読者の皆さま、明けましておめでとうございます。今年、最初の原稿では、バイオベンチャーに焦点を当ててみます。
2015年1月5日の日経BP・バイオINDEXは390.20でした。12月30日のINDEXは350.05だったので、1年間で約10%下落したことになります。
民主党政権時代末期に100スレスレまでになっていたバイオINDEXは、京大・山中伸弥教授のノーベル賞受賞と安倍政権誕生による株価上昇で息を吹き返し、2013年5月8日には917.37を記録しました。しかし、その後は低落傾向が続いています。
個別銘柄を見れば、昨年はちょっとした異変がありました。上場バイオベンチャーの時価総額ランキングでは、ごく短期間の例外を除いて、長らくタカラバイオがトップを守ってきました。同社は、試薬や健康食品の販売で安定して収益を上げているため、遺伝子治療分野などに先行投資していても黒字を維持しています。その点が、投資家に評価されてきました。
しかし、昨年12月30日の時価総額ランキングでは、1位ペプチドリーム(2141億円)、2位そーせいグループ(1671億円)、3位ユーグレナ(1494億円)、4位タカラバイオ(1459億円)となりました。タカラバイオの上に3社もあるのは初めて事態でしょう。バイオベンチャーの成熟が進んだことを象徴しています。
タカラバイオの時価総額の最高額は4543億円で、これが上場バイオベンチャーの最高額でもあります。まだ時価総額5000億円を達成したバイオベンチャーは無いということです。一方、米国にはAmgen社やGiliead社など時価総額10兆円を超えるバイオベンチャーが幾つも存在します。ここまではまだ遠いとしても、まずは2016年中に時価総額5000億円のバイオベンチャーが登場してほしいというのが、私の新春の願いです。