韓国かんこく国民こくみんのトンデモ思想しそう「日本にっぽんは序列じょれつが下した」　無理むりな条件じょうけんへの“屈服くっぷく”を要求ようきゅうし続つづける異常いじょうさ

　6月21～22日にち、韓国かんこく外交がいこう部ぶの尹いん炳世（ユン・ビョンセ）長官ちょうかんは、就任しゅうにん後ご初はじめて日本にっぽんを訪問ほうもんし、岸田きしだ文雄ふみお外相がいしょうと会談かいだんしました。双方そうほうとも、日にち韓かん首脳しゅのう会談かいだんに向むけて前向まえむきな姿勢しせいをアピールし、冷ひえ切きっていた日にち韓かん関係かんけいが、国交こっこう正常せいじょう化か50周年しゅうねんの節目ふしめに距離きょりが縮ちぢんだように見みえます。世界せかい文化ぶんか遺産いさんの登録とうろくをめぐって対立たいりつしていた問題もんだいについても、お互たがいに協力きょうりょくするとして前進ぜんしんしました。

　しかし、最大さいだいの懸案けんあんである慰安いあん婦ふ問題もんだいをめぐり、両国りょうこくの主張しゅちょうには依然いぜんとして大おおきな隔へだたりがあります。

　尹いん長官ちょうかんは会談かいだん後ご、「慰安いあん婦ふ問題もんだいの解決かいけつが最もっとも喫緊きっきんの課題かだい」としながらも、日にち韓かん国交こっこう正常せいじょう化か50周年しゅうねんに当あたる今年中ことしじゅうに決着けっちゃくをつけたいという意思いしが双方そうほうにあると語かたりました。

　また6月がつ23日にち、韓国かんこく外交がいこう部ぶの魯光鎰（ノ・グァンイル）報道ほうどう官かんは記者きしゃ会見かいけんで、「韓国かんこくは日にち韓かん首脳しゅのう会談かいだんにオープンな立場たちばである」としながら、「会談かいだんを実現じつげんするためには条件じょうけんがある」と述のべ、慰安いあん婦ふ問題もんだいで日本にっぽんが韓国かんこく国民こくみん、被害ひがい者しゃ、国際こくさい社会しゃかいが受うけ入いれられる解決かいけつ策さくを提示ていじすることを要求ようきゅうしました。さらに、8月がつに安倍晋三あべしんぞう首相しゅしょうが発表はっぴょうする予定よていの戦後せんご70年ねん談話だんわについて、「河野こうの談話だんわなど、歴代れきだい内ない閣かくの正ただしい歴史れきし観かんを引ひき継つぐべき」と述のべ、安倍あべ首相しゅしょうに歴史れきし認識にんしきを改あらためるように牽制けんせいしています。

国家こっか間あいだに序列じょれつをつける韓国かんこく

　韓国かんこくが、「オープン」と言いいながら条件じょうけんをつけるのはなぜでしょうか？　

　それは、日本にっぽん側がわがその条件じょうけんを簡単かんたんにのまないことを承知しょうちした上うえで、「韓国かんこく側がわは受うけ入いれる態勢たいせいがあるのに、日本にっぽん側がわがそれに応こたえないから会談かいだんが実現じつげんしないのだ」と国際こくさい的てきにアピールしたいからです。

　無条件むじょうけんかつ対等たいとうな立場たちばで会談かいだんに臨のぞまないのには理由りゆうがあります。韓国かんこくの国民こくみんは、日本にっぽんを韓国かんこくより立場たちばが下しただと考かんがえています。これは古ふるくからある「中華ちゅうか思想しそう」に基もとづくもので、一部いちぶの先進せんしん的てき思考しこうの持もち主ぬしを除のぞいて、圧倒的あっとうてき多数たすうの考かんがえ方かたです。おおまかに解釈かいしゃくすると、中華ちゅうか思想しそうは中国ちゅうごくを「天子てんし」、すなわち世界せかいの中心ちゅうしんと考かんがえ、そこから距離きょりが遠とおいほど立場たちばが低ひくくなるとするものです。

　特とくにアジア圏けんに対たいしては中華ちゅうか思想しそうを当あてはめようとしており、中国ちゅうごくが長男ちょうなん、韓国かんこくが次男じなん、日本にっぽんが三男さんなん、台湾たいわんが四よん男なんという概念がいねんは韓国かんこく全体ぜんたいを支配しはいしております。そして、儒教じゅきょうの影響えいきょうにより、年功序列ねんこうじょれつの価値かち観かんが日本にっぽんよりもはるかに強つよい韓国かんこくにおいては、兄弟きょうだいの序列じょれつは絶対ぜったい的てきなものです。

　韓国かんこくは、それを私人しじん間あいだのみならず、国家こっかレベルでの付つき合あいにまで求もとめているのです。したがって日にち韓かんが対等たいとうな立場たちばで付つき合あうことを韓国かんこく政府せいふは受うけ入いれないでしょうし、韓国かんこく国民こくみんも受うけ入いれないでしょう。日本にっぽんが膝ひざを屈かがめて「兄あに」である韓国かんこくを敬うやまわなければ、良好りょうこうな関係かんけいを築きずくことはできないというのが韓国かんこくの本音ほんねなのです。

　例たとえば、戦後せんごの賠償ばいしょう問題もんだいに関かんして1965年ねん、基本きほん条約じょうやくにて両国りょうこくの請求せいきゅう権けんは「完全かんぜんかつ最終さいしゅう的てきに解決かいけつした」と宣言せんげんされました。日本にっぽん側がわとしては、それをもって戦争せんそう問題もんだいはクリアになり、以降いこうは対等たいとうな関係かんけいであると考かんがえます。しかし、韓国かんこくは対等たいとうであること自体じたいが受うけ入いれられないのです。そこで、「慰安いあん婦ふおよび強制きょうせい徴用ちょうようについては、人道的じんどうてきな問題もんだいなので条約じょうやくは当あてはまらない」として、さらなる謝罪しゃざいと賠償ばいしょうを求もとめるようになったのです。

　韓国かんこくの初代しょだい大統領だいとうりょうである李り承晩しょうばんは、日本にっぽん統治とうち時代じだいの朝鮮ちょうせんを容認ようにんする思想しそうを徹底的てっていてきに排除はいじょしました。日本にっぽんを擁護ようごするような発言はつげんをした人物じんぶつを投獄とうごくや処刑しょけいしたのです。

　李り承晩しょうばん失脚しっきゃく後ごに大統領だいとうりょうとなった朴ぼく正煕せいきは、独裁どくさい体制たいせいを敷しく一方いっぽうで開発かいはつ独裁どくさいによる経済けいざい発展はってんを推おし進すすめ、「漢江かんこうの奇跡きせき」と呼よばれる飛躍ひやく的てきな発展はってんを遂とげることに成功せいこうしました。このように韓国かんこく経済けいざいに多大ただいな功績こうせきを挙あげたにもかかわらず暗殺あんさつされたのは、日本にっぽん統治とうち時代じだいを容認ようにんし、親日しんにち政策せいさくを取とったことが最もっとも大おおきな要因よういんといわれています。朴ぼく正煕せいきの娘むすめである朴ほお槿むくげ恵めぐみ大統領だいとうりょうが、安易あんいに親日しんにち政策せいさくを取とれない理由りゆうもここにあります。

　韓国かんこくとしては、国際こくさい的てき立場たちばや経済けいざい的てき観点かんてんなど、総合そうごう的てきに考かんがえて日本にっぽんと親密しんみつな関係かんけいを築きずくことがよいとは知しりつつも、「兄あに」としてのプライドが邪魔じゃまして歩あゆみ寄よれないのです。これは韓国かんこく国民こくみんの価値かち観かんの根幹こんかんにも携たずさわるものであり、「近ちかくて遠とおい国くに」であるゆえんとなっているのです。
（文ぶん＝林はやし秀しげる英えい／ジャーナリスト）