きったシャッターボタンなどアナログな操作そうさ感かんも「X-T」シリーズ同様どうようだが、静止せいし画が/動画どうがの切替きりかえやドライブモードのダイヤル、さらにダイヤルロックなどは省はぶかれている。

シャッターボタンのネジ穴あなでケーブルレリーズが使用しよう可能かのう。

シャッタースピードダイヤル脇わきのレバーで即座そくざにオートモードに切きり替かえられる。

昨今さっこん少すくなくなったストロボも内蔵ないぞうしている。このあたりは初心者しょしんしゃに向むけた配慮はいりょか。

　上面うわつら左肩ひだりかた（「X-T5」はISO感度かんど、「X-T30Ⅱ」ではドライブダイヤルだった位置いち）が「フイルムシミレーション」ダイヤルになり、ダイレクトに変更へんこうができるようになった。今年ことしは「フィルムシミュレーション」が登場とうじょうして20周年しゅうねんということで、専用せんようダイヤルを備そなえてしまうあたりにメーカーの推おし具合ぐあいがうかがえる。

「フィルムシミュレーション」ダイヤルは８やっつのプリセット（PROVIA・Velvia・ASTIA・クラシッククローム・REALA ACE・クラシックネガ・ノスタルジックネガ・ACROS）と、３みっつのユーザーカスタム。従来じゅうらい通どおり割わり当あてたボタンやダイヤルから変更へんこうするC（カスタム）の計けい12ポジションがある。

「フィルムシミュレーション」ダイヤルを回転かいてんさせると液晶えきしょう画面がめんに名前なまえとアイコンが表示ひょうじされるのでわかりやすい。

搭載とうさいされている「フィルムシミュレーション」は20種類しゅるい。せっかくなので一いち通とおり比較ひかくしてみた。RAWで撮影さつえいした写真しゃしんからカメラ内ないRAW現像げんぞうで各かく「フィルムシミュレーション」に変換へんかん。（クリックで拡大かくだいしてご覧らんください）

　背面はいめんの操作そうさ系けいはボディーが小柄こがらということもあり、手ての大おおきい人ひとには窮屈きゅうくつに感かんじるかもしれない。EVFを覗のぞきながら測はか距点移動いどうをしたいときもフォーカスレバーだとかなり指ゆびが縮ちぢみ込こんでしまうので液晶えきしょう画面がめんをなぞって操作そうさする「タッチパットAF」のほうが使つかいやすいが、「タッチパットAF」も液晶えきしょう画面がめんに鼻先はなさきが当あたっていると操作そうさができなくなる仕様しようらしく・・・などどクセがあり慣なれが必要ひつようだ。

　EVFは236万まんドット倍率ばいりつ0.62倍ばい（35mm換算かんさん）と控ひかえめなスペック。接眼せつがん部ぶ右みぎ横よこにはFnボタンがあり、例たとえば再生さいせいモードなど撮影さつえい時じによく使つかう機能きのうを割わり当あてておけば、EVFを覗のぞきながらでも即座そくざに確認かくにんできて便利べんりだった。

　背面はいめん液晶えきしょうは上下じょうげのみに可動かどうするチルト式しき。このクラスのカメラだと最近さいきんはバリアングルが主流しゅりゅうだが、静止せいし画が撮影さつえいユーザーを重視じゅうし（なにせ動画どうがで撮影さつえいするにはドライブダイヤル画面がめんの隅すみから設定せっていと、説明せつめい書しょを見みないと気きが付つかない！）造づくりなのかなと思おもったりもした。

　バッテリーは前ぜんモデルや「X100Ⅵ」と同どうじ「NP-W126S」。公称こうしょう撮影さつえい可能かのう枚数まいすうは約やく305枚まい（ノーマルモード）と少すくなめなので予備よびを用意よういしたいところ。メディアはSDのシングルスロットでUHS-Ⅱに対応たいおうした。

シンプルな背面はいめんの操作そうさ系けい。

ボタン類るいは小振こぶりでストロークも浅あさめ。フォーカースレバーの操作そうさは少すこし窮屈きゅうくつ。

接眼せつがん部ぶの形状けいじょうは一部いちぶ熱狂ねっきょう的てきマニアがいる丸まる窓まど。右側みぎがわのFnボタンは何なに気きに便利べんり。

静止せいし画が派はには根強ねづよい人気にんきがあるチルト式しきの背面はいめん液晶えきしょうディスプレー。

バッテリーとメディアは底面ていめんのスロットに。SDカードの着脱ちゃくだつはカバーが邪魔じゃまして少すこし抜ぬき出だしにくい

側面そくめんの端子たんし類るい。上段じょうだんの3.5mmマイク端子たんしは汎用はんようの2.5mmへの変換へんかんアダプターを使用しようすることでピンジャック式しきリモートケーブルが利用りようできる。

APS-Cで4020万まん画素がそ
細部さいぶまで精細せいさいな写うつり

　撮像さつぞう素子そしは「X-T5」や「X-H2」、「X100Ⅵ」と同おなじくAPS-Cでは最高さいこうの4020万まん画素がそ。確かくかこの撮像さつぞう素子そしが登場とうじょうした当初とうしょは推奨すいしょうレンズが公表こうひょうされ、キットレンズの「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」は非ひ対応たいおうだった記憶きおくがあるが、撮とった写真しゃしんを拡大かくだいしてみると細部さいぶまで精細せいさいな写うつりで十分じゅうぶんに高こう解像度かいぞうどを実感じっかんできる。明暗めいあん差さの繋つながりもよく階かい調ちょう再現さいげんも滑なめらかだ。

焦点しょうてん距離きょり15mm・絞しぼりF8・シャッタースピード1/170秒びょう・ISO125。（以下いか特記とっきなければ使用しようレンズは「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」でホワイトバランスオート、フイルムシミレーションはPROVIA／スタンダードで撮影さつえい）

焦点しょうてん距離きょり15.2mm・絞しぼりF7.1・シャッタースピード1/100秒びょう・ISO125。

焦点しょうてん距離きょり45mm・絞しぼりF5.6・シャッタースピード1/350秒びょう・ISO125。

焦点しょうてん距離きょり30.5mm・絞しぼりF5.6・シャッタースピード1/900秒びょう・ISO125。

焦点しょうてん距離きょり27.1mm・絞しぼりF4.4・シャッタースピード1/900秒びょう・ISO250・DR200％。

焦点しょうてん距離きょり45mm・絞しぼりF5.6・シャッタースピード1/80秒びょう・ISO125。

焦点しょうてん距離きょり34.3mm・絞しぼりF5.6・シャッタースピード1/100秒びょう・ISO800。

焦点しょうてん距離きょり45mm・絞しぼりF5.6・シャッタースピード1/320秒びょう・ISO125。

　高こう画素がそ機きだけあって高こう感度かんどは常用じょうようでISO12800、拡張かくちょうでも51200まで。画質がしつも6400くらいから解かい像ぞう感かん低下ていかがある。RAWで見みるとノイズの粒つぶは揃そろい解かい像ぞう感かんもある程度ていど保持ほじされているので、撮影さつえい時じのノイズ処理しょりが強つよめなように感かんじる。とはいえISO12800までは実用じつよう的てきで拡大かくだいしなければ拡張かくちょう感度かんどのISO25600でも許容きょようはできる。

感度かんど別べつに撮影さつえいした写真しゃしんの一部いちぶを等とう倍ばいに拡大かくだいして比較ひかく。写真しゃしん左上ひだりうえからISO1600・ISO3200・ISO6400・ISO12800・ISO25600・ISO51200。絞しぼりF5.6・ノイズ処理しょり標準ひょうじゅん。

ISO6400で撮影さつえいした作例さくれい。絞しぼりF5.6・シャッタースピード1/30秒びょう・ノイズ処理しょり標準ひょうじゅん。

ISO12800で撮影さつえいした作例さくれい。絞しぼりF5.6・シャッタースピード1/7秒びょう・ノイズ処理しょり標準ひょうじゅん。

ISO25600で撮影さつえいした作例さくれい。絞しぼりF5.6・シャッタースピード1/10秒びょう・ノイズ処理しょり標準ひょうじゅん。

ISO51200で撮影さつえいした作例さくれい。絞しぼりF5.6・シャッタースピード1/20秒びょう・ノイズ処理しょり標準ひょうじゅん。

キットレンズは「15-45mmF3.5-5.6」
新大しんおお口径こうけいズームの「16-50mmF2.8-4.8」でも撮とってみた

　キットレンズの「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」はコンパクトかつ軽量けいりょうで「X-T50」とのバランスはバッチリだが、電動でんどうズームの動作どうさは静止せいし画が撮影さつえいでは馴染なじみにくく、絞しぼりリングが無ないのはアナログダイヤル操作そうさの「X-T」シリーズとは相性あいしょうがイマイチ。ということで同時どうじに発売はつばい予定よていの「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」も試ためさせてもらった。

　「X-T5」のキットレンズになっていた「XF18-55MMF2.8-4 R LM OIS」の後継こうけいともいえるレンズで、焦点しょうてん距離きょりが全体ぜんたい的てきにワイド側がわにシフトし、望遠ぼうえん側がわの開放かいほうF値ねが少すこし暗くらく手てブレ補正ほせいも省はぶかれたが、そのぶん重量じゅうりょうが310gから240gと軽量けいりょう化かされている。

　最短さいたん撮影さつえい距離きょりはズーム全域ぜんいきで24cm、望遠ぼうえん側がわ倍率ばいりつは0.3倍ばいとアップでも撮影さつえいできる。画質がしつも中心ちゅうしん部ぶの解像力かいぞうりょくはもちろん、周辺しゅうへん部ぶもズーム全域ぜんいきで絞しぼり開放かいほうから光量ひかりりょう低下ていかや乱みだれはない。最新さいしんレンズらしい整ととのった描写びょうしゃだ。一部いちぶ量販りょうはん店てんでは限定げんていで「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」とのキット（31万まん5700円えんでボディーカラーはブラックのみ）が発売はつばいされるようなのでチェックしてみよう。

　また「X-T50」には前ぜんモデルでは無なかった手てブレ補正ほせいを搭載とうさい。効果こうかも約やく7段だんと「X-T5」など上位じょういモデルと遜色そんしょくなく、手てブレ補正ほせい非ひ搭載とうさいレンズ「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」で試ためしてみたが、広角こうかく側がわ遠景えんけいなら1秒びょう、望遠ぼうえん側がわ近景きんけいでは1/4秒びょうで4～5割わりの確かく率りつでブレずに撮とれた。