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　24日にち、東京とうきょう都と・後楽園こうらくえんホールにてスターダム『STARDOM YEAREND CLIMAX 2019』が行おこなわれ、大江戸おおえど隊たいの葉月はづきが引退いんたい試合しあいの後のちに不本意ふほんいな引退いんたいであることを激げき白しろした。

　葉月はづきは幼おさない頃ころからプロレスラーとなることを志こころざし、中学ちゅうがく卒業そつぎょう後ごにスターダムに入団にゅうだんし2014年ねんに“はづき蓮はちす王おう”の名なでデビュー。そのセンスと身体しんたい能力のうりょくで瞬またたく間まに頭角とうかくを現あらわしてルーキー・オブ・スターダム2014で優勝ゆうしょうを果はたすなどの活躍かつやくを見みせ、後のちに紫むらさき雷かみなりイオ、渡辺わたなべ桃ももらとQueens Questを結成けっせいし、イオとはアーティスト・オブ・スターダム王座おうざを4度ど戴冠たいかんする結果けっかを残のこすなどスターダムの中心ちゅうしん選手せんしゅとなっていく。
　2018年ねんのチーム編成へんせいドラフトで大江戸おおえど隊たい所属しょぞくとなってからはヒールとしての才能さいのうも開花かいか。スピーディなファイトスタイルにも磨みがきをかけ、ハイスピード王座おうざV8を果はたすなどその地位ちいを不動ふどうのものとしていたが、先月せんげつ24日にちの新木場しんきば大会たいかいで突如とつじょ引退いんたいを表明ひょうめい。
　引退いんたい理由りゆうについては「話はなさないでいいこともある」と濁にごし、その後ごジュリアとのシングルマッチが決きまった際さいには自みずからのTwitterで「引退いんたい前まえの貴重きちょうな1試合しあいなのに相手あいてこいつか…」「葉月はづきが望のぞんで無ない試合しあいが多おおい…葉月はづきがプロレスをやってるのはジュリアさんのためでも他たの選手せんしゅのためでもスターダムさんのためでもない。スターダムさんが望のぞんでいるのはジュリアさんの踏ふみ台だいになることやろ？なら、スターダムさんが望のぞんどるようにしてあげる。この試合しあい負まけます」などの発言はつげんを残のこして話題わだいを呼よび、今月こんげつ8日にちにはジュリアのステルス・バイパーの前まえにレフリーストップ負まけを喫きっしている。
　しかし、15日にちの昼ひるに行おこなわれた新木場しんきば大会たいかいでは大江戸おおえど隊たいの面々めんめんと5人にん駆かけを行おこない、その後ごさらにデビューまでに葉月はづきの指導しどうを受うけてきた若手わかてである星野ほしの唯ゆい月がつ、小野崎おのざき玲れい皇すめらぎ、飯田いいだ沙耶さや、上谷うえたに沙弥さや、そしてハイスピード王座おうざ戦線せんせんでしのぎを削けずってきたAZMとも対戦たいせんする合計ごうけい10人にん駆かけを実施じっしし、吹ふっ切きれた様子ようすで引退いんたい試合しあいに臨のぞむ意気込いきごみを語かたっていた。

　試合しあいが始はじまると、葉月はづきはナツコの成長せいちょうを確たしかめるようにナツコの技わざを正面しょうめんから受うけきっていき、顔面がんめんウォッシュやスタイルズクラッシュ、ダイビングセントーンなど自みずからの代名詞だいめいし的てきな技わざを繰くり出だしていく。
　ナツコも葉月はづきへ感謝かんしゃの掟おきて破やぶり顔面がんめんウォッシュを放はなち、夏なつすみれら大江戸おおえど隊たいの面々めんめんもナツコに加勢かせいし、引退いんたい試合しあい恒例こうれいのトレイン攻撃こうげきを葉月はづきに見舞みまう。最後さいごはナツコがスピアー、昇天しょうてん、ダイビングギロチンドロップと必殺ひっさつ技わざのリレーを決きめて勝利しょうりした。

　その後ご行おこなわれた引退いんたいセレモニーでは、大江戸おおえど隊たいのメンバーたちとセルフィーで記念きねん撮影さつえいを行おこなったり、渋沢しぶさわ四季しき、山口やまぐち菜緒なお、風ふう香がといったOG、同期どうきであるまなせゆうな、コグマも駆かけつけ、最後さいごは自みずからの家族かぞくと涙なみだを浮うかべながら抱だき合あった。

　マイクを取とった葉月はづきはナツコに感謝かんしゃの言葉ことばを述のべ、「やっぱりプロレスは、信頼しんらい関係かんけいがないと出来できないと思おもっています。……こういう不本意ふほんいな引退いんたいはしたくなかったし、すると思おもってなかったです。これから先さき、葉月はづきみたいな不本意ふほんいで辞やめる人じんがいないといいなって思おもってます。スターダムのことは大だいっ嫌きらいだけど、大江戸おおえど隊たいと葉月はづきのことを応援おうえんしてくれた皆みなさんのことは大好だいすきです！以上いじょう！ありがとうございました！」と叫さけび、会場かいじょうが戸惑とまどいの空気くうきで満みちる中なか、10カウントゴングが鳴ならされ、リングを降おりた葉月はづきはナツコを先頭せんとうにして組くまれた騎馬きばに乗のり、会場かいじょうを一周いっしゅうしてファンに最後さいごの別わかれを告つげた。

　バックステージで引退いんたい理由りゆうについて改あらためて聞きかれると「会社かいしゃからは『言いうな』と言いわれています。なぜかというと、会社かいしゃが悪わるくなっちゃうからです。ただ、まあ色々いろいろ問題もんだいがあり、努力どりょくしても努力どりょくが報むくわれないこともあるし、こっちが正ただしいことを言いっても『間あいだ違ちがってる』って言いわれることもあるし、やっぱりそういう、プロレスラーとしてじゃなくて、まず人間にんげんとしてみんなみたいにクソになりたくないなって思おもったので、キリのいい引退いんたいを考かんがえたってことですね。スターダム所属しょぞく全員ぜんいん、よく考かんがえたほうがいいなと思おもいます。自分じぶんで言いうのもなんですけど、試合しあいもできるいい選手せんしゅをなくしたんだからって思おもいます。『お前まえらのせいだぞ』って思おもいます」と不満ふまんを爆発ばくはつさせる。

　本当ほんとうは引退いんたいしたくなかったのかどうかを聞きかれると「うん……これ話はなすと泣ないちゃう。辞やめる予定よていも、こういうことがなかったらすぐに辞やめる決断けつだんもなかったです。やっぱり自分じぶんは白しろいベルト取とって、お客きゃくさんに見みせたいなという思おもいはずっとあったので、それは叶かなえたいなって思おもってたんですけど、やっぱりそういうことが内部ないぶで起おこった時期じきに、白しろいベルトも『もういいや』って思おもいましたし、プロレスを嫌きらいになって辞やめたくなかったので、今いまがいいかなっていう感かんじですかね」と涙なみだながらに語かたって会場かいじょうを後のちにした。