MEGAドンキ店舗
1978年にオープンした「泥棒市場」という小規模店舗を原点とし、1995年に現在の名称に改称された「ドン・キホーテ」。そこから全国に系列店を広げていき、現在では国内外に650近い店舗を持つようになった大型ディスカウントショップだ。
商品でくまなく埋め尽くされた迷路のような店内を、まるで宝探しのように目的の商品を探しながら歩いているうち、ほかの商品に対する購買意欲まで高まってしまう――ドン・キホーテの成長の背景には、そんな“圧縮陳列”という手法があった。2019年6月第1四半期の決算では売上高2500億8000万円(前年同期比11.9%増)、経常利益179億1700万円(同25.3%増)といった数字が出ており、なんとも絶好調である。
さて、ドン・キホーテには安さを前面に押し出した「情熱価格」というオリジナルブランドがあることをご存じだろうか。基本的には高コスパな商品を数多く取り揃えている情熱価格だが、なかには値段相応、あるいはそれ以下、という批判を浴びている商品も存在するようだ。
そこで今回「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」では、ドン・キホーテ系列でも特に日用品に力を入れている「MEGAドンキ」から「この春、買ってはいけない日用品5選」を選んだ。あくまで調査班の独断だということを念頭に置きながら、新生活の日用品集めの参考にしていただきたい。
【この春、買ってはいけないMEGAドンキの日用品5選】
アルカリ乾電池MEGAVOLT/88円(税込、以下同)
初めに紹介するのは、ごく一般的な単3アルカリ乾電池の情熱価格オリジナルバージョンである「MEGAVOLT」だ。
このMEGAVOLTは88円で4本入りと、一見安いように感じられるが、100円ショップの乾電池のほうが長持ちしてコスパがいいという指摘も上がっている。そうであれば、わざわざMEGAドンキで買うメリットは乏しいかもしれない。
ただ、乾電池の質に別段こだわりがない人にとっては安いに越したことはないだろうし、MEGAドンキを訪れた際、何かのついでに買うくらいなら差し支えはないだろう。
革靴/1990円~
よくMEGAドンキに足を運ぶ人なら見覚えがあるかと思うが、同店にはたくさんの靴が、信じられないほど安い値段で売られている。しかし、サンダルのようにカジュアルなものならともかく、革靴を買うのはおすすめできない。
MEGAドンキの革靴は2000円を切るものから5000円くらいまでの価格帯となっており、一番高いものでも世間的にはかなり安価なのだが、つくりは安っぽく、革の質感も、よく見ればチープな印象を受けてしまう。
革靴が急に必要になった際、その場しのぎでとりあえず購入するという程度であれば役立つと思われるが、ビジネスシーンで上司や取引先と会うときまでMEGAドンキのものを履いていると、自分のイメージダウンにつながりかねない。
鮭フレーク/398円
自宅で食事をする際だけでなく、お弁当のふりかけとしても使える「鮭フレーク」だが、MEGAドンキの商品は避けるべきかもしれない。
というのも、この鮭フレークは、安さを保つために製造工程を簡略化しているのだろうか、消費者からは「小骨が大量に入っていて食べづらい」といった声が聞かれる。仕事に日々追われているビジネスパーソンからすれば、せめて食事中くらいは余計なストレスを感じずに過ごしたいだろう。
とはいえ、調査班が実食したところ、味に関しては申し分なかった。ふかふかの鮭がごはんとよく合い、おいしく頂けることは間違いない。小骨があまり気にならないという人には、一度味わってみてほしいところである。
MARIANIビーフジャーキー/598円
続いては「MARIANIビーフジャーキー」。このビーフジャーキーは598円と、情熱価格の商品としては比較的高いように思われる。その割に中身はたった100gと、コスパを疑いたくなる仕様になっているのだ。
さらに、ビーフジャーキーはかなり小さくカットされているため、思い切りかぶりつきたいという人には、どうしても物足りなさが拭えないだろう。細切れのビーフジャーキーが、袋の中でダマになってしまっていたというケースもあるようだ。
とはいうものの、先述した鮭フレーク同様、味については難癖をつける気にならなかった。一度開けると袋を閉じられないので、ひとりで食べるのには向かなかったとしても、複数人で“宅飲み”する場面などでは、濃いめの味つけにお酒がどんどん進むかもしれない。
純米酒/798円
最後に紹介するのは「純米酒」である。2リットルで798円という、驚くべき安さの日本酒なのだが、そこに気を取られてはいけない。
この純米酒を飲んだ人たちからは、「味がすごく薄い」という感想が目立つ。日本酒特有のコクがあまり感じられないため、晩酌用に買うと失敗し、2リットルというせっかくの大容量を持て余してしまうかもしれない。
しかし、味が薄いという短所も、日本酒が苦手で日頃さほど飲まない人からすれば、さっぱりと飲みやすい可能性もある。アルコール度数は一般的な日本酒と同程度の13~14度と、ビールなどに比べれば高いので、早めに酔っぱらいたい人にとっても好都合といえそうだ。
低価格で満足できる商品が多い情熱価格ブランドには、今回紹介した5品のように、需要がイマイチ偏っている感が否めない商品も含まれている。もっとも、MEGAドンキは深夜まで営業している店舗もあり、いざというときの間に合わせで買い物できて助かることがあるのも確かだ。そのときどきのシチュエーションに応じて、賢く利用していただきたい。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)