ふっくらとやわらかな身、甘くてコクのあるたれと香ばしい香り。暑い夏に無性に食べたくなるもののひとつにうなぎがある。日本最古の歌集の万葉集に「夏痩(やせ)に良しといふ物そ」という大伴家持の歌があるように、すでに奈良時代にはうなぎを食べる習慣があったらしい。今年2回目の土用の丑の日、8月5日を目前にして、いつでもおいしいうなぎに出合えるのが「三重おわせ久㐂(くき)」だ。1尾丸ごとのかば焼きやうるち米と合わせた「うなぎめし」なども販売しているが、個人的には、断然「うなぎおこわ」に軍配を上げたい。
猛暑が続くなか、食べたくなったら、冷凍庫から取り出して電子レンジでチンするだけ。ふわとろのうなぎと、相性抜群の粘りのあるもち米のマリアージュが楽しめるのだ。特撰と普通の2種類があるが、ギフトにはぜひ特撰を。味わいは同じだが、身に厚みがあり、おこわを覆ううなぎのボリュームが違う。個人的にはこのバランスがちょうどいい。皮を外してあるから癖がなく、甘すぎないたれの加減もいい。同梱されている粉山椒も絶妙なアクセントになる。きっと子どもからお年寄りまで誰もが好きな味だ。ほどよいサイズ感で、ひとつずつ紙にくるまれ、ひもをかけられた個包装になっていて、上質感もある。
うなぎは鹿児島か宮崎県産に限定。九州の穏やかな気候とミネラル豊富な地下水で育った養殖ものだけを使う。ハーブを配合した飼料を与えるので香りがよく、良質な脂肪を蓄えている。薄味に仕立てた久㐂特製のたれを塗りながら、香ばしく焼き上げる。
うなぎおこわ用には皮を剝ぎ、垂直に切って身の厚みを出すが、うなぎめし用には皮を付けたまま身を斜め切りするなど、どの商品にも細かな工夫が施されている。おこわには、もっちりとした食感の国産のヒヨクモチを使用。炊いても硬くなりづらく、きめ細かい粘りと甘味が特徴だ。薄味に仕立てたおこわに、ふっくらと焼いたうなぎを載せて手仕事で仕上げていく。
創業当初はハマチやうなぎの養殖を行っていたという。また、当時の親会社は捕鯨に携わっていて、特別な冷凍技術を持っていた。その養殖のノウハウや冷凍の技術を今でも生かし、魚を新鮮なまま冷凍している。長年の知恵と技術があってこそ、おいしいうなぎが手軽に自宅でも味わえるのだ。猛暑が続いて体力も消耗しがちなこれからのシーズン、おいしくて、栄養満点で、そのうえ火も使わずにすぐに食べられる、三重おわせ久㐂の技ありの逸品を贈ってはいかがだろうか。
三重おわせ久㐂(株式会社鷲洋)
三重県尾鷲市矢浜4-2-2
価格/特撰うなぎおこわ 50g 6個入り6048円、8個入り8100円、10個入り1万0044円 ※税込み、送料別
問/0120-079-058
https://syuyo-shop.com/