日本超えた?多民族国家シンガポールの鉄道事情
シンガポールは安全、清潔な都市として、世界各国からの観光客で賑わう地である。 いっぽうで、整然とし...
シンガポールは安全、清潔な都市として、世界各国からの観光客で賑わう地である。 いっぽうで、整然としすぎているため、アジア特有の屋台がひしめくような混沌とした雰囲気がない。「きれいすぎて食指がむかない」という人も多く、好みが分かれるところである。中華系、マレー系、インド系と人種のるつぼといわれた多民族国家、そんなシンガポールを2024年2月に訪ねた。同国の鉄道の現在をレポートしたい。 1987年開業のMRTはすでに6路線 鉄道といっても東京23区とほぼ同じ面積の島なので、島内の鉄道は都市内交通のみ、いわば地下鉄(以下MRT=Mass Rapid Transit)が唯一の鉄道で、そのほかにゴムタイヤ駆動のLRTがあるだけである。 筆者が最初にシンガポールを訪ねたのは1984年に遡るが、その頃は島内の鉄道はなく、MRT最初の区間が開通したのは1987年のことである。当時はアジアでは地下鉄はあまり