Windows 10への移行いこう計画けいかくを早急そうきゅうに進すすめるべき理由りゆう：企業きぎょうユーザーに贈おくるWindows 10への乗のり換かえ案内あんない（1）（1/3 ページ）

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旧きゅうOSのサポート期限きげんに備そなえて早はやめの計画けいかくを！

　Windowsは長ながく、企業きぎょうのクライアントPCの主要しゅようなプラットフォームとして選択せんたくされてきました。アプリケーション、3D対応たいおう、ゲームなど、コンシューマー向むけの新しん機能きのうが注目ちゅうもくされがちなWindows 10ですが、特とくに企業きぎょうでの利用りように向むけて強化きょうかされたセキュリティ機能きのうや管理かんり機能きのうも少すくなくありません。

　一方いっぽう、「サービスとしてのWindows（Windows as a Service：WaaS）」のサービスモデル（次回じかい以降いこうに詳くわしく説明せつめいする予定よてい）に基もとづいて次々つぎつぎに新あたらしくなっていくWindows 10は、企業きぎょうで利用りようするクライアントPCの標準ひょうじゅんOSとして適てきしているのか、不安ふあんや懸念けねんを抱いだき、導入どうにゅうをためらっている企業きぎょうもあると思おもいます。

　現在げんざい利用りよう中ちゅうのシステムがWindows 10より前まえのバージョンで安定あんていして動作どうさしているとしても、そのWindowsをいつまでも使用しようし続つづけることはできません。かつて多おおくの企業きぎょうの標準ひょうじゅん的てきなクライアントPCのOSであったWindows XPのサポートは、もう3年ねん以上いじょうも前まえ（日本にっぽんでは2014年ねん4月がつ9日にち、以降いこうの他ほかのサポート期限きげんも同様どうように日本にっぽんでの日付ひづけ）に終了しゅうりょうしています。そして、2017年ねん4月がつ12日にちには、Windows Vistaのサポートも終了しゅうりょうしました。

　以下いかの表ひょう1に、Windows Vista以降いこうのWindowsについて、現時点げんじてん（2017年ねん7月がつ）のサポート期限きげんをまとめました。

　製品せいひんサポートが終了しゅうりょうすると、Windowsに新あらたなセキュリティの問題もんだいが発覚はっかくしても、影響えいきょうするかどうかは公表こうひょうされません。当然とうぜん、セキュリティ更新こうしんプログラムも提供ていきょうされません。今後こんごもクライアントPCをWindowsで運用うんようし続つづけるなら、早はやめにWindows 10への移行いこうを計画けいかくし、実施じっしする必要ひつようがあります。特とくに、Windows 7ベースのシステムを運用うんよう中ちゅうの場合ばあいは、期限きげんが迫せまっているため、急いそぐ必要ひつようがあります。

従来じゅうらいのスタイルとは全まったく異ことなる“サービスとしてのWindows”の始はじまり

　「サービスとしてのWindows（Windows as a Service）」については、次回じかい以降いこうで詳くわしく説明せつめいしますが、Windows 10は「Current Branch（CB）」と「Current Branch for Business（CBB）」のいずれかのサービスブランチで運用うんようできます（【注意ちゅうい】サービスブランチは2017年ねん9月がつより「Monthly Channel」「Semi-annual Channel（Pilot）」「Semi-annual Channel（Broad）」に変更へんこうされ、Office 365 ProPlusとそろえられる予定よていです）。

　Current Branchは全すべてのWindows 10（後述こうじゅつするLTSBは除のぞく）の既定きていであり、Windows 10 Homeエディションでは唯一ゆいいつのものです。Windows 10 Pro、Enterprise、EducationエディションはCurrent Branch for Businessに切きり替かえることが可能かのうです。

　マイクロソフトは新しん機能きのうを含ふくむWindows 10の新あたらしいバージョン（「機能きのうアップグレード」「機能きのう更新こうしん」とも呼よばれます）を、まずCurrent Branch向むけにリリースし、おおむねその4カ月かげつ後ごにCurrent Branch for Business向むけへの提供ていきょうを開始かいしします。そして、Current Branch for Businessでは最低さいていでも2つのバージョンがサポートされます。そのサポートは、Current Branch for Business向むけの提供ていきょう開始かいしから最低さいてい18カ月かげつ間あいだ提供ていきょうされます。

　Windows 10のリリース後ご、これまで「November Update（バージョン1511、ビルド10580）」「Anniversary Update（バージョン1607、ビルド14393）」「Creators Update（バージョン1703、ビルド15063）」がリリースされています。Current Branch向むけにリリースされたばかりのCreators Updateは、2017年ねんの夏なつごろにCurrent Branch for Business向むけに提供ていきょうされることになります。

　前出ぜんしゅつの表ひょう1からも読よみ取とれるように、Windows 10の新あたらしい更新こうしんモデルは、期限きげんがあらかじめ示しめされた最低さいてい10年ねん（5年ねんのメインストリーム＋5年ねんの延長えんちょうサポート）のサポートポリシーは適用てきようされません。新あたらしいポリシーはWindows 10 初期しょきリリースの提供ていきょう後ご、しばらくして決きまったため、Windows 10 初期しょきリリースの提供ていきょう時じに示しめされた「2025年ねん10月がつ15日にち」がサポート期限きげんだと誤解ごかいしている人ひともまだ多おおいと思おもいます。しかし、実際じっさいには新あたらしいサポートポリシーに従したがって、Windows 10の初期しょきリリース（ビルド10240、バージョン1507とも呼よばれます）のサポートは「2017年ねん5月がつ10日とおか」に終了しゅうりょうしました。

• Windows 10 Version 1507に対たいするセキュリティ更新こうしんプログラムの提供ていきょう終了しゅうりょう（マイクロソフト サポート）

　Windows 10に移行いこうするということは、非常ひじょうに短みじかいサイクルで新しんバージョンへのアップグレードを繰くり返かえすことになります。新しんバージョンへのアップグレードは、Windows 7からWindows 8へのアップグレードするような“事実じじつ上じょうのアップグレードインストール”なのですが、Windows 10ではそのプロセスが簡素かんそ化かされており、Windows UpdateやWindows Server Update Services（WSUS）を通つうじて、通常つうじょうの更新こうしんプログラム（Windows 10の品質ひんしつ更新こうしんプログラムやAdobe Flashの更新こうしん、その他たのマイクロソフト製品せいひん向むけの更新こうしん）と同様どうようの方法ほうほうで自動じどう更新こうしんできるようになっています（画面がめん1）。

画面がめん1　Windows 10を導入どうにゅうすると、短みじかいサイクルで新あたらしいWindowsがやってくることに。適切てきせつに管理かんりされていない環境かんきょうでは、アップグレードによる業務ぎょうむの中断ちゅうだんやネットワークの遅延ちえんに悩なやまされるだろう

　ただし、企業きぎょうにおいては、適切てきせつな更新こうしん管理かんりを行おこなわないと（その方法ほうほうは用意よういされています）、“サービスとしてのWindows”の激流げきりゅうにたちどころに飲のみ込こまれてしまうでしょう。管理かんり側がわにとっては、アップグレードのたびにハードウェア／ソフトウェアの互換ごかん性せい問題もんだいに対応たいおうしなければなりませんし、エンドユーザーにとっては、仕事しごとが長ながく中断ちゅうだんしてしまったり、ネットワークがダウンロードトラフィックで占有せんゆうされて使つかい物ものにならなかったりといった影響えいきょうが予想よそうされます。